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レコード音声のデジタル化 個人的記録 (4) [  レコード(補完計画)]

前回まで立派そうにレコードのデジタル化記事を書いていた私が、一気に落ちぶれてこんなになりました、みたいな今回の記事。

目次
第1部 平静を装い報告する私
第2部 ヴィヴァルディのカビ!環境破壊デスラー砲発射!とんがり帽子のメモル・カビのおうち!


第1部 平静を装い報告する私

いつかの記事に書いたと思うが、私がレコードを扱っていたのはおもに成人前だ。成人する頃にはむしろレコードを扱わなくなったと思う。メディアがレコードからCDへと変わって行っただけでなく、私個人が音楽というものを聴かなくなった。

つまり、私がレコードという「CDよりもはるかに慎重に扱わなければ音質を保てないメディア」を好きだった時、私はその慎重さを持ち合わせていない若造だった。その結果、傷、ホコリ、ジャケットに液体をこぼすという様々なアホなことをやらかしたが、最悪だったのはレコード収納箱に湿気取りを入れたことだった。わざわざ湿気取りを入れたのだから、それまでに何か湿気関係でジャケットのシミとかレコードの黴とか、たった1枚だったとしても何か事情があったに違いない。

でもその結果、最悪カタストロフィーが起こった。これは私ひとりのせいじゃないと、私は主張する。湿気取りが悪い。だって、湿気を取ってくれるはずの湿気取りからよりによって水が滴り落ちるなんて、誰が思うだろう!

現実には数ヵ月後に湿気取りから水が出て、大事なジャケットは湿気を取るどころか水の被害に遭った!

それでどうなったかを書く前に、レコード収納箱の内部事情を書いておこう。このレコード収納箱は、完全密閉型ではない。それどころか、前面のガラス開き戸部分にはものすごく隙間が開き、箱の背部にも隙間があった。つまり、空気の流通をよくするタイプだ。それは巷で推奨されていることかもしれない。でも私という個人にはどうやら合わなかった。空気が入れば当然ホコリも入る。で、それを日曜ごとに掃除するか?成年前の、理性で生きているとは言えない子供が?いや、でも、ただホコリが入るだけならまだたいしたことではなかった。それに加えて私が良かれと思って入れた湿気取りから水が滴り、ホコリが積もった中に異常な湿度の湿気が入ってしまった。

結果は推して知るべし。レコードジャケットやその中に入っている解説紙が茶色いシミだらけに。

現在レコード自体にカビが見えない(例外1枚)のは、昔、少なくても10年くらい(たぶんそれ以上)前、レコードスプレーをかけては必死でこすり、全部のレコードのカビを取ったからだ。私は苦労した。

つ、つまり、私のレコードはシミだらけカビだらけで不思議でないのだった。

最初にデジタル化した冨田勲、次にデジタル化した初期タンジェリンがたまたまそういう被害の小さなレコードだったので、私は今回のレコードデジタル化が「清潔な作業」だと「大きな勘違い」をしてしまったようだ。

大昔の私の人生と一体だったレコード、そのレコードと数十年の時を経て今ふたたび「遊んでやる」、果たしてその結果はカビ!だったのか。たしかに子供時代の私は頻繁に掃除機をかけなかっただろうな。ホコリの多い部屋で平気でレコードを扱っていたかもしれん。そして例の湿気取り事件!昔の大事なレコード達と遊んでやるというのは、それは昔のカビとご対面でもある。



第2部 ヴィヴァルディのカビ!環境破壊デスラー砲発射!とんがり帽子のメモル・カビのおうち!

学校で音楽の時間に聴くから誰もが知っているヴィヴァルディの名曲、カビ!
もとい、四季っ!
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子供の頃、まだビデオテープなんてなかったから、好きなテレビ番組のレコードが発売されればそれは保存するための大事な手段だった。これはあの有名な、宇宙カビ戦艦やまと!
14万8千光年のカビを行く!
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このレコードは買った当時違和感なかったのかなぁ。今はなんか妙に感じる。本みたいに開くタイプのレコードジャケットなんだが、表紙は文字が横書きだから、左から見てゆこうとするんだ。ところが中は縦書きだから、右から見てゆく仕様なんだ。
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しかもっ!レコードジャケット開いた中にカラー紙が糊付けされているんだが、これが本のページみたいにめくるタイプじゃなくて横長のベロベローッと長い紙を折ってある。写真が撮りにくいったらない!
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このレコードについては、カビだけじゃなかった。内袋から出したレコードがバチバチッと静電気。今回のデジタル化でおよそ30枚目くらいにして、初めて静電気を帯びたレコードに遭遇。懐かしかったよ、そうそう、この静電気のとんでもない面倒さがレコードを嫌う要因だった。ベルベットのクリーナーでいくら拭いても、埃は盤上を移動するだけで取れやしない。このまま永遠にレコードを拭いてろってのか・・・という感じ。もう、どうしようもなかった。それで私はたまりかね、今まで使うつもりがなかった反社会的最終兵器を出すしかなかった。私だって極力環境汚染をしないつもりだった。でもこの静電気を今どうにかできるのは最終兵器だけだ!環境汚染デスラー砲発射用意。
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はっしゃ。

アニメ版宝島ヒット曲集はベンボーがカビだらけ!
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でも私はカビだらけベンボーよりも気になるものがある。そもそもこのレコードジャケットの絵を描いたのはどなた?アニメのスタッフとは別人の雇われ人だと思う。下の写真の右端、この服装で一本足で上にオウムが飛んでるからわかるが、顔だけ見せられたら誰だか絶対わからん。たしかに漫画絵で重要でない部分の細部を省略して描くのは一般的な技法だ。でもそれは時と場合による。主要人物が表紙に描かれていたら、これじゃいけないだろ。ジャケットを開いて中を見ても同様にこんな感じだ。大写しの所はちゃんと描いてるが・・・他は誰の顔だかわからない・・・。
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とんがり帽子のメモル・カビのおうち!

メモルは粘菌の上に座っている!え?タンポポの綿毛?そうなの?でも、カビのおうちは残念ながら本当だった。
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このレコードジャケットの中に、最悪最強のカビが潜んでいた!ジャケットから解説紙を引き出してみてぴっくり、ご覧のとおりに、すでに末期症状だ。
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ただ埃が付いて湿気を帯びただけでは、ここまでにはならない。これは、私が何かをこぼした跡だ。そのこぼした液体が水ではなく、何か栄養のある液体だったらしい。だからカビが繁殖した。メモルはぐちゃぐちゃにカビて死んだ。あのアニメ関係で、こんな壮絶な死を誰が予想しただろうか。私は精神的に打ちのめされて、これ以後のレコード作業ができなくなった。(だからこのブログ記事を書いているわけ。)

カビは解説紙の裏側はもちろんのこと、この解説紙が接していたジャケットとレコード内袋にもそれぞれ少しずつ転移していた。内袋は交換。ジャケットは捨てられない。この解説紙は、考えた末にビニールで包んで他と隔離し、保存した。
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