SSブログ

スーパー割引券の怪 [手記さまざま]

ちょっとだけ不思議な事が起きた。それは私が財布からクレジットカードを出す数秒の間だった。場所は、ライフというスーパーマーケットだ。日本の一部地域に展開している店だ。私はカゴに金麦という「第3のビール」を2箱、その間に金麦の割引券2枚を挟み、その他の品物も入れて、レジに置いた。私はこの割引券を出し忘れることが結構あるので、最近ではスーパーに入ってカゴに金麦を入れた時点で即座にカゴの中の金麦の上に割引券を載せる。そうすることで、もしも私が忘れても、レジの人がカゴの中の割引券を見つけてくれるからだ。今回は2箱だったので、割引券がずり落ちてカゴの底へ行かないように、箱と箱の間に挟んで券の上半分だけが見えるようにした。さて、レジの人はカゴの中身を精算しはじめた。私は財布からクレジットカードを出そうとして、現金で支払おうかと一瞬ためらった。その数秒の間、私はレジの精算を見ずに自分の財布を見ていた。レジの人から金額を言われてハッとして、急いでクレジットカードを出した。さて、精算が済んで私はカゴを台の上へ置き、買った物をカゴから出してはマイバッグへ仕舞い始めた。すると最後に、カゴの底に2枚の金麦割引券が残った。これはどういうことだ。私はレシートを見た。金麦の値段に割引券は適用されていない。今ならレジに戻って事情を話せるとも思ったが、それは相手を困らせることにもなる。思えばレジ打ちの時に私が自分の財布ばかり見ていてレジを見ていなかったのが悪かった。だから今回はこのままにしようと思った。記事のタイトルにある「怪」は、後になって私が感じたことだ。勘のいい人はもう気づいていらっしゃるのではないだろうか。
今どき多くの人は車でスーパーに来るだろうが、私は家からショッピングカートを引っぱって15分近くかけてスーパーへ行く。帰りももちろん重いショッピングカートを引っぱって15分近くかけて帰る。その間、体は動いているが頭は何も考える必要がないから、その時その時で思いついたことを考えている。今日はもちろん、ついさっきのレジでの出来事が頭に浮かんだ。それを15分間、暇に任せてボーッと考えながら家まで歩くうちに、妙なことに気づいた。レジ打ちの時、レジの人はどうするか。レジよりも客側に、客が持ってきたカゴが置かれている。レジの人は、もうひとつの空きカゴを客から遠い側に置く。そして、品物をひとつ取ってはレジ打ちをし、空きカゴへと移してゆく。最後には客の側のカゴが空になり、客から遠いカゴが商品で一杯になる。この精算システムはよく出来ていて、うっかり品物をレジ打ちしないで終わることがない。私はこれを帰宅途中に考えながら、気づいた。おかしい。このシステムでは、レジ打ちの最後には必ず客側のカゴは空になる。私が入れておいた割引券は、たとえ精算途中にずり落ちてカゴの底へ落ちたとしても、最後に必ずレジの人が見つけるはずだ。ところが実際には、私が置いた割引券は客から遠い側のカゴに移動していたがレジの人は気づいておらず、割引は適用されていない。マジックじゃあるまいし。今あなたの頭にある考えと同じ考えを、私ももっている。上記のよく出来た精算システムをレジの人が守っている限り、今回の怪はありえないので。

コメント(0) 

コメント 0

コメントの受付は締め切りました