SSブログ

世界大怪獣カードの思い出 [  昔の本(補完計画)]

昭和ゴジラが恐怖の怪獣から子供たちのアイドルに変わった後で映画館へ行くようになった私は、それ以前の怪獣映画を後年のテレビ放送で知った。だからテレビ放送に出くわすまでは、知らなかった。でも、矛盾するようだが存在だけは知っていた。なぜなら子供向けの絵本等で出てきたから。ところが当時の絵本等はかなりいい加減なものだった。だから元の映画を知らずに絵本で出会った怪獣は、時としてまるで違う設定だ。例えばバラゴン。子供の頃、私は「世界大怪獣カード」というものを持っていた。カードの表には怪獣のカラーイラストが描かれ、裏には怪獣の解説と、ひょっとしたら映画からモノクロ写真がひとつ。少なくともモスラはそうだったのを覚えている。他の怪獣の中には映画化されていないもの(出所不明の怪獣)もあったから、裏にモノクロ写真のないカードもあったのだろう。で、バラゴンのカードの裏にはすごい解説が書いてあった。この怪獣は普段は地底にいるが、地上に出て太陽光線を浴びると無限に巨大化し続ける、と。私は「すごい怪獣だなあ。人間はバラゴンを早く倒さないと超巨大になって倒せなくなってしまう」と思った。それから月日が過ぎた。テレビでフランケンシュタイン対バラゴンを放送したか、それともレンタルビデオ店が登場する時代になったか、とにかく私はバラゴンを映画で見る機会を得た。暗闇に光る角。今は夜だが、バラゴンが昼間に地上に現れたら大変だ。巨大化するぞ。映画を最後まで見た。巨大化しなかった。それでもまだカードを半分信じていた私はこう思った。「僕が見たのはフランケンシュタイン対地底怪獣だから、2作目じゃないか。地底怪獣バラゴンという1作目がきっとあるんだ。」その後、この歳になるまで、そんな1作目の話をついぞ聞かない。

とはいえ、間違いだらけながらもこのカードは役に立った。「空の大怪獣ラドン」や「モスラ」がテレビ放送またはレンタルビデオ店に出るより前に、私はこのカードで知ることができた。「人類SOS!」(トリフィド)に至っては、このカードがなければ私は存在すら知らずに終わっただろう。ミイラのことを英語でマミイというのを知ったのもこのカードが発端だ。

有り難いことに、この大昔のカードを今でも持っている方が、画像をネットにUPしてくださっている。でもカードの表の画像はあっても、裏の画像はなかなかない。だから上記バラゴンの件でどこまで私の記憶が合っているかを確かめるすべはない。それでも私は、自分の記憶にあるものを懐かしみたい。モスラのカードにはモノクロ写真があったと上に書いた。たしか、繭からモスラが飛び立つ所だった。でも写真が小さいか不鮮明かで、細部はよく見えなかった。モスラの眼と顔の模様が、私にはアルファベットの「CV」のように見えたのを覚えている。映画からそういう場面を探して、カードと同じようにモノクロにしてみた。このシーンだったような気がする。
モスラ.jpg

ラドンのモノクロ写真は、次の2つのシーンのどちらかだった。1番目のシーンはラドンの背中から翼にかけての滑らかな線が印象的で覚えている。2番目のシーンはラドンの足が片方しか見えなくて変なのを覚えている。
ラドン2.jpg
ラドン1.jpg

コメント(0) 

コメント 0

コメントの受付は締め切りました