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標題電子ミュジーク・コンクレート(10) [  標題電子MC(補完計画)]

1. ゼンハイザー・マイク、残念ながら接続コードなし
2. ヴォーカルシンセならぬオーディオ入力シンセ
3. Reaperでの音量調節心得
4. Rubicon-Origin、ひとまず完成




1. ゼンハイザー・マイク、残念ながら接続コードなし

前回の実験で、MS-20をヴォーカル・シンセサイザーにするには良質の録音機材と録音環境が必要だとわかった。それで私がどうしたかというと、天袋の奥から、はるか昔大学生時代に買ったヴォーカルマイクを引っぱり出してきた。当時の私は歌を歌いたかったのではなく、ミュジーク・コンクレートのために自然界の録音をしたかった。ところが選んだマイクが、家に帰ってよく説明書を読んだらヴォーカルマイクだった。ゼンハイザーとかいう会社のマイクらしい。品物は悪くない。ノイズはとても少ない。ところがこれが、当時の私には逆に仇となった。当時の私は、明るい音が録りたかった。水の音、風の音、虫の音、すべて明るい音として録りたかった。でもこのマイクで録ると何でも暗い音になった。これはつまり、サーというノイズが入っていないからなのだが、それが当時の私の求めるイメージと違った。皮肉な事に、もっとずっと安いウォークマン用エレクトレットコンデンサーマイクのほうが明るい音(サー音付き)が録れた。

今日、私はどちらのマイクも発見した。ウォークマンプロフェッショナル用のマイクはとっくにないと思っていたが、なんと偶然にも出て来た。あのT字形したやつ。ボタン電池まで一緒に出て来た。LR44とかいうの。数十年前の電池だぞ。使えないと思ったが、試しにこのボタン電池をマイクに入れて、それをPCのマイク入力に接続してみた。小さいが、音が聞こえたぞ。信じられん。

ゼンハイザーのほうは、造りからしてウォークマン用マイクとは大違いだ。マイク自体の造りも堅牢だが、一番の違いは、ON/OFFのスイッチ。これを操作するたびにいちいちノイズが出ないような作りになっている。ところが接続端子を見てびっくり。こんな端子、知らないぞ。やがて記憶が蘇ってきた。これに合うメスのほうの接続端子にコードを付けて反対側に標準プラグを付けたのを昔もっていた。そりゃそうだろう、私は若い頃にTASCAMのPORTA05に無理やり乾電池をくっつけて野外へ持ち出して、このマイクで自然音を録っていたんだから。(ただしPORTA05はウォークマンとは用途が違うから、揺れにものすごく弱い。移動しながらの録音で揺れるとすぐに音が歪んだ。)それから私は天袋や押入れを探し回った。MIDIケーブルなら何本も出て来た。標準プラグのケーブル(自作シンセサイザーのパッチ用にアキバで買ったパーツを半田付けして作った)も沢山出て来た。でもマイク用のコードは出てこなかった。以前に大掃除をした時に、いろんな物を捨てた事がある。あんな見た事のない接続端子のコード、捨てたかもしれない。

残念だが、私はせっかく出したゼンハイザーのマイクをまた天袋の奥に仕舞った。




2. ヴォーカルシンセならぬオーディオ入力シンセ

ノイズの少ないマイクを使ってMS-20をヴォーカルシンセとして使いまくるという計画は、おあずけとなってしまった。それならば、あれをやろう。今作っている曲の後半を子供の頃の私が口笛で吹いた録音が見つかったという件。これをMS-20のESPに通し、口笛そのものでない別の音にする。

この口笛はカセットテープに録音したものだから、ヒスノイズは入っている。このままESPに入力したら、マイクの時のように変なCVが出てしまう。しかし世の中にはすごい人がいて、フーリエ変換を利用してヒスノイズを除去してくれるフリーソフトがある。これでまずカセットテープ音声からヒスノイズを強力に取り除く。その結果はwavファイルとして出力されるので、これをReaperへマウスでドラッグ&ドロップする。このトラックのfxとしてVST: MS-20FX (KORG)を設定。MS-20FXはESPを使う設定にする。ただ、元の口笛の音程に出来るだけ忠実にVCOを発振させようとしたら、どうも恥ずかしい出来の物になった。そこであえて音を変質させる。思い出の中の曲のラストは高く明るい音だったなあという記憶から、VCOの発振を1オクターブ上げる。このままでは恥ずかしい出来に変わりはない。エフェクトをかける事にする。fxにAddしてVST: MDE-X (KORG)。効果はCathedral、DRY/WETつまみをWet側一杯に回す。はい、何だかわかんない音の出来上がり。聞いてみたら、まるでタンジェリン・ドリームのPhaedraの最後に子供達が残響つきで喋っているような感じになった。実は私の思い出の中の感じとは違うんだが、今は他の音を作り出せそうにない。ひとまずこれで完成としよう。将来的に手直しするかもしれないが。




3. Reaperでの音量調節心得

私はずっとMS-20を使って、つまりMIDIを使って録音をしてきた。先ほどの、曲の最後を作るのに初めてwavの形でReaperの編集を試した。ずいぶん事情が違うなあと感じる。そこで備忘録の意味で記録しておきたい。

<<midの音量にはMIDIのベロシティとエクスプレッションを使え>>
トラックに入っているのがmidならば、録音時に有効な音量調節はReaperのフェーダーではなくMIDIのベロシティとエクスプレッション。録音時にフェードインのつもりでトラックのフェーダーを上げても影響しない。Reaperのトラックでのフェードイン/フェードアウト(下記wavの場合を参照)も使えない。フェードインはノートの冒頭での音量(ベロシティ)には影響するようだが、その後のエクスプレッションによるフェードインは実現できない。

<<wavの音量にはReaperのフェーダーとフェードイン/フェードアウト機能を使え>>
トラックに入っているのがwavならば、フェードイン/フェードアウトは録音後にReaperで行える。トラックのwavの帯の左端にマウスポインタを持って行くとフェードイン、右端に持って行くとフェードアウトのマウスカーソルになる。その状態でドラッグ。ドラッグのかわりに右クリックすると音量変化のカーブ種を選択/変更できる。その他にwavの帯の上辺にマウスポインタを持って行くと音量調節ができるが、この調節とフェーダーとの関係は未調査。




4. Rubicon-Origin、ひとまず完成

Reaperのトラックは全部で4つとなった。電気音(もとオルガン音)、電子音ピピ、何かがうごめいている音、末尾の適当な音。少し手直しをした。電気音の音程変更から電子音ピピまでの時間がイメージと違ったので電気音のノート開始時間を少しずらした。何かがうごめいている音の最初と最後はフェードイン/フェードアウトに変更、そのためにノートにエクスプレッションを付加、それを実現するためにはMS-20単独ではなくLegacyCellのMIDIコントローラーも必要になった。だからReaperでこの曲のprojectを呼び出したら電気音(もとオルガン音)と何かがうごめいている音の両方にMIDIコントローラーの設定を読み込まなければならない。(MIDIコントローラーの設定はどちらも同じCC11:Expressionなので、設定保存ファイルは共用できる。)

電子音ピピが常に2回ずつ鳴るが、一部で1回だけにし、電気音を短くする事も考えている。これは別の機会に別個に試す。

曲名:Rubicon-Origin
制作者:P.D.
ジャンル:電子音楽
使用音源とソフト:MS-20、whistle、MDE-X、K5 WAVE Filter、LegacyCell、ペンちゃんの不思議なけんばん、Domino、Reaper
構想:おそらく中学1年
制作:2013年9月



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