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植物はすごいと思う [歯茎におでき]

植物はすごいと思う。小さな蕾が出てきたと思ったら一週間で膨らみ、さらにどこにこんな内容物があったのかと思うほど蕾が大きくなる。人間は違う。人間がそんなに急に成長するのは、悪い時だ。おでき。こぶ。腫瘍。私は思い出す、歯茎におできが出来た時のことを。歯医者でおできを削り取ってもらった後、一週間経たずに歯茎にプツリと膨らみが出来た。こんなに早く肉芽が出来た。そうに違いない、と私は思った。でもそれは次第に大きくなり、歯医者で取ってもらう前と同じおできになった。結局歯根治療となり、削り取った歯茎はその後肉芽どころか削られて窪んだままだ。私は植物を称えたい。


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歯根治療 (14) [歯茎におでき]

今日は歯医者だった。朝起きた時、そういえば1回目の歯根治療では(今回は2回目)最後にレントゲンを撮った気がすると思った。それなら今回はレントゲンか、と考えつつ歯医者に行ったが、人生はたいてい予想通りではない。今日はレントゲンでなく、処置後の経過を診るのが一番の目的だったようだ。それと、歯磨きのしかたについて教わった。

1回目の歯根治療ではめたクラウンは、私の歯並びが悪いせいで、前の部分が2つの歯と接している。つまりクラウンを含めて3つの歯がほぼ隙間なくくっついている。私はこの部分だけはフロスも入らず磨けないと思い込んでいたが、今回教わったところによるとここもフロスを入れて掃除するのだそうだ。まさかここに糸が入るとは。正直私はびっくりした。3つの歯がくっついている所に、どうやって糸を通す?1回目のクラウンを入れてから何年経ったか忘れたが、隙間がないから糸を入れたことは一度もなかった。だから歯科衛生士さんが糸を入れた時にはさすがに臭かった。とはいえ、隙間がないに等しいので物が詰まっていたわけではない。歯医者では時々私の認識の甘さを思い知らされる。隙間のない所だろうと歯周ポケットの奥だろうと、磨けそうな所はどこであろうと磨けという事らしい。「こんな所は磨きようがないから、しかたがない」は駄目らしい。厳しいよ。

昔は親知らずが一番奥の歯だったが、その親知らずを抜いたから、そのひとつ手前の歯が一番奥の歯だ。この歯の親知らず側の側面は普通の歯ブラシでは届かないが、ペンタイプのブラシで掃除すると言われた。でもこれは実行済みなのだ。ドルツ(電動歯ブラシ)にペンタイプの毛先を付けて磨いていると告げると、電動でない手動のペンタイプの使用を勧められた。なかなか厳しい。

歯科衛生士さんに見てもらったところ、ブラシは当たっているそうだ。(私なりに頑張っているからな。)でも汚れが全部取れてはいないという。たしかに、ドルツのペンタイプは毛にコシがないからプラウトみたいに強く当てることができない。じつは私はプラウトももっている。使えそうな歯磨き道具はたいてい何でももっているんだ。でも全部使ってたら1回の歯磨きに30分40分かかって無茶だから、使う道具を選んでいた。でもプラウトも使わなきゃ駄目かなあ。厳しいなあ。

フロスは両手の指に巻くが、私は今まで指と指の間を長くしていた。長く糸を引くことで、糸のきれいな所をたくさん歯に触れさせて掃除しようと思ったからだ。でも糸を長く持つと掃除しにくいと言われた。実際、短く持つほうが楽だった。

そんなわけで今日は治療と呼ぶほどのことをしなかったが、それにしては支払い額が高かったな。あ、歯石取りと研磨はした。

ようやくこれで、歯根治療関係が全部終わりだそうだ。次回は定期検診で、来年。

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歯根治療(13) [歯茎におでき]

私が歯医者に通い始めたのは今年の2月ごろだった。初めは定期検診のはずが、親知らずを抜きましょうと言われ、大学病院へ。抜いたら口の中へ骨が出っ張ってきて、それを地元の歯医者さんは削るべき、大学病院の歯医者さんは削らなくていいと言い、間に挟まれた私。と思ったら歯茎に膿のおできが。それが、去年決まったリストラの生活不安で歯を食いしばり続けた結果の歯髄壊死と判明。骨を削るどころの話ではなくなり、歯根治療へ。歯根治療は何回も歯医者に通うが、地元の歯医者さんは患者が多いと見えて次回の治療が数週間待ち。数回の治療に数ヶ月がかかり、10月24日の今日、やっとクラウンが入った。2月から歯根治療が始まったわけではないが、私にとっては今年の初めごろから歯医者に通ってばかりだった。春の段階でもう疲れ果て、夏には自暴自棄になり、秋には歯を考える事もしなくなった。もうブログの話題にしようという気も失せていた。

けじめという事で今回までは記事を書くが、以前のような詳細で一生懸命な記事はもう無理というものだ。

治療の所要時間1時間弱。椅子に座るとさっそく横になり、出来てきたクラウンをはめてみる事に。予想通り、少しきつい。これを、きつい部分を削ってゆくわけだ。私の担当の歯科衛生士さんが、前はいいが後ろがどうのと言って、他の歯科衛生士さんに替わって少し試し、その人はすぐに去って、それから男の人が来た。この歯科医院の先生ではない。私の担当の歯科衛生士さんと話している。「ふつうは3点咬合で見るんだけど」とか言っていたが、なにしろ私に知識がなく声を聞いただけだから、さっきの台詞内の漢字は合っているかどうかわからない。反対側の咬合も見なきゃだめだとか言っていた。で、クラウンを入れたのとは反対側の奥歯も噛んでみて、咬合紙抜けないねと言っていた。噛み合わせがあるという意味か?舌側(ぜっそく)もどうのと言っていた。最終的に調整したクラウンを入れて噛んでみて、高さが高すぎないことを私が確認して、それからこの歯科医院の先生が来て、見て、それで行く事になる。(ここの先生は、歯科衛生士さんに任せる治療でも必ず1回は患者に会いに来る。)

前に歯根治療をした時はクラウンをかぶせる前に歯茎を押し下げたと記憶しているのだが、記憶違いだっただろうか、今回はそういう処置はなかった。こういう時今までの私なら以前のブログ記事をちゃんと確認するのだが、上述のとおりにもう気力も失せているのでご勘弁。でも上の文に出てくる「私が耳で聞いた」術語はいちおうネットで「それらしい漢字表記」を調べた。本来そういう作業は私は好きなんだ。でも歯の事はもう疲れたよ・・・

クラウンをかぶせる歯(削ってずいぶん小さくなってしまった)に風を吹きかけて乾かす。私がボーッとしていると、どうやら舌が歯に触れたらしくて、「濡れるとセメントの付きが悪くなるので口を大きめに開けてください」と言われた。で、また風を吹きかけて乾かす。それからセメントを練りますとか言ってた気がするんだけど歯科用セメントってのが練るものなのかは私は知らない。時間と気力があれば調べる所だけど今日はご勘弁。クラウンをはめて、セメントが固まるまで、クラウンが浮かないように強めに噛んでいる。椅子の背もたれを上げてくれたので噛んでいるのが楽だった。

それから、歯茎付近の余分なセメントを器具で取り、研磨剤の付いた糸楊子と思われるもの(なにしろ私は目にタオルを載せられているから感触で察するしかない)で隣の歯との間に詰まったセメントを取る。前に歯根治療をした時にはこの糸楊子は使わなかった気がするんだが、とはいえ前回は、クラウンの前側は2つの歯に接するという特殊な形状で(私の顎が小さくてがちゃ歯だから)、少なくとも前側には糸楊子は入れられない。今でもそこはセメントで他の歯とくっついている状態だ。ところで、糸楊子に研磨剤が付いていて、それが唇にも押し当てられ動かされるので、唇が痛かった。

治療後30分は飲んだり食べたりできない。どうせ会計を待つのにだいぶかかり、それから家まで帰るから、何も気にする必要はないが。今回はクラウンの代金が含まれるからか、支払いが3千円以上した。

これで治療は終わりかなどうかなと思っていたが、会計で、歯が入ったので次回は1ヶ月後でいいと言われた。まだ続くらしい。ひょっとすると、マウスピースを作るのかもしれない。歯根治療関係はこれで終わりじゃないだろうか。

今回は急いでいるので、文章校正なしにこのまますぐUPしたい。誤字脱字変な文章があったらごかんべん。

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歯根治療(12) [歯茎におでき]

今日は型を取る作業だったが、口を開けている私は暇に違いないと思い、作業過程を家まで覚えてこのブログ記事が書けるようにと作業に番号をふって覚えることにした。そうしたら過程は全部で8つあった。

まずは歯科衛生士さんが
1.仮歯をつけたままで下あご右半分の歯型をとった。

2.仮歯とその上の歯の噛み合わせ部分だけを、歯を噛み合わせて型をとった。

3.仮歯を取った。外側に何かをひっかけて抜き取ったように感じた。このプラスチックの仮歯はまた後でかぶせることになる。

前回と同じ銀色の歯ならば保険が適用されるが、白い色にすると3万円+消費税分かかるという説明があった。私はもう結構なおじさんの歳になっているし、そもそももっと若い頃に、外見を気にする歳の頃に治療した歯が銀なのに、いまさらもう片方を白にする意味がない。だから前回と同じでいいと言った。

4.その後、先生登場。どうやら歯を削る作業の時には先生らしい。「仕上げをします」とおっしゃって、歯を少し削ったようだ。

そして歯科衛生士さんが
5.仮歯を取った歯と上の歯の噛み合わせ部分だけを、歯を噛み合わせて型をとった。

6.仮歯を取った下あご右半分の歯型をとった。

7.上あご右半分の歯型をとった。

8.仮歯をまた付けた。この時、そのまま元通りに嵌まるわけではなかった。歯科衛生士さんは「仮歯を少しきつくしますね」と言ってどこかへ行った。一度抜いたからプラスチックが多少変形したのだろうか?とにかく少し時間をかけて調整し、また仮歯は私の口の中に納まった。

次回は、金属製のクラウンを付ける。予約が一杯とのことで、また一ヶ月弱待つことになった。

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歯根治療(11) [歯茎におでき]

今日は金属の補強を取って仮歯を作った。

まず感覚的に、どうやら金属の補強は付けたまま歯の頭部分を削っているようだった。その後で歯科衛生士さんに交代してセメントを詰めているらしかった。それが終わったら歯科衛生士さんが、「歯の欠損が大きかったので補充しました」と言った。たぶん、以前の虫歯治療で削った部分のことだろう。ほら、私自身も以前の記事で、ちくわ状に削られた歯の縁に一部平らな部分がないと書いた記憶がある。それだろう。先生がまたいらっしゃって「土台の補強をしました」と。次に「仮歯を作る治療をします」と。今度は金属の補強を削っているのが感覚的にわかる。外側からと、内側からと。外れるように金属の一部を削っているらしい。それから歯科衛生士さんに交代して金属の補強を外した。そしてまた先生。今度は歯そのものの側面をけずっているようだ。歯の頭も削ったようだ。なぜわかるかというと、噛み合わせてくださいと作業の途中で何回か言われたが、噛むたびに上の歯との噛み合わせの違和感が減っていったから。そしてまた歯科衛生士さんに交代。歯の高さを見ますと言われて、歯に何か付けてからしばらく噛んだままでいた。すると歯に付けたものが「噛んだ後のチューインガム」みたいな感じに固まった。それから今度は下の歯だけの型をとった。この時点でひとまず休憩。仮歯が出来るまで約2時間待つ。私はその間に買い物に行って一度帰宅した。

私はふたたび歯医者に行った。歯科衛生士さんは仮歯の高さを合わせるために、仮歯を入れてから赤くて薄い板みたいのを私に噛ませた。そう、この時は目にタオルをかけなかった。この歯医者では今までずっと目隠しをしたから、ここでの記録は眼で見えず感覚的にどうこうと書くしかなかったが。私が思うに、今回の歯科衛生士さんがこの歯科医院の流儀に従っていなかったのだろう。とにかくそれでやっとわかった。今まで噛んでガチガチやっていたのは、噛み合わせがある部分に赤い色が付く仕組みだったのか。目隠しなしの歯科医院なら最初の処置でわかることも、目隠しされるとこれだけ長い間わからない。で、仮歯を外しては削り、それからまた試した。今日は仮歯を入れる所まで。

1回目に歯根治療をした時の仮歯はお団子みたいな形をしていたと記憶しているが、今回のはそれよりも歯に近い形をしている。歯科衛生士さんが、仮歯はプラスチックと言ったのでちょっと驚きながらも、だから小さな歯科医院で成型できるのかと納得。固いものやガムは噛めない。この仮歯と本来の歯の隙間を埋めているものは、付けた時にはきっと流動物だったんだろうが、今では頼りない固形物だ。仮歯からはみ出た部分を指でつまみ取ると、ボロボロと崩れた。仮歯も接着剤も頼りない。

会計で、「次回は型を取るので」と言われた。型なら今日仮歯を作る時に取ったが、また取るのだろう。私は歯根治療が今回で2回目だから、こういう時は1回目の記録を参照して確認するのが常だったが、なんかもう、何ヶ月もかけて治療しているので気力が失せた。

治療中によくあるピッ・・・(しばらくして)ピッ・・・(その後でまた音が出る)という音の出る機械。あれの正体がずっとわからなかった。セメントみたいなものを詰めた後に使うので、まさか固める機械ということもあるまいがと思っていた。今日は先生が歯科衛生士さんに交代する時に「光」と言ったので、ひかりぃー?と思いながら帰宅して調べてみた。そうしたらホントに固める機械だった。

今日は待合室にいる間に地震があった。揺れが始まると歯科衛生士さんが待合室と治療室の間のドアを開けた。こういう時のマニュアルがあるんだな。

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歯根治療(10) [歯茎におでき]

今日で根の治療が終わったと言われた。やった事はおそらく今までと同じだろう。最初に歯科衛生士さんによる問診と歯のコンコン(響きますかと聞かれるが普通の状態でどれくらい響くかがわからないので、比較のために隣の歯も叩いてもらった)、それから口にゴム膜を付ける。今日の人は上手かった。ゴムが張っている感覚でわかる。そして先生が仮詰めをドリルで取って、それから内側を磨くような感覚。そして、ぐりぐり、ごしごし、引き抜く。時々紙をペラっとめくる音。またごしごし。終わったかなと思ったらまたごしごし。薬の臭い。たとえて言えば漂白剤を思い出させるような臭い。別の行程に移ったかなと思ったらまたごしごし。正直なところ、もう「ぐりぐり、ごしごし、引き抜く」以外はどんな作業をしているのか見当がつかない。そして前回のように、眠りを誘ういい気持ちになってきた。治療が始まった頃は唾液が気になって不必要に飲み込んでいたが、いい気持ちになった後はもうその必要もない。だから思った。これはまた長時間やっているな、30分を越したな、と。そのうちに先生がおっしゃった。「あと10分、あと10分やりますので、そのまま待っていてください。」さすがに私はびっくりした。すでにいい気持ちになっているのに、これから10分もやったら、トータルで何十分やる事になるだろう。終わって目のタオルを取られ起き上がった時に腕時計を見たら午後8時だった。治療室に呼ばれたのが6時40分ごろ、治療が始まったのはおそらくその10分くらい後か。今回も1時間か、ひょっとするとそれ以上やっていたようだ。その理由はおそらく、厄介な根管だろう。手前側の歯根の根管は途中で二股に分かれ、細く、曲がっているそうだ。横になって口を開けながら、時々口に当たる先生の手(指関節?)の感じで、作業が大変そうだなというのは私にも伝わってきた。

ガッターパーチャなるものがもう入ったのか、次回なのかはわからない。とにかく次回はかぶせてゆくという。次回治療は9月16日。次回は時間のかかる治療ですと言われたが、その後に私の聞き間違いと思われる言葉があった。「4時間くらい」と聞こえた。そんな馬鹿なことはないだろう。次回は何をするんだろう。私の1回目の歯根治療のブログ記事から、それらしき記述を探した。もしもこれだとすると、ガッターパーチャはもう入ったことになるが。

http://blueclouds.blog.so-net.ne.jp/2007-02-22

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歯根治療(9) [歯茎におでき]

治療室に呼ばれてから出てくるまでにちょうど1時間。今日の治療は長かった。タオルで目隠ししているのでよくわからないが、仮詰めを取って根管をごしごしやってまた仮詰めしたのは間違いない。今までの仮詰めを取った後で磨くような動作に結構時間を費やした。仮詰めがきれいに取れなかったのか内側が汚れていたのか、そのへんはわからない。それから例のごしごし。これが、終わったかなーと思ったらまた始まり、別の事をしているようだから再仮詰めかなーと思ったらまたごしごし。そのうちに私は何かいい気持ちになって、わたしゃここで寝てるからいつまででもやってねーという感じになってきた。(一生懸命の先生にはとてもこんな事は言えないが。)全部終わった後ですぐ腕時計を見て1時間経っているのを知った時には驚いた。だって、午後の診療時間まであと40分しかない。昼飯と休憩が必要なのに。先生ぜったい無理してる。で、最後の短い会話で根の治療があと1回くらいとおっしゃった。そういう事か。今回は2倍近い時間。数えてみたら予定回数5回に1回足りない全4回。つまり今回は2回分やったんだろう。先生が無理する事を患者は望まないんだけどな。でも先生にお任せするしかない。会計の前に先生が会計担当者に何か言って、それからしばらくして私が呼ばれた。次回は8月26日だという。これを聞いて私はまたびっくりした。だって、前回は3週間半待ち、その前は2週間ちょっと待ち、だから今回もそれくらい先のはずだが、加えて今回は医院のお盆休みが1週間入る。だから9月上旬だと私は思い込んでいた。とはいえ、一患者の私には何ひとつ事情がわからない。すべてお任せするのみだ。2回分なら支払いが多いだろうと思って前回と比べたら同じ。先生は私がリストラされたのを知ってるから(そもそもその苦しみで毎晩歯軋りして歯がこうなった)、ひょっとしたら治療費があまりかからないように頑張ってくださっているのかもしれない。

横になって口開けて、一生懸命ごしごしやっている先生の気配を感じながら考えた。人間が仕事をするなら、誰かに感謝される仕事をできたらいいな。つい仕事というのは生きるため、金を稼ぐために必要なものという考えが先に立つ人生だが、同じ「命と元気の切り売り」をするにしても、人に感謝されるような立派な仕事というのはすごいなあ。それにひきかえ、大学教授というのは何のためにいるのかわからない人達だよ。もちろん彼らが大学のとくに自分の学部学科のことを決めているのだが、観察していてどうにも感謝も尊敬もしたくない。そうだなあ。とにかく自分が今もっている仕事は、クライアント(私の場合は教え子)に感謝されるような努力をするべきだなあと思った。前にも話したっけ。私がこの歯医者に来て良かったと思うのは、歯の治療だけでなく、そこで働いている人たちを見て「職業人としての人間」とは何かを考えさせられるからでもあるんだ。

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歯根治療(8) [歯茎におでき]

前回根管の長さを測ったので、今回から歯根の本当の治療となる。正味およそ半時間。タオルで目隠しをしていたが想像するに、仮詰めを取り、根管内をきれいにし、また仮詰めをしたと思われる。

根管内をきれいにするというのは、しなる細い針金状のものを差し込んで、時にはぐりぐり、あるいはごしごしと動かし、それから引き抜いている感覚がある。タオルの目隠しがあるから、それ以上はわからない。

治療後に先生との短い会話があり、(おそらく根管内が)「だいぶきれいになってきた」とのこと。治療している歯は下顎の奥歯なので歯根は2本。私の場合、奥側の歯根の根管はまっすぐできれいにしやすいが、手前側の歯根の根管は途中で二股に分かれ、細く、曲がっているそうだ。(前回レントゲン写真を見せてもらった時に私も、二股に分かれた根管がほぼ並行して走っているように見え、嫌な予感がした。)今後、この根管に詰め物が通るように整形してゆくとのこと。

今回私の口にゴム膜を張ってくれた歯科衛生士さんは、張り方が上手くない人だった。最初私は思った。誰でも最初は上手くなく、経験を重ねるうちに上手くなる。患者と歯科衛生士さんはいわば共同作業をしており、私はこの歯科衛生士さんを応援したい。私はこの歯科衛生士さんの経験値向上に貢献できてよかった、と。でもすぐに私は自分の浅はかさを知った。歯根治療の進行中に、舌の付け根の辺り、のどの奥にチクチクと違和感を感じるようになった。私は察した。ゴム膜がうまく張れていなくて、歯根の削りかすが口内に落ちてきたんだろう。その証拠に、歯根治療の途中で先生がゴム膜の端から器具を入れて吸引をした。歯根治療の最中だから、「ちょっとうがいを」とは言えない。治療が終わるまで我慢しなければ。そうこうするうちにチクチクは奥へ入って気管のほうへ入りかけたらしい。治療の後で私は何度も咳をして異物を出そうとしたが、出たかどうかわからなかった。この記事を書いている今でも喉に違和感がある。やっぱり上手い人にやってもらわなきゃ駄目だ、と私は考えを変えた。

私の気のせいかもしれないが、仮詰めの材質が最初のものに戻ったような気がする。最初の仮詰めはちょっと赤っぽくて舌触りはざらついていた。その仮詰めの後、おそらく神経をいじってからすぐに詰めたせいで、歯茎に腫れと膿が出た。次の治療時、仮詰めは白くて舌触りは滑らかだった。その後、歯茎の腫れと膿はなくなった。そして今回の治療では仮詰めがまた赤っぽくて舌触りがざらついている。

次回の治療は8月5日となった。今日は7月11日だ。何週間後か、考えるのも嫌なので考えない。きっとその日が来るまでに、歯根治療の途中だということすら忘れているだろう。

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歯根治療(7) [歯茎におでき]

治療室に呼ばれたのが1時ちょっと前、治療が終わったのが1時半ごろだったと思う。

まず歯科衛生士さんから具合を聞かれた。仕事で1時間くらい喋ると歯茎が腫れるのか歯がガチガチ当たる話などをした。歯科衛生士さんが私の歯茎を押してみて、膿が出ていると言った。歯茎の膨れた所は、やはり膿だったか。それから治療する歯だけをゴム膜から出して、ゴム膜を口に貼り付ける作業。このへんの手順は、私は何度も患者をやっているので、もう予想通りだ。(もっともゴム膜がどんな物でどういう風に歯を出し、口に貼り付けるのかは、患者からは見えないから知らない。)このゴム膜貼り付けにはどうやらコツがあるらしく、上手い人は一発でうまく行き、そうでない人は何度かトライした末に貼り付け方がいまひとつとなる。いまひとつかどうかは、患者はゴムの貼り付き具合でわかる。あきらかに一部がたるんでいるという感触があれば、後で先生が来た時に直すだろう。

ふつうゴム膜を付けるのは患者にとっては何でもなく、ましてや痛いなんて事はない。ところが私の歯茎は腫れているので、ゴム膜を付けようとして歯に力が加わるとちょっと痛かった。繰り返して言うが、歯茎が腫れてさえいなければ全然痛い作業ではない。

それから先生が来た。今回は色々やった。まず仮詰めを取った。それから、ピッピッと音のする、たぶん歯根の長さを測る機械が再登場した。細いドリルで歯根を掃除する作業も、少しだけだがあった。それから、寝たままでレントゲンを撮った。顔にタオルがかかっていたので見えなかったが、体には重い鉛のプロテクターを載せて、まず間違いなく、あの部分的な拡大レントゲン写真を撮る時の機械が歯の近くまで来ていたに違いない。歯の裏側には小さな板を当てて、それを私自身の人差し指で押さえる。長年患者をやっていると見えなくても大体わかるものだ。それが終わってから先生があまり歯を触らない時間があったが、これは後でわかった所では歯の仮詰めをしていたらしい。

ゴム膜を付ける時は上記のとおりちょっと痛かったが、歯根治療中は一度も痛くなかった。

何年も前、第1回の歯根治療の時と比べると、レントゲンを撮るタイミングが治療1日分後へずれた。これは私が考えるに、先生は前回の治療でレントゲンまで終えるつもりだったのではないか。ところが私の歯髄が一部残っていて痛がったから、その歯髄を取るのに時間を使ってしまった。それで次回の治療にレントゲンがずれ込んだのではないか。

先生がレントゲンを私に見せて言うには、後ろ側の根は根管が1本、前側の根は根管が途中から2つに分かれていて、だから根管は全部で3本。その3本の長さを今日ちゃんと測った。これでようやくスタートラインだそうだ。ここから数えて5回くらい根管治療にかかるようだ。

先生は歯髄とか根管とかいう用語は使わない。素人にわかるように、神経とか根っこの中の管とか言う。だからもしもここで使う用語が間違っていたら、それは先生のせいではなく、私が間違っているのだ。

最初に歯科衛生士さんに伝えた歯茎の腫れ、それと膿の話は、ちゃんと先生に伝わっていたが、とくに治療はなかった。帰宅後に気づいたのだが、仮詰めの舌触りが前回と違う気がする。滑らかになった。歯茎の腫れの原因は歯髄をいじってからすぐに仮詰めをしたせいのようだし、仮詰めの材質がもしも変わったならば、歯茎の腫れへの対処かもしれない。もちろん正確な所は先生に聞かないとわからないが。

次回の予約日がいつかというと、7月11日だ。2週間ちょっと先。治療が終わるのは秋、ひょっとすると冬かもしれない。

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歯根治療(6) 経過2 [歯茎におでき]

私としては歯根治療の典型例を載せられれば人々の参考になるだろうと思っていたが、残念ながら今回の私の症状は典型例にならないようだ。神経が全部壊死していれば典型例になっていただろうが、少しだけ残っていたから、以前の記事に書いたとおり歯根の長さを測る時点でその神経をいじった。それから仮詰め、つまり蓋をしなければならなかった。それを先生が気にしていた。私から見ると不思議なほどに心配していた。「何かあったら優先して診ますから」と、不思議な事を言った。私はそれまで、治療をした後でこじれた経験がなかった。だから今回も何もないだろうと思っていた。

その後の最初の仕事を終えて夜寝ていたらズキンズキンとした話は前に書いた。その次の日の晩も、さらに強くズキンズキンとした。私は心配した。もしもこれ以上ズキズキするようになったら医者に行かねばならないと。でもその次の日はもうズキズキしなかった。

その後はズキズキという感じはなく。圧迫感だけがあった。私は喋る仕事をしているので、仕事のある日は喋った後数時間の時間差攻撃で歯茎に圧迫感を覚えた。それがおもな症状だった。たいした症状ではないが、それが3週間ずっと続いている。

そうこうするうちに、夜寝ていて歯がガチガチ!と噛み合って目が覚めるようになった。これは歯の症状ではなく私の癖なんだろうが、どうなったんだろう。ストレスか?今までも食いしばりならば私はよくした。でも寝ていて無意識にガチガチ!と噛み合わせるなんて、そんな癖は少なくとも今まで自覚していなかった。当然その後は歯に圧迫感が来た。

そして今日の晩、気づくと歯茎が膨らんでいた。腫れなのか膿なのかはまだわからない。今までは圧迫感はあったが、歯茎に膨らみはなかった。新しい症状だ。当然歯医者に行くべきだが、あと数日で歯根治療の予約日だ。だからこれから新たに予約するよりも、すでにある予約日を待ったほうが早い。さて、これを見て先生はどう言うだろう。私はすごく臆病なので、今までいつも小さな症状にビクビクしていたが、今回は半年前から事件続き(リストラによるストレスで食いしばり、歯髄の壊死、大学病院での親知らず抜歯、抜歯後に顎の骨が内側へ出てそれを削る削らないの話、誌髄が壊死した歯からの膿、そして歯根治療)だから、もうとっくに心がくたびれ果てて反応しなくなった。まな板の上の鯉というか、なげやりというか。患者がなげやりでは先生に悪いのはわかっているが、もう疲れた。いつもなら歯茎が膨らんで不安になり慌てているはずなのに、この無反応ぶり、相当疲れてしまったんだ。

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歯根治療(5) 経過 [歯茎におでき]

処置当日、とくに痛みなし。処置が7時半ごろ終わったのでその日は帰宅後たいしたこともせず就寝。

翌朝、ありきたりの姿勢でかがんで頭を下げた時に歯がズキンとした。その後何もなし。神経がなくて歯の真ん中が大穴になったというのに、感覚があるのが不思議だ。そういえば、痛くなるかもしれないということで消炎剤と化膿止めと鎮痛剤をもらったのだが、歯髄がなくなった今、痛くなるのは一体どこの神経なんだろう。

歯茎におできができていた頃は、歯茎が腫れて、喋ると変にガチガチと歯が当たることがあった。それが、歯に大穴をあけてからは歯が当たらなくなっていたが、それがまたガチガチと当たりはじめた。歯にわずかな圧迫感もある。また歯茎が腫れてきたのだろうか。

少なくとも1日分は薬を飲むようにと言われていたので1日分つまり3回分は飲んだ。その後は飲まなかった。なぜならストレスが溜まって酒が飲みたくなり、酒と薬の相性がおそらく良くないからだ。飲むと決めたとたんにストレスが取れて気分がスッキリして別人のようになった。飲酒中も飲んだ後もとくに痛みなし。例の圧迫感だけはあった。

3日目は、リストラ後に残った職場の仕事がある日だった。説明すると、私は非常勤講師職で生きており、非常勤職はひとつの職場で数コマしかもらえない。(過去にすべての学校がコマ数制限をした時代があり、それ以来日本ではこうだ。)非常勤で生きる人間は複数の職場をかけもちして一週間の仕事を埋めてきた。私は2つの職場をかけもちしていたが、そのうちのひとつでリストラされた。もう一方が残っている。で、教師というのは授業中に教え子に説明する間ずっと喋る。すると、上に書いたガチガチと歯が当たるのが起きる。でも仕事だから喋るのはやめない。しかも情熱的に喋るほどひどくガチガチ当たって「痛い」と思うが喋るのはやめない。それで仕事から帰ると、たとえば以前に歯茎に膿のおできがあった頃には、おできがそれまでより少し大きくなっていたりした。さて今回はというと、夜中に歯の痛みで目が覚めた。たいした痛みじゃない。ズキズキ系の感覚だが、ズキズキというほどひどくない。ただ、今まで特定の格好をした時に一瞬ズキンとしただけの歯が初めて継続的に痛くなったということが、私自身にとっては珍しいことだった。

消炎剤と化膿止めを改めて飲み始めよう思った。ただし今はまだ夜だ。消炎剤と化膿止めは食後に飲むことになっているが、朝食までにまだ数時間がある。そこでとりあえず鎮痛剤を飲むことにした。

私はどこかが痛くなっても鎮痛剤を服用するという気持ちがなく、今までに医者からもらった鎮痛剤(ただのバファリンだが)が薬箱に山のようにそのまま存在する。10年くらい経った古いものから順に捨てているが、いつももったいないと思っていた。なんで鎮痛剤を飲まないのかは自分でもわからない。ひとつには不信感がある。本当にものすごく痛い時は、痛み止めの錠剤なんて何の役にも立たない。はるか昔に、子供の頃からの虫歯が末期症状になって、歯根から歯槽骨のほうへ病気が進行した時がそうだった。氷で顎の感覚がなくなるまで冷やすのが唯一の痛み止めの方法で、少しでも顎の感覚が戻ると一瞬でも耐えられない激痛が走った。夜中じゅう、冷蔵庫で大量に氷を作ってはビニル袋に入れて口に押し当てていたのを今でも忘れない。それに比べれば、他のすべての痛みがまだましに思えるので、私は鎮痛剤なしで耐えてしまうのだ。でも鎮痛剤がもったいないから、今回は薬箱の整理だと思って惜しまず使おう。

現在、バファリンを飲んで半時間くらい。さすがにこの程度の弱い痛覚だとバファリンで十分効くようだ。というか、もうじき朝日が昇るというのに眠くなったぞ。

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歯根治療(4) [歯茎におでき]

今回の治療は、歯に空いた大穴の内側をきれいに削り、歯根の長さを測った。昔の1回目の歯根治療記事では
http://blueclouds.blog.so-net.ne.jp/2006-12-01
に相当する。今回は治療中にちょっとした事(後述)が起きたので、その記録がメインになってしまった。歯根の長さを測る器具については昔の1回目の記事のほうが一般的に書かれている。

今回の治療では最後に仮詰めもした。1回目の歯根治療ではこの時点でまだ仮詰めをしなかった。今回仮詰めをしたのは、ひょっとすると歯に大穴を空けてからもう3週間以上経っているからか、あるいは次回予約まで3週間もあるからかもしれない。

まずは歯科衛生士さんに、口にゴム膜らしきものを付けてもらう。なにしろ最初に目の上にタオルを載せられちゃうので、見る事はできない。治療する歯だけ出して、ゴム膜の端を口の周りに引っぱって、どうやるのかは見えないが留めている。これを付けると口が必然的に開いた状態で押さえられるから、頑張って口を開いていなくても口が開いたままになるので楽だ。

今日はすぐに歯根の長さを測るのかと思っていたが、まず歯に空いた大穴の内側をきれいに削ることから始まったようだ。私には相変わらず音と顎の振動しかわからないが、そんな感じだ。これに結構時間をかけた。それから歯根の長さを測るための器具を根管に差し込む。ここでちょっとした事が起きた。以前に歯根治療をした時には何という事もなく終わったのだが、今回は何やら奥に達した感触があった後、さらに器具を奥へ入れようとすると痛い感じがするじゃないか。私は臆病だから、今回は何度も先生に意思表示してしまったよ。

実はこれ、前に神経の壊死を調べるイーなんとかという機器を使った時から私はひょっとしたらと思っていた。問題の歯のごく限られた場所で試した時に、わずかに感覚があったんだ。それに1回目に歯根治療をした時はおできが2つできた。つまり2つの歯根の先から膿がそれぞれ出ていた。今回はおできが1つだ。おそらく1つの歯根の先から膿が出ていたのだろう。膿が出なかったほうの歯根は神経が中途半端に生き延びていた。これが私の想像だった。先生いわく、神経の8割方は壊死しているが少し感覚が残っている部分があるという。今回はそこをいじってから仮詰めしたので、まれに痛くなることがあるそうで、消炎剤と化膿止めと痛み止めをもらってきた。

消炎剤と化膿止めは、痛みが出なくても1日分は飲んでくださいと言われた。つまり痛みが出なければ1日分のみの服用で良いという事だ。私は今までこれを勘違いしていて、痛みもないのに1日分どころか出されたものは全部飲んでいたよ。これからは改めよう。

次回の予約は6月24日。なんと3週間後だ。

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歯根治療(3) [歯茎におでき]

今日の治療は歯を補強する金属をはめるだけだというのは、1回目の歯根治療の時の記録でわかっていた。ところが30分以上かかった。

なぜかというと、歯型をもとに作られた金属がそのままぴったりはまるわけではなく、微調整をするからだ。最初にはめた時には隣の歯を少し圧して圧迫感があった。それを何度も取っては削り(見えないからわからないけど削っているのだろう)、高さも紙みたいなものをガチガチ噛ませたり歯ぎしりさせたりして確かめて調整し、最終的にはめた時には違和感がない状態になっている。削り終えたらその金属を磨き、歯科用セメントをつけて(見えないけどたぶんそうだろう)、歯にはめて、しばらく噛んでセメントが固まるのを待つ。

以前の記事で、1回目の歯根治療では大穴を開けた歯が阿蘇山中岳噴火口で、2回目はちくわだと書いたが、補強の金属がはまってみれば何のことはない、同じだ。その形は、おすしの太巻きを思い出してもらいたい。あれは巻く時には長く作るが、食べるサイズに輪切りにする。その輪切りをひとつ、横にして置く。で、この太巻きは中心の具がたっぷり入っていると想像してくれ。いま、その中心の具をまるごと抜き取った。真ん中に大きな穴、周りにごはん。いちばん外側に海苔。太巻きの輪切りを横にして置いたから、切り口が上を向いている。この切り口の所で、海苔がちょっと切り口まで巻きこんで貼りついていると想像しよう。それを超ミニサイズにすると、今の私の歯だ。実際には海苔じゃなくて金属だから、色は黒じゃなくて銀色だ。

これからの数週間は、この金属が私の歯の一部となる。・・・と思っていたら、会計の後、次回の予約がなんと2週間半も後になった。この調子で行くと、数週間では済まない。歯根治療は午前か午後の最後の時間帯に行い、しかもどうやら1日に1回つまり午前か午後だけらしい。それはわかる。ただでさえ営業時間中は仕事をしっぱなしの先生が、大変な作業を1日に2回もやれない。それはわかるが、歯に大穴をあけてからすでに1週間、仮詰めは少し歯根治療が進んでからだと思うのだが、一体いつのことやら見えなくなった。歯科衛生士さんは「歯を磨いていいですよ」と言っていたが、大穴の奥を掃除し続けるのか。

そういうわけで、次回の歯根治療記事は6月に入ってからでないと書けない。次回からがいわゆる「歯根治療」となる。

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歯根治療(2) [歯茎におでき]

2回目の治療はまだだ。前回(1)の記事で初回治療から書き始めてしまったから、治療前の記録を書いていない。そこで今回は、歯根治療前のことを書いておきたい。

本当に歯根が悪くておできができているのか。歯茎におできができたからといって歯根治療の必要があるのか。歯科医院には、これがちゃんとわかる機器がある。私は治療される側なので、その機器が自分の目の近くに来た時は上向いて口を開けているから、どんな形状かは見たことがない。医者は歯科衛生士にイーなんとかと言っているが、私の気が動転しているせいで何度聞いても聞き逃がしてよく聞こえない。イーはひょっとしてelectricのEかもしれない。電気がピリッとくるやつだから。これを歯に当てて医者がスイッチを入れるか何かすると、歯に神経があればピリッとくる。神経が壊死している歯は何も感じない。おできができた歯茎のすぐ近くの歯がピリッとこなければ、医者は歯根治療を考えるに違いない。でも今回わかったのは、このイーなんとかはさらに優れモノだということだ。今回の私のおできは、6番目の歯と7番目の歯の間の歯茎にできた。どちらかといえば7番目の歯に近い場所だ。どちちらの歯にも虫歯治療をした時の金属があるが、6番目のほうは私がスニッカーズを噛んだら外れてしまったので、後から金属を作り直した。虫歯が進行しているならむしろ治療が古い7番目が怪しい。おできの位置も7番目に近い。私はそう思っていた。ところが例のイーなんとかを使うと、ピリッとこないのは6番目のほうだった。このイーなんとかで調べると、たとえおできと歯が少し離れていたとしても、治療すべき歯がちゃんとわかる。

では6番目の歯が虫歯になっていたのかというと、今回はそうでない気がする。歯の神経が壊死する原因は虫歯だけではない。今回の私は、職場からリストラを宣告されて苦しんでいた。正月休みには、もうじき職場から見放されるという不安で頭がどうかしてしまい、正しくものを考えられなくなり、酒浸りになり、寝ても起きても不安に襲われるので就寝時にはひどい食いしばりをした。起きたら顎が変なほどの食いしばりを毎晩やったが、そうやってどこかに不安をぶつけないと生きてゆけなかった。そのツケが、少し経ってから現れた。最初は知覚過敏かと思った。そのうちに、ものを食べると激痛が走るようになった。だからそちらの歯ではものを噛まないようにした。その時はまだ、噛まなければ痛みはなかったが、さらに日にちが経つと夜中に何もしないのに突然歯が痛みだした。これが2晩続いた。どうしてしまったのかと思ったが、この2晩の後、痛みは襲ってこなくなった。ものを噛んでも痛くない。私は治ったんだと思った。それからさらに日にちが経ち、ある日歯茎におできができた。

今日はあと2つ書きたい。

歯根治療が決まっていなければ、歯医者は歯茎に麻酔液をかけておできを掻き取る治療をする。ところがいったん歯根治療が決まると、もうおできは掻き取らない。おできはそのままに、(前回の記事に書いた)歯に大穴をあける治療にとりかかる。私は個人的に思うが、この残されたおできが良い判断材料になる。神経の壊死が原因でおできができたなら、歯に大穴をあけてから日にちが経つうちにおできが少しずつ小さくなる。おできがいつごろなくなるかは個人差や症状による差があるだろう。一例として、私の(今回のでなく)1回目の歯根治療では、大穴を開けてから5日後になくなったと当時メモしている。でもこの時私はデントヘルスを塗ってしまったから、薬が治癒を早めた可能性がある。今回はというと、現在大穴を開けてから2日後だが、おできは明らかにしぼんでいる。もう、おできのできかけの時くらいの大きさしかない。それと、歯茎の違和感・圧迫感がなくなった。腫れが引いたのか、あるいは歯茎の奥で圧迫していた膿が引いたからだろう。こうやって治療開始から数日のうちに何らかの改善がみられると、今回の処置が正しかったと実感でき、治療を始めてよかったと思える。

少し面倒なことがある。食事のたびに、必ず例外なく、歯の大穴に食べ物が詰まる。穴の開いてない側だけで噛んでいるが、それでも食べ物は口の中じゅうに行き渡るらしい。水で口をすすいで取れることもあるが、なにしろ深い穴だから取れないこともある。そういう時は先の尖ったもので突ついて出さなければならない。この穴は、治療がある程度進んだ頃に仮詰めして塞いでくれる。それまでの辛抱だ。

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歯根治療(1) [歯茎におでき]

ブログのカテゴリーが「歯茎におでき」で記事のタイトルが「歯根治療」というのは、経験していない人にはわかりにくいが、経験者ならわかるだろう。歯の神経が壊死してそこが悪くなると膿が出て、やがてその膿が歯根の先から歯茎の表面まで上がってきておできを作る。そうなると、歯根治療をしてもらわないと膿やおできを治すことができない。

歯の神経が壊死する過程で、なにしろ神経だから、すごく歯が痛む時期がある。ただ、すごく痛い日があってすぐにおできが出るわけじゃなく、だんだん膿が増えてやがておできになるみたいだ。だから痛かった時のことを忘れて、それはもう治ったんだと思い込んでいる頃におできが出たりする。その頃には歯の神経が死んでいるから、もう歯そのものは痛みを感じない。

私にとっての歯根治療はこれで2回目。今回の記事は、その2回目の歯根治療の始まり、治療初日の様子を記録する。

何をやったのか。私は目隠しされて口を開けていた人間なので正確にはわからない。たぶん、以前の虫歯治療時の金属をドリルで外し、歯の頭のでこぼこしている所を削って頭を平らに少し低くし、真ん中に大穴をあけて内部をガリガリと引っかいてきれいにした。歯型もとった。上の歯全部と下の歯全部の歯型をとり、問題の歯だけの歯型をとった。

1回目の歯根治療記事の中では、以下の記事に該当する。処置の概略は今回と同じだ。
http://blueclouds.blog.so-net.ne.jp/2006-11-22

歯を削る時間はずいぶん長く感じた。問題の歯のあっち側を削りこっち側を削りしたから、当然かもしれない。最後の方では何か薄い紙みたいなもの(見えないけどたぶん)を私にガチガチ噛ませて、削った後の歯の高さを考えてから削っているようだった。削るだけでなく、ずいぶんガリガリ引っかいた。きっと(想像だけど)内壁をきれいにしていたんだろう。以前の虫歯治療時に金属を接着していたセメントが付着していたのかもしれないが、そこん所の詳細はわからない。神経が死んでいるから、麻酔をせずに奥まで削っても全然痛くない。

歯を削って真ん中に大穴をあけた様子を、1回目の歯根治療の記事では阿蘇山の中岳噴火口と形容したが、今回は見た目が少し違った。超ミニサイズのちくわ。どうして前回と見た目が違うのかは知らない。

治療の後、1回目の歯根治療の記事では消炎剤と化膿止めが出たと書いてあるが、今回の歯根治療では薬は出なかった。この記事を書いている現在、別に痛くもならず、おできが大きくなった気配もないので問題ない。歯茎に薬を塗ることもなかったから、「30分は食べたり飲んだりしないように」とも言われなかった。言われたのはただひとつ、歯が弱くなっているので固いものを噛むと割れたり欠けたりすることがあるから気をつけるようにと。そりゃあ、真ん中が空洞でちくわ状態だからな。それに、帰宅後鏡でよく見たら、ちくわの縁の一部がとても薄くなっている。本物のちくわってのは穴の周りにぐるりと平らな部分があるじゃないか。それが、私の歯では一部平らな部分がない。これは虫歯治療時の金属をドリルで取った時の影響があるかもしれない。とにかく、こんな薄い所がガチガチと当たったら欠けて当たり前だ。ところがだ、いま歯茎が腫れているせいか、喋るとよくガチガチと当たるんだ。一週間後に金属で周囲を補強するまでは、無口でいるしかない。私は寝ている間に食いしばりをする癖があるから、それも心配だ。とくに酔うと食いしばりをやりそうだから、酒は飲まないようにしなければ。

1週間後に次回の治療がある。その時には、歯型をもとに作られた金属の補強具が出来ている。それを歯にはめれば、歯が欠けないようにと心配する必要はなくなる。

そうそう、鏡で見た時に、ちくわの内壁が一箇所ボコッと窪んでいるように見えた。後から気付いたが、この窪みの奥が歯根につながっているのかもしれない。

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歯医者に行ってきた [歯茎におでき]

歯医者に行ってきた。歯と歯茎は、半年前の定期検診の時から目立った変化はない。つまり、左下の一本だけ、歯茎を押すと時には膿がにじみ出る。量はいつも少しだけ。時にはというのは、朝起きた時とか、何時間も飲食しないでいた後。食後や歯磨き後などには出ない。咀嚼時や歯磨き時に全部出てしまうのだろう。そんなわけだから歯茎を押しても、膿がにじみ出る時と出ない時がある。それより良くもならず悪くもならないまま半年。

先生にはありのままを報告。相変わらず少し膿が出ることがあるがたいした量でないので気にしない事にした、と。先生いわく、だいぶ良くなっている、と。そうなのか?私には何も変わらないように見える。私はてっきりまた半年前のように麻酔をして歯茎の奥の方をガリガリやると思っていたが、今回は麻酔なしでできる程度に歯周ポケットの中をガリガリやるだけだった。

次回の定期検診つまり半年後にはレントゲンを撮るという。でも先生の意図は膿の出る歯茎とは関係なく、私の親知らずが傾いて生えていて隣の歯が虫歯になりやすいので定期的に検査する必要があるという意図。このまえレントゲンを撮ってから次回の定期検診でちょうど3年になるそうだ。レントゲンは大歓迎だ。小さい顎に入り組んで生えた私の歯を見るには他に手段がない。

このブログの以前の記事を読んでいない方のために解説すると、今から何年も前に、先生いわく親知らずが傾いて生えているケースでは隣の歯が虫歯になる事が非常に多く、大きな病院の先生を紹介するので手術で親知らずを取ってもらいましょうと言われた。その時に私は一言も喋らなかったが、どうやら尋常でないものすごい顔つきで拒絶反応を示したらしい。それで先生の寛大なご配慮により親知らずを温存する事になり今に至っている。

先生には例の歯の歯周ポケットだけガリガリしてもらったが、その後歯科衛生士さんに交代して全体的に歯石取りと研磨をしてもらった。今回の歯科衛生士さんはとても丁寧にやってくれた。時間をかけてという意味もあるが、それだけでなく、やってもらっている患者は感覚的にわかる。とくに歯科の常連(?)となって定期的にガリガリやってもらっていると、私の体が主張する。「この人はとても丁寧にやってくれているよ」と。歯茎には神経があるから痛みなしで治療が済むとは限らないが、丁寧にしてもらっている時とそれなりにしてもらっている時とでは痛覚が違う。丁寧にしてもらっている時の痛みは「じわっと」来て引いてゆく。それなりにしてもらっている時の痛みは「ものすごくいてーっ!さすがに何か言ってやりたいぞコノヤロウ」という痛みだ。私はガリガリやってもらっている最中から、「終わったら『丁寧にやっていただいて有難うございました』と言わなきゃ」と思っていた。治療の後で言ったら、彼女は一瞬とても嬉しそうな顔をした。あの嬉しそうな笑顔は、彼女が仕事を頑張っている証しだと私は考えた。

後日談。歯医者に行った翌朝は、歯茎を押しても膿が出ないように見えた。数日後の朝は、膿が少し出てきたように見えた。この記事の最初に書いた「目立った変化はない」という状態が続いているのかもしれない。

話は少し逸れるが、私の傾いて生えている親知らずと隣の歯との間に難しい隙間がある。言葉で表現するのが難しいが、親知らずと隣の歯と歯茎で囲まれた、いわば三角形の小さな隙間だ。ここの掃除はなかなか難しい。出来ることが限られる。今までは、フロスで汚れを取っていた。今回歯科衛生士さんから勧められたのは、いちばん細い歯間ブラシで掃除する方法だ。そんなものがうまく入るのかと気になったが、慎重に試してみると結構入る。引き抜いてみると歯間ブラシの毛全体に白いぬめりが付いていた。汚れが取れる。これは使える。ただし、慎重に隙間に入れなければいけない。入れる角度を間違えると引き抜いた時に血が付いている。

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記録 [歯茎におでき]

歯茎の深い所のクリーニングから3日目。朝起きた時にはもう昨日までのような固形の膿は出ていなかった。その後も膿は認められなかった。

4日目。朝起きた時固形の膿は出ていなかった。歯茎を押すと、わずかに膿がにじみ出た。これは確か2日目と同じ。クリーニング前は歯茎の、歯の正面にあたる部分を押しても脇にあたる部分を押しても膿がにじみ出たが、今は正面を押した時と手前側面を押した時は膿は出ず、奥側面を押した時だけ出る。

5日目。何故か今度は奥側面を押した時に膿がにじみ出ず、手前側面を押した時に膿が出た。なんでだ。その後膿は出ず。

6日目。早朝まだ暗いうちに起き、歯茎を押すと、手前・奥どちらの側面を押しても白いりっぱな膿が出た。いや出たように見えた。それはないだろう、昨日もおとといもそんなもの出なかったのに。まだ暗い早朝だから見間違えたんだろう、と思った。いや膿が出てほしくないので思い込もうとした。実際には、うっかりぬぐってしまったので、もうわからない。その後膿は出ず。毎日膿に翻弄されているとしか言いようがない。

7日目、歯医者に行く日。ここ数日、膿が出るとしたら朝起きた時で日中は出ない。先生が歯茎を押した時もどうやら出なかったようだ。先生には、1日目と2日目に濃い膿がたっぷり出てその後は出ない事を伝えた。先生は、歯茎の弱い所で黴菌が入って化膿しやすいのではないかと診断し、様子を見て4か月後にまた検診する事になった。

私は、今までの人生を振り返って思い当たる事がある。人間は精神が極端に弱まると肉体に影響するが、その時体のいちばん弱い所に影響が出る。私の場合それは、6年くらい前までは、今はない上顎の歯だった。ひどいストレスが溜まると、きまってこの歯が痛くなった。この歯は虫歯が進行して歯茎から出ている部分の大半は溶けてなくなっていた。当然歯根にも虫歯は進行していた。そんな状態でも、普段は滅多に痛くならなかった。それがストレスがものすごく溜まった時には間違いなく痛み出した。つまりここが当時の私の体のいちばん弱い所だった。この歯を抜いてから、この場所は弱くなくなった。ところがそのすぐ後で、今度は下顎の歯が、つまり今回膿が出ている歯がおかしくなった。全然痛くはなかったが、歯茎におでき(膿袋)が出来て何度掻き取ってもらってもまた出来た。これがつまり歯根まで虫歯が進行した結果だった。

ブログの他の記事を読んでくださった方ならご存じかもしれないが、私は1年以上も前から個人的事情で苦しんでいた。それに追い打ちをかけるようにあの大震災が起き、放射能事件が始まった。私はこの一大事を重く受け止め度々記事を書いたが、これが精神には良くなかった。ただでさえ悩みを抱えていたのに、それに加えて毎日不安な放射能に気を配る毎日となった。だから私の精神はずっと尋常な状態でなかった。こういう時、上に書いたように、体のいちばん弱い所に影響が出る。でも上顎の歯はもう抜いてしまってない。それで今度は、治療した下顎の歯のほうに影響が出たのだろう。

この歯の歯根は治療してもらったので、どうしてまた悪くなったのかと疑問に思っていたが、これについては何を考えても推測の域を出ない。膿の直接の原因はおそらく細菌感染、それに極度のストレスから来る免疫力低下が拍車をかけた可能性がある。大きな精神的苦悩から寝ている間に無意識にひどい歯ぎしりをした可能性もある。ここまでは当たらずとも遠からずだろう。では膿が発生する場所はというと、せめてレントゲンでも撮らないと絞り込みも出来ない。歯肉か、歯根膜か、あるいは歯根嚢胞か。何もわからないものを今ここで何か言わないほうがいい。

何か言っていい事がひとつあると思う。それは、膿の発生場所がたとえどこであろうとも、「当たらずとも遠からず」のほうは自分で改善しておかなければいけないという事だ。これ以上心配・不安・ストレスを溜めてはならない。能天気な位の生活に切り替えないと。それは歯にとどまらず私という人間全体の大問題だから。それをしながら、次回の定期検診まで様子を見る。

記録 [歯茎におでき]

治療してもらった翌日の朝、鏡で歯茎を見ると、何やら白赤白の3層横縞になったものが歯茎から歯の中ほどまであってちょっと驚いた。今までの膿は粘りのある液状で歯茎から染み出る位の少量だった。それに今回のものは固形だ。それではこれは何か。その時は、治療時に歯茎の皮膚がはがれたものかなどと考えた。これをほぼ取り除いてから仕事に行った。その日の仕事は夜遅くまであり、帰宅後にまた鏡で歯茎を見ると、また白赤白の3層横縞のものが出ていた。ただし朝は歯茎から歯の中ほどまでの高さがあったが、今回はその半分位の高さだった。私は思った。これは膿ではないだろうか。赤い部分は治療時の出血が一緒に出ているのではないだろうか。ひょっとすると歯茎のどこかに膿溜まりができていて、以前の膿が液状で少量だったのはその膿溜まりから少しずつ膿が出ては唾液と混ざっていたのではないか。それが、歯茎の奥をクリーニングする治療の結果、膿の通り道が広がったので、膿溜まりの本体が出てきたのではないか。そう考えた。それを取り去って寝た。その翌朝鏡を見ると、また白いものが出ていたが、量はさらに少なくなっていた。

歯医者に行って来た [歯茎におでき]

歯医者に行って来た。事情は以前の記事に書いたが、おおまかに書くと、歯と歯茎の境目から膿が出て、それが以前の歯根治療の時の膿の出た場所と同じなので気になっている。痛みはないが、私の場合、この場所に限っては歯根治療前にも痛みがなかった。だから気になる。

たまたま歯医者さんから、噛む時に痛みはないですかと聞かれたので、これ幸いと、以前の歯根治療の前にも膿は出たが痛みはなかったと伝えておいた。普通歯根まで冒されると尋常な痛みではなく(別の歯で私はこれの経験もある)、恐らく今回は特殊なケース(そこの神経が全部死んだ?)なので、伝える方が良いと思った。

今日は麻酔をして歯茎の深い所のクリーニングをし、様子を見るという事になった。なんかすごく痛そうなイメージだが、麻酔をすると逆に全然痛くないというのを私は忘れていた。歯医者さんはずいぶんガリガリ引っ掻いたが、どこを引っ掻かれているのかが正確にわかりにくい程で、痛みは全然なかった。その後、消炎、化膿止め、痛み止めをもらって帰ってきた。

膿が心配で定期検診から2か月でまた来てしまったが、もうここまで来れば急ぐまいと思った。それで、次は定期検診の時に来ようと考えていたら、来週の予定を聞かれてしまった。「様子を見る」というのは、たった1週間か。その間にクリーニングの効果で膿が止まる可能性も少しはある。さらに大きな可能性は、歯根から膿が出ているというものだ。いずれにせよ、膿が出始めてからここまで、「また膿が出た」という回避不能な不運を別とすれば、その後の私は最善の選択をしている。前へ向かって進むしかない。

記録 [歯茎におでき]

歯茎からまた膿が出たという件の続きだ。以前の歯根治療の場所から膿が出ており、治療前の膿と似ているので、私は歯根を心配しているが、歯医者では歯肉炎と診断されてブラッシングの指導を受けた。その後、膿の状態を数で(当初と同じ状態を5とし、改善を少ない数、悪化を多い数とする)、デントヘルス使用をDであらわして記録を付け始めた。デントヘルスはずっと前に買ったのが残っていたので、捨てるのはもったいないから使っている。1回に使う量が微量なので、まだまだ無くならない。実は最近は塗るのがちょっと面倒になってきた。
11/15 5D
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11/17 5D
11/18 5D
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11/20 5D
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11/25 5D
11/26 5D
11/27 5D
11/28 5D
11/29 朝起きた時にうっかりすぐ歯を磨いてしまった。歯磨きの直後は膿が出ないので、膿の状態を調べられなかった。仕事から帰ってまたうっかり歯を磨いてしまった。だからこの日は膿の状態がわからない。
11/30 同上。このごろ精神状態が前と違う。歯や膿のことを考えなくなっている。毎日毎日膿を気にしながら生きるのも疲れたという感じか。状態は良くならないが悪くもならない。初めから、2か月経って変わらなければ歯医者にまた行くつもりでいる。考えても結果が変わらないならその時が来てから気にし始めた方が、暗い気分にならず、日々を有意義に生きられる。
12/01 5D
12/02 5D
12/03 5D
12/04 5D
12/05 5D
12/06 5D
12/07 ?
12/08 (5?) 師走の忙しさのせいか、状態のチェックが少し曖昧になってきた。それに、これだけ毎日状態が変わらないなら1週間おきにチェックしても良いのではないかという気になってくる。
12/09 5D
12/10 ?D 本当に状態のチェックが曖昧になった。それだけ毎日が忙しく、歯茎以外の事を考えなければならないという事でもある。以前のように歯茎の事ばかり気にしているよりはいいのかもしれない。確かこれで1か月が経ったはずだ。
12/11 5D

これをお読み下さっている方は、これだけ何も変わらないと「何か変化が起きた時に知らせてくれ」と思われるかもしれない。私も、だんだんそう思い始めてきた。最初の頃の不安がもう完全に麻痺しているというか、2か月経ってわざわざ先生に相談するのが正しいのか、それとも「半年後にまた定期検診に来てください」と言われたのだから半年後に行くのが正しいのか、それすら自分でよくわからなくなってきた。

記録 [歯茎におでき]

11月3日
記録をつけ始める。膿の出かたを数であらわすことにする。11月2日(歯医者治療日)と同じレベル、つまり「指で歯茎を押すと歯と歯茎の間からにじみ出る程度」を5とする。今日は5。今後どんな変化を見せるのか不明なので、4や6について今決定はできない。とにかく悪化を数の増加、改善を数の減少であらわすことにする。ずっと前に使った新デントヘルスの残りがあった。私は今までの経験から、デントヘルスは一時的に歯茎を改善するのに有効だが、根本的な治療には意味がないことを知っている。だから使い続けるつもりはないが、チューブに残った分をこのまま捨てるのももったいなく、また使用感がよく夜寝る前に付けると癖になりそうなので、ひとまず使用する。つまり、すでに悪くなっている歯茎の状態を一時的に改善させ、ブラッシングによる根本的な治療の引き金として使えたらと思っている。チューブの中身がなくなった時点で使用をやめるつもりだ。このデントヘルス使用をDであらわすことにする。だから今日は5Dとなる。

以前、歯根治療をする前にも膿が出続けたので、私は今回の膿がどうしても昔の膿とオーバーラップしてしまう。ただ、今のところひとつだけ違いがある。前回は膿が歯茎の中を通って表面に出てきたために、表面の粘膜だけは突き破れずに風船のように膨らみ溜まり、おできの状態になった。今回は歯と歯茎の境目から膿が出ており、おできにはなっていない。ついでに縁起の悪いことも書いておくなら、今回歯医者さんは歯肉炎と診断したが、歯根治療前の膿袋を見せた時にも歯医者さんは最初「歯肉炎がこじれたものだと思います」とおっしゃった。膿袋を掻き取っても掻き取ってもまた出来るので、それで歯根の虫歯を疑った次第だ。この誤診にはたぶん、歯根まで冒されているのに私が全然痛がらなかったという点が影響していると思う。普通はとても痛いらしい。いや、私自身、上顎の歯がそうなった時は大変だった。始終氷で冷やしていないと痛みに耐えられず、すでに診察券をもっていた歯医者が開くまで土曜日曜の2日間も待つことがとても出来ずに、土曜もやっていた今の歯医者に駆け込んだ。ところが下顎の今回の場所は、歯根が冒されても全然痛くないのだ。

11/4 5D
11/5 5D 昨日は酒を飲んだ。今までの経験から、酒を飲まない位で改善する要素は何の意味もない。酒くらい飲んで大丈夫でなければならない。膿は相変わらず良く出る。つまり歯茎を押せば出る。だから私の頭の中ではどうしても昔の歯根治療前の膿がオーバーラップする。しかしまだ3日目だ。毎日のブラッシングごときで改善しようというのだから、1か月2か月かけて治さなければならない。2か月かけて改善しなければ、その時は歯根を含めて別の件を疑うべきだ。
11/6 ?D 寝る前に歯磨きをした後で歯茎を押したらほとんど膿が出なかったが、歯磨きの時に押し出された可能性が高い。だから?とする。
11/7 5D 今まで、1日に1度いつか歯茎を押してみるつもりだったが、朝起きた直後が良いのかもしれない。歯磨き後で膿が押されて出た後ということもなく、寝ている間に膿がたまるはずだから。
11/8 5D
11/9 5D 酒を飲んでも飲まなくても状態に変化はない。歯茎を押せば膿はにじむように出て、それより多くも少なくもない。ブラッシング時に歯茎が血が出ることはなくなった。
11/10 5D 変わらず。つまり歯茎からの出血がなくなった事だけが改善点で、膿の出かたは当初と同じ。私の今の問題点は歯よりも精神面となってきた。私の脳内のどこかには、何年も前に歯根治療をする前、当時は原因不明だった膿の不安に押し潰されそうになっていた時の恐怖が記憶されているらしい。今、同じような膿が同じ場所から出ている。それが恥ずかしながら精神面に常に微妙な影響を及ぼし、私から明るさとか、前向きな姿勢とか、やる気とかを奪っている。始終なんとなく上の空で、集中するという事が難しい。先週末、自由時間が十分にあった時も何も手に付かなかった。このままでは歯が駄目になるよりも前に精神が自滅するので、今日は強いて自分に趣味を課した。(仕事は精神がどうであろうと私はそれなりにやるので、問題は自由時間を何もせずに全部無駄にするという事だ。それと、目が覚めている間じゅう心のどこかにつきまとう不安の影を何とかしなければならない。)あと、今日で治療(といってもブラッシングの改善だが、それを歯医者さんから指導されたし、それしか言われなかった)を始めて1週間が経った。
11/11 5D
11/12 5D
11/13 5D
11/14 5D 変わらず。厳密には、歯茎を押す時により膿の量は多かったり少なかったりする。朝起きてすぐに押すと膿は意外と少ない。寝ている間に溜まるのではないらしい。そうかと思うと休日の昼間にもう一度押すともっと量が出たりする。酒をたらふく飲んでも量は変わらない。
予定では2週間以上経ってからひとまとめにして掲載しようと思っていたが、すでにこんな分量になってしまった。ひとまず掲載したい。

また膿が出た [歯茎におでき]

半年前の定期検診の時、歯石を取ってもらった歯科衛生士さんから、下の両犬歯の辺りだけ出血が多かったのでペンタイプのブラシ(プラウト)で磨くといい、とアドバイスを受けた。右犬歯はそんなでもないと思ったが左犬歯の所は確かに血が出やすかった。そして半年が過ぎたが、左犬歯の所は今でもブラッシングを念入りにすると血が出る。これがどうしてかわからなかった。

私の今までの経験では、歯石を取ると歯茎は健康になった。歯石を取っても、毎日歯を磨いても血が出るというのが不思議でならなかった。私の持論では、何か悪い原因があるから歯茎が不健康になるはずだった。

また定期検診の日が来たので、先生に出血の事を相談しようと思った。そして今日、試しに歯茎を押してみるとわずかに白いものがにじみ出た。私はそれを知っているつもりだ。以前に「歯茎におでき」というテーマの所で書いた。これは膿だ。

場所は、左犬歯のひとつ奥、以前に歯茎から膿が出て歯根治療をしてもらった所だ。嫌な符合だ。とはいえ、何か原因があるから歯茎が不健康になったのだと実証できた。今日の膿が以前の歯根治療の件の続きなのか、それとも同じ場所が歯根と関係なく歯槽膿漏になったのか。ここから先は先生に任せよう。

さて診察を受けると、歯肉炎だそうだ。薬を付けてもらって歯ブラシの使い方を教わって帰った。しかし私は今でも「嫌な符合だ」という不安をぬぐい切れない。一度に出る膿の量はわずか(にじみ出る程度)だが、時間をおいてからまた歯茎を押すとまた出る。本当に、歯根は関係していないのだろうか。かつての歯根治療前の、自分で薬を塗っても塗っても膿が出るという嫌な思い出が、今の現実とオーバーラップする。

あと、小さな虫歯があるということで治療した。私はこういう時、直前に自分で気づいていたものかどうかをチェックすることにしている。歯を守るのは、歯医者さんではなく、自分だと考えておいたほうがいい。歯茎に隠れた歯石だけは自分ではどうしようもないが、それ以外の汚れ除去は毎日の自分の行動によって行わなければならない。今回治療した場所は、直前に私が気づいていた場所だった。ずっと前から黒かったかもしれない。そこまでわかればひとまず良い。大事なのは、歯医者さんに指摘される前に自分で気づくということだ。もしこれができれば、私は自分の歯に関しては歯医者さんと同じ観察眼をもつことが出来たことになる。もちろんデンタルミラーは必需品だ。

こんな事も思う。私は時々、考え違いをする。私の歯はひしめきあって生えているから、ブラシが届かない場所がある。そういう時、「どうしても掃除できない場所なら仕方がないので、ここは放置してもいいのかな」と根拠もないのに何となく考えてしまい、放置することがあった。すると虫歯になる。考え方がまるで逆だった。自分の口腔内の至る所をデンタルミラーで見るうちに、「なんだかここはブラシが当たらない死角だ」と思ったら、次のように思い直さなければいけない。「ブラシが当たらない場所は、いつか必ず虫歯になる。何としてもブラシを当て、『死角ゼロ』にしなければならない。」歯ブラシで駄目ならフロスで、歯間ブラシで、それでも駄目なら市販器具のブラシ部分を自分の歯の隙間に合わせて切り詰めた、自分専用器具で。

今回も、膿の出た所のブラッシングで私はまた危うく考え違いをする所だった。教わってきたブラッシング方法は、毛先を歯や歯茎に直角に当てるのでなく、歯周ポケットに毛先が入るように毛先を歯茎に向けてブラッシングするというものだ。私は以前にたくさんの歯ブラシを試して、毛先が細く加工されていてこういうブラッシングに合う歯ブラシを知っていたし持っていた。植毛部がとりわけ小さいものを選んで例の歯茎に当ててみた。植毛部自体が邪魔して、毛先が歯周ポケットに当たっているのかいないのか、さっぱり見えない。その時こう思った。「ああ駄目だ。この歯ブラシで駄目なら他のどの歯ブラシでも駄目だから、やっぱり普通にブラッシングするだけでいいのかな。」どうして私の脳ミソはこうやって、楽な方へ楽な方へと自分を導いてしまうんだろう。正解はこうだ。「今の磨き方を続ければ歯茎は必ず悪化する。何としても歯周ポケットに毛先が入るように当てなければならない。」

例の「嫌な符合」は相変わらず頭にあるが、とにかく指示された事を守るのが先だ。そして様子を見よう。

歯茎におでき(22) かぶせる4 [歯茎におでき]

4月4日。歯を噛み合わせた時の違和感は色々な意味でほとんどなくなった。噛み合わせた時にクラウンが上の歯と当たる感触が生身の歯と違うのが快くないことはあるが、他はなじんだ。そして今日は歯医者に行った。

先生からは、今日は金属のかぶせ物を磨き直してからしっかりかぶせると言われた。磨き直す? 前回すでに磨いたのに。つまり、今の状態で丁度いいんだが、もう一回磨くと微妙に低くならないか?

かぶせてある金属を女性が外した。例のベテランさんだ。外す時は何かを差し入れてコンコンと叩く。このベテランさんはどんな処置もソフトで手際がいい。口をゆすいだ時に茶色い水が出た。そういえば歯根治療のために付けた金属のベルトを取った後も茶色い水が出たな。これって何だろう。

それから外した金属を磨いている間、待合室に戻って待つ。鏡の前へ行き、もう二度と自分の目で見ることのない歯と最後の対面をする。ずいぶん小さく削られてちっぽけになった、阿蘇山中岳噴火口のような歯だ。ついでにその隣の歯の側面も観察。ここは金属がぴったり塞いでしまうから、食べかすや汚れがないか見た。いいだろう。

暫く経ってからまた呼ばれて処置室へ。同じベテランの女性。簡単に金属を付ける。あれ? 前回仮詰めを担当した女性は全体重をかけて押し込んだぞ。全体重だったぞ。その必要はなかったのか?

それから別の女性に交代して歯石を取る。その前に磨き方について教わった。女性が私の犬歯と歯茎の境目を細い器具でなぞると白いものが取れる。つまり汚れが落ちてない。そこで例の小刻みに動かすブラッシングとか、前歯の裏側はブラシを立ててとか、奥の親知らずは口を小さめに開けると横に開きやすくなるのでそれでブラシを横に当ててとかを教わった。じつは私はそれらを全部知っていて、全部実行している。それでも犬歯あたりの歯と歯茎の境目には汚れが少し残ってしまう。自分は汚れを落とせていないという事実をよく知っているので、女性からの教示はうやうやしく拝聴する。(この落とせなかった汚れについては後日、歯ブラシのレビューとして追加の報告をする。)

その後歯石を取ってもらう時にも色々考えたのだが、かぶせる治療に関係ない記述は省こう。気になる料金は、保険が使えるかぶせ物だったので、歯石取りを含めて3660円だった。

金属のかぶせ物をまた磨いたから、低くなったかもしれない。帰宅後に細く切った紙を噛んで確かめてみたら、ひっかからなかった。噛み合わせがないぞ。とはいえ、金属が上の歯と当たらなくなったので、当然快くない感触もなくなった。

私の歯医者通いはたぶんあと1回で終わりという所だが、ここでの記事「歯茎におでき」に関係するのはここまでだろう。今回の長い治療では、おできの所の歯を歯根治療しただけでなく、大昔に詰めたアマルガムを全部取って新しい金属で詰め直した。歯石も何度か取った。その結果、歯茎が昔よりも強くなった。昔は痛くて使えなかった固さの歯ブラシが難なく使えるようになっている。今どきの医療には概して懐疑的な私だが、歯科治療は私に必要だった。もし私のように小さい頃に虫歯治療をした後に歯医者に行く機会がなく放っている方がいらしたら、一度歯医者に行ってみることをお勧めする。歯石を取るだけでも、口の中が健康になる。

(「歯茎におでき」の記事は、これにて終了の予定)


歯茎におでき(21) かぶせる3 [歯茎におでき]


歯医者通いも相当長くなった。私が歯茎のおできに苦しみ始めたのが去年の7月。実際にはそれよりもずっと前、去年の4月に歯痛がたまらなくなって抜いた時に端を発しているのだから、もう1年間になる。しかも前回の治療から3週間も間が空いたので、なんだか気乗りがしなくなってしまった。歯にかぶせる金属が歯茎との境目まで覆わないようにと思っていたが、どうやらクラウンというものはそこまで覆うように作るものらしい。それを最初は嫌だなあ残念だなあと思っていたが、あまりにも長く治療に通い気にしているうちに、疲れてどうでもよくなってきた。

3月28日。今日はまず前回付けた仮歯を取った。その後、仕上がってきた金属のかぶせ物をはめてみて、良ければ今回は仮詰め(?)をして、次回まで様子を見る、という手順。

今までの調子ならば、私はこのブログに事細かに経過を書くことになるのだが、なぜか今ちょっとした鬱状態というか、人生悩みすぎというか、キーボードを打つ指が思うように動かない。

今日は支払いが高いだろうと思っていたら、意外にもたったの1560円だった。かぶせる金属が仮詰めなので、それのお金は次回しっかり接着した時に払うとのこと。

この金属のかぶせ物の出来は良く、最終的には噛み合わせた時の高さも良くなったし、噛んだ時に隣の歯が押される感触もなくなったし、今まであった隣の歯との間の隙間もなくなった。これ以上はないと思っていたが、帰宅して夕飯を食べ始めた時箸が止まった。今までと同じように何も気をつけないで咀嚼すると、金属が当たる。クリニックでは噛み合わせを見るために「歯をガチガチ噛んでください」と言われた時に、左右どちらかに偏った噛みかたはしないし、「歯軋りしてください」と言われても咀嚼する時のように顎を動かしはしない。実際に咀嚼すると事情が違うのだ。とはいえ、仮歯の時も最初は違和感のあったものが次第に大丈夫になっていった。体のほうが適応してゆくようだ。だから一週間様子を見よう。


歯茎におでき(20) かぶせる2 [歯茎におでき]

今日の治療は一時間半もかかった。一体何をしたのかというと、まず女性が「いったん仮歯を取りますね」と言った。いったん? まるで再び取り付けるかのような言い方だ。この前歯型を取って仮歯を入れたから、次は金属でかぶせる番だろうに、と思った。前の金属のベルトはドリルで削って取ったので今回もそうかと思っていたら、何のことはない、歯茎との境目に何かの器具を差し入れてヌッポーンと取った。そんなに簡単に取れるものだったのか。それから先生登場。今日は、もうひとつ奥のアマルガムも取って一緒に治療するという。そして削った。奥の歯は明らかにアマルガムを取っているのだ。その手前の歯根治療した歯は、もう削ったはずなのにまた削るのか? それとも磨いているのか? この後女性は私に歯をかみ合わせたりギリギリしたりさせたのだが、そのさい男性も来て居合わせた。どうやらクラウンを作る技師さんらしい。男性は、私が耳にしたところでは、全顎じゃないとわからない、とか言っていた。噛み合わせを見るのに部分的な歯型ではわからないという意味だろうか? なにしろ私は歯並びが悪いから。この後ベテランの女性が来て、「歯型を取る前に汚れを取りますね」と言った。これがずいぶんかかった。意外だ。だって去年から今年にかけて、歯石を取る作業は何度もあったから。今回は歯石の他に、仮歯をくっつけていたセメントも取っているのかもしれない。それから女性は、歯茎を器具で押し下げ始めた。見えないから知らないが、感覚的にはそんなだった。これが結構イヤンな感じ。今思うと、薬を付けていたのかもしれないが。さてようやく歯型だ。上顎の左端から右のかなり奥まで。同様に下顎も。あと確か、当該部分のみの噛み合わせの歯型を取った記憶がある。それから仮歯をまた付けたが、歯を削ったからか調整が必要で、一回嵌めてみるだけでは決まらない。少し時間がかかった。ここで女性交代。ベテランから新米さんへ。この新米さんは度胸が据わっているのでこの前は感心したが、それは裏を返せば細かいことは気にしないということだった。「余分なセメントを取りますね」と言ってガリガリやり始めたが、歯茎の辺りも構わず突っ込んでガリガリやる。かなり痛い。今日び、歯石を取ったってこんなに痛くないぞ。よっぽど痛いですと言ってやりたかった。それから奥のアマルガムを取った歯の穴を仮詰めした。そして何故か、仮歯を付けた上からまた部分的な歯型を取った。実際には、仮歯をかぶせたり仮詰めを詰めた後は固まるまでじっとしているし、他にも「楽にしていてください」とか「お待ちください」と言われてただ待っている時間があるから、結局一時間半もかかった。それにしてもこの工程、ちっぽけな歯のためにここまで手をかけるのだ。

さて、最後にベテランの女性がまた来て新米さんのやった後をチェックした後、たった一言だが私に聞いた。「仮歯は白いですが健康保険で作ると全部銀色のになります。大丈夫ですか」と。来たな! 私は以前に熟考済みだったのですぐに答えられた。

次回は3週間後だそうだ。こんなにかかるとはなあ。ぐずぐずしていると4月になっちゃうぞ。他の曜日も空いてるから次回の治療が少し早くならないかと聞いてみたが、それは無理らしい。


歯茎におでき(19) かぶせる1 [歯茎におでき]

今日はまず以前の歯根治療時に歯にはめた金属のベルトを外すことから始まった。私は、上からはめたものはどうにかしてスッポーンと上へ抜けるのではないかと思っていたが、ドリルで削って取った。もちろん私はタオルで目隠しされているので音で認識するしかない。これに結構時間がかかった。
ゆすいでくださいと言われて口をゆすぐと、何回ゆすいでも茶色い水が出た。赤サビ臭みたいな臭いもした。金属ベルトの内側の汚れか?
次に何かしたが、目が見えないのでよくわからない。ピッと音がしたり何かを歯に当てるような様子があった。
それから歯を削った。これも結構時間がかかったので、私はてっきりもうひとつ奥の歯のアマルガムも一緒に削っていると思い込んでいた。
それから「仮歯(かりば)を作るための歯型」を取り、さてどうするかと思ったら鏡を渡された。これから仮歯を作るのに1時間ほどかかるので、一度帰宅するか待合室で待っていてくださいと言う。時計を見ると、呼ばれて治療室に入ってから30分以上、ひょっとすると40分が経っていた。
待合室に来て改めて鏡を見ると、歯根治療した歯の金属ベルトがない。久しぶりに見た阿蘇山中岳噴火口のような自分の歯は、ひょっとすると外側をもう一回り削ったかもしれないように見えた。頂上の噴火口に詰めてあったオレンジ色の石膏状のもののかわりに、白い詰め物が見える。歯と歯茎の境目にぐるりと血がにじんでいる。金属のベルトを取る時の傷か、その後削った時か。いずれにせよ歯茎は手足の皮膚と違って簡単に血が出るものだ。これは何でもない。ところで、ひとつ奥の歯はまだ全然触っていない。歯根治療した歯一本にあれだけ時間がかかったということか。

仮歯が出来て名前を呼ばれたのは1時間よりずいぶん早かった。仮歯を入れてもらってもまだあれから1時間経っていなかった。
仮歯を入れる時、仮歯が高くないですか等聞かれるが、こういう経験が初めての私にはどういうのが高いのか低いのかわからない。
やること自体は仮詰めと同様のようだ。ただ女性は、ほっぺたを噛むようだったら仮歯の形を変えると言っていた。歯に埋もれたように取り付ける詰め物の金属に比べると、やはり気にすることは多いのだろう。
仮歯は白色で、まんじゅうのようなのっぺりした形をしている。さすがに形まで本物の歯に似せてはくれない。それはいいのだが、金属のベルトと同様に歯茎との境目までをぴったり覆っている。私はこれが嫌だ。なぜなら歯と歯茎の境目をブラッシングできないからだ。だから、ずっと使う被せ物は歯の途中までのものだといいとずっと思っている。また、金属のベルトにせよ今回の仮歯にせよ、隣の歯との間に隙間を作らないように形成してあるのがわかる。金属ベルトは歯を固定するため、仮歯はひょっとすると強度の問題かもしれない。ただ、隣の歯との間は少し空いていてくれるとブラッシングがとても楽なのだ。歯が阿蘇山中岳噴火口のように削られ、まだ金属ベルトは付いてなかった時、歯の掃除がとても楽で気に入っていた。金属ベルトが取れてやっとあの状態になると思っていたのに、また同じだ。さて今後はどうなるだろう。次回は二週間後。


歯茎におでき 今年の予定 [歯茎におでき]

去年の7月から私が苦しめられていた歯茎のおできと、その治療である歯根(根管)治療について書いてきた。歯根治療が済んで「かぶせる」段階になると、歯医者はその歯を後回しにした。他の歯の古い詰め物の交換を先に済ませることにした。今日1月10日、今年の治療が始まったが、昨年暮れの右下奥歯に続き、今回は右上から始まった。それが終わればまず間違いなく左上で、歯根治療の跡にかぶせるのは一番最後だろう。早くても2月、ひょっとすると3月かもしれない。次のご報告はその時までお待ちいただきたい。

歯茎のおできや歯根治療の情報は、今どきインターネットで検索すれば色々出てくるが、それでも充分ということはない。情報に2つの偏った傾向がある。歯科医が専門家として(時には自分の宣伝を兼ねて)記述しているか、あるいは症状が非常に困った状態になった方の助けを求める声か。歯茎のおでき、または歯根治療についてこれから知りたいという人(私もその一人だった)のためには、もっともっと沢山の人が自分の体験を書いても良いと思った。私の体験談もそのひとつとして、(中の情報をあなたに合う物だけ取捨選択しつつ)参考にしていただければ有難い。

それでは、次回はかぶせた時、2月か3月にまた書くと思う。


歯茎におでき(17) 今年はここまで [歯茎におでき]

(歯茎におでき(16)から続く)
12月13日。歯医者に行く。歯根の治療が終わったのでかぶせる治療を始めるのかと思っていたら、それは来年になった。私の歯は子供時代から上下左右の奥歯にアマルガムが詰めてあり、それを詰め直すそうだ(今どきアマルガムは使わないそうだから、別の材質のものを使うのだろう)。しかしそれはここでのテーマ「歯茎におでき」の内容から外れてしまうので報告はしない。来年になって歯にかぶせる時には、またテーマの続きとなるので報告する。

そういうわけで、この話の続きは来年ご報告する予定だ。
(つづく)


歯茎におでき(16) 根管治療5 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(15)から続く)
12月6日。根管治療5回目。待合室で呼ばれたのが5時45分、待合室に帰ってきたのが6時45分。今日のゴム膜を付ける係は新米さんだった。最初は金具が下すぎて歯茎に当たった。新米さんは「痛かったですね、ごめんなさい」と言っていたが、実は痛くなかった。歯茎の表面は痛覚が鈍いのだ。それからもう一度失敗して金具が外れた。職業は違えど新米の頃の気持ちはよくわかる。みんなこうして慣れてゆく。こうなったら全面的に協力しよう。というわけで私はひときわ大きく口を開ける。三度目の正直で金具が付いたが、やたらとソフトに感じた。今までは付ける直前に必ず圧迫感があったのに。その後の作業もたどたどしかった。がんばれ。そして先生登場。治療の最初は今までと同じだったが、途中からどうも何をやっているのかわからなくなった。グリグリとかゴシゴシという感触がない。あっちへ行ったりこっちで何かやったり、色々しているが一体何なのか。でもインターネットであらかじめ調べておいたところでは、根管に詰め物を詰めているに違いない。その後、局部レントゲンを撮り、それからまた何をやっているのか不明なことが続いた。ごくたまに歯茎の奥にムズムズッと当たる感触がして体がピクッとしてしまい恥ずかしい。詰め物の先が歯茎の奥に届いたのだろう。詰めるだけでなく何か色々やっていたが、何とも説明のしようがない。最後はまた歯の穴をふさいで終わった。先生から説明があった。これ以上できないほど丁寧にやったという。レントゲンを見ると、細い線が確かに歯根の先まで届いている。これは「ガッターパーチャという昔から使っているゴムみたいなもの」だそうだ。インターネットで調べた時にはこのガッターパーチャは熱またはユーカリ油でどうのこうのと書いてあり、ネット上に「治療の時に熱かった」という患者の書き込みがあったが、私は熱くなかった。上述のとおり、ほとんど何が何だかわからないうちに終わった。先生は今回のレントゲン写真を、以前に歯根の長さを測った時の写真と並べて置いた。どっちがどっちだかわからないほど同じに見える。なんで以前のレントゲン写真を持ってきたのか、その時はわからなかったが、後から考えるに、歯根の長さを測った時と同じ深さまでガッターパーチャを入れたことを確認させたかったのかもしれない。これで歯根治療が終わり、次回からは普通の治療に戻ると言われた。治療の椅子も奥の個室から手前のいくつも並んでいるほうへ変更だそうだ。詰めたばかりだから二、三日は疼くことがあるかもしれないと言われたが、今のところそんなことはない。何かの加減でたまに歯茎の奥に何か触ったような気がするだけだ。


歯茎におでき(15) 根管治療4 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(14)から続く)
11月29日。根管治療4回目。治療は前回と変わらない。ただ前回仮詰めをしたので、根管にねじ込み引き抜く作業の前に仮詰めを取り、後でまた仮詰めをする工程がある。時間は、ゴム膜を口に付けて待っている時間を含めて50分くらい。今回は特記することはない。根の治療はあと1回らしい。その後、かぶせる治療があるという。医院を出て帰宅する途中、歯茎の奥にわずかな異物感。痛いほどではない。誤解しないでほしいが、私はこの異物感に文句を言いたいのではなく、逆にこれが嬉しい。なぜなら、根管の先のほうまで治療してくれている証拠だからだ。異物感は家に着く頃にはなくなっていた。

23日に酒を飲んだ時、歯茎の外側には膿が出なかったが、根管の内側のほうはどうなのだろうと思っていた。先生の言葉の感じでは、何ともなかったらしい。私の勝手な想像では、最初に歯に穴をあけて根管の風通しをよくした直後、とても臭いにおいが出てきたが、この時点でかなり効果的だったと思っている。その後数回の根管治療のうちに、あの膿が出る最悪の症状はもう治っていたのではないかと思う。23日の酒で膿が歯茎の外にも中にも出なかったことが、それを証明した。
(つづく)


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