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思考が噛み合わない時 [非常勤講師外伝]

今回の状態が数日前にご報告した苦しみと直接関係しているのかどうかは、何ともわからない。だから数日前の件とは切り離して書こうと思う。

昨日、私は思考が噛み合わなかった。それがどういうものだったのか。そういう時にどうすれば良いのか。自分のための備忘録として書くと同時に、他の講師の方にも参考にしていただければ、と思っている。

講師室でプリント枚数の確認をしたのに、いざ教室で配ると足りない。そういえば枚数の確認時に名簿を見ずに記憶を頼りにしたが、ちゃんと名簿を見るべき所でなぜかそれをしなくても良いと思い込んだ。そのせいで枚数を間違えたかと思いつつ、その時ハッとした。私は1年で配るべきプリントを2年で配ってしまったのだ。そりゃ枚数が合わないのが当たり前だ。これも、何の違和感もなくこのクラスでプリントを配るんだと思い込んだ。ようするにまるで駄目状態だった。

こう書くと、読者の方は授業そのものがカオスになったのかと思われるかもしれない。でも講師歴の長い方なら推測できるだろう。長年やっている授業内容は体に染みついており、たとえ眠りながらでも授業できそうなほど慣れている。問題は、クラス別に異なるプリントを配るとか突然の質問とか珍しい例文とか、その場その場で個別に対処しなければならないもの。そういう時に心身の状態が影響する。

今回の状態は、いわゆるボーッとしているのと行動結果は似ているが、中身は少し違う。何も考えずにボーッとしているわけではなく、本人は一生懸命だ。でも頭の中が噛み合っていない。ボーッとしているのならば、ハッと気づかされれば正気に戻るが、今回の状態は十二分に気をつけないとどうしようもない。これを直すには、とりあえず一晩ぐっすり眠ることだ。

でも始まってしまった授業を何とかする必要がある。一晩ぐっすり眠るのは間に合わない。昨日の私は、授業が進むうちにあることに気づいた。

その1、物理的に気をつけよ。「プリント枚数は足りているかな、ええとあのクラスは何人だから・・・」ちょっと待て。物理的に帳面を開け。物理的に目でクラス名を確認し、その人数を確認せよ。「授業中の時間配分。授業はあと何分くらいだろう。ええと、まあ適当で何とかなるだろう・・・」ちょっと待て。物理的に目で終業時刻を確認し、物理的に時計で現在時刻を確認せよ。思考が噛み合わないボケ状態では、その普段やっている単純な事が気をつけなければできなくなっている。

その2、自分が心から大事にしているものに打ち込むと、思考はまとまってくる。私の場合は教え子にどう教えるかということだ。教え子の状態は時により様々だ。やる気のある時、やる気のない時、前の授業で苦しめられた時、何かあったらしくてやたらとはしゃいでいる時。それを観察し、見て取り、やる気のある時にはどんどん進み、苦しんでいる時には楽しいものを見せたりやらせたりする。それが私の生きがいだ。そのために私は教え子に集中しなければならない。そして教え子のために考えなければならない。この思考、いや指向が、頭の中に一定の方向性を持たせる。頭の中のピントが合い、バラバラになっていた思考がまとまってくる。とはいえ、今の自分がボケボケ状態だということを忘れてはならない。あくまでも応急処置だ。今やっている授業で100%の力は出せないと思ったほうが良い。そして帰宅後にとにかく一晩ぐっすり眠ることだ。
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