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第四の生き甲斐を探します253 なんちゃってインタビュー [手記さまざま6]

注:これは「なんちゃってインタビュー」です。

訳者へのインタビュー


ナンチャッテ記者(以下、「記者」と記述):本日は、お忙しい所をインタビューに応じてくださり有難うございます。

訳者:実際には訳者の自作自演、ナンチャッテ・インタビューだから、お忙しい所も何もないですけど。

記者:それを言っちゃあ身も蓋もありません。早速本題に入らせていただきます。今回の企画を始めた動機は何ですか?

訳者:引っ越しから始まりました。生まれ育った家を出て行かなければならなくて、しかも転居先に沢山荷物を持ち込めないのがわかっていました。生活必需品以外は全部処分したんです。処分した中に、老後の楽しみにと取っておいた昔の本やカセットテープ、レコードも含まれました。私は一気に生き甲斐を失いました。何とかして新しい生き甲斐を見つけようというのが現在の私なんですが、新しい人生を探すにあたり、今までの人生でやり残したことを済ませておきたい。それがこの翻訳です。

記者:それじゃあ翻訳が今までの生き甲斐で?

訳者:いえ、これは生き甲斐じゃありません。私が若い頃に四面楚歌・背水の陣で外国へ行った時、そこで偶然に見つけたVHSビデオ映画がありました。私の心はそれで救われたんです。でも帰国後にこの映画を知っている日本人はいなくて話題にできず、日本で字幕版が売られることもない。映画の中ではネイティブが普通の速度で喋るから聞き取れない部分があまりに多い。私は何度も繰り返し聞き取りを試しては挫折して、自分の限界を知りました。

記者:それを今回訳せたということは、訳者さんの実力がアップしたんですね。

訳者:いいえ。私は結局、若い頃と同じ聞き取り能力のままです。今回は、運命が味方してくれました。マイクロソフト・トランスクリプトとYouTubeの自動字幕生成。私はこれらの存在を知って、私の耳と共に二人三脚ならぬ三人四脚でやっと訳せました。

記者:この映画の魅力は何ですか?

訳者:楽しいことです。ドイツの作品には頭をカラッポにして笑えるものが少ないから、この映画には希少価値があります。ドイツ産の多くは真面目なイメージでしょ。観念論哲学とか、ベートーヴェンとか。ドイツ人に推理小説を書かせても理屈っぽくて面白みがないことが多い。そして、日本でドイツを研究する人も真面目なことが多いです。真面目は悪いことじゃないけど、少ない実力で必死にしがみついている私にとっては息が詰まるんです。さっき四面楚歌・背水の陣って言ったでしょ。私がこの映画を携えて帰国した時、ちょうど日本ではMONZENという映画がもてはやされていました。私の同僚も賞賛していましたよ。でもMONZENという映画は、暗いです。MONZENなりの面白さはあるんですが、まだまだ暗い。昔からのドイツのイメージ、真面目さと暗さを受け継いでいます。でも私がドイツから持ち帰ったこの映画は違う。まるでアメリカン・コメディーのように明るい。それに私は救われました。

記者:今回の企画で苦労したことは何ですか?

訳者:ごく一部ですが、どれだけ考えてもどうしても訳せない部分がありました。ドイツ語として完成している文章を訳すのでなくて、そもそも合っているかどうかが疑わしい文字起こしの結果を訳すのだから、何に問題点があるのかを特定すらできません。それでもマイクロソフト・トランスクリプトとYouTubeの自動字幕生成のおかげで、そういう訳せない部分がごく一部で済みました。正直、最後のほうを訳すまで、私はどうにもならない壁にぶつかって頓挫する可能性を考えていました。頓挫せずに最後まで訳せて本当によかったと思っています。

記者:今回の企画で楽しかったことや、有意義だったこと、得られたものは何ですか?

訳者:それはドイツ語に直接関係してくるので、ここでインタビューとして喋っても語学に興味のない人には退屈です。それについては機会を改めて私がまとめて書こうと思います。

記者:最後に確認しておきますが、この企画は全てがナンチャッテ企画なんですね?

訳者:全てがナンチャッテ企画です。映画音声の文字起こしと日本語訳までは実際に出来ていますが、それを全部ネット上に公開すると私に許される範囲を大きく逸脱します。世の中の事情は複雑ですから、自分勝手にはしゃぎすぎると怒られる。ナンチャッテ!で済む範囲で我慢しておくのが賢明です。

記者:どうも有難うございました。

訳者:有難うございました。