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カセットテープ補完作業やっと再開 [  カセットテープ(補完計画)]

私はもともとパソコンで色々なデータを扱ったり音楽や映像のツールをいじったりするのが好きなので、行きがかりで始めたmp4テストに没頭してしまった。それで、ただでさえ停滞気味だったカセットテープ補完作業が完全に止まっていた。幸か不幸かmp4テストが失敗に終わり、失意のうちに私はカセットテープ補完作業へと戻ってきた。

作業中断の前は、あるラジオ番組で特集していたテレビドラマ主題歌集に入った所だった。作業再開後の最初の曲は、青い三角定規の「太陽がくれた季節」だ。この時代はたぶん青春ものドラマが人気だった時で、汗と涙の青春ドラマは、極端におとなしい子供だった私には少し合わなかった。たぶんこの曲やドラマは私自身が青春を生きた時期とも少しずれていたのだと思う。でも曲はよく知っていた。今回、この曲を補完することになり、補完作業の定番であるウィキペディアを見た。ウィキペディアを見れば、青い三角定規がこの曲で日本レコード大賞やNHK紅白に出場したことがわかり、ネット上のステージ動画を見る時の手助けになる。そこまでは良かったが、ウィキペディアの解説に思いもよらないことが書いてあった。

「尚、『くれた』が、ひらがな表記のため、『太陽が暮れた季節』と誤った解釈をされる事も多いようだが」(後略)

「青春は太陽が暮れた季節」だなんて、私は今まで考えたこともなかった。だってそれでは、汗と涙の青春ではなく、自殺系サイトの青春になってしまうではないか。私は太陽が暮れた青春を望まないが、ただこの時ハッと気づかされたことがある。

実は私は今まで、この曲のイメージが少し苦手だった。さっき書いたように私は汗と涙の青春に馴染むには、おとなしすぎたから。私が子供の頃はまだ人間の多様性を世間が認めておらず、男は男らしく、若者は青春時代らしく、そうでない人は引け目を感じる時代だった。少なくとも私はそう思って引け目を感じていた。でもそれが私が自分で作り出した思い込みだと気づかされた。青春は太陽が暮れた季節だという思いもよらない解釈が、ひとつの視点しか持たなかった私に「別の視点」を与えてくれた。

この曲を聴いて太陽が暮れちゃった人も沢山いる。人の生き方は様々で良いのだ。当時の青春イメージは、一部の人が勝手に作ったものだ。私が引け目を感じる必要などあるものか。

こんな風に、カセットテープ補完作業はただ曲を聴くだけの作業ではない。子供の頃の自分や、当時の世の中について、今までわからなかったことや知らなかったことが見えてくる。


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