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教員を増やした結果、泣くのは教員ではないか [非常勤講師外伝]

教員を増やした結果、泣くのは教員ではないか

最近よく、お上が教員を増やそうとしている話が聞かれます。ここで対象になっているのは小学校、中学校、せいぜい高校までで、私がいま勤めているのは大学だから、同じに考えることはできませんが、それでも気になることがあります。

うちの親が言いました。少子化で子供が少なくなっているのに教員ばかり増やして大丈夫なのかと。私も同意見です。ただ理論的にではなく、自分の体験と照らし合わせて危機感に近いものをもっています。

というのは、私の職場で以前に授業数を大幅に増やしたことがありました。それで教員が足りないと言って、新たに一人非常勤を雇いました。私は「今いる非常勤の仕事を増やしてくれれば良いのに」と思いましたが、それがないことも知っていました。学校は非常勤一人あたりの持ちコマ数を制限したがるのです。

でも私の心配は、実は他にありました。当時すでに少子化に向かっていたご時世で、「いずれ授業数はまた減るだろう。その時になって、増えた教員の分だけ私の持ちコマ数が減らされるんじゃないか。」果たしてその通りになりました。

経営の知識が何もない私にすら予測できた事を、学校は予測する気もなく愚行に及びました。組織とは時にそれほど馬鹿であり、それほど末端の者のことなど考えもしないのです。

あの時雇用された一人の教員、それは、これから教員免許を取る多くの人々と重なって見えます。お上は、今は大量雇用を促していますが、いざ現場で教員が余り、仕事が減らされて収入が極端に減った時には何もしてくれないでしょう。それを予測できずに金と時間をかけて教員免許を取ろうとしている人がかわいそうです。

そしてまた、満足に稼ぐこともできなくなって心のすさんだ教員から良い教育が生まれることはありません。

お上は、できれば教育改革の方法論を再検討してほしいです。


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