SSブログ

幻の海老焼売を探して [手記さまざま2]

あれはもう1ヶ月くらい前のことだ。我が家の冷蔵庫に海老焼売があった。スーパーで買ったのか、生協で買ったのかもわからない。ちょっと迷ったが、その日はその焼売を食べることにした。

なぜちょっと迷ったのかというと、私は年をとったせいもあり、豚脂のきつい臭いが嫌になったから。若い頃、焼売は私の大好物だった。海老焼売、蟹焼売、巨大な焼売、昔懐かしい崎陽軒のシウマイ。どれも好きだった。ところが、ある時点から焼売にがっかりするようになった。大好きな焼売を蒸して喜んで食べ始めると、豚脂のきつい臭いに「こりゃたまらん」と思うようになった。それを繰り返すうちに、焼売の豚脂を警戒するようになってしまった。

話は冒頭に戻る。私は冷蔵庫にあった焼売を蒸しつつ、豚脂のきつい臭いを覚悟した。いざ食べてみると、なんと全然豚脂っぽくなかった。しかも具にはシャキシャキ感のある山芋か何かが入っており、焼売の頭にはごろっと一匹の海老が載っていた。私はこの焼売が大層気に入った。

ところが、もう商品名がわからない。ずっと焼売の豚脂にがっかりし続けてきた私は、まさか商品名を知りたくなるとは思わなかったから、蒸す時点で商品の外袋を鋏で切り刻んで棄ててしまっていた。

それから私の海老焼売探訪が始まった。スーパーで、生協のカタログで、たまたま遠出して寄った店で、これかと思う海老焼売を見つけると買って帰った。しかし、望みをかけて試食する度に

うっ、豚脂!

うっ、豚脂!

うっ、豚脂!

・・・。

いったい、あの海老焼売はどこで売っているのだろう。

今回紹介するのは確か4回目くらいの試食で、3回も「うっ、豚脂!」を繰り返してきた私はあまり期待していなかった。でも今回は良かった。買ったのは生協。繰り返しカタログの同じページに載る商品でなくカタログ冒頭にたまたま出ていた商品なので、また売り出されるかどうかはわからない。
shaomai_miseshoji.jpg

豚脂のきつい臭いがない。食べやすい。ちゃんと海老の味がする。ただし、ごろっとした大きめの海老の食感はなく、甘海老くらいのサイズの海老を具に混ぜている。前に私が食べた焼売のシャキシャキした食感はなく、別の商品だ。でも私の焼売探訪は 元々、豚脂がきつくない食べやすい焼売を見つけたのが発端だから、これでもいい。ごろっとした大きめの海老の食感がないことだけがマイナス要因だ。


コメント(0) 

コメント 0

コメントの受付は締め切りました