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【学生・教員用】自分が所属する私立大学の危険度を、こんな所から考える [非常勤講師外伝]

キャンパスに人が少なくなった(危険度1)
ある教科を担当する教員が頻繁に変わる(危険度1)
学校が知られたくない内情を学生が知っている(危険度2)
学食の献立が去年に比べて貧弱になった(危険度3)


キャンパスに人が少なくなった(危険度1)
キャンパスで見かける学生が去年より明らかに少なくなったという事は、新入生が明らかに少なかったか、2年生以上に休学者・退学者が多かったか、いずれにしても学生総数の減少を反映している可能性が高い。とはいえ、今どき多くの大学は学生数の減少に苦しんでいるはずだから、これだけでその大学が他と比べて悪いとは言えない。だから危険度は1。

ある教科を担当する教員が頻繁に変わる(危険度1)
専任教員でも時には解雇されるが、それよりも頻繁に解雇されるのはもちろん非常勤教員だ。また、解雇されずとも自分から事情により辞めてゆく非常勤も多い。教員が頻繁に変わるというのは、必ずしも解雇されたのではなく、自分から辞めていった教員も多くいる。では何が問題なのか。解雇にせよみずから辞めるにせよ、教員が頻繁に変わるという事は、教員が愛校心や忠誠心をもつ暇がない。そういうシステムを容認している学校も、非常勤にそれほどの愛校心や忠誠心を求めていない事になる。即戦力の外人部隊として非常勤を雇っている事になる。そして学生に授業で毎日接している教員は、その愛校心も忠誠心もない外人部隊なのだ。雇われたからにはどの非常勤講師も普通に授業をするとは思う。さて、講師がどこまでの情熱と努力をもって学生に接してくれるかは、その講師次第だ。少なくとも学校はそれを要求していない。毎日学生に接する教員を「育成」する気のない学校に、学生を「育成」する事ができるのだろうか。私は本当は、これを危険度2にしたい。でも日本中の大学はどこもこの程度かもしれない。これだけでその大学が他と比べて悪いとは言えない。だから危険度は1としよう。

学校が知られたくない内情を学生が知っている(危険度2)
大人にはいわゆる大人の事情がある。外に対して透明性をアピールしながらも、実際には全てを透明にする事はできない。たとえば、その年の入学者数が定員割れを生じた場合、学校はそれを教員には話し、今後一丸となって次年度新入生の獲得に一層努力するべしと発破をかけるだろう。でも部外者には絶対に漏らさないようにと念を押すはずだ。ここで明記しておくが、定員割れ自体は危険度2ではない。今どき、残念ながら少子化で定員割れを生じる大学は少なくなく、これだけで当該の大学が他と比べて悪いとは言えない。そこを間違えないでほしい。問題は、その外部に知られたくない内情を学生が知っているという事のほうだ。学生が知れば、親が知る。親が知れば、口コミで外部に漏れる。普通、教員は学校の良くない内情を学生に話さない。しかし現に学生がそれを知っているという事は、教員の誰かが話したという事だ。これはいわば自分の所属する職場への裏切り行為だ。その結果、当該の大学はあまりにも透明性が高く、悪い噂まで外部に筒抜けとなり、残念ながら次年度の入学希望者は減るだろう。なお、これを読んだ教員の方のためにもう少し書きたい。学校の内情を学生が知っているかどうかが、どうして教員にわかるのか。まさか学生に向かって、「君たちは学校が知られたくない内情を知っていますか」と質問する馬鹿な教員はいない。可能性は2つあり、どちらも偶然にわかったにすぎない。まず、授業の終了後、教師が授業の後片付けをして教室を去るまでの間に、学生の一部が教室に残って雑談する事がある。教師から離れた場所で雑談しているが、大きな声で喋れば教師にも聞こえる。そしておしゃべり好きな女子学生の口から、偶然に学校の内情が飛び出して教師がびっくりし、聞かなかったふりをして教室を去る事がある。2つめの可能性は、掃除に雇われている方、とくにおしゃべり好きのおばさんと話をする場合。これも、学校の内情に関係する話は普通しない。本当に偶然に相手の口から飛び出す。そして、掃除のおばさんをあなどってはいけない。教師以上に色々知っている。今年の新入生が何人だとか、4年生が何人退学したとか、どうして掃除のおばさんが知ってるんだと思う事がその口から飛び出す。そしておばさんはこう言うのだ。「学生から聞いたんだけどね。」

学食の献立が去年に比べて貧弱になった(危険度3)
たとえば、去年はゆで卵1個をトッピングしていた料理が、今年は半分に切って2分の1個になっている、という例だとわかりやすい。それを初めて見た時、学生は一瞬「あれ?今までと違う」と思うだろうが、たいした事じゃないと考えてすぐに忘れるだろう。しかし、日常のほんのわずかな違和感は、実は多くの場合裏に何かがある。学食は、巷のレストランよりもずっと安い。学生のために価格を安く設定しているのだが、それではなぜ安くできるのか。それは学校から補助が出るからだ。学食は学校に雇われた誰かが運営しており、そこに学校が補助金を出して料理の価格を低く抑えている。その学食が料理を貧弱にしたのはなぜか。何の問題もなければ去年と同じにすればいい。料理が変わったのは、何かがあったからだ。何かとは、資金繰りが苦しくなったからと考えるのが普通だ。学食だから、料理の値段を上げられない。となれば、料理の中身を減らすしかない。ではどうして資金繰りが苦しくなったのか。まず考えられるのは、学校からの補助が少なくなった事だ。絶対にそうだとは言い切れないが、いずれにしても学校の状態が、学生への待遇にまで影響を及ぼし始めているのは事実だ。本来学校が万全のサービスを考えるはずの学生にまで皺寄せが来ている。学校がそこまで困っていると見るべきだ。

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