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時として自治体の検査をすり抜けて流通している放射能 [震災後の放射能漏れ問題]

放射能事件のニュースを注意して見るようになってから、NHKが他局に比べてさらにしっかりした報道をしていることがよくわかる。他局がしっかりしていないのではない。民放特有の一面があると言いたいだけだ。たとえばある局の報道は、あえてセンセーショナルな言葉を使ったり、必要以上に視聴者の不安をかきたてる映像を見せたりする。これにたいしてNHKクローズアップ現代は、まずテーマをしっかり選び、そのテーマに沿って必要な事だけを順序だてて報道してゆく。最終的に番組制作者が何を言いたいのかもわかりやすい。

10月3日のクローズアップ現代は30分番組を前半と後半に分け、食品の放射能に関係する2つのテーマを扱った。前半は、自治体の検査をすり抜けた放射能について。後半は、生協が消費者の不安に応えてあえて食品の放射能レベルを公表しようとした努力、それにたいする生産者側の不安、そして案の定出てしまった「暫定基準値には達しないが誰が見ても高い値」という放射能をもつ商品をどう扱うかという苦悩について。

ここでは、番組前半の、自治体の検査をすり抜けた放射能についての部分から書きたい。番組の意図そのものに沿ってではなく、私が書き留めておきたい事だけを書く。

厚生労働省は食品の安全を守るために、いわゆる「覆面調査員」が魚や野菜などを買い、放射能の抜き打ち検査を行っている。また、各地自治体の放射能検査結果が集められ、どの市町村で何回検査が行われたかを把握している。その結果、7月の時点で埼玉県に、まったく検査が行われていない市と町が17あった。

調査員が調べたところ、放射性セシウムが基準値の2倍を超える狭山茶が見つかった。茶葉は乾燥させると水分を失うがセシウムは残るので、濃縮されて放射能の値が高くなることがある。

当時埼玉県では、場所的時間的に「茶葉の大部分を産出する地域で検査すれば良いだろう」「もっとも多く葉が摘まれる時期に調査すれば良いだろう」という考え方をしていた。そしてその場所時間で高い値の放射能が検出されなかったので県は安全宣言をした。ところが、場所的時間的に調査範囲以外から高濃度のセシウムが見つかる結果となった。

これはもちろん埼玉県だけの問題ではないし、茶葉だけの問題ではない。

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