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無題 [震災後の放射能漏れ問題]

ここ数日、原発関連のニュースが多すぎる。私は皆さんと同じように仕事をもっているので、朝家を出て夜疲れて帰ってくる。それから記事をまとめるのは辛い。14日は大きなニュースが2つもあったが、限られた時間ではそのうちの片方を記事にするのが精一杯だった。とにかく出来たほうの記事を載せよう。


14日夜 NHKニュースウォッチ9

今から1週間あまり前、九州電力の「メール問題」が明らかになった。これは、九州電力関係者が国主催の原発説明会にさいし、原発賛成意見を過半数にする目的で故意に原発賛成メールを送信したというものだ。14日、このメール問題は副社長ら上層部の指示がその発端であることがわかった。上記説明会の5日前、副社長、発電本部長、佐賀支店長の3人が相談し、発電再開の賛成意見投稿を増やす必要があると認識。副社長と本部長は部長に指示し、部長は課長級社員に指示し、この課長級社員が社内の一部や社外の子会社にメールで指示した。いっぽう佐賀支店長は部長3人に指示、部長は社内や取引会社に指示した。佐賀支店長は賛成意見のマニュアルも作った。それによると、

「夏の『熱中症』も大変に心配であります。犠牲になるのは弱者である子供や年配者の方であり、そのような事態を防ぐためにも原子力の運転再開は絶対に必要であると思います。」

「電力不足が国内産業(生産)の空洞化に益々拍車をかけることが懸念されます。」

指示によりファックスやメールを送った九州電力関係者は141人。説明会では賛成286件、反対163件だったが、賛成のうち141人が「やらせ」だったので、本当は賛成145件で、賛否が逆転したことになる。

14日夜 NHKニュースウォッチ9の内容 以上。


さて、私がしたいのは九州電力叩きではない。次の2つのことだ。

1つめ。自分たちの主張を通すために、明らかにアンフェアな手段をとる人間が現実にいる。今回の事例だけでなく、これから起こりうるたくさんの議論の中でもそれがあるだろう。真面目に議論しようとしている人間をこういう形で裏切るのは許さない。なぜなら真面目に議論しようとしている人間は、もちろん自分の主張をもっておりそれを通したいけれども、それへの反対意見が多ければ真摯にその結果を受け止めるからだ。アンフェアな人間はそういう真面目な人間の思いを踏みにじる。

2つめ。支店長が作ったマニュアルを知って思った。今年の夏の熱中症ではすでに亡くなった方もおられ、電力不足が産業を圧迫しているのも事実だが、それを心から危惧するのでなく、自分たちの主張を通すための道具として利用する人間がいる。しかし私が言いたいのは支店長のマニュアルのことではなく、「そういう事例は今まで無数にあったのかもしれない」ということだ。今回の件以外でも、たとえば国内産業の空洞化と原発再開を結びつける意見を私は知っている。今まで私は、「その人は心からそう思っているのだろう、その言葉の裏にその人個人の利害との関係があるのではとつい思ってしまうが、それはいけない」と考えていた。でもその考えは「お子様」の考えだったかもしれない。とくに議論の場が経済にある時は、そもそもすべての議論の根底に当事者の利害があると見るべきだったか。もしそれで正しいなら、私は今後は今までよりも気兼ねなく自分の主張をすることができる。「脱原発へと向かう道が私とは別の場所で他者を私以上に苦しめるかもしれない」などと相手の心配をしなくて良いのならば。

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