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レコード音声のデジタル化 個人的記録 (8) [  レコード(補完計画)]

カビの逆襲と、早くも機器の不調
またの名を
人生は絶対にドラマよりもドラマチックだの巻

石野真子LP「私のしあわせ」。これが、「私のふしあわせ」になっていた。

レコード内袋の中にたくさんのカビ。レコード自体にもそこから転移して両面に1か所ずつカビが集落を作っていた。記録を更新し、これが最大のカビ被害を受けたレコードとなる。

以前の記事に、私は大昔の水被害とカビ・シミ被害の後、後悔してすべてのレコードにスプレーをかけてクリーナーできれいに拭いたと書いた。私はそう信じているのだが、こうなるとどうも自信がなくなってきた。ひとつ覚えているのは、秋葉原の石丸かどこかでレコード内袋を買ってきたのだが(その頃はまだネット通販は存在しなかった)、それが足りなくなるのを恐れて一部のレコードは内袋を交換しなかった。目で見てカビの被害がわからない袋を交換しなかったにちがいないが、それは間違いだった。今回カビが生えていた内袋の多くは、レコードに元から付いてきた内袋だ。これは水被害のさいに、目には見えなくてもカビが発生していたのだろう。そんでもってこの数十年の間にカビはすくすくと成長してしまったのだ。

私はもうなんというか頭くらくらしてもうどうしよう何だかもうどうしたらいいの。

「はい、今日もカビさんとこんにちはですよー。」やっぱり私のレコードデジタル化はそういうものなのかなあ。

伊藤つかさLP「タッチ」。ちょっとタッチしたくない状態になっていた。内袋の端っこにカビ多数。レコード自体にも1か所それが転移していた。

今日はそれで終わらなかった。香坂みゆきLP「KIRARI」。え、そんなの知らない?「愛よおやすみ」が入ってるやつと言ったら何となくわかってもらえるかな。これはカビは関係しない。ところが、ところがだ!デジタル化途中にヘッドホンでモニターしたら変なんだ。左が聞こえない。たまげたよ。それで、SoundEngine Freeでwavの振幅を見てみたら、最初は左右とも音が出ている。それが途中まで来ると、左の音が勝手にフェードアウト。それ以後は右だけが鳴っている状態なんだ。

Side 1をデジタル化した時がその状態、次にSide 2をデジタル化した時もその状態だった。つまり、音は出なくなってそのままではなく、次の面をかけた時にはまた出ている。それがまた、途中まで来ると聞こえなくなる。これって、どういう状況なんだろう。

レコードからPCまで、音の経路をたどってみた。

レコードが変になったのか?違う。後で書くが、最終的に左が小さくならずに鳴る状態になった。もしもレコードの溝が変ならば、音は直らないはず。

レコード針が変になったのか?違う。針がひん曲がったのなら、それ以後左の音は常に聞こえないはずだが、実際にはまた聞こえるようになった。

プレーヤーのカートリッジから電気回路を通って出力までの間の故障。これは可能性としてありうる。

ただしコードの断線の可能性は低い。もしそうなら、コードをまったく触らない状態でレコードの冒頭再生時には聞こえ、途中から聞こえなくなり、裏面を再生しはじめたらまた聞こえるという症状にはならないだろう。

だから可能性は、

プレーヤーの電気回路の故障

フォノイコライザの故障

PCの音声キャプチャボードの故障

の3つに限られると思う。私は原因を特定するためのテストを始めた。レコードを演奏し、左が聞こえなくなった時点で、プレーヤーの右出力をフォノイコライザの左入力に接続してみる。もしもフォノイコライザから先の経路(フォノイコライザかPC)に問題があれば、レコードの右の音を入力しようが何を入力しようがとにかくヘッドホンの左スピーカーが聞こえないはずだ。もしもプレーヤーに問題があれば、聞こえないのは常にレコードの左の音だから、ヘッドホンの左スピーカーからレコードの右の音が聞こえるはずだ。

結果は、なんと、今度は左の音がレコードの最後まで聞こえてしまった!これはある意味、ちょっと困る。なぜなら、原因を特定できないからだ。また問題が起きるまでデジタル化を続け、問題が起きた時点で行動に移るしかない。ところで、何かの機器に問題があるのは確実なのだから、私は今後、いつも音声が正常に伝わっているかどうかを気にしなければならない。

もしも故障機器が特定できればそれを修理に出したり使わないようにしたりすれば問題解決だが、今はそれができないというわけだ。次に異常が見つかるまで、ずっと気にしながらデジタル化を続けるしかない。

ここから先はかなりの量の推測を含むので、これを読んだ人はけっして早とちりしてはいけない。

私はこう考えた。レコードのSide 1とSide 2の2回、左音声に異常が出た。その次にSide 2をもう一度かけてみたら、今度は異常が出なかった。異常が出た時の条件と、出なかった時の条件の間に違いはないか。もしも違いがあれば、それが今のところもっとも怪しい。

プレーヤーは、毎回同じ手順で操作している。違いはない。PCも同じ手順で操作している。違いはない。フォノイコライザは、違いがあった。

私は端子類に埃と湿気が付くと埃が湿気を吸って錆の原因になることを知っており、逆に埃を付けなければ(湿気は天気の良い日にはなくなるので)錆は出にくいことも知っている。そこで、フォノイコライザの端子部分を先日、紙で覆った。もうひとつあって、このフォノイコライザを買ってから今までは端子部分を覆っていなかったから、応急処置としてこのフォノイコライザが入っていた箱をバラし、その一部を上に載せていた。本当ならば端子部分を紙で覆った時点でこの上に載せた箱は不要になったのだが、せっかく適切な大きさに鋏で切って作ったので捨てるのももったいなく、何となくそのまま載せていた。

上記の左音声不良が出た直後、私は焦りながらもとっさにこのフォノイコライザの覆いが頭をよぎった。私が余計なことをしたせいで故障したのだろうか、と。たかがイコライザだからたいした発熱量ではないと思っていたが、ひょっとして載せたり覆ったりしたせいで熱がこもったのか、と。それで、2回の音声異常の後、とにかくこの載せたり覆ったりしているものを取った。それが、私の手で行なった「音声異常時とその後で直った時との唯一の違い」だ。

もちろんこれだけでは何も断定できない。かといって、もう一度覆いをして壊れるかどうかテストするなどという酔狂なことをしたいとは思わない。なぜなら、私のもっとも重要な目的は「レコードのデジタル化」であり、さらに言えば「寒い冬を目前にして1日でも早くデジタル化を終わらせること」であり、「原因を究明すること」がもっとも重要な目的ではないからだ。

とにかく慎重にデジタル化を進め、こんど異常が起きた時点で対処する。それが私の選択した道だ。

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