SSブログ

事実は小説よりも奇なり 続7 [手記さまざま5]

前回の記事から日数が経過したので、本題に入る前に、これを読む私以外の人がA氏・B氏・私それぞれの立場を認識できるように、再確認する必要がある。だから今回の記事はどうしても長くなってしまう。

大前提として、今回の話は私と私の親戚が共同で権利をもつ土地を、その土地に住んでいた全員が転出したことを契機として、売る売らないという諍いだ。

A氏は早くに結婚して別の地に居を定めていたので、親戚はみなてっきり売りたい派だと思い込んでいた。ところが実際には土地の相続すらしておらず、相続を自分の定年まで放っておくつもりだった人で、今回の土地売り騒ぎに驚き猛反発している。

B氏はずっとこの土地に住んできたが、実は数十年も前から土地を売って引っ越したいと思ってきた人だ。でも周囲に土地売りたくない派が複数いたので、じっと我慢して期が熟すのを待っていた。去年の2月に土地売りたくない派の要だった叔父が亡くなり、それで私が観念して転居したので、やっと好機到来と自分もすぐに転居した。土地が高値で売れると思いウキウキしている。

私は、その土地と家が生まれ育った唯一の思い出の場所だから、そこから転居したくなかった。しかし土地売りたくない派の要だった叔父が亡くなり、A氏が土地売り反対派だとは夢にも思わなかったので、観念して転居した。転居にあたり生活必需品以外は処分せねばならず、老後の生き甲斐にと取っておいた子供の頃の思い出の品を失った。今は虚無感に苦しめられ精神的に地獄にいる。

さて、ここからが今回の話だ。

前回の記事で私は、A氏とB氏が直接話すことで両者の間にあった温度差が埋まったと書いた。これからのB氏は、相続がまだなのに不動産屋を決めようとする非理性的な行動をとらないだろうと書いた。しかしそれは違った。B氏は、A氏に進展はないと言う。それなのに自分は今のうちから土地を売るための書類を整え、今度は私に同じことを要求した。

B氏自身はおそらく親切のつもりなのだろう。私も土地を売る前に書類を整えなければならない。いずれ必ずしなければならないことを、B氏は頑張って自分で情報を集め司法書士に頼らずにやり遂げた。その安上がりな方法を私にも教えてあげようという親切心に違いない。しかし相手の私はまったく違う状態にいる。

では私はどんな状態か。転居当時と今の2つに分けて記述する。転居当時は、私はすぐに土地を売る話になると思い、辛いことを早く全部終わらせてしまおうと思った。ところが上記のとおりA氏が皆の予想に反して猛反発し、A氏が親の土地を相続するまでは土地が売れないと判明した。私の予想では1年はかかる。それで私は考えを変えた。A氏が相続するまでの1年間に私は生き甲斐を失った虚無感から回復し、時間をかけて心を癒そう。それが今の状態だ。

ところが実際には、土地が売れないのにB氏からほとんど毎週連絡があり、家を売るために書類を整えていると報告があり、私は傷ついた心を休める暇がなかった。挙句の果ては私にも土地を売るために書類を整えろと。

死ぬならひと思いに死にたい。A氏の相続が完了するまでの長い間、毎週家の報告を聞かされて生殺しなんて、そんな地獄があってたまるか! B氏が勝手に何かをする間は私は黙っていたが、自分に被害が及んで耐えられなくなった。そしてSMSを送った。以下は、その内容だ。



僕らの間にはものすごい温度差がある。僕は何を生き甲斐に生きればよいのか途方に暮れている。新居が決まった時地獄に落ちたと思った。そうしたらBさんがとても嬉しそうな声で話しかけてきた。我々はそれほど違う

A君が土地を相続したら僕もすぐに動くから、それまでの間僕をそっとしておいて。月日が心を癒してくれるから、今はそっとしておいて。A君が土地を相続した時に教えてください。