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標題電子ミュジーク・コンクレート(1) [  標題電子MC(補完計画)]

ミュジークはフランス語で音楽。この基礎語の語頭に上記の規定語が付いて標題音楽、および電子音楽。それからミュジークの後の形容詞を加えてミュジーク・コンクレート。

1. 何が始まったのか
2. 廃屋に行ってでも音を探したい
3. 次回予告。KORG Legacy Collectionに再挑戦




1. 何が始まったのか

少し前の記事に書いたが、私はプログレッシブ・ロックを調べるうちに若い頃の気持ちが蘇り、昔作れなかった曲を今完成させたくなった。私はその曲作りについて、これから記録を残してゆこうと思っている。ただ、その対象となる曲が巷の曲とかなり異なるので、始めにそれを明記しておかなければならないだろう。

一口にプログレと言っても年によって流行があり、国によって特色がある。そしてもちろん個々のアーティストごとの個性も。私は初め、1974-75年のタンジェリン・ドリームに引かれ、アナログシンセサイザーと(あくまでタンジェリンとの関連においてだが)ミニマル・ミュージックに引かれた。でもその後興味の対象が変わってきた。大学生の頃には私はさらにエクスペリメンタルに、さらにアグレッシヴになっていった。ミュジーク・コンクレートに引かれ、レコーダーとマイクを持って野外を歩いて音を採取した。能楽の笛や謡曲との関連で、西洋音階の世界に日本人が満足しきっている事に反発した。タンジェリン・ドリームの曲は1974-75年の曲から1972年の曲へと興味が移り、心臓の鼓動を早めて高揚するビート(一般的な音楽の効能)ではなく、逆に心臓の鼓動を少しずつ遅くして極限まで精神をリラックスと無に近づける音作りを探し始めた。それは、実際に死なない程度に擬似死を体験するのが理想だった。

ようするに若い頃の私はとても熱心に色々探究し、その探究する物がことごとく人様の興味とは異なっていた!

今、私は数十年ぶりに始めた曲作りの2日目だ。昨日思い立ち、手持ちのソフトの使い方を学びつつ、いくつかの音を作った所だ。この先どうなるかは知らない。何かの壁に突き当たり頓挫するのか、それとも私の望む曲が出来上がるのか。私はこの思いが続く限り、このブログに記録を残そうとしている。アクセス件数が一桁でも知った事ではない。これは私個人にとって大事なのだ。

記事は執筆してから見直して投稿するまでに数日かかる事があり、記事の中で「今日」と書いても数日前の場合が多い。




2. 廃屋に行ってでも音を探したい

私が作りたい曲は1970年前後を思わせる実験的なものなので、色々な要素がある。西洋音楽の音階をもつ部分もあれば(さすがにこれを全否定すると私ごときに曲は作れない)、そうでない音の推移をする部分もあり、音そのものでなく逆に音と音の間にある「間(ま)」と呼ばれる部分に意味がある場合もあり(こういう逆転は当たり前にある。たとえば言語学では欧米の言語も日本語も母音に重きが置かれるが、ヘブライ語等では逆に子音に重きが置かれて母音は時として変化する)、そしてミュジーク・コンクレートとして自然界の音を使う事もある。

数十年ぶりに曲を作りたいと思い立った時、まず私に出来そうだったのは、自然界の音集めだった。この数十年の間に、私が昔買ったシンセサイザーはことごとく壊れた。だから音階をもつ部分の音を作るならば、ずっと後で私が購入したKORGのLegacy Collectionの使い方をこれから学ぶしかない。すぐにでも出来るのはミュジーク・コンクレート部分の音集めだ。今私が欲しいのは、廃屋の傷んだ板張り床(フローリングという美しいイメージてはないぞ、腐った板張りの床だ)を歩き、地下室へ行く音だ。私の住む地域に廃屋はないか。ネット検索した。あった。歩いて行ける距離ではないが、過去に人が惨殺された空き家という「いかにもデマそうないわく付き」でネットに載っている。私は肝試しがしたいのではない。音の素材を手に入れたいだけだ。惨殺や幽霊に用はない。夜中の危険な行動も御免だ。昼間の明るいうちに足元に注意しながら音を録り、帰ってくれば良い。そう考えた。ネット上には動画があった。その廃屋で若者が夜中に肝試しをしている。動画を見たら、残念な事にこの廃屋は木造でなかった。コンクリートだかモルタルだか、そういう材質だ。これではたとえ私が行っても目当ての音が録れない。腐った板張りでないから。もちろんこれで諦めたのではない。今すぐにその音が手に入らないとわかっただけだ。そこで私は同じ日のうちに、別の事を始めた。ミュジーク・コンクレートの部分が今作れないなら、他の部分、電子音楽の部分に着手する。KORGのLegacy Collectionの使い方を学ぶのだ。




3. 次回予告。KORG Legacy Collectionに再挑戦

そういうわけで、その日のうちにLegacy Collectionの使い方を学び始め、2つの音を作った。Legacy Collectionが初めて世に出てから何年経っただろう。ひょっとして、もう10年近く?人々はとっくにその使い方を学んだ。何の参考にもならない私の記事、これから使い方を学ぶ私の記事を見る人はいないだろう。それでも私は記事を書く。私は他人のためでなく、明日の自分自身のために書かねばならない。

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