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第四の生き甲斐を探します130 [手記さまざま5]

Epson Scanに付いている「退色復元」という機能は、カラーネガをスキャンする際にたびたびお世話になる。

私はEpsonの技術関係者でないので、「退色復元」が何をやっているかの知識はない。

見た目の(主観的な)表現でよければ、私には次の三種類の変化が見えた。

黄色くなった画像の黄色味を抑える。

赤っぽくなった画像の赤みを抑える。

白っぽくなった画像を黒っぽくする。

ひとつの画像に三種類の変色を見たのでなく、画像によって変色のしかたが違った。そして「退色復元」は画像にどの変色があっても対応した。

しかし必ず最高の出来になるとは言えない。

黄色くなったネガは一番曲者で、コマの一部だけ黄色味が濃いことが多い。「退色復元」は領域全体を考慮して復元の度合いを決め、もっとも黄色味の強い部分は黄色味が残る。

最悪のネガは広範囲が黄色いだけでなく、画像のそこかしこに黄色い斑点が生じている。「退色復元」は領域全体を考慮して領域全体に効果を付加するので、斑点は除去しない。

赤っぽくなった画像は問題なく赤みが取れる。最初私はこの赤みをプレビューで見た時、サクラカラープリントのような青みよりも赤みが強い出来になるのかと勘違いした(昔ある本にサクラカラーとフジカラーのプリント比較が載っていた記憶に基づく)。ところがスキャンした画像を見たら、不自然に赤かった。

白っぽくなった画像は普通に補正されて黒っぽくなるが、ひとつ気になることがある。室内など全体が暗めの画像で、しかも雰囲気を鑑賞するのでなく家具の細部を拡大して見たい場合、黒つぶれを起こしていないかという心配だ。そういう時、私は退色復元なしでもスキャンし保存する。色は変なままだが、画像が暗くならないので細部が見やすい。

退色復元は古いネガに適用すると非常に多くの場合に見た目が改善するが、ごくたまに色が濃くなりすぎることがある。(逆に色が薄くなりすぎたこともあった。)その場合、退色復元なしで再スキャンしてみたら自然な色になった。

もっとも厄介なネガ、黄色く変色したネガの場合、どう頑張っても画像の中に黄色味がかった部分が残る。その黄色は、元の黄色の度合いにより、あまり気にならないこともあれば、とても目につくこともある。私は、「たまらなく黄色い部分を、元に近い色で見たい」という目的でいじる方法を見つけた。ただし写真全体を鑑賞するのではない。さっき書いた通り、たまらなく黄色い部分だけを見る方法なので、お間違いなく。

退色復元は、領域全体を考慮して復元の度合いを決める。ということは、すごく黄色い部分だけを手動で領域指定してやれば、写真全体を領域とした場合よりもはるかに黄色味は除去される。ただし領域指定した部分しかスキャンされないから、写真の一部しか見られない。

この方法で強い黄色味をしっかり消すには、領域を「黄色味がもっとも濃い部分」だけに極端に絞り込まなければならない。プレビュー画面に色の変化が反映するので、領域を少しずつ変えて試行錯誤する。

前述の黄色い斑点は、この方法でも取れない。

「画像の黄色味を抑えるならば、そんな領域指定をしなくても、高機能な画像編集ソフトで処理すればいい」とお考えの方はいるだろう。それは理論として合っているが、実際には黄色を抑えつつも必要な色は変にならない操作というのが、私のような素人にはとても難しい。ボタンひとつでそれなりの結果が出る退色復元は、素人には捨てがたい。