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無題 [震災後の放射能漏れ問題]

7月25日NHK首都圏ネットワークと私の感想

**** 出来事 ****

今月12日、千葉県我孫子市の小学校1校で、給食に、岩手県内で放射性物質を含んだ疑いのある稲藁を与えられた肉牛の肉が使われていたことがわかった。児童と教職員あわせておよそ620人が食べた。これまでのところ体調の変化があったなどの報告はない。

我孫子市教育委員会は、「安全な給食を児童に出せるよう、国産の牛肉を使わないことも含め、食材の選び方を厳しくしていきたい」と話した。

**** 私の感想 ****

放射能牛はついに小学校の学校給食まで脅かしてしまったか。教育委員会は国産牛肉をもう使いたくないとまで言っているが、これは小学校という場所で事件が起きた以上は強く言わざるをえないのだろう。保護者から学校へとどんな非難の声が上がっているか知れない。そしてまたこれから非難の声が上がるか知れない。学校や教育委員会は立場上、牛肉にたいして厳然たる態度を取らざるをえない。給食1食分の量から考えて、今回の件だけですぐさま体に影響が出ると考える人はいないだろうけれども。それにしても、私はニュースの「これまでのところ体調の変化があったなどの報告はない」という部分を聞いた時、奇妙なことを言うと思った。問題になっているのはヒ素などの毒じゃなく、放射性セシウムなんだぞ。もしもすぐさま体調の変化があったとしたら、それは放射能牛を少量とはいえ食べたかもしれないと知って気持ち悪くなった類のものであり、セシウムのせいじゃなかろう。

**** 出来事 ****

今までに放射能牛の疑いのある出荷された肉牛は全国で2,600頭あまり。国の基準値を超える放射性セシウムが検出された肉牛を出荷した県は6県(秋田・岩手・山形・宮城・福島・栃木)。こうした事態をふまえ、きょう複数の県が肉牛にたいする方針を打ち出した。

これから各県の方針を書きたいが、その前に3種の検査方法について書かなければならない。牛または牛肉の放射線量を測定するおもな方法が3種ある。

1.まず「スクリーニング検査」と呼ばれるもの。生きている牛の体表に検査機器を当てる。体表の放射線のみを測定し、内部の筋肉組織の放射線量はまったく測定できない。

2.牛を解体した後、牛肉の表面に検査機器を当てる方法。

3.「ゲルマニウム半導体検出器」という機器を使う方法。牛1頭につき肉1kgを1時間かけて測定。とても信頼できる測定方法だが、上記のとおり1回の検査に時間がかかる上に、1台およそ2千万円という高価な機器。全国でも120台ほどしか食品検査に使われていない。

各県の知事や肉牛農家はみな、可能ならば3の検査方法で全頭検査して「絶対安全」の保証書付きで肉牛/牛肉を出荷したいに決まっている。それが出来れば消費者は安心して買うから。ところが3の機器は1台2千万円。気軽に調達できる代物ではない。そこで各県の知事はどういう方針を打ち出したか、ということになる。

山形県は、山形牛のブランドを確実に守ってゆくために、県産の肉牛すべてを検査する方針。検査方法は3。県にある検査機器は3台。1日に検査できる牛が32頭に限られるのが問題。

新潟県は、県産の肉牛すべてを対象に全頭検査を行う方針。検査方法は3。それ以上細かいことはニュースでは言わなかった。

秋田県は、来月から牛肉の放射線量を調べる。検査方法は、まず2を行い、それで一定の線量を超えたものについて3を行う。県にある3の検査機器は1台だけ。

その他の県はどうなのだろう。岩手は?宮城は?

宮城県の村井知事は細野原発事故担当大臣に、肉牛の全頭検査に必要な態勢を国の責任で早急に整えてほしいと要望。

岩手県の達増知事は、「生産の現場のほうから、あのこれは全頭検査やってほしいという声が上がっていますので、まずそれをきちんと国には伝えてかなきゃなんないと思っています」

肉牛の出荷停止をくらっていた福島県については、出荷する頭数を全頭検査可能な数まで減らして、全頭検査してから出荷する「計画出荷」が検討されている。これにたいしてJA福島中央会の床條徳一会長(徳の字がほんの少し異なるのだがご勘弁)は「計画的に出荷時期を調整するっていうのはなかなか至難のわざかなっていうに思いますので」「牛自体が死亡するような時もありますので、そういうリスクも背負わなきゃならないという部分がありますから」「国が補償するというようなことで対応していただければ非常にありがたいと思いますが」

**** 私の感想 ****

これは私の推測だが、ニュースの話の進行から考えるに、岩手と宮城の知事が国に問題解決をさせようとしているのは、「ゲルマニウム半導体検出器」がない/足りないから何とかしてよという意味ではないだろうか。

福島のJA会長も、損が出た分は国が補償してほしいと願っている。

問題が大きすぎるから、みんな結局国をあてにする。ところでその国は元から大赤字を抱えていた上に震災でめまいがするほどの出費を予定している。そのお金はいったい誰が払う?私たちの税金?

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