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雷で電話機が壊れた [手記さまざま]

8月2日。私はこの日、仕事の都合でまるで遠足のようにして1日を始めた。朝4時半に目覚ましをかけて起き、6時前には家を出る。ところが遠足というには天気がひどかった。真夜中から大雨が続き、夜明け前には雷が私の家の真上あたりで鳴り響いた。私は出勤の支度をしながら、何度目かのものすごい雷鳴を聞いた。その時、雷鳴と同時に私の近くにあった固定電話機あたりでバチッと妙な音がした。でも私は出勤するのだから、電話のことを気にする余裕はなかった。私はそのまま家を出た。

有難いことに、私が外出する頃には、あのものすごかった雷雨が嘘のように小降りになり、まもなく止んだ。私はそれから1日、自分が遠足をするというよりは、遠足の引率の先生みたいな仕事をして、夜に帰宅した。

さて、家には年老いた親がいるのだが、私がいない間に家では親が電話の心配をしていた。電話が通じなくなったという。私はこの時点で初めて電話機が壊れたことを認識した。受話器を持ち上げてもウンともスンとも言わない。いやそれだけでなく、ADSLモデムが変だ。5つあるLEDのうち、POWERだけがまともに点いている。ADSLと書かれたLEDはチカチカ点滅を続け、VoIPと書かれたLEDは赤い。私は、これでは電話だけでなくインターネットも繋がらないなと思いつつ、ADSLモデムに繋いだ無線ルーターの電波をスマホで拾えるようにWi-Fi設定をしてからブラウザを表示してみた。案の定、駄目だった。疲れて帰宅した私は、それから故障箇所の特定をしなければならなかった。

ADSLを使っている方なら、私の家と同じ仕組みの機械を持っているかもしれない。家に引き込まれた電話線の端は、NTTの小さな箱で終わっている。その箱にモジュラーケーブルの端子が差し込まれている。ケーブルのもう一方の端には、これまた小さな箱がくっついている。この箱はスプリッターという名前で、電話線側はケーブル1本がくっつくが、反対側はケーブルが2本出る。電話機用と、ADSL用の2本だ。ADSL用のケーブルはADSLモデムにくっつき、電話機用のケーブルは電話機にくっつく。ただし、IP電話を使う場合はIP電話の仕組みもADSLモデムに入っているらしく、電話機用のケーブルを一度ADSLモデムの所定の場所に繋いで、モデムの中で何やら操作した信号を電話機に入れるので、配線がちょっと複雑になる。

故障箇所を特定するために、私は考えた。故障の原因は雷だと思う。そうならば、雷は外の電話線から家の中へ入ってきたのであり、外の電話線に一番近い所が焼け切れているはずだ。

こういう時のテストのしかたは、基本的でわかりやすいのがある。テストする部分を取り外して残りを結線し、それでもしも直ったら、壊れているのは取り外した部分だ。結線する時には、結線しちゃって大丈夫かは一応考える。極端な話、100Vの電灯線を電話のモジュラージャックと繋いで大丈夫なわけがない。同じ系統の信号を扱わなければ繋げない。それと、テストで何かを取り外して結線するのだから、取り外した物の機能は当然なくなる。それでも結線して結果が出るかと考える。

外の電話線に一番近い所から順にテストしてゆきたいが、一番近いのはNTTの箱で、これは取り外せない。資格のない人間が無理矢理取ったらNTTに怒られるかもしれない。それで諦めた。この箱の中身が単純で、雷が通って壊れるような仕組みが入っていないことを祈った。

次に近いのはスプリッターの箱だ。これを取り外してみよう。スプリッターの機能は、電話線に流れる電話用の信号とADSL用の信号を分離してそれぞれの機器へ送ること。もしも電話だけまたはADSLだけを使うならば、NTTの箱と機器をじかに繋いでも何とかなるだろう。(ADSL用の信号が電話機に入って雑音の原因になることがあるそうだから、今回のようにテストで仕方なく取り外す時以外はスプリッターを付けるべきだ。)

ところで、私としては電話機にはあまり望みをかけておらず(今時の電話機だから電源プラグをコンセントに差し込めばその時点で液晶にバックライトが点いたりと何かが起きるはずなのに、完全に沈黙している)、一応LEDがチカチカしているADSLモデムのほうが無事かもしれないと思った。電話機でなくADSLモデムを使って動作テストをしよう。

以上の事情を経て、私はスプリッターを取り外し、ADSLモデムをNTTの箱にじかに接続した。少しして、ADSLと書かれたLEDがチカチカせずに点灯した。PPPとVoIPのLEDも正常に点灯した。スマホをWi-Fi接続で使ってみたら、インターネットが使えた。これで、ADSLモデムは新しく買わずに済んだ。私はホッとした。

それと同時に、スプリッターがオシャカだということが判明した。スプリッターは買わなければ。

さあ今度は、あまり期待できないが電話機を試そう。今度のテストのしかたはさっきとは違うが、もっと単純だ。電話機ってのは本来NTTの箱とじかにコードで接続するものだから。オシャカと判明したスプリッターを取り外し、電話機をNTTの箱にじかに接続して動作を確認する。結果は、ウンともスンとも言わなかった。電話機はオシャカだ。

こうして電話機とスプリッターを買うことになった。私は電話機にこだわりがないのでネットで適当なものを選んで買ってしまえと思った。そのほうがヨドバシカメラよりも安いし。ところが親は意見が違い、実物を見て決めると言ってきかない。結局、電話機はわざわざ遠いヨドバシカメラまで足を運んで少しだけ高い金を払い、その代わりに翌日には手に入った。スプリッターは実物を見て決めるほどのものでないから、これはネット注文した。yodobashi.comよりも少しだけ安く買えたが、その代わりに郵送されてくるまで数日待たねばならない。

で、今はつまりスプリッターが来るのを待っている状態だ。電話線にはADSLモデムではなく電話機を繋いでいるから、PCでのインターネット接続はできない。こうしてインターネットが使えない日を迎えてみると、こんにちの私の生活がいかにネットに頼っているかがわかる。不便でしょうがない。スプリッターを「発送しました」というショップからのメールすら受け取れない。いま、我が家でネット接続できるのは、わずかにスマホだけだ。

実は仕事関係でどうしても少しだけネット接続しなければならず、しかも接続するサイトがPC用なので、スマホの画面で済ませることができない。その時思い出したものがある。テザリングというやつだ。スマホのネット接続をPCで利用する仕組みだ。私のスマホ利用契約には通信データに2GBの制限があるので、今まで私は「テザリングなんて使えない」と思っていた。確かに、本格的にネット接続しまくるには2GB制限が邪魔になるが、今回のような応急処置的な使い方はできるのだなと実感した。


追伸
この記事をブログにUPするのには、もちろん現在我が家で唯一ネット接続できる機械であるスマホを使っている。スプリッターが来るのはいちばん早くて明日だろう。それまでの間、PCはネット接続なしでつまらない。

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