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眠れない [手記さまざま5]

眠れない。生きることへの不安、幸せに生きることへの不信感とでも呼ぶべきものが思考を支配している。私は以前の記事に、自分が親の脊柱管狭窄症から転居まで一年半苦しんだと書いた。心が治るまでには少なくとも苦しんだのと同じ月日がかかる。普通はもっとかかる。それが正しいならば、私は転居が終ってから少なくとも一年半、来年の春までは心が治らない。しかし叔父の死に様を真似したくはない。生き甲斐なく徘徊し死にたくはない。だから私は第四の生き甲斐を探し続けなければならない。


相続のための戸籍を取得する(6) [手記さまざま5]

一週間以上待って、やっと役場から改製原戸籍が送られてきました。なんと3x750円=2,250円も手数料が必要なのは、3通もあるからでした。そのうち2通は除籍謄本でした。そして、さらにその先へ戸籍を遡り別の役場でまた改製原戸籍を取得する必要があると、メッセージが添えられていました。

今日はさらに記録すべきことがあります。私は不足分2x750円=1,500円分の定額小為替を役場へ郵送するさい、郵送料も不足すると気づき、10円切手を同封しました。切手が紛れてしまわないように、信書に切手の端をセロテープで留めました。ところが役場から来た封書には送料10円が不足していると書かれ、返信用封筒には10円切手が貼られていませんでした。それで私は、何かの事情で役場は切手を受け取ることができず、返してよこしたのかと思いました。ところが封筒の中に10円切手がありません。結局、10円切手は役場にネコババされてしまったのです。


イノシシのB級モンスター・パニック映画 [手記さまざま5]

若い頃の記憶は時々、驚くほど鮮明なことがある。先日、私は子供の頃にテレビで見たB級モンスター・パニック映画を2つ思い出した。どちらもラストはどこかの工場で、どちらも巨大モンスターが機械に潰されてエンドとなる。片方はイノシシが襲ってきて、ベルトコンベアの先で機械に粉砕される。低予算の作り物をごまかすためか、イノシシは部分的にしか見せない。でも私はこのラストが好きだった。もう片方の映画はイノシシよりも貧弱なモンスターが襲ってきて、私はこの貧弱なモンスターがあまり好みでなかった。数日間探し続けた努力が実り、両方の映画の名前がわかった。イノシシのほうは「レイザーバック」、貧弱なほうは「地下室の悪夢」だ。しかしそれだけではなかった。これら2つの映画には、私の思い出がまだあった。「レイザーバック」のほうは、男が見る幻覚の中で馬の骨が襲ってくる。このシーンを子供の頃に見た時は、強烈に印象的だった。「地下室の悪夢」は、怪物の巣に無数の骸骨が山になって散乱している。そして映画のラストで、ただ一人生き残った男が外へ出る時、出勤のパンチカードを差すが、死んだ同僚のパンチカードも差してから出てゆく。これが印象的だった。英語版ウィキペディアで調べたら、これはテレビ版のエンディングで映画版にはないそうだ。


第四の生き甲斐を探します75 私の理解が追いつかない法律により、またも振り出しに [手記さまざま5]

この記事は、ひとつ前の記事と同じ日、それも数時間しか経たないうちに書くことになった、とても残念な報告です。

ひとつ前の記事で、私は第四の生き甲斐候補が明確に現れて嬉しいと書きました。その生き甲斐とは、まだ日本語字幕が存在しない思い出の映画に日本語字幕を付ける努力をし続けるというものでした。私は早速、その実現に向けてネット検索を始めました。そうしたら、とんでもない情報が見つかりました。まだ日本語字幕が存在しない映画に日本語字幕を作りネット上にUPした人が捕まったという情報です。

それを読んだ時、私は理解できませんでした。映画を無断でUPしたら捕まる。これは当然わかります。音声だけUPしても捕まる。それが現在売られている商品の音声ならば権利者から訴えられるでしょう。でも捕まった人がUPしたのは映画そのものでも音声でもありません。自分で日本語に訳した結果をUPしたのです。その翻訳は誰に著作権があるか。私には、努力して訳した人に権利があると思えます。でもその人は捕まりました。

法律や条例に「なぜ?」は意味がありません。それを納得できても、できなくても、違反した人が違反者となる。つまりこの場合、私の第四の生き甲斐候補(日本語字幕作りの努力)が法律により制限されたという厳然たる事実だけが存在します。

あなたは次のように思うかもしれません。ネット上にUPしたら捕まるのであって、私が一人で誰にも知られずに黙々と字幕を作るだけならば捕まらないよ、と。たしかにその場合、捕まりません。でも、私はただ一人、誰にも知られずに生きてゆかなければなりません。人生って、そういうものではないはずです。「今日こんなことがあったよ」「今日は頑張ったよ」「今日は立派な人に出会って素敵だと思ったよ」と、常に人々に向けて発信し続けるのが人生ではないでしょうか。あまりに孤独な生き甲斐というのは、そもそも生き甲斐になりうるのでしょうか。


第四の生き甲斐を探します74 [手記さまざま5]

(この記事は前の記事から続いています)
実はこの計画には、いくつかの心配な点がある。

円盤のリージョンが日本と違う。だから日本で普通に売られているプレーヤーでは再生できない。でもPCのソフトウェアプレーヤーにはリージョン設定が付いている。とはいえ設定回数には上限があり、他の円盤とリージョンを切り替えながら使い続けることができない。

字幕作成には沢山の努力が必要だ。もしも沢山の努力をして字幕を作り終えた後で、この映画の日本語吹替版が発売されたらショックだ。地上波吹替つきの映画が今までにたくさん発売された。今後も発売されるかもしれない。それでも私は字幕を作るのか?

そういう心配事はあるが、この計画を考えると私はワクワクする。私はそうやってワクワクし頑張ることを第四の生き甲斐にして良いのではないか。そう思えてきた。

商品が届くまでに半月かかるのだから、それまでの間によく考えれば良い。第四の生き甲斐候補がこんなにも明確に現れたのは、とにかく嬉しい。

この記事ひとまずここまで。


第四の生き甲斐を探します73 [手記さまざま5]

(この記事は前の記事から続いています)
とにかく、ここまで来たらこのまま商品が届くのを待とうと思う。ちょうど今、念願のピンク・パンサー3を吹替で視聴したところだ。このあと、わけあってコジコジと犬夜叉を視聴することになっている。商品が届くまでにこれらの視聴を終らせて、商品が届いたら試してみたいことがある。

それは、日本語字幕を作ることだ。なにしろ日本の商品でないから、日本語字幕が付いていない。ストーリーは知っているが、字幕なしでは細かい所がわからない。でもこれはDVDだから、日本語字幕は入っていなくても英語など他言語の字幕は入っている。そして今どき、ネットの翻訳機能を使って日本語に直せる。日本語に直したものをsrtにして字幕化できないだろうか。

円盤の再生時にsrtを付ける機能がPCのソフトウェアプレーヤーにあれば良いが、それが無理なら何か方法を考える。

つづく


第四の生き甲斐を探します72 [手記さまざま5]

(この記事は前の記事から続いています)
日本語のサイトにDVD画質のスチール写真がある。ということは、日本でDVDが発売されていたのか? 私は記事を読んで行った。DVDが売られているのは日本ではなかった。サイトにはDVDの発売元も書いてあったが、残念ながらネット検索してもその発売元から出ているDVDの情報が見つからなかった。

仕方なく私は、他の発売元から出ているDVDを探した。メディアがDVDでも、リマスター前のVHS画質を入れている可能性がある。注意しなければならない。レビューを参考にして、これなら画質が良いだろうという商品を探し出した。

すでに書いたように日本の商品ではないので、外国のアマゾンから買うのが正しかったのだろうが、私は年をとり、面倒なことをする気力がもうなかった。日本のアマゾンで同じ商品を見つけ、おそらく割高だろうが苦労せずに商品が届く道を選んだ。在庫ありと書いてあったので日本に在庫があると思ったら、イギリスの配送業者を使い商品到着までに半月ほどかかる。これって、在庫はイギリスにあるってことじゃないか。

つづく


第四の生き甲斐を探します71 [手記さまざま5]

ある夜、私は眠りにつくまでの短い時間を心安らかに過ごすために、スマホを見ていた。思い出のある映画のうち、手に入れられる吹替はすべて手配した。あとは、念のために吹替が出ていなかった作品に新たに吹替が出ていないかチェックするだけだ。

私は、あるB級ホラー映画をチェックした。この映画のDVDは日本で発売されていないはずだった。私は20年も前にわざわざ外国からVHSビデオテープを取り寄せた。映画配給元本国のビデオはアメリカ版よりも映像が格段に良かった。おそらくそれが、入手できる最高の画質だろうと私は思っていた。

ところが、ネット上に見つけた画像はどう見てもVHSビデオテープのものではなかった。あまりにも鮮やかだった。私はそのサイトの記事を読んでみた。英語を読むのに苦労する私がスラスラ読んだその文は、そう、日本語だったのだ!

つづく


第四の生き甲斐を探します70 [手記さまざま5]

念願のピンク・パンサー3吹替版をついに手に入れた。改めて見てみると、これは昭和時代の娯楽大作だ。外国の作品だから昭和というのは変だが、私がこれを初めて見たのは子供の頃、吹替でテレビ放送された時なので、私個人にとっては昭和の思い出だ。

この映画はどの部分を見ても面白いコメディーにして007等のオマージュ作品なのだが、子供の頃の記憶にかんしては、今回ちょっと残念な結果となった。というのは、なぜか子供の私にとってはこの映画の本当に面白い部分が記憶に残っておらず、些末な部分が記憶に強く残っていた。それはクルーゾー警部の言葉だ。

この映画ではクルーゾーの喋り方が独特なので、それが記憶に残っても不思議ではないが、それでもカンフー映画を思わせる場面のほうがよほど面白い。自分自身のことながら、子供というのは不思議な所に興味をもつものだと感じた。

捕り物のシーンでクルーゾーが捕り物もせずに「かような者。かような者。かような者。かような者。」と言っている。今見るとたいしたシーンではないが、子供の私はこのセリフを妙に覚えていた。 

クルーゾーが宿泊しようとして「ジマ」と言う。この意味不明なセリフを子供の私はよく覚えていた。意味不明だから、何だろうと思って記憶に残ったに違いない。試しに英語音声用英語字幕を出してみたが、この「ジマ」は字幕にもなっていない。

そういう子供の頃の妙なこだわりとは別に、今回は映画を堪能させてもらった。

ピンク・パンサー3吹替版との出会いは、私にそれ以上のものをくれた。この吹替版を買い求めながら、私は他の映画も探し、そして個人的にワクワクするものを見つけた。「これなら第四の生き甲斐になるんじゃないか」と思えるものをだ! それについてここで書くと話が逸れるので、記事を別にして改めて書きたい。


またひとつ曲名・歌手名が判明 [  カセットテープ(補完計画)]

またひとつ曲名・歌手名が判明した。曲に怪鳥音が入っているのでてっきりブルース・リーだと思って長年探していたが、なんとジャッキー・チェンだった。どうしてわかったかというと、YouTubeにUPしたら著作権情報が来たからだ。自分が長年ネット検索して見つからず、ShazamとSoundHoundでも別物しかヒットしなかったので、YouTubeでもわからないに違いないと思っていただけにビックリしている。

そうなると、最初にUPした2つの歌謡曲は、YouTubeからいまだに著作権情報も来ないとは、どんだけマイナーな曲なんだろう。

以前に決めた「自分ルール」では、曲名・歌手名がひとつ判明するたびにそのお礼として何かをひとつUPすることになっていた。今回は予期せぬ判明だったから、UPするものをまったく決めていない。どうしようか。


第四の生き甲斐を探します69 [手記さまざま5]

仕事が忙しくなり、時間をかけないと先へ進めないDTMを続けるのが難しくなった。そこで、時間をかけなくてもできる何かをしようと思った。

私が子供の頃にテレビで放送された映画で、懐かしい吹替を手に入れていないものがあった。B級ホラーの新エクソシスト死肉のダンスと幻想系の怪奇な恋の物語については以前の記事で名前を挙げたが、もうひとつ、コメディーのピンクパンサー3を忘れていた。

リストラ以来、私は出費を恐れ、DVDを滅多に買わなかった。ブルーレイはなおのこと買わなかった。それで、これらの吹替はいまだに手に入れていなかった。でも、私の「懐かしいもの収集」もどうやら終盤だ。加えて私は第四の生き甲斐を探している。心の拠り所を探している。今こそ、吹替を手に入れる時だと思える。

死肉のダンスについては、昔のブログ記事に書いたことがある。怪奇な恋の物語は、待っても待っても通販から連絡が来ない。だからピンクパンサー3の吹替を手に入れて、ブログ記事を書き懐かしみたいものだ。


第四の生き甲斐を探します68 作品3 3/3 [手記さまざま5]

今日はじつに沢山のことをした。MS-20では役不足ではないかと思いM1を見つけたが使用要件を満たさず、とにかく今できることとして「シンセサイザーここがポイント」から次の音色を試したがMS-20一台ではフルートの音が作れないと判明してやはりMS-20は役不足と判断し、そしてまだ行ったことがある。

「シンセサイザーここがポイント」とMS-20を諦めた私は、またM1に戻った。たしかに私の古いパソコンはKORGのホームページにある使用要件を満たさないが、そのパソコンでKORG Collection 2のソフトウェアシンセが動いている。確認はしていないが、KORG Collection 2だってM1と並行してバージョンアップしてきたのだから、使用要件は同等のはずだ。それならM1も、ただ音を出すくらいは私のパソコンでできるのではないか。私は試しにM1の体験版をダウンロードしインストールしてみた。体験版は音色の保存ができず、しかも20分経つと音が出なくなるが、音色を試すだけならそれで十分だ。聞いてみたところ、実にいい音が鳴る。私が欲しい楽器の音色で足りないものがあるが、それはこれから音色編集を試してみるべきだ。時間をかけて音色作りを楽しみ、もし満足したなら、金額との兼ね合いで購入を考える。

ところが、ペンちゃんの不思議なけんばんを使おうとした時点で私はある問題に気づいた。MIDI YokeがM1に表示されない。そう、今どきのソフトウェアシンセだから64bitなのだ。私はMS-20だけでなくMIDI Yokeも諦めねばならない。これからの手順は、まずMIDI Yokeの代わりにloopMIDIをインストールし、それから上記のようにM1で音色編集を試し、もし満足したら製品版を購入してから作品3のキリを制作するという順番だ。それは今までの大変な試行錯誤に比べれば、先行きの見える単純な変更にすぎない。しかし私はとっくに仕事をしなければならない時期にさしかかっていた。それなのに精神不安定から曲作りに没頭してきたが、今こうして作業が滞った運命が私には「いいかげんに仕事をしろ」という天の声に聞こえる。

これで作品3がまたも未完のままおしまいという意味ではない。この2023年が終わるまで位の長い目で見て、また仕事が休みになった時に曲作りの続きをするというのが、職業人としての正しい生き方ではないかと思うだけだ。


第四の生き甲斐を探します67 作品3 2/3 [手記さまざま5]

「シンセサイザーここがポイント」によるMS-20の音作りは今の私に意味がないのかという悩みの中、今できることをとにかくしようと思い、私は次の音色、フルートを本の通りに設定した。

本の通りでは変な音になることが、これまでのヴァイオリンとギターからわかっていた。それはおそらく、昔のハードウェアMS-20と今のソフトウェアMS-20でボリュームの回し方による効果の強さが異なるせいだろう。それから、MODULATION GENERATORセクションのTEMPOのような昔はなかった設定をしっかりオフにしなければいけない。それはわかっていたが、いざフルートの音色を聞いてみて、これはどうしたら良いのだろうと悩んだ。そこまでフルートとは似ても似つかない音だった。何よりもMGによるFMがアホなほどきつい。それではと、FMの強さを決めるEG1/EXTのボリュームを下げてみたが、まだフルートに聞こえない。何よりも、本に書いてある息もれの音を表現するNGが実装されていない。フルートの音色の特徴といえば、この擦れ音だろうに。私は「シンセサイザーここがポイント」をこれで最後にするつもりで、フルートの音を設定し直した。

パッチパネルのコードは全部取る
FREQUENCY MODULATIONセクションのMG/T.EXTを0から0.20に、EG2/EXTを2から0に
VOLTAGE CONTROLLED LOWPASS FILTERセクションのCUTOFF FREQUENCYを4から6に
LFO-CUTOFF FREQUENCY MODULATIONセクションのEG2/EXTを5から0に

LFOのKEYBOARD FOLLOWは必要だと思うが、今の私には設定が難しすぎる。フルートだから、高めの音を出した時に笛らしく聞こえるようにしてある。低い音だと笛に聞こえない。
本ではMGのFMをEG1で決めているが、それはやめた。わずかな音の揺れは残すが、そこにEG1を使わない。なぜならNGにEGが必要だからだ。

さて息もれの音を付加しようとした時点で、私は壁にぶつかった。MS-20にはEGが2つ付いているが、EG1はADSRでなくARだった。だからホワイトノイズの音量をこれで制御してDECAYとSUSTAINを使い、吹き始めだけノイズを強く出すことができない。ADSRが揃っているのはEG2だが、EG2は音の出口である第1VCA専用で、MGなどの制御に使う第2VCAのCVとする回路接続は用意されていない。だから第2VCAでNGの音量を制御するのを諦めねばならない。私は妥協案として、時間的に音量の変わらないホワイトノイズを少し混ぜることにした。VCO1の波形にノイズがあるが、そのVCO1は今三角波として使っている。VCO2にはノイズがない。だから使うホワイトノイズは独立して用意されているNGということになる。これをAUDIO INに入れてみたが、あからさまにホワイトノイズという音で使えない。それではとLPFのCVとして入れ、LPF-CUTOFF FREQUENCY MODULATIONセクションのEG2/EXTを少し上げてみたが、ノイズは混じるがてんでフルートの擦れ音でない。やはりノイズを専用VCF/専用EGで加工しないと駄目だ。ここに至って、MS-20一台でフルートを模すのは不可能と判断した。

こうやって「音作り」を楽しむことを目的とするなら、ソフトウェアMS-20を二台に増やしてこのまま続けてもよかろうが、今の目的はそれではない。だから、「シンセサイザーここがポイント」はここまでとする。おそらくMS-20も役不足でここまでとなるだろう。

つづく


第四の生き甲斐を探します66 作品3 1/3 [手記さまざま5]

一晩寝て、考えが変わりつつある。今までの記事に書いたが、今私がやろうとしているのは昔作りかけて途中で機器が使えなくなった作品の再現で、当時の機器はアコースティック楽器音のPCM音源も入った音色バンクだった。そして、今私が使えるのはMS-20だ。MS-20を使ってPCM音源も含む音色バンクの真似をするのは、どう考えても分が悪い。KORG CollectionにはM1という製品があり、説明書を読んだところM1にはアコースティック楽器音のPCM音源も入っている。つまり私が昔持っていて作品を作りかけた機器に近い。WAVESTATIONという製品もあり、WAVEという名前から私はPCM音色バンクを連想したが、説明書を読んだところWAVESTATIONの音源部分はシンセサイザーの発振器だ。だからM1が正しい選択肢だ。M1はKORG Collectionの一部だが、私がライセンスをもっているのはCollection 2(アナログシンセ)、M1が含まれるのはCollection 3(アナログシンセ+デジタルシンセ)だ。だから私はM1を別途買わなければならない。M1には無料の体験版があるので、まずはそれを試したい所だが、ここで問題発生。私のパソコンのスペックがM1の使用要件を満たさないとわかった。そもそも私のパソコンが古いから、いくつもある無料DAWの中でReaperを使うしかないという話は前に書いた。世の中はなかなかうまく行かない。

つづく


第四の生き甲斐を探します65 作品3 [手記さまざま5]

作品3をまたも未完のままにしないためには、早くキリの部分を作らなければいけない。キリを作れば、最初の早笛から最後のキリまで、曲がりなりにも音をつなぐことができるから。そして昔の私が作ったキリは、オーケストラ演奏だった。今の年とった私は、夢と希望が詰まっていた昔の思いを大事にしたい。だから昔オーケストラ演奏で作ったキリを、今再現したい。でも、昔持っていたシンセ音色バンクはもうない。どうしたらオーケストラの音を作れるか。

KORGのサイトには、KORG Collection(旧KORG Legacy Collection)のライセンス所有者がダウンロードできる音色バンクがある。私は以前に一度これをダウンロードして音色を聞いてみたが、すべての音色がいわゆるシンセ・サウンド的なもので、アコースティック楽器を模した音色はひとつもなかった。私が求めている音色とはあまりに違うので、削除してしまった。でも今回DTM再挑戦となったので、私は再度KORGのサイトから音色バンクをダウンロードして聞いてみた。結果は、昔の感想と同じだった。どうにも使えない。MS-20でアコースティック楽器を模すのは無謀なのだろうか。製作者のKORGでさえ、それをしようとしない。でも私の場合、XILS3がデモ版を使っているので、音色を保存/読み込みできるシンセはKORG Collectionしかない。今の私がアコースティック楽器を模すには、MS-20を使うしかないのだ。

私に残された可能性は、昔買った本「シンセサイザーここがポイント」だけとなった。昔この本に載っているヴァイオリンの音色を試したことがある。そのまま使えるほど高級な出来ではなかったが、そこから学べるかもしれない。もうじき仕事が忙しくなる。あまり時間が取れないが、仕事をする気になれない時、ストレスが溜まって困った時などに、この本の音色を試してみよう。

**** 本のヴァイオリン.fxpから本のヴァイオリン2.fxpへの変更:
violin.jpg
FREQUENCY MODULATIONセクションのMG/T.EXTを1から0.6に
MODULATION GENERATORセクションのTEMPOをオフに、FREQUENCY/TIMESを4から3に
ENVELOPE GENERATOR1セクションのDELAY TIMEを1.5から4.7に、ATTACK TIMEを2から4.2に

解説
MGのTEMPO SYNCなるものがハードウェアMS-20にはなかったと思われる。これがオンだとMGの効きが妙なことになる。これをオフにするとビブラートが再現できるが、本の設定のままだと音の揺れの周期や強さに微妙にリアルさがない。そこでFREQUENCY/TIMESとFREQUENCY MODULATION-MG/T.EXTを微調整した。
ビブラートの始まりは少し遅らせ、効きも徐々に強くなったほうが良いので、EG1-DELAY TIMEとATTACK TIMEを長くした。

**** 本のギター.fxpから本のギター2.fxpへの変更:
guitar.jpg
VOLTAGE CONTROLLED LOWPASS FILTERセクションのCUTOFF FREQUENCYを3から7に
LPF-CUTOFF FREQUENCY MODULATIONセクションのEG2/EXTを8から2に
ENVELOPE GENERATOR2セクションのRELEASE TIMEを1.5から5.1に

解説
本の通りの設定だと音があまり出なかった。私はHPFとLPFのカットオフ周波数つまみが同じ位置というのが気になった。そこでLPFのカットオフ周波数を上げたら音が出た。
本の設定を見るとVCAに送るEGのSUSTAIN LEVELが上がっている。弦楽器だから減衰音のはずなのにSUSTAINを上げるとは、キーを叩くようにしてすぐ離す奏法を意図しているのかと思った。それならと、RELEASE TIMEを上げてゆっくり減衰するようにした。
LPFに送るEGを本のように強くするとシンセ独特の不自然な高調波が出てしまうので、あえてEGを弱くして自然さを出した。


相続のための戸籍を取得する(5) 改正原戸籍、一件750円ではなく一枚750円か [手記さまざま5]

とりあえず定額小為替750円分を送って、足りなければ役所から何か言って来るだろう、という所までが前回の記事でした。それから何日も経ち、役所から言ってきました。戸籍は全部で三枚になるので1500円が不足していると。私は、戸籍が三件も必要だったとは、自分の親の戸籍はずいぶん複雑なんだなと思いつつ郵便局へ行き、定額小為替1500円分を買いました。結局、手数料は合計600円となり、最初に役所が提案した3000円分を送る場合と同じになりました。そのうちに私は、ふと思いました。親の戸籍が複雑だから三件も必要なのではなく、親に兄弟が沢山いるから三枚も必要なのではないか、と。つまり改正原戸籍一件につき手数料750円ではなく、コピー一枚につき750円というとんでもねえ計算方法ではないか、と。実際にどうかは、役所から戸籍が送られてくればわかります。


追記
この記事を作成した後、追加の判明がありました。記事を順に出す都合上、「相続のための戸籍を取得する(6)」をお待ちください。

痛風発作が収まっても良くない [手記さまざま5]

足の親指の付け根は、もう痛いという感じではないのだが、今でも革靴を履くと嫌な感じだ。それに、長時間椅子に座っていると片足にむくみが出る。発作は収まっても体内はまだてんで駄目だということか。

記事を出すついでに、スマホのテザリング回数がキリのいい数になったので報告させてほしい。私の人生で決して遅滞することなく邁進を続けているのはこのテザリング回数だけだ。なんてことだ。
network1800.png


第四の生き甲斐を探します64 作品3、DBX入りっぱなし [手記さまざま5]

実はwavの中に早笛が2回録音されていた。2つにたいした違いはなく、なぜか2回目は最初のほうの音が1回目よりも小さいのに終わりのほうの音は1回目よりも大きいといった違い程度なのだが、今後DTMに使う音源としてはひとつ無視できない要素があった。それは、2回目はなぜか録音レベルが低いということだ。なにしろ今どきのデジタルデータではない。今はデジタル化してwavになっているが、元はカセットテープ録音だった。いくらDBXノイズリダクションがかかっていたといっても、極端に音量を上げればヒスノイズが出てくる。2回目の早笛の直後にシテ謡が始まることから考えて、当時の私は2回目を採用するつもりだったのだろう。でもこれからのことを考えれば採用するのは録音レベルの高い1回目だ。今回はまず、そういう既存wavの整理から始めた。

早笛は1回目の部分だけを切り出したので、地謡やシテ謡よりも早くに終わることになった。Reaperでは短いwavは終了時にループするのがデフォルトの設定のようだ。トラックに表示されているwavを右クリック-アイテムの設定-「アイテムのループ」のチェックを外す。

そのうちに私は困ったことに気づいた。早笛のwavを最初に聞いた時から気にはなっていたのだが、音が大きくなるはずの所で逆に小さくなる。リミッターでもかかっているかのようだ。変だ変だと思いつつこの記録を書き、「いくらDBXノイズリダクションがかかっていたといっても」と書いた所ではたと気づいた。カセットテープをデジタル化した時の再生機器がMTRでなく普通のカセットデッキなので、DBXは解除していない。DOLBY B/Cならばネット上にwav化された音声のデコードプログラムがあるが、DBXはDOLBY NRほどポピュラーでなかったせいかネット上に議論はあるがプログラムはない。そしてDOLBY NRでエンコードした音声はデコードしなくてもそれなりに聴けるが、DBXでエンコードした音声はデコードしないと聞くに堪えない。いやはや、再挑戦の最初からポンコツではあったが、こんな問題まで生じていたか。

私は、エフェクターでできる範囲のことをした。音が大きくなるはずの所で逆に小さくなるのを何とかすればいい。音の大小の違いを少なくする。コンプレッサーか。調べたところコンプレッサーは大きすぎる音を小さくするだけで、小さすぎる音を大きくはしてくれない。しかし他に見つけられなかった私はこれで何とかするしかなかった。Reaper標準装備のコンプレッサーはReaCompの他にReaXcompがある。ReaXcompは周波数帯ごとに設定を変えられる。音が不自然に小さくなるのは高い音が強く鳴りだす部分なので、高音部に限りコンプレッサーを切り、極端にGainを上げ、不自然に小さくなる高音が相対的に目立たなくなることを願った。その結果かなりシャリシャリした音になったので、イコライザーでハイカットを試した。

VST-ReaXcompを追加
1から3までのGainを0.0
4のRatio(:1)を1
4のGainを30.0(マウス操作ではここまで上げられないがキーボードから数値を打ち込める)
全体のGainを-14

VST-ReaEQを追加
1から3までいじらず
4のTypeをLow Pass

今回はその他にも、既存wavの問題点をいくつか修正した。

早笛のLはRと比べて元々音が小さかった。それをRと同じレベルまで大きくすると、無音部のヒスノイズも大きくなった。とくに上記ReaXcompで高音のGainを上げたのでヒスノイズが目立った。早笛のwavは他よりも早く終わるので、そのとたんにヒスノイズが止まってあからさまに変になった。そこでK5 WAVE Filterというフーリエ変換を使った波形変換ソフトでノイズを除去した。

シテ謡はなぜか掛合が始まる所から全体的なレベルが上がった。この部分からシテ謡の録り直しをし、その時に録音レベルが違ったのかもしれない。Reaperのフェーダーでピークレベルを後半に合わせると前半のレベルが下がってしまった。そこでSoundEngine Freeで掛合が始まってからのレベルを前半と大体同じに調整した。

地謡は、聞いてもわからないがReaperのレベルメーターを見ると謡っていない部分にヒスノイズがうごめいていた。これをK5 WAVE Filterで除去した。

シテ謡・地謡ともに、聞いてもわからないがSoundEngine Freeで波形を見ると謡い終わってしばらくしてブツッと小さくノイズがあった。アナログ機材の録音を止めた時のノイズだろう。これを除去するために、長い無音部分の音量を最小にした。これで、長い無音部分は、K5 WAVE Filterで取り残したわずかなヒスノイズも完全になくなった。

あとひとつ、思い出したことがある。作品3は早笛で始まるのではなかった。早笛よりも前に、ワキの謡があった。それはシタールの音色で完成していたが、カセットMTRには録音しておらず、現存していない。シタールのノートにはエクスプレッションが設定してあり、謡そのままに節回しが付いていた記憶がある。でも音色がシタールだから、ずいぶんイメージが違った。これからそれを再現する気力は年をとった私にはもうない。


第四の生き甲斐を探します63 作品3、もう最初から滅茶苦茶だ [手記さまざま5]

昔初めてDTMに挑戦した時に作品2「梵鐘」を完成させられなかったのは、妥協を許さない孤高の精神が原因だった。梵鐘の音色が不完全だ、梵鐘を鳴らすタイミングは何か月もかけて無数に試し決めるのだ、と自分で勝手に自分の中のハードルを上げているうちに天袋整理が始まりタイムオーバーとなった。俗に天才と馬鹿は紙一重と言うが、「妥協を許さない孤高の精神」は「ポンコツ」と紙一重だった。だから今回のDTM再挑戦では、「涅槃」の音が涅槃でないのにとにかく梵鐘をボンボン鳴らして録音してしまい、とにかく完成とした。これはこれでポンコツな気もするが、永遠に未完成よりはいい。

作品2を終えた私は、気を良くして作品3に取りかかった。これも大昔にハードウェア・シンセとカセットマルチトラックレコーダーで作りかけた作品だ。でも今までの二作よりもかなり複雑で厄介だ。

作品3は、昔カセットMTRで4トラックに録音し始めた音をデジタル化したものだけが残っている。それは断片だ。

作品の構成としては早笛、シテの出、異空間乱拍子、掛合、キリとなり、それらのうちオーケストラが担当する早笛とキリは昔すでに出来上がっていた。ところが、キリはシンセ音色バンクとデジタルシーケンサーの中に入れたまま天袋に長年仕舞い込み、長い年月の後に続きをやろうとしたらシーケンサーのフロッピーディスクドライブが壊れていた。これでは音色データとノートを読み込めない。もはやシンセ音色バンクともども処分するしかなかった。だからキリは私の頭の中にしか残っていない。痛恨の痛手だ。

どうしてカセットMTRに録音しておかなかったかというと、シーケンサーに入れておけば細部の改良が後からできるからだ。もっと改良して、最後のマスターミキシング時にテープに入れればいいと思っていた。

とにかく、現存する録音がどんなものか、聞いてみることにした。4トラックあるから普通の音楽プレーヤーで聞けず、Reaperを使うことにした。

MTR用カセットテープには、最初に別の作曲が入っていた。昔最初にDTMに挑戦した時に作った作品1「Rubicon-Orign」ではない。それよりもさらに昔、パソコンによるDTMではなくカセットMTRで作った習作だ。PhaedraとRubyconを足して2で割ったような曲だ。でもそれは今回必要ないので、その後に入っている「作品3」の部分だけをSoundEngine Freeで切り出した。本当はReaperに読み込んで4トラック一度に切り出したかったが、Reaperの操作法をまだ知らない私には方法がわからなかった。残念だがReaperの操作法を学ぶまでは、各トラックwavの一部を無音にするなどの作業をSoundEngine Freeに頼るしかない。

Reaperに4つのトラックを作り、不要部分をカットした4つのwavをそれぞれトラックへドラッグ&ドロップした。再生してみると、Track1とTrack2に早笛、Track1にはその後掛合の地謡が入っていた。昔の私はMTRでTr.1を右、Tr.2を左に振り分けるつもりだったに違いない。Track3はシーケンサーにテンポを送るための制御信号(ピリピリ音)だけが入っていた。Track4にはシテの謡が入っていた。これで全部だ。

試しに聞いた瞬間、私は早笛のチープさにもシテ謡のエフェクトブリブリ感にも落胆した。今日が「作品3再挑戦」の初日だというのに、もう最初から滅茶苦茶だ。さっき「オーケストラが担当する早笛」と書いたが、早笛は最初からオーケストラではなかった。はるか昔カセットMTRを使っていた頃のことだが、最初私はシンセで能管をシミュレートしたかった。ところが音色を作る以前の問題が生じた。デジタルシーケンサーへの打ち込みは西洋音階でするしかない。私は囃子のテープを聞きながら、できるだけ似た音階を打ち込んだ。それなのに、いざシンセに演奏させてみたらメロディーが洋楽になってしまった! 能管の演奏とはあまりにも違いすぎた。それで私は真面目なシミュレートを、どうしても諦めるしかなく、こうなったらもう洋楽オーケストラとのコラボをやらせるしかないということになった。音色選びは、当時持っていたシンセ音色バンクを片っ端から試して、まがりなりにも聴けそうな音色を選んだが、結果は能とは程遠かった。横笛であるはずのノートは癖のある管楽器かオルガンのような音色に変貌し、あろうことか太鼓がストリングスみたいになってしまった。それだけではどうにもつまらなかったので、苦肉の策でリズムをスネアドラムに叩かせるというカオスぶりとなった。それでも、今の私は聞いてみるまで、聞きごたえのある出来だったはずと思い込んでいた。でも聞いたらチープだった。私は「うーん」と、うなった。

そしてシテ謡。カセットMTRに録音した時は、手元にある機材がすべてだった。他に可能性はないと思った。将来DTMの時代が来て、いくらでもFXをかけられると知っていたら、生の声を保存していただろうに。でもそんな未来は知る由もなかったから、手持ちのリバーブユニットで一番それらしいと思う変調をかけた。つまり地声でなく、ボワンと曖昧にした。エフェクトブリブリだ。一度ボワンとなってしまった音は、もう戻らない。

駄目押しで地謡。地謡が地拍子謡をしている。これを録音した時は、手元に能か舞囃子のカセットテープがあった。そして謡だけでなく大鼓小鼓もデジタルシーケンサーに打ち込むのが当初の予定だった。しかし今は能の音声がない。大鼓や小鼓はもはや耳コピで再現して打ち込めない。上記のとおり、その後のとんでもない改変によりオーケストラとのコラボになった。それなのに地謡だけ意味もなく地拍子謡をしている。困った。とにかく、「作品3再挑戦」の初日だというのに、もう最初から滅茶苦茶なんだ。

今日は「作品3」をいじる初日だから、初めの一歩のつもりで、ReaperとFXを学ぶことを兼ねて、シテ謡と地謡にFXをかけてみることにした:

Track4(シテ)
VST-ReaPitchを追加
Shift (octaves): -1
Formant shift: -4
Algorithm: elastique 3.3.3 Pro
Parameter: フォルマント維持(中低音域)


Track1(地謡)
VST-MDE-Xを追加
096:Stereo Doubling

改めて思ったが、思い通りの音色やエフェクトなんて存在しない。手元にある機器やアプリで実現可能な効果がなんと限られることか。そう、これからも多くの妥協をしないと音や曲は作れない。「オーケストラとのコラボになっちゃった」みたいな妥協をどんどんして、変容してゆくしかない。


マンションが傾いていた [手記さまざま5]

思えば親が最初から気づいていた。越してきて早々に、親は戸棚の扉が閉まりにくいと指摘した。そんなことは旧居ではなかった、と。私はどうでも良かったので無視した。それから半年が過ぎた。リビングダイニングで食卓代わりに使っている台は、下が収納スペースになっていて扉が付いている。その扉がいつのまにか閉まりにくくなっていた。戸棚はリビングダイニングの西の端にあり、食卓は中央にある。どちらの扉も東に向いていて、どちらの扉も観音開きの左側が閉まりにくくなった。扉の下辺がつかえて、持ち上げるようにしないと閉まらない。つまりリビングダイニングの床全体が傾いている。他にも、システムキッチンのガスレンジにフライパンを置いて肉などを焼くと、フライパンの左側は肉が焦げ、右側は焼き目が付かない。これはフライパンが傾いて油が右側に溜まるからだ。


第四の生き甲斐を探します62 (個人的記録)梵鐘 [手記さまざま5]

私はいくつかのことをし、いくつかのことを思った。昔最初にDTMに挑戦した時、「シンセサイザーここがポイント」という本に載っているMS-20の設定をソフトウェアMS-20で試した。その時に作ったと思われるfxpが残っていたのでMS-20に読み込んで聞いてみたが、たいした音ではなかった。やはりMS-20ではアコースティックな音を真似るのは難しいと落胆した。

「冨田勲の世界」というレコード(をデジタル化した音声)を聞き、音作りの解説を読んだ。冨田勲は、シンセサイザーだけで音を作っていない。マイクに強風を当てたり、あえて壊れかけたエコーマシンを通したり、さまざまな工夫をしている。その無限の可能性を探求する精神に圧倒されるとともに、自分はもう強風を当てるマイクも古いエコーマシンも処分してしまい、パソコンの中に入っている限られたソフトシンセとエコーマシンだけで、無限の可能性もなく探求もなく音を作るのだと落胆した。

それから私は、自分が昔最初にDTMに挑戦した時の資料でハードディスクに残っているものを整理した。そうしたら昔の私は、音を作るためにさまざまな試行錯誤や探求をしていた。カセットテープに録音してあった自分の口笛を加工して、タンジェリンのPhaedraの末尾みたいな音を作りさえした。たくさんの努力の末に思い通りの音はできず、妥協しながら音を採用していた。今の私は年をとった。昔のように根を詰めて音作りをするための健康も気力もない。最初にDTMに挑戦した時と同じことをするために10倍の時間が必要かもしれないと思った。

最初にDTMに挑戦した時に完成したのは「Rubicon-Origin」一曲だけだった。次の「梵鐘」が完成するより前に、私は天袋整理をしなければならなくなった。シンセXILS3で合成した梵鐘の音色は11種も保存していたが、当時の私は妥協を許さず、その中の3つだけを採用した。それだけでは足りず、他にも音色を作らなければならないし、既存の3つの中にも高調波に不満が残り変更しなければならないものがあった。そこまでで終わった。

私は上記のことをしながら、少しずつXILS3やReaperをいじり、使い方を思い出していた。それらをいじればいじるほど、今の自分が昔の自分の足跡をまだ途中まで辿っただけだと知った。これでは情けない。昔の自分がやり残したことを補完するからこそ意義がある。ただ足跡を辿るだけでは意味がない。ましてや途中まで辿っただけでは情けない。私は、昔の自分が完成させられなかった「梵鐘」を完成させたいと思った。

昔私が残したメモでは、梵鐘の音色は「此岸」で低く、「涅槃」で高い。「此岸」で高調波が多く、「涅槃」で高調波が少ない。ところが昔作った「此岸」は高調波が少なく、おとなしい音色だ。これを修正しなければならない。また、XILS3のリングモジュレーターを色々いじっても、まだ「涅槃」の音色が見つかっていない。私はXILS3をいじり、昔作った設定をさらに変えて「此岸」の梵鐘を高調波の多いものにした。「涅槃」は、今までの梵鐘よりも涅槃に近い音色は見つけられた。まだいくぶん現世的な音色で、涅槃という感じがしないが、これ以上こだわっているとまた中途で終わってしまうので、ひとまずこれで曲を作ることにした。

XILS3がデモ版で音色の保存ができないので、梵鐘はwavとして保存してある。これをパソコンのキーボードを叩くことで鳴らすには、ReaperでサンプラーのVSTiを使う:

Reaperを起動
右クリック-新規トラックを挿入
FX-VSTi-ReaSamplOmatic5000を選択-追加
サンプラーVSTiのウィンドウが開く
wavをドラッグしてfile not loadedの黒い部分にドロップ
Note start: 57 (A3)
Note end: 57 (A3)
Attack: 0ms
Sustain: +0.0dBであることを確認
Decay: 0msにしても設定が保存されない。最短で10msのようだ。Sustainが+0.0dBだから問題ない。
Release: 0ms
Obey note-offs(wavの途中でキーを放したら音を止める)にチェックが付いていないことを確認
Loop(wavが終わってもキーを押し続けたらwavをループ)にチェックが付いていないことを確認
サンプラーVSTiのウィンドウを閉じる
トラックの赤丸ボタンをクリック-レベルメーターが出る
レベルメーターをクリック-入力:MIDI-In From MIDI Yoke: 1-全チャンネル

同様に3つの新規トラックを挿入し、残り3つのwavをそれぞれ設定。ただしNote startとNote endはwavごとに変える:
59 (B3)
60 (C4)
62 (D4)

ペンちゃんの不思議なけんばんを「監視ON」
キーボードのZ,X,C,Vでwavが鳴る。

暗い部屋で心を静かにし、Reaperの録音を開始し、ここで鳴らそうと思う時にキーボードのキーを叩く。

本当は20分近く続かなければならない「梵鐘」は、音がたったの4種なので引き伸ばすことができず、たった3分14秒で終わってしまった。これはまだ初回テストにすぎない。これから鐘の音を増やしたり再録したりできる。とにかく昔のように中途で終わってしまうことは防げた。


第四の生き甲斐を探します61 をみなめし [手記さまざま5]

ふと、舞囃子の女郎花をボーカロイドに謡わせたらどうかと思いついた。でもボカロに謡わせるには私は囃子の手付を知らねばならない。それでネットの動画を検索したら、今でも大学のサークルなどが能をやっているとわかった。そうなると、変にオマージュした作品を出したら正統派から叩かれてしまうので気をつけなければいけない。世の中は難しい。


サッシの結露は寝室のドアを開けても生じた [手記さまざま5]

寝室のサッシが寝ている間に結露するのは(1)夜の間に体から出る水蒸気と(2)室内外の温度差の2つが原因だという結論になり、寝室のドアを開けて寝ることで寝室内の水蒸気を外に逃がすという方法でサッシは結露しなくなった。それから何か月も経ち、初めのうちは毎朝結露のチェックをしていた私も結露がまったくないので安心し、たまにチェックするだけになり、早朝の気温も上がってきたのでチェックの必要はないと思うようになっていた。

先日から雨降りの日が続き、ある日などは外の空気がじめじめなだけでなく、今までいつも乾燥していた室内が珍しくじめじめした。そして今日の天気予報は大きな傘マークだ。また一日中雨らしい。朝目が覚めた私は、ここに引っ越してから初めてのじめじめのことを思い出し、試しにサッシを触ってみた。すると、少しだが結露していた。サッシ全体でなく、下部だけだった。私はタオルを持ってきて露を拭き取った。寝室のドアを開けて寝ても、そして暖かくなりゆく外気温でも、湿気の多い日には結露があるようだ。

寝室ではない6畳間のサッシも触ってみたが、こちらは結露していない。どちらの部屋も夜にドアを開けていたことは同じだが、6畳間のほうはまだ一度も結露したことがない。夜に人が寝ているかどうかの違いか、6畳と4畳半の空間の広さの違いか、2つの部屋には結露の要因について何か違いがある。


痛風発作が完治しない [手記さまざま5]

今までの私の痛風発作は10日後にケロリと治った。今回の発作は軽かったので、もっと治りが早いと思っていた。たしかに、途中までは治りが早かった。つまり、「普通にしているぶんには痛くない」状態にまで治るのは早かった。「普通にしていない」状態というのは、足の爪先を強く反らすと痛いとか、革靴を履いて一日中外で仕事をしたら痛いとか。これがなかなか治らない。10日をとっくに過ぎ、二週間を過ぎ、それでも治らない。薄紙を剥ぐようにゆっくりとましになってゆくが、こんなに完治が遅いのは初めてだと思う。


年をとるとシンセにたいする思いも変わるらしい [手記さまざま5]

XILS3で音色を作りながら私は思った。マトリックスという手段は、最大限の自由度を提供するものだが、なんて扱いにくいのだろう。VCOからVCFを経てVCAへという基本の道筋すらない。それは演奏者が自分で構築するのだが、その構築場であるマトリックスが感覚的に把握できるものでない。フローチャートのようになっていない。いっしょうけんめい縦横をたどって初めて接続がわかる。それは本当に正しいことなのだろうか。人間に仕える機械のあり方として、人間にわかりにくいインターフェイスは本当に正しいのだろうか。若い頃は憧れたVCS3型のユーザーインターフェイスに、この歳になって疑問を感じた。それと比べると、MS-20のパッチボードは感覚的だ。「最大限に自由だけれども扱いにくいマトリックス」と「選ぶだけで使えるけれども自分で音を加工できないプリセット音源」の中間。コンセプト的には妥協の産物だが人間にとってわかりやすいモジュール型シンセを実現している。だが惜しいかな、MS-20の音色は私が求めるものではない。私はアコースティック楽器や自然界の音をシミュレートすることに興味がある。ギュギューン!といった、いかにもシンセという、ロックで使いそうな音色を求めていない。それでMS-20のシンセとは相性が悪い。音色的にはXILS3と私は相性が良い。だが最初に言及したマトリックスの扱いにくさは、年をとった私には辛い。せめて作った音色を保存できれば良いが、私が使っているデモ版は音色の保存ができない。金を出して製品版を買うほど私は曲が作れずに挫折すると思っているので、金は出せない。では他のメーカーはどうか。MS-20が世に出た頃、ヤマハもシンセサイザーを出した。ヤマハは楽器メーカーだから、アコースティックな音色を意識しただろう。しかし残念ながら今のヤマハはソフトウェアシンセを作っていない。私が昔シンセを買ったKAWAIも、もうシンセを作っていない。

私がシンセを買ったのは、MS-20の頃ではない。その頃、つまりアナログシンセの頃は、シンセサイザーはまだ高価だった。そして私は大金を払うにはまだ子供だった。私は我慢しなければならなかった。その後デジタルシンセの時代が来て、シンセサイザーの価格は下がった。私も少し大きくなり、自分の自由になる金の額が上がった。それでやっとシンセを買えたが、その時はもう私が憧れたVCO-VCF-VCAという時代ではなかった。シンセは自由な音作りの機械から、演奏時に扱いやすい楽器へと変わっていた。私が買ったシンセは鍵盤のないもので、音源モジュールという表現が適していた。100以上のプリセット音源から音を選べ、それぞれのプリセット音源の各種パラメータを自分で変更して音を変えることもできた。各プリセット音源には根本的な個性の違いがあり、たとえばピアノの音源のパラメータをヴァイオリンの音源のパラメータとまったく同じに調整しても、まったく同じ音にはならないという仕様だった。つまり、自分が求める音にいちばん近いプリセット音源を選び、それのパラメータを変更することで音色を微調整するという使い方をした。さらに、プリセット音源の中にはアコースティック楽器の音をサンプルしたデータの入ったものもあり、実際の楽器の音だからリアルだった。思えばこのKAWAIのシンセも、自由度とプリセットの折衷案で、演奏者が音を扱いやすく、その気になればパラメータも変更できるという長所をもっていた。当時はVCOなどのアナログなつまみがいじれずに残念に思ったデジタルシンセだが、今思えばうまく出来ていたのだなあ。それももう、とっくに捨ててしまって手元にない。残念なことだ。


もはや生き甲斐でないがDTMの続き [手記さまざま5]

Reaperを日本語化してから私が最初に行ったのは、私がDAWに残す未練の解消だ。Reaperの設定を見るとMIDI INにはMIDI Yokeが表示され、あらかじめ「ペンちゃんの不思議なけんばん」を起動しておいてもそれは表示されなかった。私が以前に見たネット上の記述「DAWがあればMIDI Yokeは要らない」は正しくない。PCにハードウェアのMIDIボードを入れればMIDI Yokeは不要なのだろうが、ソフトウェアキーボードには必要だ。
なお、MIDI Yokeと同じ用途で使うloopMIDIというものを見つけた。用途は同じだがインストール方法が異なり、最初に設定も必要だ。loopMIDIは64bitに対応しているので、これからソフトウェアキーボードをDAWに接続したい人はMIDI YokeでなくloopMIDIを使えば、DAW(またはVSTHost)を32bit版にする必要がなくなるだろう。

この話題は、ひとまずここまで。


もはや生き甲斐でないがDTMの続き [手記さまざま5]

そうと決まれば本来は最新バージョンをダウンロードするものだ。ただ、私は英語がスラスラ読めない。本来の英語版Reaperを使えば最新バージョンを使えるが、年とった私は日本語化パッチに甘えることにした。そうすると最新ではなく少し前のバージョンを使うことになる。日本語化パッチは複数の方が開発している。今回は、Reaperのバージョンが高い方が使い勝手が良いだろうという点を優先し、バージョン相互、パッチ作者相互のパッチの比較は一切しないことにした。もちろん「最新」とは、私がこれを書いている現時点での最新だ。

https://github.com/Phroneris/ReaperJPN-Phroneris/releases
v6.19.001
JPN_Phroneris.zip

https://www.reaper.fm/download-old.php
REAPER v6.19 - December 18, 2020
Windows (12MB installer)
reaper619-install.exe

上記は32bit版。最初私は64bit版をダウンロード・インストールした:
Windows x64 (13MB installer)
reaper619_x64-install.exe
しかしMIDI INとしてMIDI Yokeを認識しなかった。VSTHostの時と同じ事情だ。

つづく


もはや生き甲斐でないがDTMの続き [手記さまざま5]

Reaperはベータ版までが無料で、その先は有料だ。しかしネット上の情報では、有料版も試用期間を過ぎてそのまま使い続けられると書いてある。それでも私は思った。「それはズルで、ソフトウェアの作者さんに悪いことをしている。」だから昔初めてDTMに挑戦した時のようにベータ版を使おうとした。でもやがて虚しいことに気づいた。「私はきっと、試用期間が過ぎる前に今回のDTM再挑戦をやめている。」ズルを気にする必要すらない虚しい自分だった。それで、使い勝手が良くなっているという有料版を試用することにした。

つづく


もはや生き甲斐でないがDTMの続き [手記さまざま5]

ストレス回避の手段にすぎないので中途で終わるかもしれないが、私はReaperを使ってみることにした。その主な目的は他の人とは異なる。以前にネット検索した時に、MIDI Yokeは不要で代わりにDAWを使うことを勧めると書いてあった。でも昔初めて私がDTMに挑戦した時に書き残した記録では、ReaperへのMIDI INとしてMIDI Yokeを選択している。キーボードはソフトウェア「ペンちゃんの不思議なけんばん」だ。ネット上の記述と私の記録、果たしてどちらが正しいのか。ソフトウェアキーボードを使用する場合には今でもMIDI Yokeが必要なのか。それともReaperにじかにペンちゃんの不思議なけんばんが接続できるのか。過去に自分が書いた記録は、もし間違っているなら修正したい。私がDAWに未練を残す理由は、これだ。

つづく


もはや生き甲斐でないがDTMの続き [手記さまざま5]

仕事関係でストレスを溜めたので、それから気を逸らすために、一度やめたDTMの続きに目を向けることになった。DTMの続きはReaperだった。しかし少し前に書いたように、ネット上には「すでにReaper以外の無料DAWがいくつもある」と書かれている。だから物の順番として、無料のDAWとそのオススメをネット検索するのが先だと思った。Reaper以外の無料DAWはすぐに見つかった。しかしそこで推奨されているPCのスペックが、私の古いPCよりもはるかに高かった。結局PCを買い替えるまで私はDTMに縁がないと思ったが、試しにReaperを検索すると、Reaperの長所は小型軽量、古いPCでも動くことだと書いてあった。今の私でもDTMの続きはできるらしいが、結局DAWはReaperになる。Reaperよりも操作しやすいと書かれている他のDAWはPCのスペックのせいで使えない。

つづく