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標題電子ミュジーク・コンクレート(8) [  標題電子MC(補完計画)]

1. ReaperでのMIDI録音時にフェーダーは効かない
2. Dominoでの編集を試す
3. LegacyCellのMIDIコントローラーが必要になった
4. テンポの変更はDominoでなくReaperで行う




1. ReaperでのMIDI録音時にフェーダーは効かない

前回の実験で、Reaperの作業の中でひとつ困った事が起きた。アナログ時代ならばトラックダウン時にミキサーのフェーダーを動かせばフェードインやフェードアウトが出来た。それが当たり前だ。ところがシンセの演奏中にフェーダーを動かしても、それが録音後の音に反映しない。シンセのマスターフェーダーでもReaperのトラックのフェーダーでも同じだ。しかもまぎらわしい事に、録音中のモニター音はちゃんとフェードイン/フェードアウトする。だからてっきりその状態で録音されたと思い込んだ。

私の勝手な推測では、Reaperは本来、音をwavとして扱うのに、ここではMIDIを扱っているから複雑な事情が生じたのではないか。つまりこれらのフェーダーはMIDIの制御に関係せず、音声出力にのみ関係するので、こうなったのではないか。

いずれにせよ私は、出来上がったMIDIデータにフェードイン効果を付加しなければならなくなった。私は若い頃にMIDIを勉強したが、すでに忘れている。音量をベロシティと呼ぶ事をかろうじて覚えていたので、初めはベロシティを段階的に変化させればフェードインが実現できると思った。しかし実際に試そうとして、ベロシティがノート(音符)の途中で変更できない設定だと知った。ノートの途中で音量を変化させるにはエクスプレッションを使うようだ。

MIDIデータの編集はReaperでも出来るそうだが、今回はフェードインだ。音量を連続的に変化させるには、専用のソフトのほうが操作しやすそうだ。そこでDominoを試そうと思った。




2. Dominoでの編集を試す

MIDIデータのエディタとしてDominoを使う場合、(1)Dominoを単独で起動する方法と、(2)Reaperから起動する方法がある。

(1)Dominoを単独で起動する場合。
Dominoを起動
ツールバーのフォルダの絵をクリックしてmid(電気音、もとオルガン音だったもの)を読み込む
なんかメッセージが出るので「はい」をクリック
ノートが見えなかった。よく考えたら今読み込んだ電気音は低音なので、下方へスクロールしたらノートが見えた。

(2)Reaperから起動する場合。Reaperを起動し初期設定をする。
Ctrl+Pでプロパティを出す
External Editorsをクリック
Addをクリック。設定用小窓が出る
Extensionにmidと記入
ProgramはBrowseをクリックしてDomino.exeへのパスを設定
OKをクリック。設定用小窓が閉じる
OKをクリック。プロパティが閉じる
Reaperを再起動する
目的のトラック(MIDIが入っている)を右クリックしてOpen items in editor
なんかメッセージが出るので「はい」をクリック

MIDIデータにエクスプレッションを付加する。
ノートの下のツールバーから>(Expression)をクリック
同じくツールバーの右端にある線種から目的のものを選択
ツールバーより下の部分をマウスでドラッグして目的の線を描く

エクスプレッションを付加したmidを保存する。Domino標準のファイル形式ではReaperが読み込まないので、midとして保存する。
メニューのファイルをクリック、SWF書き出し
元のmidに上書きする
Dominoを終了する。dms形式での保存を促すメッセージが出るが、必要なのはmidなので保存しない




3. LegacyCellのMIDIコントローラーが必要になった

これで終わりというわけには行かなかった。Reaperでの演奏にMicrosoft GS Wavetable Synthを指定すれば、(DominoでProgramChangeを挿入して持続音の音色にすれば)再生でフェードインが効いた。しかしfxに指定したLegacyCellに演奏させようとすると、相変わらずフェードインが効かなかった。

エクスプレッションはコントロール・チェンジの11だという。LegacyCellやMS-20のインプリメンテーション・チャートを見た。コントロール・チェンジの欄に11がなかった。ちょっと慌てた。0から95がアサイナブル・コントロールになっていた。assignableの意味は何だ。英和辞典によると「割り当て可能」。LegacyCellの画面にそれらしき物があったがよくわからんから無視したのを思い出した。マニュアルを読み直した。

電気音(もとオルガン音)担当のLegacyCellのPERFORMANCE画面で、丸いボタンとスライダーが8つ並んでいる部分を見る
今、ボタンは必要ない。スライダーが必要だ。Slider1という部分を右クリックする
出て来たメニューからMixerを選び、MasertのFaderを選ぶ。表示がFaderに変わる
次にスライダー自体を右クリックする
出て来たメニューからControllersを選び、CC11:Expressionを選ぶ。表示は変わらない

Reaperで再生する
(電気音(もとオルガン音)パートのmidはエクスプレッションでフェードインが設定済み)
結果。フェードインは実現した。

パフォーマンス・プログラムを保存してもMIDIコントローラーの設定は保存されないので、次回演奏時にはフェードインがかからない。MIDIコントローラーの設定を保存するにはMIDIコントローラー部のKORGロゴをクリックして出るメニューからSave Controller Map。

Reaperにprojectを読み込めば、トラックのfxに設定してあるシンセサイザーも自動的に読み込まれ、その音色設定(LegacyCellのパフォーマンス・プログラムなど)も自動的に再現されるようだ。ところが上記MIDIコントローラーの設定は再現されない。このまま再生するとフェードインなしになってしまう。そこでReaperにprojectを読み込んだ直後に手作業でLegacyCellのMIDIコントローラー部のKORGロゴをクリックして設定を読み込まなければならない。




4. テンポの変更はDominoでなくReaperで行う

ここまでの出来をwavで保存しておくにあたり、気になっていた2件を手直しする。

電子音ピピと電気音(もとオルガン音)の音程はユニゾンの関係のはずなのに、どうもピピのほうが少し低く感じる。高調波の具合のせいか。電子音担当のMS-20のFINE TUNEを+2.00にした。

Dominoでの編集がReaperに反映しないケースがあるようだ。録音時にReaperのタイムラインの縦線をメトロノームがわりに使った都合で、曲は私が想定するテンポよりもいくらか早くなった。これをDominoで修正しようとした。DominoでMIDIの曲全体のテンポを変更するにはConductorトラックのTempoを変更する(後述のようにこの方法はReaperには効果がない)。
midをDominoで開き、ツールバーの一番左のコンボボックスをクリック、Conductorを選択
メニューの「挿入」をクリック、「テンポ」を選択
Tempoを設定
midを保存
もちろん2つのパートのmidはどちらも同じTempoにした。試しにDominoで演奏してみると、確かにタイムラインの線は遅く動くようになった。ところがこれを保存してReaperで演奏させると、元のテンポで演奏してしまう。ではどうすれば良いかというと、Reaperのトラックのタイムラインをいじる。PCのキーボードのAltを押しながらMIDIデータを表す帯の右端をマウスでクリックし、帯を引き伸ばすか縮める。帯の左端にPlayrate: が出るので、複数のトラックを同じテンポにしたいならばこの値をほぼ同じにする。

今回はここまでとする。2つのパートのシンセの設定は変更したので保存する。Reaperのprojectも保存する。



追伸
そろそろ書いておかなきゃならない事がある。私は音声のモニターに安くて古いヘッドホンを使っている。そのせいで、低音が聞こえなかったり音圧を感じなかったりする。つまり、私が低音が出ないとか音が小さいとか思って調整した結果、まともなスピーカーから音を出した時に低音がむちゃくちゃ出ていたり突然デカい音が鳴ったりする事がある。若い頃に一度それで失敗している。でも今、モニターに使えるまともなスピーカーがないんだ。いつの日か何とかしようと思っているが、低音がひどかったり突然デカい音が鳴ったりした時は、ご勘弁いただきたい。実は上のmp3を低音の出るスピーカーで聞いたらどうなってしまうのか、心配だ。

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