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「学生時代」のピッチ調整の記録 [  カセットテープ(補完計画)]

数日前にペギー葉山の学生時代について記事を書いた。カセットテープ音声のピッチを調整したいが正しいピッチがわからないという内容だった。この記事に有難いコメントをいただき、私がネット検索時に見落としていた動画を教えていただいた。
https://www.youtube.com/watch?v=mKPK5rtplAs

今回の私はどこかで気を抜いてしまったらしい。実は他にも見落としていたものがある。「学生時代」は以前に一度調べた時に「調査済み」印を付けていた。それで今回気を抜いてしまったが、そんなことは言い訳にならない。自分が好きでやっている「補完計画」なのだ。カセットや録音曲を愛しているなら、全力で調べてやらなければいけない。

私は心を入れ替えて調べ直すことにした。前回の記事で試聴サイトが見つからなかったと書いたが、これも見落としだった。moraというミュージックストアがある。ここに「学生時代」が複数登録されていて、試聴できる。聞いてみると、全部同じキーだった。ところが少々厄介なことに、その音程が今回教えていただいた動画とは違っていた。ではこのmoraの試聴の音程が私のカセットテープ録音にもあてはまるのか? そう性急に結論付けてはいけない。いくつかのことを考える必要がある。

まず、moraの試聴で聴ける音は、それ自体のピッチは正しい。ここまでは真実だ。

ただし、私が前回の記事に書いたが、年月が過ぎて歌手の声のキーが変わることもある。そしてmoraのサイトにある「学生時代」は今回教えていただいた動画のバージョンでなく(伴奏が異なり)、後年のテイクと考えてまず間違いない。テイクが違うからキーが違うのかもしれない。年月が過ぎて歌のキーが変わる場合、ふつうは歌手が高い声を出せなくなってキーが低くなる。今回教えていただいた動画はどうやら最初のテイクで、キーが高い。moraの試聴はCDのタイトルが

ペギー葉山全曲集2013
夜明けのメロディー/学生時代/南国土佐を後にして~追悼記念盤
夢 わたしの旅~ペギー葉山 愛唱歌のすべてI オリジナル・ヒット、叙情歌篇+追悼ボーナスCD
夢 わたしの旅~ペギー葉山 愛唱歌のすべてII 洋楽&ポピュラー篇+追悼ボーナスCD

となっており、後年の全集や記念盤だ。そしてキーが低い。

ちなみに、今回教えていただいた動画がなぜ最初のテイクと思われるかといえば、それはこのサイト
http://blog.livedoor.jp/yousayplanet/archives/8848849.html
のレコード画像と説明文から、これが最初のテイクの再版と思われるからだ。仮に初版と再版が別テイクだとしても、二番目のテイクという最初期のものだ。同じテイク(同じ伴奏)の動画であるこれ
https://www.youtube.com/watch?v=UEnsPCL9bAY
に、「このレコードがオリジナルみたいですね。」とコメントしている方もいらっしゃる。そういうわけで最初のテイクと考えた。

だから、moraの試聴のピッチは正しいけれども、それが私のカセット録音にふさわしいとは断定できない。今回教えていただいた動画のピッチが正しく、それが私のカセット録音にふさわしいという可能性が依然として高い。なにしろ、同じテイク(同じ伴奏)だから音程は同じはずで、そして私のカセット録音のほうはピッチがてんであてにならないから。

話を先へ続ける前に、未調査のことを2つ書いておきたい。

moraの試聴のキーは、私の前回の記事に書いた動画
https://www.youtube.com/watch?v=VKySQYbPsRA
と同じだった。そしてこの動画が、第16回NHK紅白歌合戦かもしれない。もしそうなら、1965年の放送だ。「学生時代」が発表されたのが1964年で、1年しか違わない。年月が過ぎて歌手の声のキーが低くなったとは考えにくい。私自身が前回の記事に書いたが、ステージ歌唱はレコードとはキーを変えることもある。でも今回は、moraの試聴もこの動画と同じ音程だ。ひょっとしてこの音程が正しいのか?と考えたくもなる。

未調査の2つめ。試聴できるサイトを探して
http://www.billboard-japan.com/goods/detail/182966
も見つけた。でも試聴しようとしたら、「現在サービスをご利用いただけません」と出た。現在は無理でも将来利用できるのか、それとも過去には利用できたがもう二度と利用できないのか、それはわからない。

それでは話を先へ続けたい。どんな先があるのかというと、上に挙げたサイト
http://blog.livedoor.jp/yousayplanet/archives/8848849.html
に、初版と再版の長さが記されている。どちらも2分59秒だという。それならば、私のカセット録音の学生時代を正確に切り取ってwavファイルにし、それを2分59秒に伸縮したら、ほぼ正しいピッチということになるだろう。私はまずSoundEngine Freeにカセット録音のwavを読み込み、その中から学生時代の部分を切り出した。次にそれをビデオオーサリングソフトに読み込み、2分59秒にしようとした。

gakuseij1.jpg
ご覧のとおり、ビデオオーサリングソフトに読み込んだ。SoundEngine Freeでも音声の伸縮はできるが、きっとビデオオーサリングソフトのほうが操作が簡単だろうという考えだ。でも実は、SoundEngine Freeで音声を切り出した時点で私はある不安を抱いていた。その不安はビデオオーサリングソフトで表示しても同様なので、見てみよう。

gakuseij2.jpg
ここが音声の末尾だ。私の不安をあなたももうおわかりになっただろう。音声の長さが2分59秒よりも長かった。これを2分59秒にするということは・・・。

gakuseij3.jpg

ありえないピッチになっちゃった。なぜこうなったんだ。どこで間違ったのか。

私のカセット録音と同じ伴奏の動画がYouTubeにある。その動画に表示されるシングルレコードの歌詞カードの絵が、あるサイトの絵と同じで、それが最初のテイクの再版と解説されており、2分59秒だという。だから私のカセット録音を2分59秒に伸縮すれば、ましなピッチになるはずだった・・・。

もちろん、批判的に検証すれば、上の理論はあらゆる所に落とし穴がある。だからこそ結果が変になった。

ちょうど新年度の仕事が始まった所で偶然にも忙しく、私はひとまずここで作業を中断する必要がある。でも先日の気を抜いた自分よりは、ずいぶんましになった。ここまでの試行錯誤を記録して、休憩したい。では現時点での曲のピッチをどうするか。消去法で考えれば、

ありえないピッチになっちゃったのは、もちろん論外。

私のカセット録音のピッチのままというのは、前後の松田聖子や松任谷由実のピッチが合っていても、信用できない。他のテープからダビングした時に学生時代だけダビング機器が違ってテープ速度が異なることは、「多分そうなんじゃないか」という位の頻度でありうる。

moraの試聴の曲のキーは、後年のテイクだから私のカセット録音にあてはまると安易に考えてはいけない。

残ったのは2つ。第16回NHK紅白歌合戦かもしれないYouTube動画のキーと、私のカセット録音と伴奏が同じYouTube動画のキー。一方はステージ歌唱でステージ用のキーかもしれず、もう一方は私のカセット録音と同じレコードが元になっている可能性が高い。暫定的にでもピッチを決めておかねばならないならば、どちらを採るかは明白だろう。


追伸
Shazamに聞かせると、ペギー葉山の学生時代とは出るが具体的なバージョンやレコード/CDは不明。SoundHoundに聞かせたら、合致する曲が見つからなかった。

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