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レコード音声のデジタル化 個人的記録 (10) [  レコード(補完計画)]

最初に書いておく。私はこんな想定外のカビも退治したんだ。だから今後どんな事が起ころうとも、その時その時に冷静かつレコードへの愛情をもって対処し、必ず全てのレコードのデジタル化を無事に終えてやる!

今回も前回と同じく、疲れ果ててブログ用の文章を新たに書くほどの元気がないので、自分用に書いたデジタル化記録をそのままコピー&貼り付けさせてほしい。(レコードに問題がなくブログ記事にしなくていい部分は「おk」と書いて省略してある)



岩井小百合はレコード内袋に多数の黴、それが多数レコード本体に転移していたので、とっさに作業を後回しとした。

太田裕美
おk

南沙織
おk

ザ・リリーズ
おk

岩井小百合
他のすべてのレコードを先行し、最後から2番目のザ・リリーズをデジタル化している時間を使って岩井小百合の黴取りを行なった。レコードを内袋に入ったままそっと台所へ運んだ。内袋からレコードを少しずつ出してゆくと、内袋の黴とレコードに転移した黴(内袋は半透明だから見える)がずれてゆくので、どこに転移したかがわかりやすい。片面のほぼ半周にわたり、内袋の奥側の縁に近い部分におびただしい黴があり、一部はそのままレコードに転移、他も量は少なくても転移してた。内袋から出した後で反対側つまり内袋の口側に相当する部分にも盤上に一箇所黴の集落を発見した。これはもう洗うしかないと思った。水道の蛇口からある程度細く水を出し、盤を傾けて黴に水を当て、音溝に沿って指で軽くこすると、黴はあっけなく取れた。しかし今濡らした所の雫を取らずに別方向へ盤を傾けるとレーベルを濡らしてしまう。そこでデジタル化作業用に取っておいた布(ハンカチ)(※)を持ってきて雫を吸わせた。こうして盤の4分の1ずつ水で洗った。盤の反対面は目立った黴に気づかなかったが、同じ内袋に入っていたのだからここまで来たら洗う。同様に4分の1ずつ洗い、雫をハンカチに吸わせては他の所を洗う。片面にハンカチ1枚ずつ使用。それから別の部屋へ移し、3枚目のハンカチを出して盤を両側から軽く押さえ、盤全体の水気を取る。それから、その部屋に仕舞っておいた湿式クリーナーを出す。盤は十分すぎるほど濡れているので本当は乾式クリーナーが良いが、それはデジタル化作業の部屋にある。それにまだ黴取りは完全でないかもしれないので、この湿式クリーナーを黴取り用として使う。湿式クリーナーで拭きまくる。そして盤を手に持ったまましばらく立って盤を乾かす。デジタル化作業の部屋は日当たりがよくせっかく乾燥しているので、そこへ洗った盤の湿気を可能な範囲で持ち込みたくない。それからデジタル化作業の部屋に行く。ここは乾燥しているので、残りの水分はすぐ蒸発するはずだ。たまたま南沙織とザ・リリーズの内袋を、黴は見えないが念のために替えたところだった。そこでその古い内袋にひとまず盤を保存する。なぜなら前述のとおり今はプレーヤーにザ・リリーズがかかっており、岩井小百合の古い内袋は黴だらけで使えるはずもないから。それに、私はまだカビ取りに不満があった。さらに最終段階としてスプレーをかけてクリーナーで拭いてからでないと新しい内袋には入れたくなかった。ザ・リリーズのデジタル化が終わってから岩井小百合を出し、レコードスプレーを軽くかける。スプレーの説明に防黴効果などまったく書かれていないが、現実に内袋の大量の黴が盤表面には転移せずに宙ぶらりんとなり、西部劇に出てくるカサカサの転がる草のようなコロコロ状態で(盤上に軽く付着しているが小さな塊となり、盤に根付いてはいない状態で)存在する事例があまたあり、防黴効果が推測される。スプレーの後は乾式クリーナーで拭く。これは演奏直前の塵取りと同時に、水洗い等の荒療治後に盤面を最終的に整える目的もあった。
レコードの黴がものすごかったので、ジャケット・歌詞カードのほうも身構えたが、こちらは何でもなかった。歌詞カードには一面にシミが付いているが、これは昔拭き取れるものを拭き取った後で、ティッシュでこすっても印刷のピンク色がティッシュに付いただけでシミに変わりはなかった。

※デジタル化作業用に取っておいた布(ハンカチ):
ハンカチを洗って干した後、使用前によく(できれば無茶苦茶すごく)振って塵や外干し独特の匂いの類を落とし使用する。使用目的はたとえば、テーブル上で歌詞カード等の黴をこすり取った後に念のためテーブルを拭く。あるいは、4時間も作業すると指に皮脂が出てくるので、レコードを再びごみ出し袋(レコード5枚ないし12枚をジャンルごとにまとめて包んでいる)に入れるさいに素手でジャケットを掴むかわりにハンカチごしに掴む(※※)。なぜなら、その時には何でもないようでも、皮脂が紙に付いていると数十年後に指紋として浮かび上がってくることがあるから。

※※素手でジャケットを掴むかわりにハンカチごしに掴む:
ただしレコード本体はどんな時も素手で扱う。人間の手は最高のマニピュレーター。布や手袋ごしに大切なものを繊細に扱うことは不可能。

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