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第四の生き甲斐を探します67 作品3 2/3 [手記さまざま5]

「シンセサイザーここがポイント」によるMS-20の音作りは今の私に意味がないのかという悩みの中、今できることをとにかくしようと思い、私は次の音色、フルートを本の通りに設定した。

本の通りでは変な音になることが、これまでのヴァイオリンとギターからわかっていた。それはおそらく、昔のハードウェアMS-20と今のソフトウェアMS-20でボリュームの回し方による効果の強さが異なるせいだろう。それから、MODULATION GENERATORセクションのTEMPOのような昔はなかった設定をしっかりオフにしなければいけない。それはわかっていたが、いざフルートの音色を聞いてみて、これはどうしたら良いのだろうと悩んだ。そこまでフルートとは似ても似つかない音だった。何よりもMGによるFMがアホなほどきつい。それではと、FMの強さを決めるEG1/EXTのボリュームを下げてみたが、まだフルートに聞こえない。何よりも、本に書いてある息もれの音を表現するNGが実装されていない。フルートの音色の特徴といえば、この擦れ音だろうに。私は「シンセサイザーここがポイント」をこれで最後にするつもりで、フルートの音を設定し直した。

パッチパネルのコードは全部取る
FREQUENCY MODULATIONセクションのMG/T.EXTを0から0.20に、EG2/EXTを2から0に
VOLTAGE CONTROLLED LOWPASS FILTERセクションのCUTOFF FREQUENCYを4から6に
LFO-CUTOFF FREQUENCY MODULATIONセクションのEG2/EXTを5から0に

LFOのKEYBOARD FOLLOWは必要だと思うが、今の私には設定が難しすぎる。フルートだから、高めの音を出した時に笛らしく聞こえるようにしてある。低い音だと笛に聞こえない。
本ではMGのFMをEG1で決めているが、それはやめた。わずかな音の揺れは残すが、そこにEG1を使わない。なぜならNGにEGが必要だからだ。

さて息もれの音を付加しようとした時点で、私は壁にぶつかった。MS-20にはEGが2つ付いているが、EG1はADSRでなくARだった。だからホワイトノイズの音量をこれで制御してDECAYとSUSTAINを使い、吹き始めだけノイズを強く出すことができない。ADSRが揃っているのはEG2だが、EG2は音の出口である第1VCA専用で、MGなどの制御に使う第2VCAのCVとする回路接続は用意されていない。だから第2VCAでNGの音量を制御するのを諦めねばならない。私は妥協案として、時間的に音量の変わらないホワイトノイズを少し混ぜることにした。VCO1の波形にノイズがあるが、そのVCO1は今三角波として使っている。VCO2にはノイズがない。だから使うホワイトノイズは独立して用意されているNGということになる。これをAUDIO INに入れてみたが、あからさまにホワイトノイズという音で使えない。それではとLPFのCVとして入れ、LPF-CUTOFF FREQUENCY MODULATIONセクションのEG2/EXTを少し上げてみたが、ノイズは混じるがてんでフルートの擦れ音でない。やはりノイズを専用VCF/専用EGで加工しないと駄目だ。ここに至って、MS-20一台でフルートを模すのは不可能と判断した。

こうやって「音作り」を楽しむことを目的とするなら、ソフトウェアMS-20を二台に増やしてこのまま続けてもよかろうが、今の目的はそれではない。だから、「シンセサイザーここがポイント」はここまでとする。おそらくMS-20も役不足でここまでとなるだろう。

つづく