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VHSビデオのデジタル化・その後 [  VHSビデオ(補完計画)]

VHSビデオのデジタル化・その後
テレシネによるカクカクをチェックする

大昔のVHSビデオテープを再生してはPC用にAVIまたはMP4にした事は何か月か前の記事に書いた。その作業はとっくに終わり、膨大な量の動画がPCのハードディスク内に出来た。本来ならばそれでこの件は終わりになるはずだ。しかし私に知識が欠けていたせいで、ほとんどのVHSをテレシネのチェックなしでフレームレートの変更なくそのままAVIまたはMP4にしてしまった。テレシネの事を知ったのは作業の終盤になってからだった!

私は、ハードディスク内に作った動画に不都合がないかどうかチェックする事にした。しかし全部をチェックするのはあまりに大変、動画の総数は二百を超えると思う。そこで、妥協策としてアニメだけをチェックする事にした。実写でもテレシネ部分をPCで見てカクカクする事はあるが、アニメと比べて目立たない、あるいはわからない事がとても多いというのが私の個人的な経験だ。アニメのほうはパンやティルトで目立つ事がとても多いと言い換えてもいい。

アニメに限ってもハードディスク内の動画はおよそ百ある。私はそれをひとつひとつチェックした。その結果、技術的な裏付けはないが私のチェック結果として次の事がわかった。

元がテレシネしてあると思われる動画の多くは、意外にもパンやティルトでのカクカクが思ったほどひどくなかった。完全に滑らかではないが、はっきりしたカクカクでもなく、見ていて許容できる動きのものが多かった。

これを読んで「そんな馬鹿な」と思う方もいらっしゃるだろう。私もこれで終わらせるつもりはなく、それではなぜカクカクが目立たないのか、あるいは、どんな動画ならカクカクが目立たないのかを考えた。

動画によってカクカクが抑えられているものと、明らかにカクカクして再エンコードしたいと思うものがあった。どんな動画でカクカクが抑えられているか、まずは私なりに動画と処理の特徴を列挙した。

1.大昔のアナログ時代の地上波をVHS3倍モードで録画したものの多くでカクカクが目立たない。いっぽうデジタル時代になってからの放送をDVD-Rに録画したもの(昔のスカパーチューナー使用)はカクカクが許容できないほどはっきり見えた。映像が鮮明なぶんだけカクカクも鮮明なのだろうか。理由は判明していないが、実際の結果は上記のとおりだ。

2.動画の多くはx264エンコードをしたが、それは影響しているだろうか。これについては実験をしなければわからない。x264エンコードはデータの非可逆圧縮時に前後のフレームを参照するそうで、qualityが低いほど細部の表現が曖昧になるのもわかっているので、それでひょっとしてカクカクが少し抑えられたのだろうかと私が推測したに過ぎない。

3.AviUtlのノイズ除去(時間軸)フィルターの使用。このフィルターの動作を考えれば、フィルターを強くかけるほどカクカクは目立たなくなると思われる。

後から何度も考えた結果、3のノイズ除去(時間軸)フィルターの影響が一番ありそうだ。1のVHS3倍モード録画がカクカクしないというのは、ひょっとすると映像にノイズが多すぎてノイズ除去(時間軸)フィルターをかけたからという可能性がある。後の時代のDVD-R録画はノイズ除去フィルターをかける必要がなかった。2のx264エンコードについては、VHS3倍モード録画もDVD-R録画もx264エンコードしており、それでVHS3倍モード録画だけがカクカク軽減されているから、影響は仮にあるとしても小さいか。

いずれにせよ、ある条件を満たしてエンコードした動画は逆テレシネを怠っても許容範囲内の映像になる。パンの部分がほとんどカクカクと表現する必要のない、ただ「完全に滑らかではない」という程度の動きになる。もちろん元動画が手元にあり簡単に再エンコード作業が行えるのならば、逆テレシネして再エンコードしたほうが元動画に忠実な出来になるのは言うまでもない。ただ実際には、再エンコードの手間が相当大変な動画もある。元VHSが容易に出してこられないとか、全話収録してあるので6時間テープを3巻再生しなければならないとか、数多くのCMカットや編集の努力をして初めて出来たPC用動画だとか。

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