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無題 [震災後の放射能漏れ問題]

朝のラジオで次のようなことを言っていた。埼玉県の一部で産出された製品化前の狭山茶から、農協の自主的な調査によって、基準値を超えるセシウムが検出された。今回は早摘み以外からもセシウムが出た。

私がこの記事を正確なものにしようとネットで調べ始めたら、狭山茶販売大手の会社が自己破産という記事が出てきた。そうか、そこまで来ていたか。それならば、この手の記事も必要な情報に限って書き、風評被害を広げないようにしなければいけないな。なにしろラジオで言っていたのは製品化前の、もちろん出荷のずっと前の段階でセシウムを防げたという事で、以前のように流通してしまったのとは違う。狭山茶の安全が強化された証拠なのだから。

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

環境省は、国が除染を行う地域の範囲を、今までの案「年間の被ばく線量5ミリシーベルト以上」から、「年間の被ばく線量1ミリシーベルト以上」に修正。これにより、除染を行う地域は福島県だけでなく、東北や関東の一部を含む。除染の結果生じる大量の汚染された土砂の保管先は未定のまま。

時として自治体の検査をすり抜けて流通している放射能 [震災後の放射能漏れ問題]

放射能事件のニュースを注意して見るようになってから、NHKが他局に比べてさらにしっかりした報道をしていることがよくわかる。他局がしっかりしていないのではない。民放特有の一面があると言いたいだけだ。たとえばある局の報道は、あえてセンセーショナルな言葉を使ったり、必要以上に視聴者の不安をかきたてる映像を見せたりする。これにたいしてNHKクローズアップ現代は、まずテーマをしっかり選び、そのテーマに沿って必要な事だけを順序だてて報道してゆく。最終的に番組制作者が何を言いたいのかもわかりやすい。

10月3日のクローズアップ現代は30分番組を前半と後半に分け、食品の放射能に関係する2つのテーマを扱った。前半は、自治体の検査をすり抜けた放射能について。後半は、生協が消費者の不安に応えてあえて食品の放射能レベルを公表しようとした努力、それにたいする生産者側の不安、そして案の定出てしまった「暫定基準値には達しないが誰が見ても高い値」という放射能をもつ商品をどう扱うかという苦悩について。

ここでは、番組前半の、自治体の検査をすり抜けた放射能についての部分から書きたい。番組の意図そのものに沿ってではなく、私が書き留めておきたい事だけを書く。

厚生労働省は食品の安全を守るために、いわゆる「覆面調査員」が魚や野菜などを買い、放射能の抜き打ち検査を行っている。また、各地自治体の放射能検査結果が集められ、どの市町村で何回検査が行われたかを把握している。その結果、7月の時点で埼玉県に、まったく検査が行われていない市と町が17あった。

調査員が調べたところ、放射性セシウムが基準値の2倍を超える狭山茶が見つかった。茶葉は乾燥させると水分を失うがセシウムは残るので、濃縮されて放射能の値が高くなることがある。

当時埼玉県では、場所的時間的に「茶葉の大部分を産出する地域で検査すれば良いだろう」「もっとも多く葉が摘まれる時期に調査すれば良いだろう」という考え方をしていた。そしてその場所時間で高い値の放射能が検出されなかったので県は安全宣言をした。ところが、場所的時間的に調査範囲以外から高濃度のセシウムが見つかる結果となった。

これはもちろん埼玉県だけの問題ではないし、茶葉だけの問題ではない。

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

山口県では上関町長選挙で、原発推進派の現職町長が反対派を破り、当選した。とはいえ、建設予定の上関原発が今後国の方針転換で中止される可能性も考え、原発推進の姿勢を保ちつつも「原発を想定しない町づくり」もアピールするという、なんか複雑な立場をとっている。

静岡県では牧之原市議会と市長が、同市から10kmしか離れていない浜岡原発の永久停止を求めた。これまで同市と一致して原発推進派だった他の3市からの方向転換となり、波紋を広げている。

私はこれらのニュースを聞いて、第一印象として「なんか複雑な話だなあ」と感じた。推進派が当選したけど原発を想定しないとか、近隣の原発停止を要求したら同じく近隣の市が困惑しているとか。ブログ記事として書くのに方向付けをどうしたらいいのか。で、次のように考えた。今まで国は原発推進の立場をとって日本各地に原発を建設しようとし、そのメリットを建設地に説いて納得させ、建設地の自治体も原発推進派となって原発を建設してきた。ところが福島原発事故以来、雲行きが怪しくなってきた。国は今までほど原発推進派でなくなるかもしれない。少なくとも原発の新規建設はもうないのではないか。そこで今まで推進派だった人の一部は、推進派であることを捨てないけれども原発がないことも想定するという複雑な事を言い始め、他の一部は脱原発へと方向転換した。

次の話題。

福島第一原発の敷地外から初めてプルトニウムが検出された。いま初めて検出されたとはいうが、これが原発事故で飛散したものであることは間違いない。ただ発見が遅れただけだ。

遅れた理由として、ガンマ線を出さないプルトニウムはガイガーカウンターで計測しにくい事、揮発しガス状になるセシウムやヨウ素と違いプルトニウムはガス状にならず質量も大きいので、そんなに遠くまで飛散しているとは思われていなかった事が挙げられる。

プルトニウムの検出地のうち福島第一原発からもっとも遠いのは、45kmほど離れた福島県飯舘村(9月30日)。

検出されたプルトニウムの濃度は低い。しかしまたアルファ線やベータ線により内部被ばくした場合の影響はガンマ線よりも大きいという知識も併記しておく。

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

9月26日、栃木県のイノシシ肉とシカ肉から、国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された。

私は以前に、放射能事件は第2段階に入ったと書いたが、それでも米から、肉から、時として基準値を超えるセシウムが検出される。私たちが食べている食料品は放射能のサンプルテストを行っているが、こうして不安材料が後から、間をおいて、しかし絶えることなく出現すると、完全に安心して買い消費するのは人間の心情として難しい。

とはいえ私は震災後半年を過ぎてから、牛肉も食べ始めている。正直に書けば、完全に安心しているわけではないが、疑いもほどほどにしないと自分の首を絞めるから、とにかく食べるべきだと思っている。

野田首相 [震災後の放射能漏れ問題]

今日私が仕事から疲れて帰ってきたら、ちょうどニュースで野田首相のことを言っていた。菅前首相は脱原発路線だったが、野田首相は原発は必要と考え、今後停止中の原発を再稼働してゆくという。これについての私の意見はこうだ。脱原発か原発容認かは時間をかけて議論すべき問題であり、それ自体はまだ現段階でどちらが正しいと言えない。ただし、震災と原発事故から半年経ってもいまだに復興までの道のりは遠く、ましてや被災地の人々の心が受けた傷は生々しい。福島原発に近い場所に住む人の放射能不安はまさに今現在の問題だ。それなのに、そういう国民の傷にも不安にもまるで無頓着に、原発は必要だと言えてしまうような人に日本を任せられない。郡山に住んでいる私の先輩の先輩は、今まさに放射能不安で心を病んでいる。被災地で手助けをしてきた人がラジオで「被災地と行政の間にはたいへんな温度差がある」と感想を漏らしたことがあったが、なるほどこういうことか。

菅前首相の脱原発路線は、ある意味安易な理想論に近いのかもしれないが、並はずれた大きな目標を目指す時には、理想論から出発して努力を始めるものだ。私は菅前首相に大それたことができる素質があるとは思っていなかった。ただ、それまで原発推進の方向で動いていた日本で、一国の首相が脱原発路線に言及したということに意味があった。

ネットの記事によると、ドイツは22年までに原発を全廃する方針だそうだ。つまり日本の原発事故を見て、脱原発の動きが一気に強まったのだな。これが私の言うところの、理想論だ。ドイツは理想論が好きらしい。今までもドイツは理想論を進めてきたが、それは失敗したみたいだ。というのは、これもネットからの情報だが、今までドイツは原発を縮小しながら隣国フランスから電気を買っていたらしい。で、そのフランスは原発推進派だ。自国の原発を縮小しても他国から原発によって得た電気を買っていたら意味がない。ドイツはそういう理想論をこれまでもやってきたらしいのだが、今度の理想論はどうなるか。苦労の末にみごと代替エネルギーを獲得するか、それともまた理想論が理想論で終わるのか。まあ見てみよう。

それにしても私が叫びたいのは、この理想論、言い換えれば脱原発の大きな夢を進めているのが、なんで原子力の恐ろしさを身をもって体験した日本じゃなくて、ドイツなんだよ。なんで原子力に怯える国民を抱えた日本が、よりによって国民が苦しんでいるこの時点で、原発再稼働してゆきますと、いけしゃあしゃあと言えてしまうんだ?たとえそれが首相自身の持論だとしても、日本人には今までずっと使ってきた、表現を曖昧にしてお茶を濁すというお家芸があるじゃないか。なぜそれを使わなかった?国民のほうなんか全然見ていないだろ野田首相。他のものを見てるよな。

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

以前には放射能の話題はひとつも聞き漏らさじと神経を張りつめていた私だが、このごろは昔とはうってかわってボーッとしているため、福島県の米のニュースを聞き逃した。とはいえ、この米のニュース自体はセンセーショナルではない。

9月23日に福島県のある市で、収穫前一般米の放射線予備調査が行われた。その結果、暫定規制値ちょうどの放射性セシウムが検出された。暫定規制値とは、1kgあたり500ベクレルの放射線量だ。今後、米収穫後に放射線の本調査がある。なお、出荷制限の対象となるのは本調査で暫定規制値を「超えた」場合であり、今回は予備調査で暫定規制値を「超えて」はいないので出荷制限の対象にならない。

今回検出された高い放射線量の出所として土壌の汚染が推測され、土壌の放射線量を計測したところ、約3千ベクレルだった。これは作付制限の基準5千ベクレルを下回っている。

さて、私がわざわざブログの記事にしたのは福島の米をとやかく言うのが目的ではない。そうではなくて、気になったのは最後の所だ。米の放射線量は500ベクレルが限界だが、米を作る土壌は5千ベクレルまで許すというのが国の基準らしい。米の基準値の10倍もの、誰が考えても気になる数値なのだが。毎日農作業をしている方はきっと心のどこかに不安を抱えているだろう。あと農作物のほうも、この数値の土壌で作られた農作物があるかもしれないと聞かされたら、人はちょっと気にするだろう。

問題点を明確にするために、言葉を付け足そう。私はこの何ベクレルという数値について専門的知識を持ち合わせていない。実際にどれほどのリスクがあるのか、ないのかを門外漢の私は論じられない。でもそういう素人の私でもわかることがある。「農作物に含まれる放射能の量について、許容値を決めました。それ以上は、念のために出荷規制します。ところで、農作物を生産するためには水と土壌が必要です。農作物は、この水を吸い上げ、土壌から養分を吸収して成長します。この水と土壌に含まれる放射能の量は、農作物の許容値の10倍まで大丈夫とします。」私は今、新聞の記事からこういう事を言われているわけだ。それで私としては、違和感というか、矛盾というか、不安を感じずにはいられないのだ。

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

今朝のラジオにて。出勤直前で正確には暗記できなかった。

セシウムは今まで、土壌に降ったものが雨などにより地下へ浸透してゆくと思われていた。しかし福島で土壌を調べた結果、90パーセント以上のセシウムが地表付近に留まっている事がわかった。セシウムが土壌の成分と強く結び付き、水に流れにくくなっていると思われる。また、ひまわりを使った除染が効果を上げなかった事から、農作物によるセシウムの吸収は今まで危惧されていたほど多くないという事がわかった。農作物に肥料としてカリウムをやるとセシウムを吸収しにくくなるという。

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

きょう久しぶりに先輩に会った。先輩であり、職場つまり学校の上司でもある。でも話は順を追って、4月に先輩に会った時の事から書かねばならない。

4月には私は放射能を気にして精神的に参っていたから、きっと他の人もそうだろうと思って、先輩に会ったらそんな話で意気投合しようと思っていた。ところが、いざ会ったら先輩が言うには

「いやー英語の外国人講師が自分の国に帰っちゃってね、新学期は始まったのに放射能が怖くてなかなか日本に来なかったんだ。でも授業をしないんだったら辞めてもらわなきゃならないからねえ。それでまあ説得して、彼はしぶしぶ来たんだけど、東京に来て驚いてるんだよ。なんかね向こうでは被災地のすごい映像ばかり流れてるみたいでね、きっとそんなだろうと思ってたみたいだ。そしたらみんな普段通りに普通に出勤してるからびっくりしたんだってさ。だってねえ、我々ここで生きていかなきゃならないから、放射能を気にしたってどうしようもないしねえ。」

放射能の心配事をとことん言い合おうと思っていた私は、何も言えなくなってしまった。その後も先輩には会いに行ったが、先輩は役職柄仕事が多く多忙で、それ以来たいした話はできなかった。

それから約半年が過ぎた。心配性の私もこの頃はようやく元気が出てきた。前の記事に書いたが、日本の放射能騒動は第2段階に入ったと私は考えている。「情報が入って来ずにどうしていいかわからず不安が先に立つ」第1段階は終わった。

そしてきょう先輩に会いにゆくにつけて、私は思った。4月には私と先輩の放射能不安にギャップがあって話を切り出しそびれたが、ようやく私も先輩と同様の状態になれた。今なら先輩が「放射能を気にしてもどうしようもない」と言ったら、「そうですねえ」と返答できるぞ。そしてそういう話で意気投合しようと思いつつ先輩に会いに行った。ところが、いざ会ったら先輩が、先輩の先輩のことを話し始めた。先輩の先輩は福島県郡山に住んでいる。いま放射能不安で精神的に参っているそうだ。私は正直に書くと(え?今になって?)と思った。なぜなら私は何カ月も前からニュースやネットの情報を気にして、自分なりにこのブログに考えをまとめて書き、それを自分なりに納得できる知識となして判断材料とし、今はようやく放射能不安から立ち直りつつあるからだ。場所が福島県だと事情が違うのか。

放射能騒動が第2段階に入って精神に余裕が戻った事をとことん言い合おうと思っていた私は、またもや何も言えなくなってしまった。

私は思った。先輩の顔色をうかがって話を引っ込めるのはもうやめよう。そうしないと何も話せやしない。

時が経ち、仕事からの帰り道、私は考えた。事情は複雑だ。ひとつの対象が、見る人によって全然違う意味をもつ。福島県の中でも原発からある程度離れている場所。そこに住む農家の人にとっては、そこで生産される野菜は国の暫定基準値を下回る結果を得て安全だ。買い控えが起きたらそれは風評被害だ。いっぽう、同じ場所に住む農家でない別の人にとっては、自分の住む場所の放射能レベルが不安だ。不安のあまりに精神まで参ってしまった。我々がもしも人間でなくロボットだったら、論理がすべての存在だったら、こんなに複雑じゃない。2つのうちのどちらかではないだろうか。すなわち、その土地の野菜が安全ならばもう一方の人は安心していればいい。あるいは、その場所が不安を感じる放射能レベルならば野菜も不安だ。これが論理だ。でも我々は人間なので、そうは行かない。安心なんだ。そして不安なんだ。人間の社会はとても複雑だ。

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

明日が9月11日、震災からちょうど半年になる。地震と津波の被害までなら復興はもっと進みが速かったはずだが、現実には福島の第1原発が津波で冷却機能を失いメルトダウン、水素爆発を起こしてきわめて高濃度の放射性物質をまき散らした。これのせいで問題はとても複雑になってしまった。これ以上概論を書く必要はないだろう。本題に入ろう。

原発事故以来、私は頻繁に記事を書いてきたが、このところ原発関係の記事を書いていなかった。これは決して何も起きなかったという事ではない。私が記事を書かなかった間にも、薪や稲から国の暫定基準値を超える放射線が検出されてニュースで報道された。ただ、それらはみな同じ類のもので、どうやら放射能事件は第2段階に入ったようだと私は考えた。

第2段階とはどういうことか。第1段階は、どこにどれほどの放射能があるかわからずに不安が先に立ち、除染などの行動はままならない段階だ。これが暫く続き、その間政府の対応が後手後手に回ったが、その後第2段階に入った。第2段階は、とりわけ何に注意しなければいけないか(原発事故以来屋外に放置されてきた水分を吸収・発散しやすい物に注意、校庭や公園などの土壌に注意)が経験からわかってきた。だから除染などの行動も自発的に行なわれるようになった。もっともここでも政府の遅々として進まない政策を待ってはいられず、自治体等が自発的に行動するしかなかった。

私としては、すでに少し前に生じていた第2段階への移行を震災から半年の時点で確認することで、この一連の記事にひとまずの区切りをつけたい。

もう少し、気づいたことを書こう。まず、大きな皮肉について。今まで、日本は世界中のどの国よりも食の安全に神経質だった。これは行政がではなく、国民一人一人の意識が神経質で、その結果として日本という国全体がその方向で動いた。過去には中国産の食品に問題が起きた時、あるいはBSEについても、日本は問題のある食品を神経質に拒否し続け、相手国は最初のうちは「それはウチのせいじゃない、そっちが悪いんだ」あるいは「たまたま偶然に脊柱がちょっと混じっただけだ」などと言っていたが、そのうちには「これはこの国のメンタリティーであり、どうにもならん」と観念したに違いない。その日本が、今、世界中のどの国よりも食が危ない国になっている。農薬が残留した中国の野菜?そんなもんなまぬるい。薬で太らせた鶏?そんなもんなまぬるい。ベトナムに旅行して帰ってきたら虫下しを飲んでおけ?そんなもんなまぬるい。日本なんか放射性セシウムだぞ。食べたら発がんリスクが上がる素晴らしい食だ。なんという皮肉だろう。今までスーパーで「国産は外国産に比べて安心だけど高いから買えない」などと思っていた人も、今ではこぞって「安全な外国産」に手を伸ばす。なんという皮肉だろう。

もうひとつ。先日のラジオで誰かが喋っていた。その人に言わせると、国の暫定基準値はいつまで暫定のままなのか。諸外国での基準値がどうのとか言ってないで、世界中のどの国よりも厳しい基準値を設けたらどうか。そうすれば外国は日本の食が安全だと信じて、また輸入するようになる。なぜ国がそうしないかといえば、そんなことをすれば日本中の多くの生産物が基準にひっかかり、国がそれを補償しなければならなくなるからだ。それが嫌だから基準値を厳しく出来ないというのは、つまり国民の健康をないがしろにしているという事だ。この健康にかかわる大問題を与党は口にせず、野党さえも批判しない。その人はこういう趣旨のことをラジオで言った。その人の発言は理想論かもしれないが、いずれにせよ私は思った、世の中にはこの心配性の私よりもさらに厳しい目で放射能問題を見ている人がいた、と。私自身、先ほど第2段階に入ったとは書いたが、それで満足という意味ではない。ただ、これ以上は望めないと諦めているだけだ。

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

記録

2011年8月19日
福島、宮城、岩手、栃木の4県で行われていた肉牛出荷停止のうち、宮城の出荷停止が解除された。今後は適切な管理体制のもとで出荷が行われる。いっぽう、同時に出荷停止を解除する予定だった福島については、あらたに福島産の牛肉から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出され、出荷停止の解除は見合わせとなった。この牛肉の肉牛を飼育した農家は、汚染された稲藁を牛に与えていないと言う。そこで今後、このセシウム検出の原因を究明する必要がある。

私の感想。食の安全に関して日本国の政府は正直に動いてくれるので有難い。これが他のある国なら、都合の悪いことはひた隠しにするだろう。政府がこうして努力しているのだから、我々消費者は安心して牛肉を消費するべきだ。ただ残念ながら、まだ「4月などの危なかった時期に食肉処理され冷凍されていた放射能牛肉が今ようやく発見されている」段階なので、個人的にはあとほんのちょっとだけ待ちたい。そういえば9月11日で大震災から半年となる。きりがいいので、私は個人としてこの日を「積極的に牛肉を消費しはじめる日」にしたいものだと思っている。

牛(つぶやき並の短文) [震災後の放射能漏れ問題]

政府は福島・宮城に続き岩手でも牛肉出荷停止。栃木でも近く出荷停止の見通し。

先日書いたとおり、この手の記事は私が書きすぎて精神的に疲れてしまったので、上の一行だけにする。ショッキング、またなのか、牛はもう駄目だ、やってられん、が私の感想だ。

震災後の放射能漏れ問題 まとめ2/2 [震災後の放射能漏れ問題]

私が「まとめ」を書いたからといって、この問題が終わるわけではない。

私はこの問題を追いかけて毎日ニュースを見て記事を作ったが、事件は毎日のように起き、それを記事にするのが追いつかなくなった。さらに、こう毎日放射能問題を記事にしていると、楽観的思考が生まれにくく、気づくとなんだか暗い考え方になっていた。このままでは日本の放射能問題より先に、私個人の精神の問題が深刻になってしまう。だから、ひとまずここで「まとめ」にしてしまうことにした。

今後絶対に放射能記事を書かないという意味ではない。でも今までのように一生懸命事件を追って書くのは、ひとまずやめよう。

今日は、
買うか、買わないか、ガイガーカウンター
するか、しないか、除染
信じるか、信じないか、お上の組織
の3本立てだ。


**** 買うか、買わないか、ガイガーカウンター ****

震災直後、私は「全国のリアルタイム放射線量マップ(速報版)」サイトを信用していた。そして、月日が経つうちに「黄色ばっかり」だった関東地方に少しだけ「緑」が出てきた変化に喜んだりしていた。

そんな私の気が変わったのは、「県別ガイガーカウンターまとめ」サイトが出来た時だった。そこには全国のウェブカメラで撮影された本物のガイガーカウンターが映し出され、それが実物のガイガーカウンターならばこれこそ事実と思えた。そしてその放射線量の数値は、なんと「全国のリアルタイム放射線量マップ(速報版)」よりも高かった!

どんな風に高かったかというと、「全国のリアルタイム放射線量マップ(速報版)」では原発に比較的近い茨城県のほとんどの測定地点で「超過時」を示す赤、東京・神奈川のほとんどの測定地点で「平常時の0.5倍以上」のオレンジ(黄色)。これが「県別ガイガーカウンターまとめ」のウェブカメラでは、東京も茨城と同程度の数値だった。

「全国のリアルタイム放射線量マップ(速報版)」は、本当に測定しているのかもわからないただの数値の表示。いっぽうのウェブカメラは本当に測定しているのが一目瞭然。一歩譲って「リアルタイム放射線量マップ」が本当に測定した結果を正直に公表していると信じることにしよう。その場合、百葉箱などのように地表から一定距離高くして測定しているんじゃないのか?実際の私たちの生活はそんなものじゃないぞ。とくに気になるのが子供だ。小さい子供の鼻や口は立った状態でも地表から1メートルも離れていない。それどころか小さい子は大人と違って何をするかわからない。土まみれになって遊ぶのは当たり前、地面に寝転がるくらいはやるかもしれない。ウェブカメラに映るガイガーカウンターがどんな場所に置かれているかは知る由もないが、その数値が高いということは、「リアルタイム放射線量マップ」よりもさらに現実的な場所、地表から1メートルなどという生ぬるい測定でない場所に置かれているのではないか?私は当時そう考えた。

震災直後は即座に売り切れたガイガーカウンターだが、それから数カ月が経ち、また入手可能になっていた。Amazon.co.jpで探すと豊富な品揃えだ。この時点では私は買う気になっていた。でもこの豊富な品の中のどれを選ぶ?こういう時は「カスタマーレビュー」が参考になる。私はレビューを読み漁った。そして複数の意外な記述に出くわした。

ここから先は、その意外な記述の中からの紹介だ。初めに明記しておくが、私はレビューの記述の裏を取っていない。書いた人は誠意をもって書いているに違いない。しかしそれを読んで信じるかどうか、情報の裏を取るかどうかは、すべて読者の自由であると同時に自己責任だ。

結論から書くと、我々が簡単に入手できるタイプの放射線測定機の多くは、関東地方程度の放射線量を精確に測定して常時の線量と比較する目的には向かないらしい。我々が入手できる放射線測定機を種類別に分けると、その主なものとしてガイガー=ミュラー計数管を使った本来の意味でのガイガーカウンターと、シンチレーション検出器がある。レビューの記述には専門的なことが山盛り書かれていたが門外漢の私がそれをうまくまとめて記述できるわけもなく、ここでは省略する。とにかくガイガーカウンターとシンチレーション検出器は特性が異なり、その中でも今の我々にとって重要なことが2つある。

その1。今の我々が気にするべき放射線はガンマ線だと思われる。その理由は日本語版ウィキペディアに「セシウム137は30年という半減期である」「体内に入ると血液の流れに乗って腸や肝臓にベータ線とガンマ線を放射し、カリウムと置き換わって筋肉に蓄積したのち、腎臓を経て体外に排出される。セシウム137は、体内に取り込まれてから体外に排出されるまでの100日から200日にわたってベータ線とガンマ線を放射し、体内被曝の原因となるため非常に危険である。」「セシウム137はバリウム137mへとベータ崩壊するため、ガンマ線の強い発生源である」と書かれているから。そして、ガイガー=ミュラー計数管はベータ線に非常に敏感な反面ガンマ線の検出効率が悪く、放射性セシウムの存在を知ろうとする今の我々にとってはこれが計測値の誤差という形で災いする。空間の線量を計ると実際より高めに出てしまう。

その2。シンチレーション検出器は、上記の「その1」の理由もあり、ガイガーカウンターよりもガンマ線にたいする感度が高い。ただしシンチレーション検出器にもさらに種類があり、またシンチレータ結晶の大きさなどによる性能の相違があり、さらにはエネルギー補償などの調整がされているかどうかで誤差の度合いが変わる。精度の高い機器は高価。

推論。我々が簡単に入手できるタイプの放射線測定機の多くは、関東地方程度の放射線量を精確に測定して常時の線量と比較する目的には向かない。ウェブカメラに映っているガイガーカウンターはすべて本物に違いないが、そもそも測定に誤差があると思われる。いっぽう公式発表の数値は、地上1メートルというなまぬるい測定条件ではあり、実際に我々が地表から飛ぶ埃を吸いこんだ場合の被ばくの程度を推測しうるものではないが、高価な機器を使用し測定誤差が少ないことは間違いない。

買うか、買わないか、ガイガーカウンター。私は結局、買うのを見合わせた。


**** するか、しないか、除染 ****

震災直後、除染という言葉を初めて知った時、まず私は次のように勝手に考えた。「除染というのはきっと、高度なテクニックで放射性物質を取り除く特殊な作業なのだろう。白衣に身を包んだ科学者がハイテク機器を使って行うのだろうか?一般人には想像もできないぞ」と。ところがその実体は、人手による「大掃除」だったようだ。洗い流す、削り取る、などの誰でもできる肉体労働らしい。

除染の一例として、7月21日に日本テレビのNEWS ZEROで報道されていた「江東こども守る会」の活動がある。7月2日に20人を超える親たちが公園に集まり、放射線量の測定と除染を行った。親たちは、東京都が貸し出しているものと同じ測定機を使い、地上5センチと1メートルの高さで放射線量を測定した。数値が安定するまで5分待ってから30秒ごとに5回計り、その平均をとった。場所は公園内の、遊具や側溝の近くなど。

「東京都が貸し出しているものと同じ測定機を使い」という所で大写しになった機械はDoseRAE2というもの。ガイガー=ミュラー計数管ではなくシンチレーション検出器だ。テレビには他の種類の測定機も映った。

「値が高かった所では0.29マイクロシーベルト」とテレビが喋った直後、この特集の制作者の基本姿勢を垣間見る喋りが続いた。「もしこの場所に24時間365日居続ければ、国が定める一般人の年間被ばく限度量1ミリシーベルトを超える値だ。」この場所に24時間365日居続ける子供はいない。もしいるとすればその可能性はホームレスだけだ。これは視聴者の不安を煽るだけで意味のない喋りだ。こういう部分さえなければ、さらに真面目な番組になったのに。他にも「公園でコンマ26(0.26)なんて見たことないな」とか「あ、すごい、3(0.3)超えた」とか、ちゃんとした計測結果でない中途の、視聴者の目を引くのが目的と思われるシーンをわざわざ映す。これにたいして「江東こども守る会」の代表さんからは、自分たちの子供を守りたい守らねばならない、それゆえに正しい知識、きちっとした計測、きちっとした活動、きちっとした結果を出すという思いが伝わってきた。

さて当日の除染はどのような作業だったのか。コンクリートの道路は高圧水流で泥と共に放射性物質を洗い流し、その後は泥水を柄のついたブラシで掃いて排水する。これにより除染前には0.21マイクロシーベルトだった値が0.11にまで下がった。木の根元にはとくに値の高い場所があり、ここは表土を数センチ削り取って下の土と入れ替えた。これにより0.55だった値が0.12に、0.34だった値が0.11にまで下がった。

表土の削り取りについては、偶然にも同じ日のニュースで別の報道もあった。福島県でとくに放射線量が高かった52の学校や幼稚園などで、校庭の表土を削り取る土壌対策をとったところ、放射線量が平均で75パーセント下がったという。この場合、表土を削り取るというのはパワーショベルでざっくり削ってトラックで運び去るという大量のものだった。

ニュースからの情報は以上だ。私としては、上のガイガーカウンターを買うかどうかの所に書いたとおり、放射線量については今までほど気にしないことにするつもりだ。だから家のまわりの除染は、大掃除だと思ってやるつもりだ。埃を立ててその中に顔を突っ込まなければならないから、マスクくらいはする。


**** 信じるか、信じないか、お上の組織 ****

7月29日のNHKニュースウォッチ9による。4年前の平成19年、静岡県御前崎市で国が開いた原子力関連のシンポジウムをめぐって、原子力安全・保安院が「やらせ」の依頼をした疑いが浮上した。シンポジウムの事前に中部電力は原子力安全・保安院から、地元の人に賛成側の質問をしてもらうよう頼まれたと言う。中部電力としてはやらせを断ったものの、浜岡原発幹部が社員や関連会社に働きかけ、結局500人あまりの出席者のうち150人ほどは社員だったとみられる。もしこの疑いが事実ならば、国が特定の意見表明を誘導したことになる。しかも原子力の安全規制を担当するはずの原子力安全・保安院が原発推進のやらせを依頼したことになる。ようするに無茶苦茶だ。

そもそも原子力安全・保安院とは、茨城県東海村のいたましい臨界事故(平成11)の後、「原子力の安全規制」を強化する目的で発足したもの。ところが実はこの保安院は、「原発の利用推進」を考える資源エネルギー庁と同じ経済産業省に属する。原子力利用のアクセルとブレーキが同じ組織内に存在している。これは構造上の大問題だが、ちっぽけな個人である私はむしろそれ以前に叫びたいことがある。

東海村の事故のことを覚えていない人は少ないだろう。私は当時のニュースの一部がいまだに忘れられない。放射性物質を運ぶ作業をあろうことか「バケツ」でやらせるという異常にずさんな管理体制の中、ついに臨界となって生じた大量の中性子線を浴びた作業員がいた。彼の治療を担当する医師が「大量の輸血をしているが血が止まらない」と報告していた。彼はその後亡くなったと記憶している。こんなとんでもないことを2度と起こさないようにと作られた原子力安全・保安院が、原発推進のやらせを?もしこれが事実なら・・・人間はどこまで馬鹿になれるのか?

震災後の放射能漏れ問題 まとめ1/2 牛について [震災後の放射能漏れ問題]

7月25日のNHKクローズアップ現代は、じつに有意義な番組だった。これまでの放射能牛問題の疑問点やポイントを扱ってくれた。このところ毎日のように牛関係のニュースがあり、さらに私自身の仕事も忙しかったので、ブログ記事にするのはかなり遅れてしまったが、それでもこの番組の内容は今なおアクチュアルだ。この「まとめ1/2」は、25日のクローズアップ現代を中心に私の感想も差し挟みつつ書く。この番組以後に出てきた事件やネット上で見つけた情報については、またの機会に「まとめ2/2」として書きたいと思っている。

**** はじめに ****

多量の放射性セシウムを含む牛肉と稲藁の関係は、ここで繰り返すまでもないだろう。万一この記事を10年後に読んだ人が忘れているならば、このブログの以前の記事を読めばわかる。だからここではクローズアップ現代が番組冒頭で紹介した、放送の時点でのデータだけを挙げよう。汚染が確認された稲藁は岩手・宮城・福島・栃木の4県のものであり、それが15の道と県で肉牛に与えられた。番組では日本地図が出たのでどの県かもわかる。北は北海道から西は島根まで。放射性セシウムに汚染された稲藁を食べた疑いのある肉牛は、番組放送時点で15道県、2,646頭。このうち38頭の牛肉からは国の暫定基準値を上回る放射性物質が検出されている。

**** 気にするのは牛肉だけで良いのか ****

私は、毎日のように放射能牛肉のことが報道される中で、ふと心配になる。日本人はひとつの物事が注目されると猫も杓子もみんなそればかり報道し、そればかり話題にする癖がある。その他の事は目もくれなくなる。そしてまた別の物事が注目されると猫も杓子もそっちへ行って、それまで注目されていた物はどうでもよくなる。今は牛肉牛肉という状態で他の食品の安全性がほとんど話に上らないが、牛肉以外は今どうなっているんだ?私はそう思った。この疑問にたいする答えは、クローズアップ現代からある程度は読み取ることができる。

クローズアップ現代が言うには、汚染された牛肉の流通を防止することができなかったことで、他の食品にも同じようなことが起きているのではないかという懸念が生まれている。そう、疑問はそれについてだ。そしてその答えは

「福島第一原子力発電所の事故の後、野菜や牛乳など様々な食品が検査対象となっていた中で(後略)」

まあ正直なところ、食品全般についての番組内での言及はこれだけだった。検査対象にはなっている。でもどんな検査?牛肉だって検査対象になっていたけどセシウムはそれをすり抜けた。食品の検査はきっと、牛肉に対して事件発覚以前に行われていたような、膨大な量の食品からほんの一部のサンプルを取り出しての検査なのだろう。食品に機器を近づける程度の検査?それともゲルマニウム半導体検出器を使った検査?そこまで掘り下げてくれたら有難かったが、今回の番組のテーマが牛肉だから、残念ながらそこまでは望めない。

しかしクローズアップ現代では、牛と牛肉については詳しく教えてくれた。クローズアップ現代がひとつの質問を出して言うには、稲藁を餌として与えられているのは肉牛だけなのか?そうそう、それは知りたい。牛肉の話題はたくさん出るが、牛乳の話題が出ない。どちらの食品も牛から産出されるものなのに。気になる。そしてクローズアップ現代がこの質問に答えて言うには、稲藁を与えられているのはおもに肉牛。乳牛は敷き藁として使っているが、一般的には餌として与えていない。豚や鶏はトウモロコシなどの飼料を与えている。なるほど、食品にたいする放射能問題を稲藁由来のものに限れば、とりわけ心配なのが牛肉であり、その他の食品はそれに比べて危険度が非常に低いということか。まあ、乳牛が敷き藁を食うこともあるだろうけど、そこまで言っていたらきりがないからそれはもう言わない。

ちなみに、なぜ乳牛には稲藁を食べさせずに肉牛には稲藁を食べさせるのかについて、クローズアップ現代が言うには、稲藁は牛の消化を助け、出荷直前に与えると肉を霜降りにする効果があるとされる。私は以前に他のニュース番組で、肉牛農家がインタビューに答えているのを聞いたことがある。それによると、肉牛には牧草を食べさせない。なぜなら、牧草に含まれる何とかいう物(ありふれた物の名前だったが忘れてしまった)が牛の脂肪を黄色くしてしまうから。稲藁を食べさせると奇麗な白い脂肪になると言っていた。

結局、この節のタイトル「気にするのは牛肉だけで良いのか」にたいする答えは、「食品にたいする放射能問題を稲藁由来のものに限れば、牛肉だけで良い」となる。

それでは、食品にたいする放射能問題を稲藁に限っていいのか。いや、もちろん他の食品にもさまざまな事情があり、たとえば福島県ではセシウムが付着した果樹の樹皮をはがして果実への影響を防ぐなどの措置が取られている。だから質問の言葉をもっと厳密にしよう。なぜ今、とりわけ稲藁が放射能汚染源として注目されるのか?

**** なぜとりわけ稲藁が? ****

クローズアップ現代によれば、宮城県北部では牧草から国の目安の2倍の放射性セシウムが検出されたが、稲藁から検出されたのは目安の20倍だった。牧草と稲藁の間になぜこれほどの違いがあるのか。いったい稲藁の何が特別に他の物と違うのか。

クローズアップ現代によると、稲や稲藁の構造が多くの水を吸収しやすいということが牧草と異なるらしい。話を続ける前に、稲藁のセシウムが一体どこから来たかをはっきりさせておく必要がある。セシウムは雨と共に来た。雲のような状態の放射性セシウムは3月15日に宮城県北部にまで達していた。この日この地域で雨が降っていた。大気中の放射性セシウムが雨で落とされ、屋外にあった稲藁を汚染させたとみられる。さて、稲の茎を通る導管などにセシウムを含んだ雨水が多く吸い込まれた。ここまでならば、その濃度はまさか国の目安の20倍には達しなかっただろう。ところが外に放置してあった稲藁はやがて乾燥した。乾燥によって水は蒸発するが、セシウムは残る。雨が止んだ後も水たまりから雨水がしみ込む。また乾燥すると水は蒸発するがセシウムは残る。これを降雨のたびに繰り返し、セシウムが濃縮されていったと考えられる。

つまり、稲藁だけがとりわけ注目されるのには理由があり、正しいことだ。他の物をないがしろにしているわけではない。とはいえ、稲藁と同じように吸水性に富み屋外に放置してあった物は同様に気を付けなければならない。クローズアップ現代の放送日より後に園芸用品の腐葉土から高濃度の放射性セシウムが検出されたが、これもまさに稲藁と同じ理由からセシウムを多く含むに至ったと思われる。

話を稲藁に戻そう。稲藁にセシウムが含まれた経緯はわかった。では、それが危険であることはわからなかったのか?どうして肉牛の口に入ってしまったのか?

クローズアップ現代によると、国は事故の直後に一度、屋外にあった家畜の餌に注意するよう呼びかける文書を出した。しかしそこには「牧草、乾草」と書かれるのみで、「稲藁」という言葉はなく、農家への周知も徹底されなかった。稲藁を乾かすために春先まで屋外に置いておくことがあるのを、農林水産省は知らなかった。私が他のニュースで聞き知ったところでは、上記の文書は畜産農家にたいして出され、稲作農家には出されなかった。これはつまり、春先まで稲藁が屋外にあるとは思わなかったからだ。また別のニュースで聞き知ったところでは、畜産農家にたいして出された文書を、実際には知らなかった畜産農家がある。その理由は、各農家に通知をするはずの役所が、大震災直後の混乱でそれどころではなかったかららしい。また、原発から遠く離れた土地で高濃度の放射能が検出され、国の警戒網があまりに狭すぎた件については、クローズアップ現代が言うには、汚染の広がりを示す詳しいデータや地図が4月5月の時点では政府部内でも十分共有できていなかった。私の感想としても、今回の放射能騒動は多くの部分で国の対応が後手に回ったと思える。本来は事前に作られた警戒網で放射能を含んだ物品がブロックされてほしいのに、現実には放射能物品が出荷・流出したことが判明してから初めてその原因が明らかになっている。

放射能から国民を守るための政府の防御措置には、様々な理由からいくつもの大穴が空いてしまったのだ。この日本国の失態を、他の原発をもつ国々はぜひとも教訓としてほしい。「自分の国は大丈夫だ」などと根拠のない自信をもってくれるな。

クローズアップ現代では他のことも言っていたが、これ以外の情報は他のブログ記事に書いておいたのでここでは割愛する。

**** 最後に ****

この「まとめ1/2」の最後に、我々がもっとも確認しておくべき事柄を挙げる。それも私の言葉としてでなく、厚生労働省 大塚耕平副大臣の言葉としてだ。

「この放射性物質との、・・・つきあいは、もう日本はこれから、かなり長い間、あー・・・まあ、受け入れざるをえない状況になっておりますので(後略)」

半減期が30年の放射性セシウムは、それがもつ「毒」の有効期間が少なくとも30年間ある。だから少なくとも30年後まで、日本で暮らす人は日本人であろうと外国人であろうと、放射能のことを心の片隅に置かなければならなくなった。とくに食品と、一部の園芸用品(腐葉土)と、子供が遊ぶ場所(子供は公園でだけ遊ぶとは限らないし、とくに小さい子は土いじりした手を口へ持って行くことだってある)と、それに、買い手のつかない住宅用空き地がすぐ隣にあって、そこに引き抜かれた大量の雑草が「稲藁のように」放置されている場合にはそういうものも、ほんの少しでいいから気にしなければいけない。いつも気にしていたら気分が暗くなってしまうから、たまに、ほんの少し気にすればいいと思う。でもまったくの能天気は絶対だめだ。私は以前に予見したぞ。福島沖のカレイ。土地の除染が済んで人々が福島沖で漁をするようになってからだから、まだ何年先のことかはわからないが、まさにそれゆえに危ない。カレイは人々が忘れた頃、いや、いいかげんに忘れたいと思う頃にセシウムを連れてやってくる。

国を待っていられない [震災後の放射能漏れ問題]

28日 NHKニュースウォッチ9と私の感想

**** 出来事 ****

枝野官房長官は、福島県に続き宮城県にも肉牛の出荷停止を指示した。放射能牛事件は収束に向かうどころかますます拡大しているように見える。

自治体や生産団体などは国に肉牛の全頭検査を求めているが、現実には機器と人手が足りない。ゲルマニウム半導体検出器は1台2千万円もする。こうした中、小売業者や自治体は「消費者の不安を一刻でも早く払拭しなければ消費者の牛肉離れがさらに強まる」という危機感から、「国を待っていられない」と考えるようになり、独自に牛肉の検査態勢を強化しはじめた。検査態勢強化の動きは、これまでに全国12県に及んでいる。

イオンは牛肉売り場に「全頭検査済み」の文字を掲げている。対象はイオンが自ら指定した農場から仕入れている国産牛肉すべて。

JA栃木中央会は、栃木県のJAが出荷するすべての牛について、食肉処理場で肉の一部を切り取り、民間の機関で検査し、国の暫定基準値を下回った肉だけを出荷するという。

**** 私の感想 ****

今回の私の感想は、自治体や生産団体には気の毒だが、これは根本的な解決ではないというものだ。理由は明白。ゲルマニウム半導体検出器が調達できないのは確実だ。なぜなら、国がそれをできないでいるからこそ自治体や生産団体が自ら動かざるを得なくなったのだから。それで、ゲルマニウム半導体検出器が調達できない以上は、全頭検査の内容はせいぜい牛肉に検査機器を近づけて計測するしかないはずだ。気休めとまでは言わない。それでも信頼度はかなり落ちる。

国は行政だが、小売業者は営利企業だ。ものすごく当然のことだが営利企業が動くことの根底には自らの利害がある。たとえ小売業者自身がそれに気づいていないとしても、経済はそういう基盤で動き、小売業者はその上に乗っかって生きている。それで結果的に、次のような思考になった。牛肉を売らなければ→そのためには消費者を安心させなければ→そのためには「全頭検査済み」と明示しなければ→そのためには全頭検査を(どんな方法であろうともとにかく)しなければ。この思考の流れは、(経済的利害でなく)庶民の安全を思っての思考とは似ているけれども違いが出る。つまりこうだ。牛肉に放射能が混じっているかもしれない→健康が心配だ→健康を維持しなければ→そのためには全頭検査をしなければ。こっちには、「どんな方法であろうともとにかく」がない。別の言い方をすれば、最初のほうの思考の最終目的は牛肉を売ることであり、後のほうの思考の最終目的は健康を守ることだ。

腐葉土 [震災後の放射能漏れ問題]

7月27日 TBS Nスタと私の感想

**** 出来事 ****

秋田県内のホームセンターで販売された腐葉土から高濃度の放射性セシウムが検出された。腐葉土1kgあたり1万700ベクレル、原料の落ち葉からは1kgあたり7万2千ベクレル。この腐葉土は栃木県の業者が製造し、秋田・青森・岩手・宮城で販売された。秋田県ではおよそ2万袋をすでに販売。

東京農業大学応用生物科学部の後藤逸男教授は、落ち葉を原料にして腐葉土を作る過程で有機物が分解することにより含まれているセシウムが濃縮されてしまうという。出荷段階で乾燥させることにより、さらに濃縮される。

腐葉土や堆肥には放射性物質の規制値が存在しない。農林水産省は指針の作成を急ぐと共に、東北や関東を中心とした17の都県で原発事故の後に作られた腐葉土や堆肥について使用・流通を当面自粛するよう、すべての都道府県に通知。

**** 私の感想 ****

こんどは家庭菜園をセシウムが襲った。以前はほうれん草やお茶だったものが最近は牛肉になり、そして今度は園芸用品か・・・と一見脈絡のない物が次々に登場したようにも思えるが、最近の物に限ればキーワードは見えてきた。それは「濃縮」だ。牛肉は牛が食べた稲藁がその吸水性ゆえにセシウムを含む雨水等を複数回吸い込んでは乾燥するうちにセシウムが「濃縮」したと考えられている。以前に汚水処理場の泥から高濃度のセシウムが検出された時も、大量の汚水が集まる中でセシウムが「濃縮」したものだと解説された。そして今度の腐葉土も「濃縮」。今後とくに気を付けて予測しなければならないものがどんなものか、その見当はつきそうだ。今日の別のニュースによると、事故原発のある福島県でさえ果物からは現在規定値を超えるセシウムが検出されていないそうだ(セシウムが多く付着した樹皮をはがし果実への今後の影響を防ぐ措置が始まっている)。消費者の側としては、何にセシウムが含まれているかわからないという疑心暗鬼の時期が過ぎ去り、特定の物にとくに注意を払うべき時が来ている、あるいは来てほしい、と私は思っている。

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

7月25日NHK首都圏ネットワークと私の感想

**** 出来事 ****

今月12日、千葉県我孫子市の小学校1校で、給食に、岩手県内で放射性物質を含んだ疑いのある稲藁を与えられた肉牛の肉が使われていたことがわかった。児童と教職員あわせておよそ620人が食べた。これまでのところ体調の変化があったなどの報告はない。

我孫子市教育委員会は、「安全な給食を児童に出せるよう、国産の牛肉を使わないことも含め、食材の選び方を厳しくしていきたい」と話した。

**** 私の感想 ****

放射能牛はついに小学校の学校給食まで脅かしてしまったか。教育委員会は国産牛肉をもう使いたくないとまで言っているが、これは小学校という場所で事件が起きた以上は強く言わざるをえないのだろう。保護者から学校へとどんな非難の声が上がっているか知れない。そしてまたこれから非難の声が上がるか知れない。学校や教育委員会は立場上、牛肉にたいして厳然たる態度を取らざるをえない。給食1食分の量から考えて、今回の件だけですぐさま体に影響が出ると考える人はいないだろうけれども。それにしても、私はニュースの「これまでのところ体調の変化があったなどの報告はない」という部分を聞いた時、奇妙なことを言うと思った。問題になっているのはヒ素などの毒じゃなく、放射性セシウムなんだぞ。もしもすぐさま体調の変化があったとしたら、それは放射能牛を少量とはいえ食べたかもしれないと知って気持ち悪くなった類のものであり、セシウムのせいじゃなかろう。

**** 出来事 ****

今までに放射能牛の疑いのある出荷された肉牛は全国で2,600頭あまり。国の基準値を超える放射性セシウムが検出された肉牛を出荷した県は6県(秋田・岩手・山形・宮城・福島・栃木)。こうした事態をふまえ、きょう複数の県が肉牛にたいする方針を打ち出した。

これから各県の方針を書きたいが、その前に3種の検査方法について書かなければならない。牛または牛肉の放射線量を測定するおもな方法が3種ある。

1.まず「スクリーニング検査」と呼ばれるもの。生きている牛の体表に検査機器を当てる。体表の放射線のみを測定し、内部の筋肉組織の放射線量はまったく測定できない。

2.牛を解体した後、牛肉の表面に検査機器を当てる方法。

3.「ゲルマニウム半導体検出器」という機器を使う方法。牛1頭につき肉1kgを1時間かけて測定。とても信頼できる測定方法だが、上記のとおり1回の検査に時間がかかる上に、1台およそ2千万円という高価な機器。全国でも120台ほどしか食品検査に使われていない。

各県の知事や肉牛農家はみな、可能ならば3の検査方法で全頭検査して「絶対安全」の保証書付きで肉牛/牛肉を出荷したいに決まっている。それが出来れば消費者は安心して買うから。ところが3の機器は1台2千万円。気軽に調達できる代物ではない。そこで各県の知事はどういう方針を打ち出したか、ということになる。

山形県は、山形牛のブランドを確実に守ってゆくために、県産の肉牛すべてを検査する方針。検査方法は3。県にある検査機器は3台。1日に検査できる牛が32頭に限られるのが問題。

新潟県は、県産の肉牛すべてを対象に全頭検査を行う方針。検査方法は3。それ以上細かいことはニュースでは言わなかった。

秋田県は、来月から牛肉の放射線量を調べる。検査方法は、まず2を行い、それで一定の線量を超えたものについて3を行う。県にある3の検査機器は1台だけ。

その他の県はどうなのだろう。岩手は?宮城は?

宮城県の村井知事は細野原発事故担当大臣に、肉牛の全頭検査に必要な態勢を国の責任で早急に整えてほしいと要望。

岩手県の達増知事は、「生産の現場のほうから、あのこれは全頭検査やってほしいという声が上がっていますので、まずそれをきちんと国には伝えてかなきゃなんないと思っています」

肉牛の出荷停止をくらっていた福島県については、出荷する頭数を全頭検査可能な数まで減らして、全頭検査してから出荷する「計画出荷」が検討されている。これにたいしてJA福島中央会の床條徳一会長(徳の字がほんの少し異なるのだがご勘弁)は「計画的に出荷時期を調整するっていうのはなかなか至難のわざかなっていうに思いますので」「牛自体が死亡するような時もありますので、そういうリスクも背負わなきゃならないという部分がありますから」「国が補償するというようなことで対応していただければ非常にありがたいと思いますが」

**** 私の感想 ****

これは私の推測だが、ニュースの話の進行から考えるに、岩手と宮城の知事が国に問題解決をさせようとしているのは、「ゲルマニウム半導体検出器」がない/足りないから何とかしてよという意味ではないだろうか。

福島のJA会長も、損が出た分は国が補償してほしいと願っている。

問題が大きすぎるから、みんな結局国をあてにする。ところでその国は元から大赤字を抱えていた上に震災でめまいがするほどの出費を予定している。そのお金はいったい誰が払う?私たちの税金?

松坂牛、ひとまずセーフ [震災後の放射能漏れ問題]

7月22日NHKニュースウォッチ9と私の感想

**** 出来事 ****

松坂牛を生産する三重県の農家の稲藁から、国の目安のおよそ20倍の放射性セシウムが検出された。問題の稲藁には宮城県登米市で刈り取られ原発事故の後に納入されたものが含まれている。牛はすでに70頭出荷、このうち販売店で保管されていた11頭分の肉からは国の暫定基準値を超える放射性セシウムは検出されなかった。

**** 私の感想 ****

危うくブランド放射能牛になるところだった松坂牛だが、辛くもそれは免れた。さて、それでは新たな牛事件で人々はさらに牛を食べなくなるのか?それが、私の先日の経験だとそうとも限らないみたいだ。経験といってもウチの親なんだが、偶然にもこのニュースと時を同じくして友人の集まりがあり、皆でちょっと高級そうな豆腐料理の店に行って、その店のメニューの中ではとくに安いの(笑)を食べたそうだ。帰ってきた親に私は、何を食べてきたのかと聞いた。そうしたら親は食べる端から自分が食べたものを忘れていったらしく、よく覚えていなかった(苦笑)のだが、それでも思い出しながら喋り始めた。そうしたら何かの小鉢に牛肉が使ってあったらしい。親は躊躇することなくペロリと平らげたそうだ。ウチの親は放射能があろうとなかろうと牛肉を食う。これが焼肉好きの人ならば、きっとどうにも食わずにいられないだろう。いっぽう私は昔のアメリカ牛BSE事件以来、あまり牛肉に興味がない。全然食べないわけではなく、目の前に出されれば普通に食べるのだが、まあ興味がないという感じになった。こういう私みたいな人間は、そもそも放射能牛事件がなくても自分から牛肉を食べることがとても少ない。ようするに私が言いたいのは、今回の牛事件があっても、元から牛肉大好きな人はかまわず食べているだろうし、元から牛肉を好まない人は従来と同じように食べないだろう。そういう両極端の人は牛事件が起きても牛肉消費の減少にたいして影響しない。だから問題は、その中間の人なんだろうな。とりわけ牛好きじゃないが、家族で普通に時々食べてきたという。そういう家族に小さい子供がいると、親は自分のためでなく子供のことを気にして、この時期は牛肉消費を控えるかもな。その部分の消費が減っているのだろう。

稲藁事件ますます拡大 [震災後の放射能漏れ問題]


7月21日NHKニュースウォッチ9と、私の感想

**** 出来事 ****

これまでに東日本を中心とする11県76戸の畜産農家が、放射性セシウムを含む疑いのある稲藁を肉牛に与えていたことがわかった。牛は少なくとも1,400頭。すでに全国各地に流通。問題の稲藁は宮城・福島・岩手の農家が出荷。

**** なぜ福島原発から遠く離れた土地で高濃度のセシウムが? ****

国立環境研究所地域環境研究センターのシミュレーションによると、福島第1原発で爆発が起きた3月15日、風向きにより放射能はまず関東地方の広い範囲(群馬・栃木・茨城・埼玉・東京・千葉・神奈川)に雲のようになって流れてきた。その後風向きが変わり、放射能は宮城北部・岩手南部まで達した。その時宮城北部では雨が降っていた。放射能は雨と共に地表面に沈着したと思われる。

**** 私の感想 ****

上のシミュレーションを見ると、爆発直後は高濃度の放射能が関東上空までいともたやすく達していた。もしも3月15日に関東で雨が降っていたら、首都圏は今よりはるかに高濃度の放射能にまみれていたと推測される。汚染の度合いを決定したのは原発からの距離よりも、雨だったか。関東で雨が降ったのは、少し後だったな。

最近のニュース番組を見ると、今は日本人の国産牛肉離れが著しいらしい。もはや産地は関係ないという。そこにはもちろん風評被害があるのだが、こうもあちこちから放射能牛が出てしまうと現実問題として牛肉に手が出せない。関係者はまことに気の毒だが今は耐えるほかにないように思える。稲藁に放射能が付いたのは3月のことで、その後、とくに最近はもう新たな放射能が雨と共に降ることはないはずだ。今ある放射能稲藁が全部見つかり、放射能牛が全部見つかれば、その後には必ずまた安心して牛肉を出荷・消費できる日が来る。

ところで肉牛の話題は毎日のように出るが、乳牛の話題はニュースに出ないようだ。なぜだろう。

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

7月19日
埼玉県川島町の農家が肉牛に与えていた稲藁から高濃度の放射性セシウムが検出された。この農家は問題の稲藁を宮城県美里町から仕入れた。問題の稲藁は原発事故時に屋外にあった。牛は、2頭が埼玉と静岡の食肉処理業者に出荷済みだったが、小売店等には流通していない。
同日の発表によると、宮城県内の4業者が原発事故後に集めた藁を青森、山形、福島、茨城、群馬、新潟に販売していた。

19日から20日にかけて、大型の台風6号が「自転車並み」という呆れるほど遅いスピードで西日本を通過し、しかも妙なことに鉤型にカクンカクンと進路を変えて太平洋沿岸に沿うように移動した。高知や三重あたりではとんでもない雨量になったようだ。私はこう考えた。原発事故後に放射能を日本各地にもたらした雨だが、今では逆に雨が放射能を洗い流してくれるんじゃないか?なぜなら先日、福島第1原発の事故収束への工程表ステップ1が終了し、放射性物質の放出抑制がほぼ達成できたとされているので、今後の雨は原発から放射能を運んでくることはないだろうから。そこで私は例のサイト「県別ガイガーカウンターまとめ」を見た。でもガイガーカウンターの数値は何も変わっていないように見える。どういうことだろうか。雨くらいじゃ放射能は流れないのか?それともたまたまガイガーカウンターのウェブカメラのある場所には雨が当たらないから結果が変わらないのか?これはもう、自分でガイガーカウンターを買って調査するしかないのか。ガイガーカウンター、結構高い。買うのは余裕資金がたまるのを待とう。ゆっくり行動してもどうせセシウムは逃げない。

またも牛 [震災後の放射能漏れ問題]

昨日はなでしこジャパンが世界一になったというのに、私だって好き好んでこんな記事を書きたくはない。何の因果かなでしこジャパン優勝と同じ日にまた牛問題が報道されてしまった。記録は残さなければならない。


**** 出来事 ****

放射性セシウムを含む稲藁を与えられた肉牛は17日までに出荷が確認されただけで143頭、流通先は北海道から福岡までの37都道府県に上っていたが、18日に、福島県の5市1町、7戸の農家からすでに411頭の肉牛が出荷され流通していたことが判明。これらの農家はいずれも第1原発からは離れている。

肉牛は3月28日から7月6日までに、福島県内、東京、埼玉、栃木、群馬、兵庫の食肉処理場に出荷。これらの農家では原発事故後に屋外の稲藁を集め、肉牛に餌や敷き藁として与えていた。残っていた稲藁から最大で国の目安のおよそ520倍の放射性セシウムが検出された。

福島県は、県内すべての牛の飼育農家にたいし、今日までの予定だった出荷や移動の自粛を当分の間延長するよう要請した。

さらに新潟県では、長岡市の2戸の農家が与えていた宮城県産の稲藁から、最大で国の目安のおよそ15倍にあたる放射性セシウムを検出。放射性物質を与えられて出荷された肉牛は福島県と新潟県をあわせて578頭。鹿野農林水産大臣は、福島県にたいして牛の出荷制限を指示することを決める見通しを示した。


**** ここに注目 ****

上の記事の最後の部分に妙な引っかかりを感じる。福島県の牛の出荷制限。それはなぜだ。なぜなら問題の牛の多くが福島県から出荷されているからだ。ではなぜ福島県なのか。福島第1原発に近いから?いや、それはどうだろうか。牛が内部被ばくした最大の原因は放射能を含む餌を食べたことなのだが、その餌はどこから来たのだろうか。

ここで、牛を出荷した牧場経営者の言葉に注目しよう。
「宮城から仕入れたから、安心だなと思ってた。今年の収穫した藁を、持ってきてるとはひとつも思ってない。稲藁を与えるなというのは古いのはだっていいわけだから。」

この牧場経営者は稲藁を宮城から仕入れたという。それならば、この宮城の稲藁を食べた福島の牛と、同じ稲藁を食べた他県の牛の間にどんな違いがある?違いはない。そもそもの原因が牛でなく稲藁にあるならば、稲藁の出荷元を中心に調査するべきだろうが、ニュースを聞くとなぜかたいてい福島が話題の中心になる。

ここで最初の引っかかりに戻ろう。福島県の牛の出荷制限は、「今のところ」問題の牛の多くが福島県から出荷されているからだ。でも、そもそもの原因は牛でなく稲藁にあり、その稲藁は宮城県を含む福島以外の県からも出荷されている。そして稲藁の出荷先は福島県だけではない。それなのにこれまでは、福島県ばかりが注目されてきた。上の記事で、新潟県からも問題の牛が見つかっている。これは、おそらく稲藁の調査が進んでその流通ルートがわかってきたのだろう。以上のことから、(考えたくはないがしかし、理論的に)次の推論が導き出されてしまう。今後しばらくの間、福島県だけでなく他県でも、問題の稲藁の出荷先では放射能牛が発見される可能性が高い。

2つめの牛事件 [震災後の放射能漏れ問題]

**** まず初めに ****

ふつう記録はわかりやすいように、初めから書くものだ。でも今回はあえて肉牛農家の言葉から始めたい。なぜなら、人々がこういう記事を読むうちに、まるで牛を出荷した人が加害者で悪いかのような間違った意識が生まれるかもしれないからだ。事情をひとつひとつ確かめてゆくと、今回の農家の人は逆に善良な人だとわかる。彼は南相馬市の肉牛汚染の原因が餌の稲藁だったと知り、気になって自分から調査を依頼した善良な農家の人なのだ。それが今、沢山の新聞雑誌記者の取材を受け、その取材の中には「白河市の稲藁が危ないことはわかりませんでしたか」などという、「わかるわけないでしょ」という答えが返るのが明白な言葉をわざと投げかけて、苦しんでいる彼を結果的にさらに鞭打つケースも見られた。きっと今彼はとても辛いので、私の記事が彼をさらに追い詰めることになるのは避けたい。なお、下に書いたインタビューの言葉は、「苦しんでいる彼をさらに鞭打つ取材」からのものではない。


肉牛を出荷した農家
「こんなことになるとは夢にも思いませんでした。食べてしまわれた・・・人たちには何と言って・・・申し訳ないし・・・悲しいですね。この気持ちわかりますか」

稲藁出荷の農家が所属する団体の代表
「安全なものを・・・届けようっていう思いで・・・今までこういうふうな事業を続けてやってきたわけですよね。ほんとに・・・悔しいです。」

福島県内のある肉牛農家。福島県内全域の牛出荷制限について。
「どうしたらいいんだろうこれ・・・と思って。やっていけなくなっちゃうよ。餌代も何も払えなくなっちゃう。これ出荷できなかったら。」


さらに、これを読んだ人の不安を必要以上に煽らないために、東京大学名誉教授 唐木英明氏の言葉も載せておく。
「1kgずつ100日も食べ続けないと基準に達しないような厳しい基準になっていますし、ですからあの、基準を超えたからといって、すぐに怖がることはない」


**** 出来事 ****

7月14日、福島県浅川町の農家が肉牛に与えていた餌の稲藁から、国の目安を大幅に超える放射性セシウムが検出された。検出されたセシウムの量は最大で9万7000ベクレル、国の目安の約73倍。前回の南相馬市で検出されたセシウムが7万5000ベクレルで、これを上回る。農家はこの稲藁を、浅川町の隣にある白河市から買った。白河市は福島第1原発からおよそ80km離れている。稲藁を作った農家は前年に刈り取ったものを3月15日以降にロールに丸めた。

この浅川町の肉牛農家は今までに42頭の肉牛を出荷。これらの肉牛はすでにすべて食肉処理された。(食肉処理はされたが、全部がスーパー等に出回ったわけではない。)出荷先は、横浜14頭、東京13頭、仙台10頭、千葉5頭。

同日夜の速報にて、仙台市の10頭のうち2頭は山形と岩手へも流通したことが判明。

翌15日には、12の都府県の業者やスーパーマーケットに販売されたことがわかる。ところが時間が経つにつれてさらに広範囲に出回ったことが判明し、少なくとも17都府県に流通。それは秋田・岩手・山形・宮城・茨城・栃木・群馬・埼玉・東京・神奈川・静岡・石川・愛知・大阪・兵庫・香川・愛媛。

その後も新事実が次々に判明、翌16日には28都府県に流通したとわかる。北は秋田・岩手から、南は福岡まで。

原子力災害対策本部は、福島県に県内全域の牛の出荷制限を指示する方向で検討を始めた。

稲藁からセシウムが検出されたのは福島県だけではない。15日、宮城県の、しかも福島原発から遠い岩手との県境にある2つの市(登米市、栗原市)で、稲藁から国の目安を超える放射性セシウムが検出された。最大で国の目安の2.7倍。


**** ここに注目 ****

今回の事件で注目すべきは浅川町の場所だ。前回の牛肉問題が起きた南相馬市は緊急時避難準備区域にあったが、今回の浅川町は福島第1原発からおよそ70km離れ、栃木県に近く、牛出荷時のスクリーニング調査も対象外となるほど原発から離れている。原発からこれほど離れた場所でまさかの高濃度セシウムが検出された。今まで行ってきた福島県内の特定地域での検査ではまったく不十分だったということだ。農林水産省は、福島・岩手・宮城・群馬・茨城・栃木・埼玉・千葉の畜産農家・コメ農家を対象に、稲藁の管理状況について緊急点検の実施を決定。

なぜ原発から遠く離れた場所で多量のセシウムが検出されたのか。それは放射能を含む雨によると思われる。白河市の放射線測定結果によると、3月14日までの放射線量はとても低く、15日の雨以降、放射線量が一気に100倍にも上がった。

ではなぜ稲作農家は、こんな3月という遅い時期まで稲藁を放っておいたのか。稲藁の収穫や梱包はふつう秋に行うが、去年は天候不順が続き、作業が進まず、結局今年に入り、3月11日の原発事故を過ぎて15日-20日にようやく屋外の稲藁を集め出荷したそうだ。

では、原発事故後に稲藁にたいする行政の指導はなかったのか。あったが、それは稲作農家にたいしてでなく、肉牛農家にたいしてだった。3月19日に農林水産省からの指導があり、家畜に与える餌は原発事故の前に刈り取られたもので、事故の後も屋内に保管されていたものや、屋外ならば密封して保管していたものを使うようにというお達しが出た。しかしこの指導は畜産農家を対象にしたもので、稲藁を生産する稲作農家は対象外だった。担当者は、稲作農家が対象外だったことに関して、まさか3月のこんな時期に稲を刈り入れるとは思わなかったと弁解した。

結果的に放射能は行政の指導をくぐり抜けて全国へ「流通」することになった。


**** その他の関連ニュース ****

15日夜から16日朝にかけてのニュース

福島県伊達市と本宮市で栽培された原木シイタケから、国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された。これはすでに出荷され、福島県は回収を要請した。伊達市のシイタケは基準値の約3倍、本宮市のシイタケは基準値をわずかに超えるのみ。

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

ここ数日、原発関連のニュースが多すぎる。私は皆さんと同じように仕事をもっているので、朝家を出て夜疲れて帰ってくる。それから記事をまとめるのは辛い。14日は大きなニュースが2つもあったが、限られた時間ではそのうちの片方を記事にするのが精一杯だった。とにかく出来たほうの記事を載せよう。


14日夜 NHKニュースウォッチ9

今から1週間あまり前、九州電力の「メール問題」が明らかになった。これは、九州電力関係者が国主催の原発説明会にさいし、原発賛成意見を過半数にする目的で故意に原発賛成メールを送信したというものだ。14日、このメール問題は副社長ら上層部の指示がその発端であることがわかった。上記説明会の5日前、副社長、発電本部長、佐賀支店長の3人が相談し、発電再開の賛成意見投稿を増やす必要があると認識。副社長と本部長は部長に指示し、部長は課長級社員に指示し、この課長級社員が社内の一部や社外の子会社にメールで指示した。いっぽう佐賀支店長は部長3人に指示、部長は社内や取引会社に指示した。佐賀支店長は賛成意見のマニュアルも作った。それによると、

「夏の『熱中症』も大変に心配であります。犠牲になるのは弱者である子供や年配者の方であり、そのような事態を防ぐためにも原子力の運転再開は絶対に必要であると思います。」

「電力不足が国内産業(生産)の空洞化に益々拍車をかけることが懸念されます。」

指示によりファックスやメールを送った九州電力関係者は141人。説明会では賛成286件、反対163件だったが、賛成のうち141人が「やらせ」だったので、本当は賛成145件で、賛否が逆転したことになる。

14日夜 NHKニュースウォッチ9の内容 以上。


さて、私がしたいのは九州電力叩きではない。次の2つのことだ。

1つめ。自分たちの主張を通すために、明らかにアンフェアな手段をとる人間が現実にいる。今回の事例だけでなく、これから起こりうるたくさんの議論の中でもそれがあるだろう。真面目に議論しようとしている人間をこういう形で裏切るのは許さない。なぜなら真面目に議論しようとしている人間は、もちろん自分の主張をもっておりそれを通したいけれども、それへの反対意見が多ければ真摯にその結果を受け止めるからだ。アンフェアな人間はそういう真面目な人間の思いを踏みにじる。

2つめ。支店長が作ったマニュアルを知って思った。今年の夏の熱中症ではすでに亡くなった方もおられ、電力不足が産業を圧迫しているのも事実だが、それを心から危惧するのでなく、自分たちの主張を通すための道具として利用する人間がいる。しかし私が言いたいのは支店長のマニュアルのことではなく、「そういう事例は今まで無数にあったのかもしれない」ということだ。今回の件以外でも、たとえば国内産業の空洞化と原発再開を結びつける意見を私は知っている。今まで私は、「その人は心からそう思っているのだろう、その言葉の裏にその人個人の利害との関係があるのではとつい思ってしまうが、それはいけない」と考えていた。でもその考えは「お子様」の考えだったかもしれない。とくに議論の場が経済にある時は、そもそもすべての議論の根底に当事者の利害があると見るべきだったか。もしそれで正しいなら、私は今後は今までよりも気兼ねなく自分の主張をすることができる。「脱原発へと向かう道が私とは別の場所で他者を私以上に苦しめるかもしれない」などと相手の心配をしなくて良いのならば。

夏の節電騒動 中間報告 [震災後の放射能漏れ問題]

すでに書いたとおり、このブログのこのカテゴリーでは、10年後の自分、10年後の日本のために「今」を記録している。だから、この夏の節電騒動についても記録を残さねばならない。

私の癖で、話を最初から始めないと何となく気になるので、そもそもの話から記録をつける。

この節電はもちろん、東日本大震災に伴って生じた福島第1原子力発電所の事故がきっかけとなった。原子力以外も含めて他の発電所も停止する中、東京電力管内を中心に各地で電力供給不足が危惧され、まずはあの、人々を混乱させた計画停電があった。この混乱は電気が止まったせいでの混乱ではなく、自分がどこのエリアに属するかがよくわからずに、いつ電気が止まるかわからない混乱だった。この計画停電は、じきに終了。今後行う場合のために、今では電気料金の領収証の片隅に自分のエリアが明記されるようになり、問題は解決した。

これにかわって7月1日から実施中なのが、東京電力と東北電力管内にて企業/家庭を問わずピーク時の使用最大電力を昨年夏よりも15パーセント削減という政府の目標だ。企業のような電力の大口消費者は、電気を使いすぎると罰金だという。

企業ではもちろん罰金を取られないように色々と工夫をしだした。私は人から聞いた話はわずかなので、このさい自分の職場のはっきりした情報だけ書いておく。私が勤める複数の職場のうちのひとつは、7月1日つまり計画節電の初日は悲喜劇が繰り広げられた。各部屋で誰かが冷房をつけると、しばらくして管理棟のほうで冷房を切る。また誰かが冷房をつける。また管理棟で冷房を切る。大元で冷房をつけられないように設定することができないらしく、それが命取りだ。やがて放送があり、「すでに掲示してありますとおり、この時間帯は冷房をお切りいただきますよう、ご協力をお願いします」私はこの放送の後で冷房を切って仕事をしていた。
すると「えー、再度ご連絡します。こちらで冷房を切ってもまたつける方がいらっしゃいますが(以下略)」頑張って冷房をつけている部屋があるらしい。またしばらくして「再度ご連絡します。どこの部屋で冷房をつけているか、こちらでわかっております。」なんか、いたずらした小学生を叱るような雰囲気になってきた。そしてやがてまた「再度ご連絡・・・」放送のたびに仕事を中断されていた私はこの4回目の放送で、天井のスピーカーに向かって「うるさい!」と叫んだ。

ところが、だ。この悲喜劇はすぐに終わった。次にこの職場に出向く日、私は内心「あの悲喜劇は今日はどんなだろう」と思っていたが、何も起きなかった。何がどう変わったかは情報がないが、たぶん完璧な規制を諦めて、取り締まりを緩くしたんだろう。私が通勤に使う電車についても、意外な結果が待っていた。気のせいかもしれないが、最近は冷房が7月1日頃よりも効いているように思えてならない。これで15パーセント節電?職場の天井の蛍光灯がずいぶん外されているが、その程度の対処法に見える。ネクタイなしのクールビズは、今まで以上に推奨され、今まで以上に着やすい環境になった。それなら、日本人は耐えられる。このままずっと続き、これが日本の当たり前の状態でも、私は別に構わない。そもそも私はエアコンの電気を入れない人間だし、最近夜電気を消して早く寝るのは節電のためでなく、朝早く明るくなって寝ていられないから睡眠時間を確保するために必要だし、結局これでいい。住めば都。

(追記 12日のニュースによると、関西経済連合会による企業へのアンケートの結果、30パーセント以上の企業が15パーセント節電は困難だと回答したそうだ。)

それよりも気になるのは、人々が原発についてどう考えているかだ。節電はいつまで続くのか。それは電力の供給量が回復するまでか。それが意味するのは、各地の原発を再稼働させ、これからも原発を認めてゆくということなのか。

管首相は今回の原発事故を見て、原発について「これまでの安全確保という考え方だけでは律することができない技術だ」と認識した。そして彼の指示で、日本のすべての原発にたいして、ヨーロッパで行われている原発テストを取り入れたストレステストというものを実施することになった。これにより、現在運転停止中の原発の再稼働を認めるかどうかは、このストレステストの結果を待たなければならない。各地の原発関係者がこれに反感をもったことは想像に難くないが、その中でも目立ったのが九州電力玄海原発だった。全国で真っ先に再稼働しようとした矢先、ストレステストの話が出て話が振り出しに戻ったから。その後、玄海原発だけ特別に先行してストレステストを行う所まで首相が妥協した。

また管首相は、原発への依存度を今後計画的、段階的に下げてゆくという脱原発路線の発言をした。これまで日本は国策として原発推進を目指してきたそうなので、そこからの完全な方向転換を意図している。朝のNHKラジオで聞きかじったところでは、日本の温室効果ガス削減目標は原発推進を前提に決められているそうで、首相の発言にたいして大きな波風が立つのは当然だな。しかし管首相、頑張ってくれ。私はこのごろ管首相がちょっと好きだ。前にも書いたけど、頂点に立てば人は必ず孤独。さらに、頂点の人物が指を一本動かすだけで下辺の人間は大波のように揺さぶられるから、下辺の人間たちは必ず頂点を責める。これも世の中の道理。支持率最低?そんなものは放っておけ。そもそも支持率低下が怖くて日本の首相がやっていられるか。過去に早々と辞めてしまった元首相と比べて、私には菅さんがそれよりましだとしか思えない。

さて、そろそろ話を締めくくりの方向へと持って行こう。私はさっき書いた。「気になるのは、人々が原発についてどう考えているかだ」と。セシウム入り牛肉消費事件でもわかるとおり、原子力利用にはそれ相応の「恐怖のリスク」も伴うことを日本人全員が認識した。その意味で、菅首相の考える脱原発の方向性はひとつのありうる未来だ。もちろんその未来にはそれに伴う苦しみ(電気料金の大幅な値上げなど)があるだろう。他方で、原発に携わる人々は今回の放射能事件を目の当たりにしても、ひたすらただひとつのことを願っているように見える。つまり、運転停止中の原発を再稼働し、末は原発を推進してゆく。

私はこう思う。人はその発言に責任をもつほうがいい。私は、原発反対と言えば、それを主張するかわりに原発縮小に伴う電気料金の値上げを容認しなければいけない。今現在でさえ決して安くない電気料金のさらなる値上げを。権利を主張すればそれに伴う義務も甘んじて受ける、それが大人だ。「原発は反対だが電気料金を多く払うのは嫌だ」といった駄々っ子は要らない。

それと同じ理由で、原発推進派の方には、「けっして目先の利害だけしか頭にないのではなく、リスクもちゃんと認めており、万一の時はそれ相応の覚悟がある」ことを身をもって示していただく。わかりやすいように極論的な例を挙げよう。原発推進派の人のお子さん、あるいはお孫さんを福島県の緊急時避難準備区域で楽しく生活させていただく。実際その区域で日々の生活を送っている方々がいるのだから、放射能の関係では、特に無理はないのだろう?もしもお子さんやお孫さんの通学等の事情でそれが無理ならば、緊急時避難準備区域からご自宅のお庭へ毎週新鮮な「ずっと外に置いていた藁」をお届けする。お厭ということはあるまい。実際そういう環境で日々の生活を送っている方々がいるのだから。そのさい一番気を揉んでいるのは子供たち自身ではなく、そういう環境で自分の子供を育てなければならない親なのだから、原発推進派の方には同じ状況を体験していただかなくては。もしもその上で「原発推進は日本の未来に欠かせないのです」と言えたら、その時は私はその人を認める。なんだかんだと理屈をつけて拒み、そのくせ言いたいことだけは無責任に言う人は、駄々っ子だから要らない。

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

ここ数日、放射能関連のニュースがありすぎて、記事が書ききれずに翌日に回ってしまう。

私はこれまで、自分自身の放射能不安から色々なことを考え、それをブログに書いてきた。書いた後で、「私の心の吐露」が世間で「煽り」とみなされなければ良いがという不安もあった。ところがどうだ。記事を書き始めた頃に私がいち早く内部被ばくを気にしたが、今では牛肉問題の発生で内部被ばくは大丈夫なのかとメディアも視聴者も話題に出さないわけにはゆかない状態になった。私がカレイを例にとって北海道から鹿児島まで放射能は流通しうると書いたら、今回例の牛肉が北海道から高知まで本当に流通した。

こうなると、私が書いた記事のうちで「煽り」とみなされるのではないかと心配なのは、たったひとつだけになった。それは、商人のうち一部の人間は「頭がいい」ので、放射能入りの食料品をそれと知りつつ流通させるのではないか、行政はそれをしっかり検閲する仕組みをつくり、万一発見したら司法が厳罰に処さなければいけない、という文だ。ところがどうだ、12日朝のNHKラジオで言うには、「以前にも規制のかかったほうれん草をそれと知りながら出荷した」と言っていた。あれがそうだったか!それなら、私が今までに記事として書いたことはことごとく現実になった。


牛肉 [震災後の放射能漏れ問題]

12日 テレビ朝日 報道ステーションより(一部13日朝に情報追補)

福島県の緊急時避難準備区域で飼育された牛(まるごとの牛)は出荷時に体表面の放射線量を検査していた。しかし肉(食肉用に処理された後の肉)は各都道府県が一部の牛だけを対象にサンプル検査したにすぎない。ある農家の6頭の牛の肉(後述のとおり、人が食べてしまったセシウム入りの肉)が放射線量のチェックを受けずに全国各地に流通し、確認されただけでも

北海道、東京、神奈川、静岡、愛知、大阪、徳島、高知
(追補 12日夜から13日朝にかけてのニュースによると、さらに秋田と千葉も)

の8都道府県の小売店や飲食店に売られた。一部保管されていた肉を調べたところ、最大で国の基準の7倍近い放射性セシウムが確認された。保管されたもの以外の肉の一部は、スーパーで売られたり、焼肉屋で出されたりして、人が食べてしまった。

これが発覚したのはつい数日前だが、肉が売られたのは先月のことだという。(判明した時は手遅れという現実が、残念ながらよくわかる。)

ではなぜ、肉の放射線量を一部のサンプルでしか調べないのか。たとえば東京都は、福島県産の肉牛を全頭検査するのは現実的に無理だという。なぜなら検査のための施設が新宿区にひとつしかなく、ここで1台2千万円以上する検査装置にかけて1回1時間ほどの検査をする。全頭検査には時間がかかりすぎる。さらに同じ装置で水や野菜の検査もしなければならない。

福島県では今回のことを受けて、計画的避難区域と緊急時避難準備区域で飼育された肉牛を全頭検査(内部被ばく検査)しようとしている。検査装置の数の問題があるので、どう実現してゆくか、これからの動向が注目される。

牛肉 [震災後の放射能漏れ問題]

数日前のニュースによると、福島県内のある農家の肉牛から基準値を超える放射性セシウムが検出された。ある記事には規制値の4.6倍と書いてあった。この時点ではまだ出荷されていないと報道されていたが、昨日11日のニュースでは、すでに流通していたことが判明した。そして今日の朝のニュースでは、その一部はすでに他県の消費者に販売されていれた。

11日のニュースによると、牛の餌である藁から規制値を超える放射性セシウムが検出され、問題の牛は放射性セシウムを含む飼料を食べて内部被ばくしたと考えられている。

私があいまいな知識で語るより、NHKのサイトを見てもらったほうが良いだろう。
http://www3.nhk.or.jp/news/tokusetsu2011/

私が以前に福島沖の泥に棲むカレイを例に挙げて心配した「放射能汚染した食品の流通」が、こんなにも早く牛肉という形で現実になってしまった。

カレイのほうは、今すぐの問題じゃない。おそらく何年も経って、福島原発周辺の土壌の除染がひとまず終わって人々がホッとして福島へ帰り、近海で漁業を始めた頃に起きる問題だ。人々が忘れかけた頃が危ない。なにしろセシウム137の半減期は30年なので。

県別ガイガーカウンターまとめのサイトが出来た [震災後の放射能漏れ問題]

私は参った。放射能関係の暗い記事は書かないようにしようとして、わざわざカンボジアの写真をこれでもかと毎日掲載中だった。それでも、過去に自分が書いた記事の訂正だけはしないわけに行かないじゃないか。情報に誤りを見つけたら修正するのが義務だ。それで何の因果かまた放射能関連だ。

もう皆さんご存じだろうが、「県別ガイガーカウンターまとめ」のサイトが出来た。私もこの記事が表示される5日前には知ったが、数日分の予約投稿をした後だったからこんなに遅くなってしまった。日本全国(正確には南は関西あたりまで)のウェブカメラが撮っているガイガーカウンターを見られるナイスなサイトだ。

サイトはここだ。
http://atmc.jp/geiger/


もしも全国のウェブカメラを全部見たいなら、ここだ。
http://atmc.jp/geiger/?city=all


見る時には、気をつけるんだ。表示されている計器の単位が、マイクロシーベルトとそうでないのがある。

さて、私は最初に、情報に誤りを見つけたから訂正すると書いた。何が誤りか。私は以前、北海道から大阪までの広い範囲の汚水処理場でセシウムが検出された時、大阪の人は気にしなくていいと書いた。その数値は街中の放射能レベルではないと。ところがびっくり、上記のウェブカメラを見たら、大阪のガイガーカウンターが関東と同じくらいのレベルを示しているじゃないか。それが訂正その1だ。

もうひとつ。前からある「全国のリアルタイム放射線量マップ(速報版)」というサイト。アドレスはここだが
http://atmc.jp/realtime/

ここの表示では、茨城県の多くのデータは赤色で、関東の多くのデータはオレンジ色だ。数値も違う。(6月24日現在、およびここ1か月あまりを見る限りでは。)ところが新たに出来たウェブカメラのサイトでは、関東の多くのカメラが茨城県と同レベルの値を示している。これが訂正その2だ。

私はいままで、大阪の人はいいなあと思っていた。でもこの結果を見ると、放射能は日本上空で渦巻いているのか?どこにいても同じか?国外脱出?いや、金がないから無理。そんなわけで今日も私は放射線の中を仕事に行くのであった。

放射性物質検出の新しいニュース 6月28日 [震災後の放射能漏れ問題]

以下は、2011年6月28日朝のNHKラジオニュースから。

東京江戸川区の一般ごみ焼却施設にて、焼却灰から、保管が必要な量の放射性セシウムが検出された。

福島県沖の海底から、放射性マグネシウムが初めて検出された。放射性マグネシウムのうちある種のものは体内に取り入れると癌をひきおこすため、海産物への影響を注意深く調査する必要があるとのこと。

以上、6月28日朝のNHKラジオニュースで聞いて、文言そのままではないが急いで書き写したもの。

過去のブログ記事に書いた、福島沖の海底に溜まった放射能がカレイ等の泥に接して生きる魚に影響するんじゃないかという私の予想は、悪い意味で当たった。


追伸

私はこのごろ節電協力の意味で記事をまとめて書いて予約登録しているので、今日は偶然にもこの後9時にも放射能関係の記事が掲載されることになる。そちらのほうは、もうご存じの方も多いだろうが全国ガイガーカウンターのウェブカメラのことだ。

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

私はずっと心が追い詰められていた。そして放射能が気になって葉野菜が食べられないという病気のような状態だった。そのことは前に書いた。ところが、ブログにそのことを書いたその日のうちに状態がカラリと変わった。心が前向きになり人生に目的意識が芽生えただけでなく、なんと葉野菜を食ってみようと思い始めた。これを読んだ人は「そんなバカな」と思うかもしれない。なぜなら、ブログに書いただけでは人の放射能不安に変わりはないはずだから。でもこれは事実だ。私自身が驚いたが、でも事実だ。

私はよくよく考えた。私に必要なものは何よりもまず「カミングアウト」だったのだ。少子化で学校が私の仕事のコマ数を減らし始めたのは2002年ごろからだっただろうか。当時は今よりも重い心の病に陥った。非常勤講師は複数の職場をかけもちするが、去年はこっちの職場、今年はあっちの職場と、複数の職場がかわりばんこに私の仕事を減らしていった。私は昼食を300円くらいのミニ弁当に切り詰め、部屋の電灯は、サークラインが2つついている部屋は1つにし、3つついている部屋も1つだけが点くようにした。生活不安を一時的に忘れるための酒だけは手放せなかった。私はみなさんが節電だの節約だのと言い始めるよりもずっと前、10年近くも前から収入減のせいで節電を気にし始めた。それに加えて仕事の悩み。仕事をしている人なら、誰でもわかるだろう。もう辞めたいと思っても生き続けるためには辞めるわけにゆかない。そのことで去年の暮れから心を壊し、何カ月か経っても心があまり改善せず困ったと思っていたところに今回の震災、放射能騒ぎが来た。私の心はもうめちゃめちゃなのだ。そんな中でテレビをつければ節電グッズがどうのと言いやがる。私にとっては10年近くも前からやってきていいかげんに気を緩めたい位なのに。その他、テレビで言うことが、義援金にしても、風評被害にしても、いちいち鼻についた。何が鼻についたんだと聞かれると、正確にはわからない。なぜか嫌だった。ひょっとすると、「節電節約と毎日うるさく言うが、俺はそれをずーっとやってきたんだ。その上にまだ言うか!」「被災者に義援金と言うが、俺は家からペットボトルを持って行って職場で水道水を汲むことで毎日節約しているんだ。それでもまだ言うか!」「漁業農業の方々の風評被害と言うが、他人のことばかり言ってないで俺のことを見てくれ!辛いのは彼らだけじゃないぞ、俺も辛いんだ!」と心が叫んでいたのかもしれない。10年近く前から、私の心はとっくに苦しがっていたのだ。それなのに世間に合わせて、世間の人から白い目で見られないようにと「良い子」を演じなければならなかった。先日「カミングアウト」したことで、心を縛っていた「他人に合わせて良い子でいなきゃいけない」という「たが」が緩んだ。心の病が少し良くなったから、「葉野菜は食えない」という病的こだわりも薄らいだのだろう。あの記事の後、私は夜中にわざと、家の電気をつけた。1つしか点かないようにしていたサークラインを3つ点けた。こんなに夜の部屋が明るいのは何年ぶりだろうか。そうしたらまた、心が少し軽くなった。

そういう事情で、私はこれからしばらくの間、心が治るまでの間、わざと電気を使い、わざと金を使い、わざと自己中心的にふるまい、「悪(ワル)」になる必要がある。そういう、いわゆる「プチ贅沢」が心を癒してくれるはずだ。心が治れば、自然と被災者のことを思う余裕もできるだろう。そうすれば義援金を送ろうと思うだけの心の余裕もできるだろう。心が治れば、被災地の漁業農業の方々を思う余裕もできるだろう。でもそうなるまでの間は、日常生活でもこのブログでもあえて「悪(ワル)」になり、わざと電気を使い、わざと金を使い、わざと自己中心的にふるまわせてもらう。



6月14日のNHKラジオのニュースによると、下水処理施設の汚泥から高濃度の放射性セシウムが検出された。私は、予測していなかったことが2つあって2度驚いた。

ひとつは、福島第一原発に放射能漏れ対策をした今では遠く離れた土壌や水から今さら高濃度の放射線が検出されるとは思っていなかった。ところがびっくり、検出された。

私は順序よく考えた。まず、何号炉だか忘れたが天井がポーンとぶっ飛んだ衝撃的な水素爆発の後、空の高い所に放射能が溜まり、それがある時期雨と一緒に降ってきて、まずは関東の浄水場に溜まった。それで私の住んでいる所の近所を含む多くの地域で水道水から「1歳未満の子に飲ませるべきでない濃度の放射線」が検出され、お母さんたちはわが子のために給水車に水をもらいに行った。こんな思いをさせられて精神がまともでいられるわけがない。その後、空に溜まっていた放射能は出尽くしたとみえて、浄水場から放射線は検出されなくなった。そして1か月以上過ぎたと思う。放射線汚染の話は土壌や水質から、海産物のほうへと移っていた。しかしその間に、雨となって降り注いだ放射性物質は下水道を通り、下水処理場の汚泥の中で濃縮していたということだ。しかも今度は上水道の時よりもたちが悪い。上水道から検出されたのは放射性ヨウ素131だった。いっぽう下水処理場の汚泥から検出されたのは放射性セシウムだ。これは私の推測だが、放射性セシウムは放射性ヨウ素と共に、事故後に雨として降り注いだのだろう。でもその量はヨウ素よりもさらに微量で、上水道では検出されないほどだったのだろう。ところが下水処理施設には各方面からの水が大量に集中するので極微量ずつのセシウムも「濃縮」(後述)された結果、高濃度になったのだろう。ヨウ素も同様に濃縮されただろうが、半減期をとっくに過ぎて放射線を出さない物質になっている。放射性ヨウ素131の半減期は8.1日だが、セシウムは134ならば2年、137ならば30年。2年はまだ許せる。30年は「責任者出て来い!」と言わずにいられない。今年生まれた子供が30歳のオジサン/オバサンになるまで続くのか。福島沖の海底にそれよりはるかに高濃度のセシウムが溜まっているのは誰が考えても間違いない。だって、上記の原子炉建屋天井ポーン事件以来何度か水素爆発が起きて飛び散ったし、以前に大量に溜まった「低濃度の汚染水」をやむをえず大量に放水しちゃったし、そもそも「原子炉がとっくにメルトダウンを起こして原子炉内の水が漏れ出ていた」と気づく前は、高濃度の汚染水が漏れ出ていたのだから。そしてラジオ、それも信頼できるNHKで言うには、専門家によると、今回のセシウム検出は下水処理場に集められた放射性物質が「濃縮」されたものだそうだ。下水処理場の泥で起きたことが海底の泥で起きないとは思えないから、海底でも放射能が濃縮して溜まってるはずだ。あえて正直に書くが、今後30年間、福島沖の魚のうち、海中を泳ぐ魚は別として、海底の泥に半分埋もれて生きているカレイの類は絶対に食べたくない(カレイは寒冷地から温暖地までかなり広い帯域に生息する)。

追記。インターネットには「福島原発周辺の海水の放射性物質濃度」というすごい情報もある。このサイトのすごい所は、海水を表層、中層、下層に細分化して検査結果を公開している所だ。ただ残念ながら、海底に沈殿した泥の分析結果はない(6月14日現在)。また、原発から一定の距離だけ離れた場所が検査対象となる。

私が子供の頃、公害っていう言葉があって、工業排水の中で生きていた魚が背骨が曲がったり変な姿になったりした。そして残念ながら影響を受けたのは魚だけじゃなかった。大きな訴訟があった。「ヘドロ」なんていう言葉があった時代の話だ。今回のこれが「公害」になって、ふたたび昭和のあれが繰り返されないように、行政が大真面目になって対処してくれなければいけない。昭和の公害は「垂れ流し」の近くにいた人がおもに被害に遭ったけれども、今回、カレイは日本全国、北海道から鹿児島までに出荷される。いや離島だからって、沖縄に出荷されないとは限らない。私は今さらながらに放射能が爆弾等とは威力の桁が違うと実感している。爆弾はもちろん恐ろしいし、人が死ぬという取り返しのつかない事態を生じる。でも放射能は、それに加えて地域的に拡散し、時代的に後代まで祟る。それがさらに何倍も怖い。これは悪魔だ。

話が長くなった。私が予測していなかったこと、その2つ目。今回の測定で、「下水処理施設の汚泥から放射性セシウムが検出された」のは本州だけではない。まさか、北海道でもそんなことになるなんて、私は心からびっくり仰天だ。つまり、上水道に放射線が検出されて右往左往させられたのは関東のうち原発に近い一地域だったが、下水道のほうは意外にも範囲が広すぎるじゃないか。ラジオのNHKアナウンサーの言葉を正確に伝えるならば、北海道から大阪までだ。この意味がわかるか?たとえば大阪。もし私が大阪人なら、「関東はえらいことなっとるなぁ。でも放射能は大阪までは来ぃひんやろ」と確実に思ったぞ。絶対思ったぞ。ところが、濃度はたぶん相当低いだろうが、セシウムが検出された。上記のとおり、良くて2年、悪くて30年。大阪人なら「なんやてぇ!?」言う所や。

とはいえ、誰が考えても北海道や大阪に住んでいる人が気にする必要はない。理由1、そもそも検出された放射線のレベルが関東よりはるかに低いだろう。理由2、それって下水処理施設の汚泥での検出で、街中での放射線レベルちゃうで。
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