SSブログ

無題 [震災後の放射能漏れ問題]

私はずっと心が追い詰められていた。そして放射能が気になって葉野菜が食べられないという病気のような状態だった。そのことは前に書いた。ところが、ブログにそのことを書いたその日のうちに状態がカラリと変わった。心が前向きになり人生に目的意識が芽生えただけでなく、なんと葉野菜を食ってみようと思い始めた。これを読んだ人は「そんなバカな」と思うかもしれない。なぜなら、ブログに書いただけでは人の放射能不安に変わりはないはずだから。でもこれは事実だ。私自身が驚いたが、でも事実だ。

私はよくよく考えた。私に必要なものは何よりもまず「カミングアウト」だったのだ。少子化で学校が私の仕事のコマ数を減らし始めたのは2002年ごろからだっただろうか。当時は今よりも重い心の病に陥った。非常勤講師は複数の職場をかけもちするが、去年はこっちの職場、今年はあっちの職場と、複数の職場がかわりばんこに私の仕事を減らしていった。私は昼食を300円くらいのミニ弁当に切り詰め、部屋の電灯は、サークラインが2つついている部屋は1つにし、3つついている部屋も1つだけが点くようにした。生活不安を一時的に忘れるための酒だけは手放せなかった。私はみなさんが節電だの節約だのと言い始めるよりもずっと前、10年近くも前から収入減のせいで節電を気にし始めた。それに加えて仕事の悩み。仕事をしている人なら、誰でもわかるだろう。もう辞めたいと思っても生き続けるためには辞めるわけにゆかない。そのことで去年の暮れから心を壊し、何カ月か経っても心があまり改善せず困ったと思っていたところに今回の震災、放射能騒ぎが来た。私の心はもうめちゃめちゃなのだ。そんな中でテレビをつければ節電グッズがどうのと言いやがる。私にとっては10年近くも前からやってきていいかげんに気を緩めたい位なのに。その他、テレビで言うことが、義援金にしても、風評被害にしても、いちいち鼻についた。何が鼻についたんだと聞かれると、正確にはわからない。なぜか嫌だった。ひょっとすると、「節電節約と毎日うるさく言うが、俺はそれをずーっとやってきたんだ。その上にまだ言うか!」「被災者に義援金と言うが、俺は家からペットボトルを持って行って職場で水道水を汲むことで毎日節約しているんだ。それでもまだ言うか!」「漁業農業の方々の風評被害と言うが、他人のことばかり言ってないで俺のことを見てくれ!辛いのは彼らだけじゃないぞ、俺も辛いんだ!」と心が叫んでいたのかもしれない。10年近く前から、私の心はとっくに苦しがっていたのだ。それなのに世間に合わせて、世間の人から白い目で見られないようにと「良い子」を演じなければならなかった。先日「カミングアウト」したことで、心を縛っていた「他人に合わせて良い子でいなきゃいけない」という「たが」が緩んだ。心の病が少し良くなったから、「葉野菜は食えない」という病的こだわりも薄らいだのだろう。あの記事の後、私は夜中にわざと、家の電気をつけた。1つしか点かないようにしていたサークラインを3つ点けた。こんなに夜の部屋が明るいのは何年ぶりだろうか。そうしたらまた、心が少し軽くなった。

そういう事情で、私はこれからしばらくの間、心が治るまでの間、わざと電気を使い、わざと金を使い、わざと自己中心的にふるまい、「悪(ワル)」になる必要がある。そういう、いわゆる「プチ贅沢」が心を癒してくれるはずだ。心が治れば、自然と被災者のことを思う余裕もできるだろう。そうすれば義援金を送ろうと思うだけの心の余裕もできるだろう。心が治れば、被災地の漁業農業の方々を思う余裕もできるだろう。でもそうなるまでの間は、日常生活でもこのブログでもあえて「悪(ワル)」になり、わざと電気を使い、わざと金を使い、わざと自己中心的にふるまわせてもらう。



6月14日のNHKラジオのニュースによると、下水処理施設の汚泥から高濃度の放射性セシウムが検出された。私は、予測していなかったことが2つあって2度驚いた。

ひとつは、福島第一原発に放射能漏れ対策をした今では遠く離れた土壌や水から今さら高濃度の放射線が検出されるとは思っていなかった。ところがびっくり、検出された。

私は順序よく考えた。まず、何号炉だか忘れたが天井がポーンとぶっ飛んだ衝撃的な水素爆発の後、空の高い所に放射能が溜まり、それがある時期雨と一緒に降ってきて、まずは関東の浄水場に溜まった。それで私の住んでいる所の近所を含む多くの地域で水道水から「1歳未満の子に飲ませるべきでない濃度の放射線」が検出され、お母さんたちはわが子のために給水車に水をもらいに行った。こんな思いをさせられて精神がまともでいられるわけがない。その後、空に溜まっていた放射能は出尽くしたとみえて、浄水場から放射線は検出されなくなった。そして1か月以上過ぎたと思う。放射線汚染の話は土壌や水質から、海産物のほうへと移っていた。しかしその間に、雨となって降り注いだ放射性物質は下水道を通り、下水処理場の汚泥の中で濃縮していたということだ。しかも今度は上水道の時よりもたちが悪い。上水道から検出されたのは放射性ヨウ素131だった。いっぽう下水処理場の汚泥から検出されたのは放射性セシウムだ。これは私の推測だが、放射性セシウムは放射性ヨウ素と共に、事故後に雨として降り注いだのだろう。でもその量はヨウ素よりもさらに微量で、上水道では検出されないほどだったのだろう。ところが下水処理施設には各方面からの水が大量に集中するので極微量ずつのセシウムも「濃縮」(後述)された結果、高濃度になったのだろう。ヨウ素も同様に濃縮されただろうが、半減期をとっくに過ぎて放射線を出さない物質になっている。放射性ヨウ素131の半減期は8.1日だが、セシウムは134ならば2年、137ならば30年。2年はまだ許せる。30年は「責任者出て来い!」と言わずにいられない。今年生まれた子供が30歳のオジサン/オバサンになるまで続くのか。福島沖の海底にそれよりはるかに高濃度のセシウムが溜まっているのは誰が考えても間違いない。だって、上記の原子炉建屋天井ポーン事件以来何度か水素爆発が起きて飛び散ったし、以前に大量に溜まった「低濃度の汚染水」をやむをえず大量に放水しちゃったし、そもそも「原子炉がとっくにメルトダウンを起こして原子炉内の水が漏れ出ていた」と気づく前は、高濃度の汚染水が漏れ出ていたのだから。そしてラジオ、それも信頼できるNHKで言うには、専門家によると、今回のセシウム検出は下水処理場に集められた放射性物質が「濃縮」されたものだそうだ。下水処理場の泥で起きたことが海底の泥で起きないとは思えないから、海底でも放射能が濃縮して溜まってるはずだ。あえて正直に書くが、今後30年間、福島沖の魚のうち、海中を泳ぐ魚は別として、海底の泥に半分埋もれて生きているカレイの類は絶対に食べたくない(カレイは寒冷地から温暖地までかなり広い帯域に生息する)。

追記。インターネットには「福島原発周辺の海水の放射性物質濃度」というすごい情報もある。このサイトのすごい所は、海水を表層、中層、下層に細分化して検査結果を公開している所だ。ただ残念ながら、海底に沈殿した泥の分析結果はない(6月14日現在)。また、原発から一定の距離だけ離れた場所が検査対象となる。

私が子供の頃、公害っていう言葉があって、工業排水の中で生きていた魚が背骨が曲がったり変な姿になったりした。そして残念ながら影響を受けたのは魚だけじゃなかった。大きな訴訟があった。「ヘドロ」なんていう言葉があった時代の話だ。今回のこれが「公害」になって、ふたたび昭和のあれが繰り返されないように、行政が大真面目になって対処してくれなければいけない。昭和の公害は「垂れ流し」の近くにいた人がおもに被害に遭ったけれども、今回、カレイは日本全国、北海道から鹿児島までに出荷される。いや離島だからって、沖縄に出荷されないとは限らない。私は今さらながらに放射能が爆弾等とは威力の桁が違うと実感している。爆弾はもちろん恐ろしいし、人が死ぬという取り返しのつかない事態を生じる。でも放射能は、それに加えて地域的に拡散し、時代的に後代まで祟る。それがさらに何倍も怖い。これは悪魔だ。

話が長くなった。私が予測していなかったこと、その2つ目。今回の測定で、「下水処理施設の汚泥から放射性セシウムが検出された」のは本州だけではない。まさか、北海道でもそんなことになるなんて、私は心からびっくり仰天だ。つまり、上水道に放射線が検出されて右往左往させられたのは関東のうち原発に近い一地域だったが、下水道のほうは意外にも範囲が広すぎるじゃないか。ラジオのNHKアナウンサーの言葉を正確に伝えるならば、北海道から大阪までだ。この意味がわかるか?たとえば大阪。もし私が大阪人なら、「関東はえらいことなっとるなぁ。でも放射能は大阪までは来ぃひんやろ」と確実に思ったぞ。絶対思ったぞ。ところが、濃度はたぶん相当低いだろうが、セシウムが検出された。上記のとおり、良くて2年、悪くて30年。大阪人なら「なんやてぇ!?」言う所や。

とはいえ、誰が考えても北海道や大阪に住んでいる人が気にする必要はない。理由1、そもそも検出された放射線のレベルが関東よりはるかに低いだろう。理由2、それって下水処理施設の汚泥での検出で、街中での放射線レベルちゃうで。
コメント(1)  トラックバック(0) 

コメント 1

コメントの受付は締め切りました
blueclouds

この記事を書いた日の、うちの夕食はカレイだった。私が食べなかったと思うか?いや食べたぞ。すでに2回くらい書いたが、カミングアウト後の私は以前と違う。以前なら心が拒絶して食べられなかっただろうが、今は葉野菜もカレイも食べる。ただ、過激な発言は今回の記事でも抑えられなかったな。あれは私の心の中の不安が噴き出してしまったものだ。今後は過激な発言を控えるように努力するが、心を治すのに少し時間が要る。いましばらく待ってくれ。
by blueclouds (2011-06-15 21:31) 

トラックバック 0