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松尾和美のルンナ [  カセットテープ(補完計画)]

私のカセットテープ75番に不思議な歌が入っている。私は「なんだこの少女趣味な歌は」「そもそもルンナって誰なんだ」と思ったものだ。カセットテープ75番は、'83年アイドル曲に飽きて昔の歌も録音し始めた頃のテープだ。曲名は過去の調査で「白馬のルンナ」と判明した。でも、ルンナって馬なのか?歌詞の中では笑ったりかくれんぼしたりするんだぞ。1967年公開の「その人は昔」という映画の挿入歌だそうだ。舟木一夫か。この時代のものは、私は一部しか知らない。後年に「懐かしの」云々という番組で紹介された映像は覚えていることもあるが、そうでないと知らない。

こうして私は自分の知らない時代の歌に出会ったが、このあと事態はあらぬ方向へと、おそらくは望ましくない方向へと急展開を迎えた。

私はカセットテープ補完作業というものを行っているので、「白馬のルンナ」についても調べようとネット検索した。そうしたらなぜか妙なものがヒットした。「地球防衛少女イコちゃん2」という1988年のビデオ作品だ。この作品に「白馬ルンナ」という隊員が登場する。だから検索でヒットしたのだ。「地球防衛少女」の作者はなぜ今さら1967年の歌のタイトルを使ったのか。脚本の滝沢一穂は1964年生まれだ。「白馬のルンナ」に思い入れがあるにしては若すぎる。1988年に「地球防衛少女」を需要する若者達は、「白馬のルンナ」を知らないだろう。オマージュにしても、ピンと来ないのではないか。結局この疑問に答えは出なかった。

それから私は自分のカセットテープを聞き直して愕然とした。動画共有サイトの内藤洋子と声が全然違う。これはカヴァーなのか?さあ改めてネット検索だ。松尾和美という幾分演歌調の歌手が1983年にカヴァーしていることがわかった。しかしB面曲ということもありネット上に音声がない。このままではカセットの曲が松尾和美の歌かどうか確認できないと思っていた所に、かろうじて同じレコードのA面曲「釧路川」の試聴ができるサイトがあった。声を聞いてみたところ、どうやらカセットテープ録音はこの松尾和美の「白馬のルンナ」らしい。

なお、内藤洋子の(つまりオリジナルの)「白馬のルンナ」はネット上に複数ある。あるものは末尾がほんのわずかに切れ、別のあるものは末尾は切れていないがレベルが高い時にクリップする。

これだけ調べたのだから、カセットテープ補完作業はもう充分だろう。私は次の曲の補完作業へと進もう。

今日のUPは松尾和美の「白馬のルンナ」(内藤洋子のではない)。ネット上にはなかったし、B面曲だからCD化もされないだろう。今さら滅多に手に入らない、でもきっと誰も手に入れようと思わない曲。だって内藤洋子ではないから。1万人のうち1人くらいは聞きたいかもしれない。その1人のために。


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