SSブログ

無題 [非常勤講師外伝]

人生にはなぜか、運のいい時悪い時がある。それは多くの人が認めるだろう。科学的根拠のない運勢占いの類を除外しても、それでもなぜか幸運不運は確かに存在する。それは個人にだけでなく、個人の集まりである全体にもあてはまるかもしれない。

私の同僚のひとりが、このところずっと虚無感に囚われていたと言った。また別の同僚は、もう息切れがしそうだと言った。彼らが具体的にどんな事情で、何に対して虚無感や息切れを訴えているのかは知らない。わかるのはただ、それが仕事に関係する何かだという事だけだ。そして私も、彼らとは別の事情かもしれないが、私個人の事情で苦しい年末年始を過ごした。あまりの苦しさに、普段なら自制して書かないような記事を書いたりもした。そうやって何かに打ち込んでいないと、どうかなりそうだった。

自分がもっとも苦しかった時は気づかなかったが、いま考えると私も同僚もみな苦しんでいる実情には、偶然で片づけられない何かを感じる。私個人でなく、私を含む仕事仲間の集団に不運の時期が訪れているのではないか、と。それが仕事内容や給料の変化という物質的な事でなくても、精神的に追い込まれるだけで人は十分に不運になる。

こういう時の対処法はどうだっただろうか。私は今までの人生経験から考える。基本的には、ひたすら耐える。不運の波が去るまで耐える。それがどれだけ続くのかは不明だが、今感じているどん底感が一生続くわけではない。それを私は人生経験から知っている。そしてまた、自分の同僚たちも苦しんでいると知ったからには、そのことを常に思い出そう。辛いのは自分ひとりだと思わないことだ。
コメント(0)  トラックバック(0) 

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

トラックバック 0