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個人的仏教探索 (4) [個人的仏教探索]

前回は高崎直道著「仏教入門」について書いたが、あれは私が本当に久しぶりに買った仏教の本だ。ここ10年以上の間何も買わなかったのではないだろうか。しかしそれ以前、つまり若い頃には、意欲的に本を買った時期があった。今日はその中から比較的小さな本(文庫本など)を列挙させていただきたい。

般若心経講義
高神覚昇著
角川文庫
昭和53年改版21版
小さい頃から般若心経だけは知っていた私にとって、その解説書はまず手に入れたいものだった。インターネット検索など存在しなかった昔の事ゆえ、この手の本はいつも書店に行って探した。カバーの折り返しには、「本書は戦前、ラジオを通じて放送された講義の筆録である」と書いてある。相当古い。というか古すぎる。しかし当時若すぎた私はそんな事も気づかずに後生大事に何度も読み返した。今でも読み返す事がある。最近読み返して気づいたが、心経の解説としては講義の最初のほうで既に言うべき事を言い終わってしまっていて、その後は著者の味わい深い蘊蓄が続く。それはそれで読んでいて味わえるのだが、経典の解説書を探すなら他の本も探したほうが良かったかもしれない。

礼拝聖典
意訳聖典刊行会著
百華苑
昭和49年改版
浄土真宗の在家信者用ポケットブックらしい。これは父が持っていたのか母が持っていたのか忘れたが、譲り受けたものだ。父も母も熱心な仏教徒というほどではない。

般若心経・金剛般若経
中村元・紀野一義訳注
岩波文庫
1986年第31刷
上に書いたとおり、書店にたびたび寄っては経典を探した。とはいえ当時の私は高価な本は買えず、手に入れられる範囲内で経典を集めた。ただ集めただけでなく、繰り返し読んだ。今も読み返している。実は私の仏教知識のほとんどは、これらの経典を繰り返し読んで知ったものだ。以下に続く数冊の文庫本も同様。

浄土三部経 上
中村元・早島鏡正・紀野一義訳注
岩波文庫
1985年第23刷

浄土三部経 下
中村元・早島鏡正・紀野一義訳注
岩波文庫
1986年第25刷

法華経 上
坂本幸男・岩本裕訳注
岩波文庫
1986年第26刷
岩本裕という人物の書いた本は買って後悔した。この「法華経」は経典の訳と解説なので問題ないが、この人物が自由に自己主張しながら物を書くととんでもない事になる。私はこの歳になるまで本を読んできて、これほど煮ても焼いても食えない本を書く人を他に知らない。今はそれを詳しく書くと本題から外れてしまうので割愛するが、いずれ詳しく書かねばならない。今はただ、「仏教入門」(中央公論社)や「日本仏教語辞典」(平凡社)を買ったら私のように後悔するぞとだけ予告しておきたい。

法華経 中
坂本幸男・岩本裕訳注
岩波文庫
1985年第23刷

法華経 下
坂本幸男・岩本裕訳注
岩波文庫
1986年第20刷

真理のことば・感興のことば
中村元訳
岩波文庫
1988年第18刷

ブッダのことば
中村元訳
岩波文庫
1989年第11刷

神々との対話
中村元訳
岩波文庫
1988年第2刷

悪魔との対話
中村元訳
岩波文庫
1989年第4刷

ブッダ最後の旅
中村元訳
岩波文庫
1993年第22刷

お経の話
渡辺照宏著
岩波新書
1985年第24刷
この本から私は華厳経、維摩経、勝鬘経などの存在を知り、実際に読んでみたくなった。また密教経典については簡単な記述だけしかなく、それゆえにもっと知りたくなった。

維摩経をよむ
菅沼晃著
NHKライブラリー
1999年第1刷
維摩経はそのストーリー性がとりわけユニークに思えたが、残念ながら当時私はまだ実際に経典を読む機会に恵まれなかった。そこでたまたま書店で見つけたこの本で、維摩経の内容を知ろうとした。

ヨーガの哲学
立川武蔵著
講談社現代新書
1988年第1刷
仏教の一部流派とおおいに関連のあるヨーガというものを知ろうとして買った。しかしクンダリニーが体内のチャクラを開いて上ってゆくという発想は、私には気持ち悪かった。

これらの本が、私が若いころに買った仏教関係の本のうち、文庫判または新書判のものだ。それより大型の本はまた別に紹介する。
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