SSブログ

個人的記録(ノイズの続き) [  レコード(補完計画)]

ノイズ軽減ソフトの続きです。DeNoiser機能は難しくてやめそうになりましたが、頑張りました。

時には今までの記事に書いたことをご存じと仮定して簡略化して説明することをご了承ください。では始めます。

左上のメニューからwavを読み込みます。ウィンドウ右側にある3つのタブのうち、真ん中の「DeNoiser」をクリックします。するとタブの下が、初期状態のDeClicker用操作盤からDeNoiser用操作盤に切り替わります。この時点で「Ein」のチェックボックスにチェックを付けるのを忘れないでください。これでDeNoiserがオンになります。

テスト再生(Vorschau)を始めます。それからスペクトラムアナライザーの画面(3つある青画面のうち左上の大きいもの)を見ます。緑色の線が、読み込んだwav音声のレベルです。紫色の線は、音楽とノイズの境目を示します。紫色の線よりもレベルが高ければ音楽と認識され、線よりもレベルが低ければノイズと認識されます。

ノイズ部分をどの程度減衰させるかを設定するのが、ウィンドウ右側の操作盤にある「Dämpfung」スライダーです。(「Dämpfung」スライダーを動かしてもスペクトラムアナライザー画面は変わりません。)

どこまでをノイズと見なすかを決める紫色の線は、wavの音の状態により調整しなければなりません。調整は操作盤の各種スライダーで行います。スライダーを動かした結果をスペクトラムアナライザーで確認するには、あらかじめテスト再生(Vorschau)を始めてからスライダーを動かします。再生中でないとスペクトラムアナライザーは変化しないことに注意してください。

「Schwelle」スライダーで紫色の線全体を上下させます。紫色の線が上がればより多くのノイズが取れますが、上げすぎて紫線が緑線に重なってしまうとノイズ以外の音も一緒に削ってしまいます。

「Steilhei」スライダーで、紫色の線を緑色の線に追随させる度合いを調整します。このスライダーを一杯に下げると、紫色の線はほぼ一直線に起伏がなくなります。このスライダーを上げると、緑色の線(音声レベル)に従って紫色の線にもなだらかな起伏が出ます。起伏を出しすぎると紫線が緑線に重なってしまうので、うまく調整します。

ここまでに説明した「Schwelle」と「Steilhei」は一瞬一瞬の緑線と紫線の位置関係を設定します(再生を一時停止しても設定が見て取れます)が、「Anstie」と「Abfal」は時間の流れの中で紫線が緑線にどのように追随するかを設定します。(再生中に線の変化を見ていないと確認できません。)

「Anstie」スライダーは、音が急に大きくなった(再生していて緑線が突然上の方に行った)時に紫線が即座に反応して上昇するか、それとも遅れてゆっくりと追随して上がるかを設定します。たいていは、紫線がゆっくりと追随して上がるほうが良いです。なぜなら、紫線が即座に反応して上昇すると打楽器のようなノイズでない音までも削ってしまうことがあるからです。遅れてゆっくりと追随して上がるように設定するには、スライダーを上げます。

「Abfal」スライダーは、音が急に小さくなった時に紫線がどう追随するかを設定します。この場合は、音が大きくなる時とは反対に、紫線が即座に反応して下降するほうが良いです。それを実現するにはスライダーを下げます。ただし、わずかな事例として紫線をゆっくり下げるほうが良いこともあるので、試してみてご判断ください。

緑線(音声レベル)に追随して紫線(音楽とノイズの境目)が上下するというのは、ノイズが音声につれて変化することを想定しています。もしもノイズが音声レベルに関係なく一定ならば、紫線は緑線に追随して上下する必要がありません。そういう場合はスペクトラムアナライザーに紫線が表示された状態で「einfrieren」チェックボックスにチェック付けます。チェックを付けた瞬間の位置に紫線が固定されます。「einfrieren」にチェックが付くと、不要な(緑線に追随させるための)3つのスライダーは非表示になります。

ノイズのレベルが音声レベルに関係なく一定の場合の紫線の設定方法について。まずテスト再生(Vorschau)をしながら、曲と曲の間のような無音部分を見つけます。そこでウィンドウ左下の「Rauschprobe」チェックボックスにチェックを付けます。すると無音部分のごく短い音声がループ再生します。「Reset」ボタンをクリックします。すると、DeNoiser操作盤にある5つのスライダーがこの目的に適した初期位置に移動します。いま再生しているのは無音部分なので、スペクトラムアナライザーの緑線はノイズのレベルです。「Schwelle」スライダーと「Steilhei」スライダーを使って紫線を緑線の上に移動し、ノイズがほとんど聞こえないようにしてください。「Anstie」と「Abfal」はそのまま(一番下)とします。必要に応じてウィンドウ下部にある時間軸スライダーを動かして別の場所を再生しスペクトラムアナライザーに表示できます。紫線の位置と形が決まったら、「einfrieren」にチェックを付けて固定します。

DeNoiser操作盤の「Schellack」チェックボックスは、古いレコードでノイズがとくにひどい場合にチェックを付けます。ただしこの機能は、再生周波数域が12KHzを超えないシェラック盤専用とします。

操作盤の下のほうにある「nur Rauschen」というチェックボックスは、DeClickerの「nur」と同じです。削り取ったノイズ部分だけが聞こえるので、ノイズと一緒に音楽まで削ってしまったかどうかを確認するのに役立ちます。

スペクトラムアナライザー画面の上をマウス左ボタンでドラッグすると、ドラッグを始めた場所の周波数を中心に拡大表示します。スペクトラムアナライザー画面の上を左ボタンでダブルクリックすると拡大表示から元に戻ります。でもこの機能は使い勝手が悪いです。

紫線を変化させる方法は操作盤のスライダー以外にもあります。スペクトラムアナライザーの下にある青画面には小さな四角がいくつも付いた紫色の線があります。(もしも緑色の線が出ていたら、その上でマウスを右クリックすると紫線に変わります。)紫色の四角をマウスでドラッグして上下に動かすと、スペクトラムアナライザーでも紫線のそれに対応する周波数の部分が上下に変化します。でも、ちょっと反応が鈍いので結果が現れるまでに少し待たねばなりません。


コメント(0) 

コメント 0

コメントの受付は締め切りました