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レコード音声のデジタル化 個人的記録 (11) [  レコード(補完計画)]

毎日くたくたなので、長くは書けない。でも今日11月23日はLPのデジタル化が終わったので、それだけは書いてから寝なければ。それと、前回の記事から今に至るまでの概略も。

・・・と、思いつつこの記事を書き始めた。でも書き終わらずに眠ってしまった。毎日忙しい。それで、この記事は時間のある時に少しずつ書き、書き終えたらUPすることにした。

そうと決まれば長文失礼、少しずつ、ゆっくり書いてゆく。

冒頭で私は毎日くたくただと書いた。なぜ毎日くたくたなのか。想像してみてほしい。1日が普通に過ぎ去るならば、その24時間の中には普通に休憩時間も余暇もある。しかしその1日の中に4時間や5時間のレコードデジタル化が挿入されたらどうなるか。休憩時間など取れない。レコードデジタル化の間は家事も何もできない。デジタル化が終わってから急いで出てきて家事。気がついたら寝る時間。

ではなぜ1日に4時間や5時間もデジタル化をしなければならないのか。デジタル化の最初のうちはロックのレコードを出してきたが、ロックの多くは片面が16分から25分くらいで比較的短かった。ところがそれが終わるとクラシック等を出してきたが、これは片面が30分というのがざらにあった。だから両面で約1時間。演奏の正味で1時間だから、レコードの出し入れやクリーニングを含めると全体で4枚に4時間半から5時間かかる。万一録音が0dBにクリップしたらやり直し。さらに時間がかかる。

ではなぜ1日に4枚もレコードを扱おうとするのか。なぜ急ぐのか。理由はいくつもある。

寒い冬が目前に来ている。私の部屋は夜に活動すると床を冷気が這ってきて足から風邪をひく。低音環境はレコード針の周波数特性にも影響するらしい。外気温が5度を下回ると私は外の植物を自室へ持って入らねばならない。自室で植物に水を遣ると室内の湿度が上がってしまう。レコードの黴に苦しめられている私にはそれはできない。困った。理由はまだある。

1週間くらい前だろうか、工事屋が挨拶に来た。隣家が屋根の葺き替え、壁の塗り替え、ベランダの防水工事をするという。晴天の霹靂というべきか。足場を組む時に振動はないか。壁塗りをしたら1日以上ペンキの臭いがしてくるということはないか。不確定要素がたくさんできた。要素は不確定ながらも、デジタル化を済ませられる時にできるだけ済ませておきたくなった。理由はまだある。

家人が私の行動にストレスを感じ始めた。私は自分が家人の生活ペースを察してその合間にデジタル化をするつもりでいた。しかし世の中というのは自分の思う通りにはゆかぬもので、家人は私の行動を察して動こうとし、イライラを募らせてしまった。ついには、今日一日外にいるからできるだけ早く済ませてくれと言う始末。これには驚いた。1日にできる量には限りがあり、その日1日では終わらないことが明白だったから、無理なく3日に分けてやるつもりだった。しかし家人は頑として意見を曲げず、どうしても今日は外にいるという。こうなったら、家人の厚意を無駄にしないためにも私は必死で可能な限りのデジタル化をするしかない。そんなことがあった。

こういう記事を見に来てくださる方は、おそらくレコードを扱うさいのテクニックなど実務的なことを知ろうと見に来ているのだろう。しかし実際の作業はむしろ隣人や隣家との思いも寄らぬ関係変化のほうに困らせられる。これからレコードのデジタル化をしようという方には、この作業ではレコード自体の扱いよりもむしろ隣人との関係が大変だという現実を知ってもらうことは決して悪くないと私は思う。

そういうわけで私は毎日デジタル化を急ぐ必要があった。1日4枚を目安とした。ただし、湿度の高い日は何も行わない。今までの最多記録は1日7枚で、これは午前中3枚、夜4枚に分けた。夜が寒くなってからは夜の作業ができなくなったので、この記録は作れなくなった。上記の家人が外にいた日は朝から昼過ぎまでぶっ続けで6枚半。せっかく家人が外出までしてくれたのだから、家人が外にいる間はデジタル化を頑張ることにした結果だ。最多記録の7枚というのは間に長時間の休憩を挟んだからこそできたもので、ぶっ続けの6枚半というのは限界をとっくに超えていた。家人が早く帰ってきてくれと願うばかりだった。

これで、なぜ私が作業を急いだかは書けた。

次は、今までに何があったのかを書きたい。まずはカビ、それから騒音と振動だ。

カビについても騒音と振動についても、自分用の作業記録を残してあるのでそこからコピー&貼り付けをして紹介したい。

カビの例を2つ

例その1
ハイ・ファイ・セット スウィング
盤はきれいなものだった。内袋も明確な黴は視認されず、擦れや汚れではないかと思えるものしか付いていない。しかし静電気防止内袋に替えておらず、今までの作業経験から替えておいたほうが良いと考えた。ジャケットもきれいなもので、隣接するハイ・ファイ・ブレンドとは大違いだと思いつつ、「内袋に似せた体裁の厚紙でできた歌詞カード」をジャケットから引き出した。その両面にびっしりと茶色い埃のようなものが付いている。もしこれが黴だったら、と思った。でも、昔のシミでもう拭き取った後だろうとも思った。片手に厚紙の歌詞カードを持ったまま、一瞬考えた。もう一方の手の人差し指で歌詞カードの表面をちょっとだけ触ってみた。指で触った所だけ茶色が取れた。私はぞっとした。そのまま隣室へ運び、ティッシュで全面をぬぐった。

例その2
松任谷由実 14番目の月
レコードをジャケットから出そうとした時、「内袋に似せた体裁の厚紙の歌詞カード」の端が、フェルトのようなモサモサした感じに見えた。これはまさか黴だろうか、いや、こういう質感の紙かもしれれないと思った。レコードを内袋ごと引き出すと、内袋の全面に黴が付いていた。さっきのフェルトのようなモサモサは黴だと確信した。レコードのSide 2のレーベルにうっすらとシミ。ティッシュでこすった。レコード演奏中にジャケットをもって隣室へ。歌詞カードを引き出すと案の定、黴だらけだった。歌詞カードおよび、一緒に入っていたピンナップは黴をティッシュでぬぐった。ジャケット内側も手の届く範囲をティッシュで拭いた。内袋は静電気防止内袋に替えていなかった。替えた。

こうしてカビがすごかった事例ばかりを出すと、まるで全部のレコードがこの有様だったかのように感じてしまうだろう。しかし実際には、隣り合ったレコードでも一方がカビだらけ、もう一方がカビなしという場合すらある。そこで、カビなしの例もひとつ出しておく。

松任谷由実 紅雀
このレコードは、じつにきれいだった。レコードは驚いたことに内袋に入っておらず、「内袋に似せた歌詞カード」に入っていた。しかしひょっとするとそのほうがジャケット内側に隙間ができず、黴が生えにくかったのかもしれない。この歌詞カードはそれまでの同種のもののような厚紙製ではなく、薄い紙でできている。だからなおさらジャケット内側に隙間ができにくい。初めは静電気防止内袋にレコードを入れようと思っていたが、思い直してこのままとした。

カビについてはこれで事情がわかったと思う。次に騒音と振動について。これは、上に書いた隣家の改修工事だ。自分用の作業記録を残してあるのでそこからコピー&貼り付けをして紹介したい。

一昨日から隣家の改修工事が始まり、昨日はもちつきのような感じで地面を打ちつける音がし、そのたびに床が振動した。紅雀のSide 2の2曲目~3曲目とOLIVEの「最後の春休み」がとくにその時にひっかかり、後でwavを聴いてみた。被害が聴き取れなかったのでそのままにしたが、気になる。今日も工事の続きがあり、後日屋根葺きの次に壁塗りが始まると、そもそも臭いでデジタル化を中断しなければならないかもしれない。急いでいる。

作業記録からのコピーはここまでだ。

振動と騒音は、ひとえにプレーヤーの性能に助けられた。ベースと呼ばれるターンテーブルおよびトーンアームが載っている部分と、プレーヤーケースと呼ばれる外枠部分が、一個のプレーヤーという意味で一体化しているにもかかわらず、力を加えるとまるで別物のように動くという面白い構造になっている。上記の「もちつき」のさいにはこの構造に助けられた。
sl1700.jpg

上記の「もちつき」に続き、トタン板をトラックの荷台かどこかへ放り投げるとんでもない音がレコードまるまる片面分以上の時間続いた。しかし後からwavを聴いたところ、その音が再生音に入り込むことはなかった。私は以前の記事で、昔レコード演奏中に鳴った音が演奏に影響した記憶があると書いたが、今回それを訂正しなければいけない。

これを書いている今も、隣家では電動機械の音がひっきりなしに続く。うちに挨拶に来た人は、騒音は最初の3日くらいですと言って帰って行ったが、これは騒音4日目だ。

だが私はそれを気にするのでなく、気を落ち着けて、やれる時にやれることをしなければならない。まだシングルレコードのデジタル化が残っている。天気が悪く湿度の高い日はレコードを出せないので、そういう日に家事、家人とのコミュニケーション、年賀状印刷などをこなし、自室にこもってレコードを扱う間は敬遠したいニンニク料理等をこういう時に食す。

デジタル化したLPは全部で90枚だった。最初のうちは録音レベルを試行錯誤したのでやり直しが多く、実際の演奏枚数はそれ以上になる。修理してもらった昔のプレーヤーは、まるで新品のように動いている。

またしばらく記事を書かない日が続くかもしれないが、その時は、私が人生(デジタル化)を頑張っていると思ってほしい。

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