SSブログ

標題電子ミュジーク・コンクレート(5) [  標題電子MC(補完計画)]

1. MS-20で電子音を作った
2. ヴァーチャルVCS3が出たと思い込んだ
3. MS-20のハードウェア版は販売終了したと思い込んだ




1. MS-20で電子音を作った

電子音と言っても色々あるが、この記事は(1)から続いているから、ここでいう電子音は私が今作りたい2つの音のうちオルガン音でないほうの事だ。

これにはMS-20が1台あれば十分なので、LegacyCellのミキサーでSYNTH2のほうは音が出ないようにしておく。高い音で、鍵を押した時にピピッと2回鳴るのが大事だ。VCOは2つとも使う。VCO1もVCO2もパルス幅50%の矩形波とする。違いは、VCO1が4'でVCO MIXERのLEVELが4、VCO2が2'でVCO MIXERのLEVELが10。VCOのFREQUENCY MODULATIONなし。VCFはHPFもLPFも全帯域通す。PEAKは0。CUTOFF FREQUENCY MODULATIONなし。そもそも電子音だから単調な音で良い。EGはATTACKが0、DECAYが0.7、SUSTAINが0。音が鳴っている途中で鍵を離した場合を考えてRELEASEも0.7。これで、鍵を押すとピッと1回鳴る。

困ったのは、ピピッと2回鳴らす方法だった。初めは、EG1にDELAY TIMEがあるので、2回目のピッはこれで遅らせれば行けるかなと思った。しかしEG1はATTACKとRELEASEしかない。今回の音は減衰音だからDECAYが必要だ。SUSTAINは0でないと困る。パッチパネルのほうも暫く眺めて考えたが、どうにも思いつかない。鍵を素早く2回叩くか。いやしかし、何度鳴らしても正確に同じ間隔でピピッと鳴るから電子音なのであって、こんな所で人間の手作業のファジーさが出てしまっては台無しだ。結局、エフェクターを使うしかないという事になった。

MS-20の下にあるINSERT FXで、使えそうなエフェクトを探した。Dual Delayを使う事にした。そのままでは「ピピッ」ではなく、「ピッピピッ・・ピッ・・・」と効果がかかってしまう。パラメータを変えなければ。
FEEDBACK : L, Rとも0.0
DELAY : L, Rとも160.0ms
SPREAD : +50.0
他は初期値をいじっていない。これでピピッが完成した。

PANは、オルガン音が少し左寄りだったから、こんどは少し右寄り。マスターエフェクトはLarge Hall。音は、こんなになった。

ピッと1回だけの原音


エフェクターでピピッと2回にした音


Large Hallリバーブをかけて完成した音


これで、曲のメイン部分の音が2つとも出来た。次はMTRの代わりになる多重録音ソフトを探して使い方を学ばなければ。それには日にちがかかる。だから、首尾よくそこまで行ったとしても記事の続きが書けるのは少し後だろう。それから、ここまでの部分は「思い立ったが吉日」で1日のうち晩の数時間を使って集中してやってしまったが、思えば私以外の人のネット上の記事も参考にするべきだ。学べる事がたくさんあるに違いない。そうだなあ・・・あまり早くに他人の技法を参考にして感化されてしまうと自分のオリジナリティが引っ込むから、あともう少しだけ時期を待とうか。時期が来たらどんどん人様の努力から学ぶ事にしよう。




2. ヴァーチャルVCS3が出たと思い込んだ

私はまず次のWebページを見つけた。

http://icon.jp/archives/5587

記事タイトルの中に「EMS VCS3をシミュレートしたソフト・シンセ」と書いてある。これで私は舞い上がって喜んだ。で、色々頑張ったんだが、その後ちょっと疑問を感じた。これは本当にVCS3のシミュレートなんだろうか。そんな事はソフトのサイト

http://www.xils-lab.com/pages/XILS-3.html

に書いていない。私はもう一度さっきのWebページに戻って、今度はタイトルでなく記事の中身をよく読んだ。

「『Xils 3』は、そのユーザー・インターフェースからも分かるとおり、EMS VCS3のインスパイア系ソフト・シンセ」

インスパイアというのは、意訳すれば「似てる」という意味だ。「EMS VCS3をシミュレートした」とは意味が違う。私は一気に意欲が減退した。確かにやたらとVCS3やAKSを意識しているのは見てわかるけど。

私が意欲減退するまでに色々頑張って、音を出すまで成功したのを、ここに記録しておこう。まずはダウンロードページへ行く。

http://www.xils-lab.com/pages/XILS3_Check-out-the-demo.html

タダなのは機能限定版だと確認する。作った音の保存はできない。MIDIのコントロールチェンジはできない。

それから、これはプラグインなので、使用にはVSTホストも必要。その入手先は上記ページにリンクがある。VSTホスト側にプラグインのバラメータ(この場合はXILS3の音色)をプロジェクトの一部として保存してくれる機能が付いているが、上記のとおり機能限定版はXILS3自体にパラメータの保存機能がないため、次回起動時には見事に(=皮肉)パラメータが初期化されている。

それでは、必要なファイルをDLする。

VSTHostのほうはインストールも要らず、zipの中身をどっかへコピーしてvsthost.exeを起動すればひとまずソフトのウィンドウが出た。

XILS3のほうはインストール作業が必要だ。exeを起動して、まずはインストールする。ホニャララを以下の場所に、別のホニャララを以下の場所にインストールしますと出たが、何だかわからんし面倒だし、どうせ後でスタートメニューから辿れば何かあるだろうと思ってよく見なかった。インストールが終わった。Windowsのスタートメニューには何の変化もない。どこに何がインストールされたか、もうわかんない。おい!

しかたない。一度アンインストールして、インストールし直し。今度は表示をよく見ておく。

XILS 3 presets folder
C:\Users\Public\Documents\XILS-lab\XILS 3

VSTplugin folder
C:\Program Files\Steinberg\Vstplugins

RTAS folder
C:\Program Files\Common Files\Digidesign\DAE\Plug-Ins

VSTplugin folderかな。XILS 3.dllというのがあったから、試しにVSTHostのウィンドウにドラッグ&ドロップしてみた。XILS 3.dllの小箱が出て、それがOutの小箱とつながった。どうしてInの小箱とはつながらないんだろうと暫く考えたが、マウスで慎重につなげたらつながってしまった。でも、つないでもつながなくても動作に変わりはないように思える。

ところで、シンセの絵が出てない。暫く探した。VSTHostのツールバー・ボタンに、シンセなどに使う丸いボリュームの絵があった。マウスポインタを持って行ったらPlugin Editと出た。ひょっとして?クリックしてみた。あ、シンセの絵が出た。鍵盤が付いてる。試しに鍵をクリックしてみた。あ、鳴った!ろくに初期設定もしないで鳴った!

ソフトウェアMIDIキーボードを仮想MIDIケーブル経由で接続するには、XILS 3(プラグイン)側でなくホスト側で設定をする。VSTHostならばメニューのDevicesをクリックし、MIDIを選択するとMIDI Inputの設定画面が出る。Reaperならば次回記事(6)の2-4を参考にし、トラックのfxにはVSTでなくVSTiのほうのXILS 3 (XILS-lab)を設定しなければならない。




3. MS-20のハードウェア版は販売終了したと思い込んだ

ずっと前に、ソフトウェアMS-20なんだけどコントロール部としてUSB接続のミニMS-20が付属しているという商品が売られていた時期があったと思う。私がそれを知ったのは、それが販売終了した後だった。その時私は欲しかった。その時の目当ては、つまみが沢山並んだ操作面を実際にいじって音を出す事だったから。子供時代にMS-20に憧れた者にとっては、実際につまみを触って音を作るの(ハードウェア商品)とPCの画面を見ながらマウスでクリックするの(ソフトウェア商品)は、やはり違うから。それに何より、MIDIキーボードをもっていない私はハードとしての鍵盤が付いている商品でないと、音を出したり止めたりしながら同時につまみを回して音色を決める事が出来ない。でも販売終了していたから、仕方なく私はハードのミニMS-20が付いていないソフトウェアMS-20を購入した。それから何年経っただろう。さっき私がVCS3の件でネット検索していたら、MS-20 miniの宣伝を見かけた。私はてっきり、ずっと前のミニMS-20の記事がまだネット上に残っているんだと思った。でも違った。新発売だった。今度はソフトウェアシンセではなく、当時のアナログ回路も再現しているらしい。私はその写真をじっと見つめた。あなたが子供時代にMS-20に憧れていたとしたら、どう思う?私は、ずっと前にミニMS-20を買い損ねた時は確かに残念でならなかった。欲しかった。でも今では、昔ほどの執着がない。時の流れが私を変えたのだろうか。今私がやりたいのは、私の頭の中にある曲を実際に演奏する事。そのために必要なソフトウェアMS-20は、すでに手元にある。ハードとしてスタンドアロンで稼動すると思われるMS-20 miniよりも、ソフトウェアとしてPC内で動くほうが、PCを使ったDAWにはより使いやすいと思われる。ソフトウェアならば、設定をそのまま保存し、再現する事も出来る。ハードウェア商品で全つまみの位置を記録して後から再現するのは大変だし、そもそもアナログ時代にはそういう意識はなかった。一期一会の音との出会い、それがアナログ時代の良さでもある。色々考えたが、今私はソフトウェアMS-20で曲作りを続けるつもりでいる。現在、無償のDAWソフトを研究中だ。

コメント(1) 

コメント 1

コメントの受付は締め切りました
blueclouds

(記事修正)XILS3にソフトウェアMIDIキーボードを仮想MIDIケーブル経由で接続する方法が全部わかったと思われます。記事内2.の最後の部分に記述しました。
by blueclouds (2013-09-15 18:36)