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標題電子ミュジーク・コンクレート(15) [  標題電子MC(補完計画)]

1. 音色の保存読み込みができない無償版XILS 3は後から起動・設定する
2. XILS 3で梵鐘の音を作り保存した
3. 音色サンプルをふるいにかけた
4. 次にやること




1. 音色の保存読み込みができない無償版XILS 3は後から起動・設定する

XILS 3の無償版は音色の保存読み込みが出来ない。これの一番厄介な点は、せっかく苦労して音色設定を作っても、その後でどこかからProgramChangeの信号が送られてきたら全部水の泡という事だ。「ペンちゃんの不思議なけんばん」を起動するたびにこれが起きた。そのたびに私はショックを受けた。「ペンちゃん・・・」のマニュアルを読み直していないので、ペンちゃん側でProgramChangeの送信をしない設定があるかどうかは知らないが、ひとつの解決策は最初に「ペンちゃん・・・」を起動し、それからXILS 3(実際にはホストであるReaper)を起動するというものだ。

あと、「監視ON」の状態で音色についてメモするためにWindowsの「メモ帳」に文章を書き込んでいたら、ProgramChangeされてしまった事がある。おそらくどれかのキーにProgramChangeが割り当てられているのだろう。だから文章を書く時は「監視OFF」にする。




2. XILS 3で梵鐘の音を作り保存した

今日の晩は実に有意義な時間を過ごせた。XILS 3で梵鐘の音を作ってwavとして保存した。初めて梵鐘らしき音を出した時の設定をメモしておいたので、それを元にした。でも当時はまだXILS 3の使い方を知らないで適当にいじっていたので、一部のつまみはよくわからないまま初期値で使っていた。今回はそれを改めて設定した。

よくわからないまま初期値で使っていたという件で、ひとつ以前の記事に不正確な事を書いてしまった。MS-20のリング・モジュレーターの音とXILS 3のリング・モジュレーターの音を比較したが、その時XILS 3のFILTERのRESPONSEが上がっていた(自己発振するほどではない)。これは一般にレゾナンスと呼ばれる機能で、MS-20ではPEAKと呼ばれる。MS-20で音を出した時はPEAKを上げていなかったはずだ。両方のソフトの音を比較したけれども、一方だけレゾナンスが上がっているのでは正しい比較でない。とはいえ、XILS 3のような音をMS-20で作れないという件に変更はない。

今回の梵鐘は、以下の設定を基準とし、一部のパラメータを変更してイメージに合う音が他にないかと模索した。実際に音を出してみるとわかるが、梵鐘といってもお寺の鐘ほど大きなものの音ではない。ある種の音楽に使うような、小形の梵鐘だ。音色はかなりおとなしく、高調波が少ないが、これは私がイメージする「涅槃」寄りの音だ。この世の雑踏を離れた、魂の静まったあの世の音が「涅槃」だ。この音はまだ涅槃に入りきっていないので、さらに調整して「涅槃」に近づける。あるいは逆に高調波を多くして、現実味のある「此岸」(この世)の音にする。



左パネル

タブMATRIXをクリック
左上マトリックスはピンを一本も挿さない状態
右上マトリックスはKEYB ONとKEYB OFFを両方ともTRAPEZに接続、他はピンなし



右パネル

OSCILLATOR 1のRangeリングは0、Coarse Tuneを1.08
OSCILLATOR 1のSHAPEつまみを50.00%に(これは回しても変化なし)
OSCILLATOR 1のサイン波のLEVELつまみを右一杯に回す

OSCILLATOR 2のRangeリングは0、Coarse Tuneを-2.52
OSCILLATOR 2のSHAPEつまみを55.00%
OSCILLATOR 2の三角波のLEVELつまみを右一杯に回す

RING MOD.のLEVELつまみを右一杯に回す

FILTER OSCILLATORのFREQUENCYつまみを500.00Hzに
FILTER OSCILLATORのRESPONSEつまみを0.90(POLES=4) つまみ位置が同じでもPOLES=2ならば数値は2.65となる
FILTER OSCILLATORのPOLESを4に
FILTER OSCILLATORのLEVELつまみを右一杯に回す

ENVELOPE SHAPERのATTACKつまみをを1.50ms
ENVELOPE SHAPERのONつまみを左一杯に回す
ENVELOPE SHAPERのDECAYつまみを650.00ms
ENVELOPE SHAPERのOFFつまみを右一杯に回す
ENVELOPE SHAPERのLEVELのSIGNALつまみを右一杯に回す

マトリックスにて・・・
OSC1サイン波をR.M. Aに接続
OSC2三角波をR.M. Bに接続
RING MODをFILTERに接続
FILTERをENVに接続
ENV. SIGNALをOUT 1とOUT 2の2つに接続
他はピンなし

OUTPUT FILTERのCHANNEL 1とCHANNEL 2のトグルスイッチを両方ともOFF
General Output Levelつまみを右一杯に回す
OUTPUT CHANNEL1のLEVELつまみを右一杯に回す
OUTPUT CHANNEL2のLEVELつまみを右一杯に回す

ピッチベンドホイールは50.00%

どのキーを押しても同じ音が出るようにしてある。
音量はすべての関係するLEVELつまみを最大まで上げてある。必要に応じて音源に近いRING MOD. LEVELを下げよ。
trapezoidなるEGの、とくにONとOFFの意味する所はいまだ理解できず。

とくに変化を試すのは、2つのVCOのピッチ、VCO2のSHAPE、FILTERのPOLES、ENVELOPE SHAPERのDECAY。
FILTERのFREQUENCYやRESPONSEは上げすぎても下げすぎても余分な音が聞こえてくるので、あまり動かせない。
ピッチベンドホイールも、イメージする梵鐘の音程がだいたい決まっているので変更の必要がなかった。
ENVELOPE SHAPERのATTACKはあまり短かすぎるとブツッという音が聞こえるので、それが聞こえなくなるまでつまみを回した。



今日は、全部で9種類の音を保存した。VCOの音程などは、多くの場合が使えず、たまたま見つけたほんのわずかなピッチ域の音が梵鐘に聞こえる。そういう音を見つけるのは、大学生時代も今も、じつに楽しい。私はマニピュレーターというより、本来エンジニアだから。

見つけた9種類の音を全部採用するつもりはない。この中から絞り込んでいくつかが使えると思う。それだけでは音色が足りないから、また日を改めて音を探す。すべてが大学生時代にやった作業と同じで、私はまるで大学生の頃に戻ったような気分だ。当時は目の前にデジタルシンセ音源ユニットとデジタルシーケンサーがあり、私は音源ユニットのプリセット音のパラメータをこれでもかというほど変更して梵鐘の音を探し出した。

サッカーが趣味の人、読書が趣味の人、その他巷で一般的な趣味をもつ人が見たら、「この人は一体何が面白くてそんな事をやっているのか」と思うのだろう。しかしどんな趣味でも、その趣味を好きな人にとっては趣味は奥深いものなのだ。逆に運動が苦手でチームプレイで仲間に迷惑をかけっぱなしの私がサッカーをすれば、それは趣味でも楽しみでもなく苦痛になってしまう。人それぞれにその人に適した事をする時、人生は奥深くなる。




3. 音色サンプルをふるいにかけた

上の2とはまた別の日だ。前に書いたとおり、「梵鐘」の作業は一日に集中してやるとその日の精神状態が音色や間(ま)に影響しすぎるので、日を改めてはまた続きをする。

保存した9つの音色をふるいにかけるのが今日の目的だ。いずれは音色をお聴かせするが、不採用の音色までお聴かせしても意味がないので、音をUPするのは採用がはっきり決まってからにする。

まず9つの音色を聴き比べ、相互の違い、個性、採用/不採用を考えた。その結果3つの音程が不自然だったり落ち着きがなかったりで、不採用となった。

残った6つの音色を分類した。音程的に高中低と分けた時点で、高音003,008中音004が同種の音だと気づいた。この中で008だけが飛びぬけて高調波が多く003や004と混ぜて使えないので008を不採用とした。残り5音色。

ここで曲の構想を再確認した。梵鐘を鳴らす順番は
此岸から涅槃へ
大きい鐘から小さい鐘へ
低音から高音へ

「此岸」「涅槃」というのは私の頭の中のイメージだが、パラメータ的には高調波が多く減衰につれて高調波成分が変化するのが此岸、高調波が少なく音の変化がないのが涅槃。

上記の構想により、此岸が大きい鐘、涅槃が小さい鐘となる。此岸度は大きい鐘で高く、小さい鐘は此岸度が中くらいの物から鳴らし始め、最後は完全に涅槃の音になる。

低音000,001,002のうち000,001は涅槃寄りの音として気に入るけれども、実際に必要なのは002の此岸度だ。000,001は残念ながら不採用。これで002,003,004の3音色だけが残った。




4. 次にやること

002は梵鐘というよりも柱時計のボーンの音なので、さらにいじって梵鐘の音を見つけなければならない。

今回のサンプルではFILTERのRESPONSEを上げた都合でEGをCUTOFF FREQに効かせられなかった。しかし此岸度の高い梵鐘はEGにより高調波を変化させる必要がある。低音の鐘はMS-20FXを併用してこれの実現を試みる。

003,004は此岸度が中くらいの中高音の鐘として採用できるが、高音003はまだ此岸度が中くらいなので、これをさらにいじって完全に涅槃の音を作らなければならない。

XILS 3のtrapezoidの使い方の詳細を知ろうと再度ネット検索したが見つからなかった。すでに知っている人はわかっている事として書いているし、知らない人は知らない。よくわからん物を使うよりもADSRに切り替えたほうが良いかもしれない。

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