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電気いじり好きのためのMS-20計画 はじめに(2) [電気いじり好きのためのMS-20計画]

電気いじり好きのためのMS-20計画

はじめに(2)

昔、アナログシンセの時代には、シンセを扱う人を指してマニピュレーターという言葉が使われました。アナログシンセは目的の音色を作るためのエンジニア的な知識・経験(どういうセッティングをしたらどういう音が出るか)と、シンセを演奏するための演奏者としての技術(鍵盤が上手に弾ける、など)の両方が必要でした。だからエンジニアと演奏者の両方の意味を含む言葉が必要だったのです。

シンセ自体も、発振器と楽器の両面をもっていました。だからシンセに興味をもった人間もエンジニア寄りの興味から入った人と、演奏者寄りの興味から入った人がいました。ところが、時代がモノフォニックからポリフォニックへ、アナログからデジタルへと移りゆくと、シンセは純粋に楽器として扱われるようになりました。私のようにエンジニア寄りから入った人間は、以前ほどの興味を覚えなくなったのではないでしょうか。それでもシンセのデジタル化は高機能低価格化につながり、この時期になってやっとお小遣いでシンセが買えるようになり、アナログシンセ全盛期のようにつまみを回したりパッチングしたりできないのを残念に思いながらも暫くは頑張って自分なりの音データを残した、という私のような人は他にもいるはずです。

話が長くなりましたが、これで私にとってのシンセが楽器ではないことと、これから何をしたいのかという方向性がわかっていただけたと思います。

私の頭の中には、アナログシンセ全盛時代にたとえば冨田勲の写真の背後によく映っていたような巨大なシンセ、無数のつまみとコード、そして当時のラジオでやっていた音色の作り方、そういうものがあります。今、ソフトウェアとしてのMS-20をパソコン画面で見、音を鳴らしながら、昔の理想と比べて足りないものを少しずつ補ってゆきたいのです。


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