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無題 [非常勤講師外伝]

1月4日の記事で一睡もできなかったと書いたが、それがいまだに良くない。ひとことで表現するなら、気持ちを制御できずに明るくなったり暗くなったりする。

11日の朝は、久しぶりに晴れ晴れとした気分だった。今までの不安が小さくなって消えたように思えて、「そうだ、人生こんな気分で生きなきゃ意味がない」と思った。ところが職場へ行き、お世話になっている先輩に会って話を聞くうちに心境が変わった。話の内容は私のリストラ通告の経緯とその後の展開についてで、おおまかな所はすでに私も知っていたし、現在の状況についても先に雇用者側から電話があって知っていた。すでに知っている話を聞いただけだから、本来ならば私の心境は変化する必要がないはずだった。ところが人から改めて聞くと、私は改めて収入減を再認識したかのように落ち込んだ。

「その後の展開」というのは、以前のリストラ通告の記事に書いた職場への私の要望というのがあったが、それが通ったという話で、とにかく来年度つまり4月からの1年間は1コマだけ授業をできるというものだ。以前の記事に書いたとおり、これが現状での最善だと私は思っている。この職場の給与は大学の非常勤給与の中では少なく、1コマ分の年収は20万あまりだ。念のために書くが、これは月収ではなく年収だ。これだけで生きられるわけもなく、とにかく職場とのつながりを少し延ばせたというのが本当の意味での成果だ。そう考えると私が不安になり落ち込むのも当たり前といえる。

それで今の私の問題はというと、思考が切れ切れになっているということだ。その時目の前にある対象にたいしてはいっしょうけんめい対応しているが、ちょっとでも過去の事になると思考の糸がつながっていない。具体的に書いたほうがわかりやすい。私は、先に触れたお世話になっている先輩に会ったら真っ先にお礼を言わなければいけなかった。あらかじめ手紙を出した時も、お会いして改めてお礼申し上げますと書いた。その後、突然あの1月4日の記事の精神状態になって一睡もできなくなり、その時点でどうやら思考の糸が切れた。それで、先輩に会ったはいいがお礼を言わずに出てきてしまった。後から気づいて悔やんだ。

あまり悔やんだのでつい帰宅途中に酒を買いたくなった。ある店で、いちばん安い韓国産の第3のビールの箱を手に取った。特価四百何十円と書いてあった。だから私はレジで五百円玉を出して払おうとしたら、五百何十円ですと言われた。あ、足りなかった、と思ったその時点では、すでに特価四百何十円と書いてあった事の思考の糸は切れていた。五百何十円を払ったらおつりをくれる時に、なぜか今日だけレシートをくれなかった。それが気になった。帰宅してから思考がようやくまとまり、「やられた!」とわかった。

それから一晩寝て、朝になった。つまり今朝だ。私は土曜日曜と休んで月曜に仕事があると思い込んでいた。月曜は成人の日で全国的に休みだが、いまどきの大学は年間コマ数を確保するためによく授業を入れる。人から言われて予定表を見直したら、次の月曜は休みだった。あやうく知らずに出勤するところだった。

私は頭の切れるほうではないが、それにしてもひどい。自己分析するに、私の心には今「不安」と「恐怖」が前面にあって、その背後で日常の思考がいっしょうけんめい動いている。ただでさえ小さい私の頭の容量の多くを不安が占めているから、思考の糸がつながりにくい。目の前に人がいればいっしょうけんめい対処する。だがその時、他の思考や過去の記憶は糸が切れてつながっていない。

不安について書けば、酒は要注意だ。飲んでいる間は何もかも忘れて気分がいいが、問題は醒めてきた時だ。まだ何もかも忘れているが、しだいに正気に戻ってくる、その時に突然、えたいの知れない不安が襲ってくる。ここでの問題は、その不安が「えたいの知れない」ものだという事だ。収入が減るから不安だ、とか、人から傷つけられて心が苦しい、のような明確な対象がない。とらえどころのない不安。だからどう対処していいかわからない。半分はまだ酔っているから頭も回らない。ただ不安と恐怖だけが襲い続ける恐ろしい時間が続く。完全に醒めてしまえばこの状態はなくなる。ようするに、強い不安を抱えている時は、酒は注意しなければいけない。

私は今残念ながら上記のような精神状態にある。そこで、このブログ記事の中で私自身が苦しく思うものは削除するかもしれない。一番に白羽の矢が当たるのは谷山浩子の記事だ。前に書いたが、私はこの曲を聴いて自分の不安を勝手に増大させてしまった事があり、心が「もう聴いちゃ駄目だ」と叫んだ。それを押して記事にしたが、ここまで自分の心が弱くなると、「不安につながるものをひとつでも目の前から取り除きたい」という切実な衝動が起きることがある。

もともとネット上の情報はいつまであるかわからぬもの。もしも削除した時はご容赦願いたい。

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