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歯茎におでき(14) クラウンについて考えた [歯茎におでき]

(歯茎におでき(13)から続く)
根管治療を始める前に私が尋ねた時、先生は「抜く必要はないと思うが歯にかぶせなければならないだろう」と言った。「歯にかぶせる」とはどういうことか、インターネットで調べた。どうやらクラウンのことらしい。歯を削った後を補うのに、歯の欠損が少しなら昔のアマルガムや今のコンポジットレジンで補うが、大きく削ってしまった場合には歯の形をしたものを作って接着し、これをクラウンというらしい。部分的なもの、歯の全体を覆うもの、差し歯まで、形はさまざま。材質も複数ある。

ここで気になる記述を見つけた。材質により、保険が効くものと効かないものがあるらしい。最初私は思った。自分の体が健康になるなら、たとえ保険が効かずに高価でも質の良いものにしたい、と。ところがある記述を発見。クラウンは一生ものではないという。寿命は8年とか10年などと書いてある。一生ものなら惜しまず金をかけるが、10年で取り替えるならどうしようか。また、しっかり接着してしまったクラウンに寿命が来たらどうするんだ?と不安になりもした。また、材質や保険のことを歯医者で突然言い出されても私は考えがまとまらないだろうから、今のうちに考えておかなければと思った。

こういう時は人と話すに限る。ああでもないこうでもないと話しているうちに考えが頭に出来てくるものだ。母と話した。母は自分の奥歯を見せてくれた。歯の一部を覆っている銀が見える。とてもきれいだ。母が歯をよく磨いていることが伺われる。母が言うには、これはずいぶん前に入れたものだそうだ。私が10年が寿命だそうだと話してこう言うのだから、10年以上前に入れたのだろう。手入れ次第で寿命も変わるのだろう。それに続けて母が言うには、聞いた話では差し歯にせよ入れ歯にせよ、保険で安く済ませたほうがいいという。金をかけてもそう変わらないという話なのだ。それなら、保険で銀のクラウンという線を想定して歯医者での話に備えるとするか(そもそも何の話もなく先生は保険が効くクラウンを使うかもしれないが、まあその時を待とう)。
(つづく)


歯茎におでき(13) 根管治療3 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(12)から続く)
11月15日。根管治療の3回目。最初ひとりの女性(歯科衛生士)が私の歯に(おそらく)ゴム膜を固定するための器具を付けると、はじけて器具が飛んだ。女性は「お待ちください」と言って走って行った。それからお馴染みの女性(歯科衛生士)が来て手際よくゴム膜を付けた。最初の人は新米さんなのだろう。みんな最初はそうだ。職業は違えど私もその気持ちはよくわかる。でも自分がやってもらう時はベテランさんがいい。そうそう、最初の女性は「痛い所はありませんか」と口頭で尋ねただけだった。次の女性は歯を上から押したり歯茎を押したりして尋ねた。なるほど、これが新米とベテランの違いか。

最初の女性が走って行った後で時計を見ると12時40分。すべて終わったのが1時30分。根管治療自体は前回と変わらなかった。今回はまた例のピッピッピッという音が聞こえた。歯根の長さを測り直しているのだろう。前回あった歯茎の奥に触る少々不快な感触は、今回はなかった。根管治療の後、仮詰めをした。先生は、穴を塞ぐと痛くなることもあるが、たぶん大丈夫でしょうと言った。私自身も大丈夫だと思う。私の場合、今まで膿はたくさん出たが痛みはまったくないのだ。痛み止めは以前に歯を抜いた時などにもらったものがまるごと残っているので、要らないと言った。根管治療はあと2回くらいだという。そうすると全部で5回だ。最初に5、6回と聞いているので、私は6回のほうがいいが、これは先生にお任せしよう。

後で鏡を見ると、オレンジ色の物体が阿蘇山中岳噴火口のような歯の穴を塞いでいた。
(つづく)


歯茎におでき(12) 七つ道具 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(11)から続く)
ここまで歯を悪くしてしまうと、後悔の念から毎回の食事の後にはすぐに歯を磨くようになる。気がつくと、歯磨き七つ道具が出来ていた。

道具1、当たり前だが歯磨きチューブ。今は歯周病に効く薬用を使用。

道具2、これも当たり前に歯ブラシ。いろいろ個性的な商品が売られているが、私の好みは毛の側面に加工してあるもの。

道具3、デンタルミラー。これがないと口の中は死角だらけで見えない。

道具4、第二歯ブラシとして、毛先が筒状に植えられ先端が円錐状に切り揃えられているもの。歯と歯の間は、これでないとちゃんと行き届かない。初めはこれが細かい所に行き届く優れものだと思っていたが、歯と歯茎の境目はこれで磨くと歯垢が完全には落ちず、落とそうと頑張ると歯茎を傷つけてしまうことを発見。以後、先の尖ったもので時間をかけてピンポイント攻撃をすることになる。それが次の道具5だ。

道具5、デンタルフロス。ただし私の歯はフロスの糸が通るほど隙間が空いていないので、糸とは反対側に付いている曲がった楊枝のような部分を使う。これが楊枝よりも尖っており、歯と歯の間に入り込んだ物が楊枝以上に取れる。歯と歯茎の境目にも有効。ただしプラスチック製だから、使っているうちに先端のシャープさがなくなってしまう。

道具6、待ち針。デンタルフロスの糸の反対側よりもさらに尖っている。どうにも取りにくい隙間はこれで掻き出す。ただし針だから、間違って歯茎を突つくと血が出る。その意味で、奥歯や歯の裏のようによく見えない所には恐くて使えない。

道具7、ピンセット。まっすぐのではなく、昔帆船キットを買った時に付いて来た、先の曲がったもの。この曲がりがナイスだ。まっすぐのピンセットよりも的確に対象をつまめる。対象とは何か。歯にはさまった物だ。道具5の所で私は歯と歯の間が空いていないと書いたが、それにもかかわらず不思議なことに、植物の繊維などが入り込む。それをまず道具5などで歯の表と裏から突つき出してつまみやすくし、それからピンセットでつまんでゆっくり引くとムニーッと取れる。それが気持ち悪いような、気持ちいいような、不思議な感触だ。

こういうわけで、ふと気づくと私は歯磨きのさいに7つもの道具を使っていた。
(つづく)


歯茎におでき(11) 根管治療2 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(10)から続く)
11月1日。歯に穴を開けてからちょうど2週間が経った。ここまでじつに順調。今までなら治療しておできを取ってもらってから1週間後の検査ではまだ再発せず、2週間に満たないうちに再発して電話をかけてまた歯医者に行った。それが今回は2週間経っておできが再発しないばかりか、歯の噛み合わせまで直ってきた。

前回と同じように薄いゴム膜を口にかぶせて暫く待機、そのうちに先生が来て言うには「今回も2、30分治療します。」 24日には1時間くらいかかると言われ、28日の治療が正味30分、今回が20-30分では少しずつ短くなるじゃないかと思った。しかし実際にはずいぶんかかった。正味30分はあっただろう。目にタオルをかぶせているので見えないが、私の右側で器具を歯にねじ込んでは左側へ移動して抜いているらしい。前回はほんのちょっとだったが、今回は何度も何度も抜き差しし、動きも結構ワイルドだった。力を入れてねじ込んだり、引き抜く時に引っぱってもなかなか抜けなかったり、ごしごし削ったりした。前回と同じならたいしたことはないと思っていたが、幾分びっくりだ。とくに、歯根に器具を差し込んだ時、歯茎の奥に触る少々不快な感触があった。痛くはないが。先生に報告すると何か良くない表情をしたが、それが何を意味するのかは不明。次回の治療の後、仮詰めをするかもしれないとのこと。手間と時間がかかる治療の割に、請求された料金が950円だった。帰宅して歯を見ると、あれだけ色々やったのに外見(歯根の入口の穴)は特に変わらない。

歯にかぶせた金属のせいか、その部分の頬の裏側が荒れてザラザラする。

夕飯前になって、治療中の歯のわざと外側に上の歯が当たるようにして噛むと嫌な感覚があることに気づいた。鈍痛というほどの感覚ではない、鈍痛になりそうな「気配」だ。7月の終わりから今まで、膿は出てもまったく痛くも痒くもなかった。今回の感覚は治療によるものだろう。治療に使う器具の先が歯茎を刺激したものと思われる。歯を噛み合わせなければ何の感覚もなく、物を食べる時も気をつければ支障はない。様子を見た結果、その後2、3日で嫌な感覚は消えた。

デントヘルスは塗っておらず、おできは再発していない。
(つづく)


歯茎におでき(10) 根管治療1 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(9)から続く)
10月28日。前回は歯根治療は1時間くらいかかると聞いていたが、今日は最初から30分くらいかかると言われた。実際、前準備を入れずに正味30分くらいだった。まず薄いゴムの膜を口に貼って治療する歯だけを出し、その状態で治療が始まった。終始痛みはなかった。タオルで目隠ししているので何がどうなっているかはわからないが、歯根に何かをぐりぐりと刺してゆくとピッ、ピッ、ピッという音が横で聞こえ始めた。これがピッピッピッと早くなってひとまず終わった。後で説明を聞いたところでは、これは電気抵抗を測る機械の音らしい。歯根の長さがわかるのだろう。その後少しだけ掻き出すような治療があったが、なにせ見えないので知らない。それから局部レントゲン写真を撮り、暫くしてすべて終わった。思っていたよりも、あっけらかんと寝たまま終わった。インターネットで調べたところでは治療する側は全くあっけらかんではなく大変らしいが。その後レントゲン写真を見ながら短い説明があった。目の前にさまざまな色の頭をもったピン状のものがずらりと並んでいたが、これらは色によって太さが違うとのことだ。先生はこれをドリルと仮称して説明したが、極細の棒ヤスリか針ヤスリに見えた。これを使って今日のような治療を5~6回するという。機械のドリルが入らない細かい所なのですべて手作業でするとのこと。私の治療する臼歯は根が2本あるうちの前のほうは中が2つに分かれているので、その3本の中を治療する。それぞれの根の長さはすでに測ってあると言って、何か細長いビスにナットが留まっているようなものを見せてくれた。まだ穴に蓋をすると腫れるので開けたままにするという。日常生活で注意することも何もない。外見の見た目は治療前と変わらない。

私は歯根治療の意味を勘違いしていた。歯根の先の歯茎に化膿している部分があるのだろうからそれを治療するのだろうと思っていたが、そうではない。一般の虫歯治療の延長だ。ただ虫歯を削る場所が歯根内の根管で、電動ドリルが入らないから手作業で行うのだ。

インターネットで情報を探す時、私は最初「歯茎におでき」等のキーワードで探したが、これでは有効な情報にはほとんど行き当たらない。自分が歯根を治療するようになってから「歯根治療」のキーワードで探すと、色々な情報が出てきた。ただし、このキーワードだと治療が不十分で苦しんだ人の体験談もヒットし、治療を受ける前から不自然に不安になってしまう。調べるうちに、「根管」のキーワードのほうが歯科医の記述が多く、治療前の情報収集には適していることがわかった。
(つづく)


歯茎におでき(9) 歯科治療4 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(8)から続く)
歯に穴を開けた後は、やたらと口臭が臭かった。奥のほうの悪いものが出たのかもしれない。その後数日のうちにおできはぺたんこになった。新デントヘルスは最初塗らなかったが、気が変わって20日頃から塗り始め、おできが完全に引っ込んだ23日に塗るのをやめた。

10月24日の治療は予想したものと違い、歯に金属の補強をかぶせるだけだった。歯根の治療は1時間くらいかかるそうなので、次回の治療ですぐに取りかかれるようにしたのだろう。つまり、歯根治療は次回から数えて6回となる。なお、金属の補強は一時的なもので、治療が終わった後に別のものをかぶせるそうだ。

23日からデントヘルスを塗るのをやめた。おできが出来ないのが治療の成果なのか、デントヘルスのせいなのかがわからなくなるからだ。以後、明らかにおできが出来るまではデントヘルスを塗らないことにした。

歯にかぶせた金属の補強について。型をとった時に歯と歯茎の境目におできがあったので、金属はおできを避けるように形作られている。でも今はおできがない。それで、おできの所だけ少しすきまができた。そこに食べ物のかすが毎回詰まる。掃除がちょっと大変。

数日前から噛み合わせがましになった。つまり、おできが消えてからだ。ということは、噛み合わせの悪化は上の歯茎ではなく下の歯茎の腫れが原因だったのか?
(つづく)


歯茎におでき(8) 歯科治療3 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(7)から続く)
私がデントヘルスを頻繁に塗ったせいか、膿が出ても症状が改善する。ボタン状のおできも小さくなる。それが良かったのか悪かったのか。

ライオンの新デントヘルスは、じつによく効く。用法どおりに使って効果が弱い時はわざと頻繁に塗ると、頑固なおできも萎んでゆく。とくに寝る前が効果的。起きている間は唾液で流れてしまい、せいぜい15分くらいしか薬が患部に留まらない。寝ていれば1時間は留まっている。ただし、ひょっとするとその影響か?と思うことも起きた。毎日使ううちに、口の奥のほうが少しただれてきた。唾液で薬が口の中を移動するうちに奥のほうに溜まり、そこが一晩中薬漬けだったからなのか? 確証はない。ただ、後にデントヘルスをやめたら暫くしてただれもなくなった。

10月14日。一度はデントヘルスで治した所にまた2mmくらいの丸いおでき、さらに、奥の半球形の膿袋があった所にも同じ大きさの丸いおできが出来ていた。その後一時は手前のほうが長径3mmほどの楕円ボタン、奥のほうが直径5mmほどのほぼ円形にまで大きくなったが、デントヘルスを頻繁に塗った結果、また萎んだ。18日、奥のおできは小さな埋もれたボタンのように引っ込み、手前のおできも膨らみがなく、のっぺりとくっついていた。

18日は歯医者の日だった。私は、どうせまたおできを削るだけだろうと思っていたが、そうは行かなかった。電気がビリッとくるものを歯に当てて、ビリッと来たら手を上げてくださいと言われた。隣の歯はビリッと来たが、当該の歯は当たっている感触はあるがビリッと来ない。先生いわく、神経が壊死していて、例のおできはそこから来ているのだろう。根を治療する必要があり、アマルガム(子供の頃に治療していた)を取って6回くらいかけて治療するという。神経が壊死しているため歯の強度が落ちており、そのまま治療をして歯が割れるとそこまでなので、先に金属のベルトで歯を補強してから治療するという。上と下の歯型を取り、金属のベルトのための部分的歯型も取った。当該の歯はアマルガムを削り取ったが、神経が死んでいるので痛くもなんともない。ガス抜きをしたほうが良いので3回くらいの間は穴を開けたままにしておくそうだ。食べ物のかすが入っても口をゆすぐ位で、気にしなくていいという。そういうわけで、今回はおでき自体は触らず、おできの所の臼歯の真ん中に大穴を開け、周囲の上部も金属のベルトのためか削った。歯は阿蘇山の中岳噴火口みたいになった。消炎剤と化膿止めを3日分もらった。
(つづく)


歯茎におでき(7) 歯科治療2 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(6)から続く)
9月15日に患部を掻き取り、1週間後に下の歯の歯石を取り、2週間後に上の歯の歯石を取って治療は終わった。後は3ヶ月後の定期健診だという。

歯茎を掻き取ってから何日も経たずに1ミリ位の小さなとんがりができた。歯科治療が終わって後は定期健診と言われた翌日には、わずかに白い液がにじみ出た。膿と思われる。10月1日、1ミリ位の小さなとんがりだったものは、長径2ミリ位の小さな楕円状ボタンになって窪みを埋めている。これが治癒途上に出来る肉芽なのか、おできの再発なのか判断できないでいたが、翌日には楕円状ボタンの上に明らかに白い膿が認められた。再度歯医者に予約を入れることにした。

教訓:掻き取った歯茎の肉は1ヶ月程度では復元しない。すぐに復元してきたように見えたら、それは肉芽ではなくおできだ。

歯医者では、歯茎をひと回り大きく掻き取った。例の楕円状ボタンは影も形もなかった。その後1週間何も変化がなかったが、ある晩酒を飲んで鏡を見たら歯と歯茎の境目に白い1mmの膿が出た。2日後には長径2ミリ位の小さな楕円状ボタンになって掻き取った歯茎の窪みを埋めた。これはつまり以前の症状の繰り返しだ。

歯茎を掻き取っても掻き取っても同じ所から膿が出るとはこれいかに? 
(つづく)


歯茎におでき(6) 歯科治療1 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(5)から続く)
9月15日。歯科治療初日。最初の診断は、歯肉炎がこじれたもの、だった。麻酔をかけてクリーニングをしましょうと言われた。こう言われるとつい、麻酔をかけるほど痛いことをするのかと思ってしまう。実際には、一番痛いのは麻酔の針がチクリとする時だった。考えてみれば、痛くないようにするための麻酔だから当たり前なのか。クリーニング自体は別段痛くなく、うがいしてから先生から女性に替わって歯石を取った。後は薬を付けて終わり。30分はうがい、飲食をしないでくださいと言われた。受付で出された飲み薬は消炎剤ブルフェンと化膿止めトミロン。それに、痛みが我慢できない時にだけ飲むという鎮痛剤。これを出されるとつい、我慢できないほど痛いのかと思ってしまう。でも、ふと気がついた。これらの薬は4月に歯を抜いた時と同じだ。ということはつまり、傷口からの感染症に備えてのものだ。そうとわかれば、事情は察することができる。帰宅後、鏡で歯茎を見てみると、膿袋になっていた所を掻き取ったらしい。これではもう、化膿して膨れる膿袋がないから膨れるはずがない。そう、もう膨れないはずだったのだが。

8月の終わりから微熱が続いていた。私は臆病だから精神的なものだろうと思っていたが、今思えば歯根の化膿が原因だったのかもしれない。
(つづく)


歯茎におでき(5) 経過3 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(4)から続く)
9月になると、半球形の膿袋のほうは治ってしまった。新デントヘルスのおかげだ。親が歯科でステロイドの塗り薬を買ってきてくれたことがあったが、これは数回試してやめた。症状が改善しないし、どうも気になった。後で歯医者に行ってから、やはり膿袋にステロイドは合わないと知った。

いっぽう歯との境目の膿袋のほうは、ある程度小さくなった後は一進一退を繰り返して良くはならなかった。いくらデントヘルスを塗ってもそれ以上変わらなかった。私の方針からすると、こういう時は原因が取り除かれていないという結論になる。それが不気味だった。

歯との境目の膿袋がどうしても治らないので、歯医者に行くことにする。膿袋が出来てから1ヶ月以上経ち、私は精神的に疲れ果てていた。今まで自分ひとりで判断し、自分で治そうとしてきたので、知らぬうちにそれが精神的重圧になっていたらしい。治るのか、治せるのかという不安と重圧を、毎日の観察と考察と試行錯誤で支えてきた。その疲労が一気に噴き出した。歯医者に電話をしたら、後は歯医者が良くしてくれるだろう。結果がどうなるか知らんが、それは歯医者の責任だ。もう私の責任じゃない。今はもう何もかも忘れさせてくれ。ぽけーっとさせてくれ。
(つづく)


歯茎におでき(4) 経過2 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(3)から続く)
8月も下旬になると、それまでの努力が報われて、毎日こまめに観察している本人でないとわからないほどゆっくりと快方に向かった。半球形の膿袋のほうは最初の規模まで縮小し、膨らみもわずかになった。意外なことに歯との境目の膿袋のほうはなかなか小さくならないが、それでも萎んだ。

その後、半球形の膿袋のほうは明らかに規模縮小して膨らみが失われ、小さなボタンのようになった。いっぽう歯との境目の膿袋のほうは、萎んだものの大きさは変わらなかった。この頃、イソジンのかわりにライオンの新デントヘルスを使うようになった。

この薬の説明書も、インターネットの情報も、歯周病はまず歯茎が赤く腫れ、それが進行すると膿が出ると書いてあった。私のように歯茎が赤くなく、ただ膿の風船が出来るという症例に出くわさないのが不気味だった。後で歯医者に行ってわかったが、これはつまり通常の歯肉炎や歯槽膿漏ではなかったのだ。

自己診断のポイント:歯茎が赤く腫れるなどの前段階がなく突然に膿袋が出来た時は、通常の歯肉炎や歯槽膿漏でなく私と同じ病気かもしれない。もしそうなら、歯医者に行かないと治らない。

患部を下にして横になる、食事で顎を動かす、日中に体温が上がるといった条件で膿袋は膨れた。

教訓:こんなデリケートな条件で膿が出るなら、医者に行ったほうがいい。

当時の私は、まだ自分で治せると信じて、自分に出来る限りのことを精一杯していたのだが。
(つづく)


歯茎におでき(3) 経過1 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(2)から続く)
無理をしないで体をいたわると、症状は少しは改善した。つまり、悪い時には膿がたまってパンパンに膨れ、唇の裏にもその膨れが当たって感じられる。色も膿の白が粘膜を通して透けて見える。改善すると膿が引くらしく膨れがなくなり、ぷよぷよになる。色は中の膿が目立たなくなり、むしろ粘膜に張り巡らされた血管の赤に見える。

この時の私は、最終的には自分の体の治癒力が頼りだと信じていた。歯医者に行かなければ治らないほど悪いとは思っていなかった。

また、出来るだけ早い段階で原因を取り除き治療に移るのは大事だと考えた。薬を塗って症状は改善したが、酒を飲んだ時に規模拡大した患部は規模拡大したままだった。酒を飲まずに気をつけていれば、その部分は健康なままでいられたものを、と考えた。その考え自体は正しいだろうが、私の病気は酒を我慢するだけで治るものではなかった。

横になる時は患部が上になる形で横になった。ある日、左を下にして横になり1時間半テレビを見たが、その間におできが膨れた。左を上にして寝ると、膨れを感じなくなった。おできがしぼんだ。治るまでは左を下にして横になってはならない、と考えた。これは確かに効果的だったが、そもそも左が上か下かという違いだけでおできが膨れたり萎んだりするというのは、ただごとではなかったのだ。
(つづく)


歯茎におでき(2) 進行 [歯茎におでき]

(歯茎におでき(1)から続く)
ある日気がつくと、歯との境目が線状に少し膨らんでいたものがさらに膨らんでしまった。中に膿がたまって白くなっているのがわかる。これには焦った。

大丈夫かと思って酒を飲んだ。小ビン1本でやめるつもりだった。だが、始まってしまったらやめられるはずがない。とことん飲む。飲んでいる間はすこぶる機嫌がいい。でもその日は少ししぼんでいた風船のようなおできが、翌朝には膨らむどころか規模を拡大していた。自分が寝て気づかぬ間に相当な歯軋りをしたのではないだろうか。

このように、外から見てわかる症状は2つあった。2つの膿袋だ。これから何度も呼ばなければならないため、便宜上名前を付けておきたい。左下犬歯のひとつ奥あたりの歯と歯茎の境目にあるものを「歯との境目の膿袋」、その少し奥の歯茎にできたほぼ半球形の膿袋を「半球形の膿袋」と仮称する。

治すために当時試したこととその効果を挙げよう。まず、歯軋りをしないように寝相などを考えながら眠る。寝ている間は無意識なので、ギリッと軋ってハッと目覚め、残念に思うこともある。でも頑張る。これは有効で、後に歯医者に通うようになっても続けた。いや、これから一生続けるだろう。

寝る前に実行するのは、体は寝ている間に治るとばかりに早々と横になり、安静にしている。不安がらず、心健やかに楽しいテレビでも見る。これは、膿袋にびっくりしている自分の精神を落ち着かせるには有効だが、この病気自体を治すには残念ながら生易しすぎた。

たまにイソジンで口内を消毒する。残念ながらこの病気には、イソジンの消毒は効かなかった。後には、ライオンの新デントヘルスという塗り薬を使った。これは効く。塗り続けると、膿袋は小さくなり消えることもある。ただし私の場合は残念ながら、一時的に治ってもまた膿袋が現れた。つまり一時的に表面の症状を抑えることしかできなかった。
(つづく)


歯茎におでき(1) 発端 [歯茎におでき]

歯肉炎や歯槽膿漏の情報ならいくらでもある。ところが、歯茎が腫れずに突然膿がたまり、おできになった時の情報はなかなか見つからない。薬を塗るだけで治ればいいが、治らない場合がある。同じ症状で驚き苦しんでいる方に情報提供するために、このページを作ることにした。

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7月の終わりだったか、左下犬歯のひとつ奥あたりの外側の歯茎に妙なものが出来た。歯との境目が線状に少し膨らんでいた。こんなものは今まで出来たことがないので、ひどく心配になった。これとほぼ同時に、もう少し奥の歯茎が小さなおわん型に膨らみ、その中央に穴のようなものが見えた。こちらは口内炎かと思い、さほど気にしなかった。

8月に入り第一週、おわん型の口内炎が、風船を半分に割ったようなほぼ半球形のおできになっていた。これには驚いた。触ってみるとしこりはなく。ぷよぷよだった。歯茎の粘膜を通して、白い中身が透けて見えていた。悪性腫瘍を含めさまざまな可能性を考えて怖くなり、インターネットで調べた。

その結果いちばんそれらしいのは、歯を抜いた後で噛み合わせが悪くなり歯周病を引き起こすというものだった。私は4月に歯を抜いてからどうも噛み合わせが悪く、上の抜いた歯の辺りの歯茎が常にほんの少し腫れているような気がしていた。今回悪くなった歯茎は、その真下の歯茎だった。

なぜ上の歯を抜いて下の歯茎に影響が出るのか。それは、思い当たる節がある。悪くなった噛み合わせと、寝ている間の歯軋りだ。私は普段から睡眠中に歯軋りをする癖があり、心配事や泥酔など一定の条件下ではこれがひどい。歯軋りで歯から歯茎へ無理な力が伝わり続け、歯茎の奥を傷めていたと思われる。

インターネットのあるサイトでは、原因を取り除くことが大事だと書かれていた。私はそれから毎晩、歯軋りをしないように寝相や顎の開け具合や舌の位置を考えながら眠ることになった。もちろんそんなものは寝ている間にいくらでも変わるので、歯軋りをしてハッと目が覚め、また気をつけて眠るという面倒なことをするしかない。
(つづく)


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