昔の映画探しは行き止まり (1)

ドラキュラ対フランケンシュタインで始まった、私の「昔の映画探しファイナル」。まだ記事にしていない死肉のダンスを経て、ついに行き止まりに達しました。行き止まりとは、変な表現をするとお思いでしょうが、どうして行き止まりなのかをこれから記録させていただきたいのです。長文は読みにくいので、一回に少しずつ進みます。

昔テレビで放送していた映画が、今ではたいてい昔の吹替つきでDVDかブルーレイになっています。私が調べて昔の吹替つきが見つからなかった映画は少なく、ホット・ロック、リップスティック、ビー玉殺人が見つかりません。逆に昔の吹替つきが出たのはカルト映画に至るまで豊富で、宇宙水爆戦、マニトウ、怪奇血のしたたる家、新悪魔の棲む家、挙げればキリがありません。

つづく

ドラキュラVSフランケンGO!GO! (7)

なんと、日本語吹替音声収録のドラキュラ対フランケンシュタインがレンタルビデオ屋にあることが判明した。まさかこんなのがレンタルされているとは夢にも思わず、レンタルを調べるという発想が私にはなかった。レンタルなら送料込みで数百円払って視聴できたのに、二千円近く払ってアマゾンで買ってしまったぞ。ガーン！　それなら、と思い、ドラキュラ対フランケンを調べるうちに思い当たった他のB級ホラーがレンタルされていないか調べたが、それは置いてない！　ガーン！

追伸
さっき気づいたが、このDVDは映像がわずかに縦長だ。冒頭近くの満月が、私のテレビでは少し縦長に見える。アメリカ版DVDは満月が真ん丸に見えるのに。

おわり

ドラキュラVSフランケンGO!GO! (6)

注文したDVDがものすごい早さで届いた。さすがアマゾン。でも、急がされる宅配屋さんが気の毒だ。パッケージは簡素。中に解説紙はない。表に「日本語吹替音声収録」と書いてある。これが大事。裏にはとても大きな字で「あらゆる点で完璧なカルト・ホラーの最高傑作」と書いてある。これを翻訳すると「あらゆるB級ホラーの中でもっともツッコミ所の多い話題性最多の迷作」という意味。再生してみた。パッケージと同じく中身も簡素。映像特典はない。もっとも、アメリカ版のように誰も見ないであろう超つまらない映像特典をこれでもかと付けられても、得した気分にはならない。レビューにあるようにオープニングのタイトルは省かれているが、そのかわりに音声にあった不快なブツッというノイズがきれいにクリーニングされている。映像も音声もきれいになって、それで吹替音声が付いているなら買いだ。

つづく

ドラキュラVSフランケンGO!GO! (5)

アマゾンのレビューには、アメリカ版との比較も書いてあった。まず画質が良いそうだ。英語版はアスペクト比4:3だが、吹替つきは16:9。16:9にするさいに上下を少しトリムしてあるそうで、その感じは私にはよくわかる。私が宇宙水爆戦のアメリカ版と吹替つきを買った時も、同じ事情だった。世の中がワイド画面になったからって、元々4:3の映像を無理やりそれに近づける必要はないと思うのだが。そしてオープニングのタイトルがカットされているそうだ。世の中ときどき、「なんでそうなるの？」と思うことがある。大人の事情だか権利者の事情だか、何かあるんだろうけど。

つづく

ドラキュラVSフランケンGO!GO! (4)

吹替つきDVDは安くて助かったが、アマゾンで送料無料にするには31円足りない！　他に買うものはないかと探す間、私は人々のレビューを見た。この映画はツッコミどころ満載だが、中でもダントツはフランケンシュタインの怪物。私はこれの顔を「潰れたジャガイモ」と表現するのだが、人によって表現は面白く異なる。ある方は踏まれた豆腐と表現し、別のある方は顔中に粘土を適当に盛りつけたと表現し、そしてまたある方は蚊に刺されたバカボンと表現する。私はこれらの表現を読むだけで、人々への愛着がモリモリと湧いてくる。

つづく

ドラキュラVSフランケンGO!GO! (3)

時の流れは傷ついた心を癒してくれる。私はいつしか、吹替つきDVDが出たことを忘れた。アメリカ版DVDを何年も見ない日々が続いたが、先日久しぶりに見た。アメリカ版はすごいDVDだ。何がすごいって、けなされ続けるB級映画のくせに映像特典がこれでもかと付いている。誰も見ないであろう、超つまらない映像特典が！　極めつけは、隠しコマンドで現れるNGシーン。このDVDの作者、完全に遊んでやがる。私はこのアメリカ版DVDを味わい尽くしてやろうと思った。そしてこの映画を久しぶりにネット検索し、吹替つきDVDが売られていたことを思い出した！

私は引っ越しで沢山のものを失い、生き甲斐を見失った所だった。新しい生き甲斐を探していた。何かを求め、得るには、投資が必要だ。何千円という金を払ってでも、吹替つきDVDを買うべきではないか。

つづく