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高校と女子高生(4) 女子高生について [高校と女子高生]

(高校と女子高生(3)から続く)
閑話休題。得たものの2つ目に移ろう。2つ目のものは、女子大生からも得られるが女子高生のほうがもっと得られる。それは、人生の生き方だ。彼女たちは、じつに面白そうに生きている。ただ世間話をしているだけでも面白そうに話すが、何らかのアイテムを使うとすごく面白そうだ。学校指定のバッグに意味もなくぶら下がるマスコットに始まり、意味もなく犬の形をしたペンケース、意味もなく学校に持ってくる癒し系のビーズ入りクッション。次々に色々なものを持ってきては楽しんでいる。もちろん全部の女子高生がそうではない。教室にいる十数人ないし数十人のうち、限られた生徒だけだ。そういう生徒はクラスのムードメーカーになる。ある年には折鶴が流行った。ひょっとしたら病気で長期欠席中の生徒に千羽鶴を折ったのがきっかけだったかもしれない。その時、折鶴の一部を変形させて、鶴から細い昆虫のような足を2本生やして「鶴虫~」と言って遊んでいる生徒がいた。この鶴虫をいくつも作って、親鶴虫の上に子鶴虫を乗せて遊んでいた。ガニ股の昆虫足が出ているから、乗せると妙な形になって面白い。私が書くと、それがどうしたという書き方になってしまうかもしれないが、当時の私はすごく感心した。魅了された。遊びのセンスに。なんでかって?

私が生まれ育った時代は、日本国民がみんな真面目な時代だった。面白いとか楽しいではなく、真面目と勤勉が美徳とされ、遊びはつねにしいたげられていた。その中で育った私の世代の人間は、やたらと面白みがない。つまらない。真面目だけれども退屈な人間たちだ。私もその一人だし、自分の生き方になんの疑問も感じずに、真面目を美徳と思い込んで生きてきた。でも女子高生に出会って、私は目から鱗が落ちる思いをした。私は女子高生に授業を教えたが、同時に女子高生から生き方を教わった。人間は、遊ぶために存在すると思える一瞬があってもいいじゃないか。真面目すぎる私には、その生き方がうらやましかった。
(つづく)


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