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バスは私を見放した [痛風日記]

今日は病院で採血の日だった。採血があると私は、朝の9時過ぎに家を出るのに午後の2時半にならないと帰宅できない。これには4つの悪条件が重なっている。
1:一番早いバスが病院に着くのが9時45分ごろで、それより早くは行けない。
2:採血の日は診察の1時間前に来て採血しなければならない、つまり診察の予約は係の人に頼みこんで早くしてもらっても10時半になってしまう。
3:担当の先生はいつも1時間遅れる、つまり10時半の予約でも11時半近くになる。
4:病院発のバスは午前11時45分を最後に2時間の休憩となり、次は13時45分だ。
まさに、そんなバカなと言いたい事情である。4つの悪条件のうちひとつでも改善されれば、私は12時半に帰宅できる。それが現実には14時半だ。

私は、いっそのこと診察が遅れてくれと願った。なぜなら半年くらい前に、とても嫌な体験をしたからだ。診察が終わった時間がギリギリ間に合いそうな時間で、私は急いだのに、精算をしている私が見ている前でバスが行ってしまった。なんとも、やりきれない。いっそのこと、どう考えても間に合わないという状況のほうが気が楽というものだ。だから今回、私は診察が大幅に遅れてくれと願った。私の願いは通じ、診察は11時20分くらいになった。

タイトルのバスからは話題が逸れるが、痛風のことも書かねばならない。診察の前、私は「10日ほど前の左膝の炎症を先生に言うと薬の量が増えるから言わないぞ」と思っていた。ところが私は馬鹿正直で、先生を前にしてつい言ってしまった。先生は不思議がっている感じだった。その腫れが痛風の発作かどうかはわからないと先生は言い、その通りだが、痛風発作がどんなものか知っている私は炎症の感じと期間から、かなりの確率で軽い痛風発作だと内心思っている。血液検査の結果はCRP/LAが0.09mg/dLで炎症はすっかり収まっており、UAは5.4mg/dL。ほんの数日前まで片足を引きずって歩き、階段の登り降りはとてもできず、その痛々しさから電車で人に席を譲られる身だったことは、黙っていれば誰にもバレない。困った検査結果だ。これからは自分の血液を「ネコかぶり血液」と呼んでやろうと思った。

薬は3ヶ月まで出せるが、2ヶ月を過ぎると今すぐの予約ができず、2ヶ月前以降に電話予約をしなければならない、と先生は話した。この先生に最初に診察してもらった時には、先生はもっと簡潔に「次回は2か月後にしますか3か月後にしますか」と言い、事情がわからなかった私はとっさに「先生にお任せします」と言ってしまい、その結果2か月後になってしまった。次の診察までの期間が長ければそのぶん1年間に払う診察料が少なくて済む。採血があるとその差は顕著になる。だからその間自分の体調が変わらないという自信があれば、次の診察は先のほうがいい。今回私はもちろん3ヶ月後にしてもらった。

診察室を出ながら、私はふと思った。「いま病院で次の予約ができないということは、会計が済めば予約窓口に寄らずにすぐに帰れるということだ。ひょっとして午前の最終バスに間に合うだろうか。」しかし時間はすでに午前の最終バスが出るまで25分しかない。会計ではなかなか名前が呼ばれないのが当たり前。30分待つだろう。するとなんと、バスが出る5分前に名前が呼ばれたではないか。なにッ、バスに間に合うのか!一度に5人くらい呼ばれるその最後に私の名前が呼ばれ、私は会計窓口前で列の最後尾に並んだ。窓口で金を払えれば良いのだが、この病院は窓口では診察券を返してもらうだけで、そのあと自動入金機に診察券と金を入れるシステムだ。私は今度は自動入金機前で列の最後尾に。出口を見ると、バスがまだある。ああでも、この感じは前にも一度体験した覚えがある。これはデジャヴーではない。半年くらい前に現実にあった嫌な出来事の記憶だ。バスよ待っていてくれ、私は機械に診察券と紙幣を立て続けに突っ込みボタンを押した。機械から出てくる診察券と釣り銭を私が取る間にバスが出ていった!
またか!!またこのパターンなのか!

それから私は昼飯がわりに菓子を食い、病院前の薬局で薬をもらい、そんなものは20分で終わってしまい、人がまばらになった病院の待合室でこの記事を寂しく書いている。