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作品内在的鑑賞の後遺症 [  カセットテープ(補完計画)]

カセットテープが「こだわり録音」の時期に突入すると、私の鑑賞のしかたそのものがこだわりというか、変になってきた。それを私は後年になって、「作品内在的」鑑賞と名付けた。それ以前には、私は石野真子や伊藤つかさの歌を聴く時は真子ちゃんやつかさちゃんの歌として聴いていた。ところがこの時期に突入すると、あえてカセットインデックスに歌手名を残さなかった。それどころか曲名も書かなかった。曲そのものの「美」に全力で集中するためには、それ以外の影響は邪魔だと考えたのだろう。ステージで歌う歌手をテレビで見ることもなく、歌はFM放送から録音した。あまりにも徹底した「作品内在的」鑑賞の追求だった。その結果、カセット録音の直後は歌手名や曲名を覚えていただろうが、年月が経つうちに全て忘れた。それからさらに数十年が過ぎ、私はカセットテープ補完計画を始めた。すると、歌手名も曲名もわからないでは済まされなくなった。当時はスマホを持っていなかったのでShazamが使えず、おもに歌詞のネット検索で片っ端から歌手名と曲名を見つけていった。

だから、私は後年のネット検索で初めて歌手の顔を知ったり、どんな衣装・振り付けで歌っていたかを知ったり、どんな性格の人だったかを知ったりする。私はそういう珍しい人間で、これはそういう珍しいブログ記事だ。

カセットから出てきた曲をいちいち記事にするつもりはないが、とりわけ自分の無知にビックリした時には記事を書かせてもらうことにした。

坂上とし恵。「さかうえとしえ」と読む。この辺の知識は最初の「補完計画」の時に得ていた。「き・い・てMY LOVE」という不思議な歌がカセットに入っている。若い頃の私はこの歌を、穴のあいた傘をさして濡れないように歩く、非現実の不思議少女の歌だと思い込んでいた。それから数十年が経ち、「補完計画」の中で聴き直したら、これは自己主張の強すぎる付き合いにくい女の歌なのでは、と思えてきた。歌詞というのはそもそもフィクションだから、そこまで思う必要はなかったのかもしれないが。そして今回、「最後のカセットテープ補完計画」でウィキペディアを調べたら、歌ではなく歌手の情報だが、彼女はアイドル時代に気が強く、寮で恐れられていたと書いてある。さらにその後の彼女は、鬼嫁のはしりとされる存在だと書いてある。ひょっとして、私個人にとっては、作品内在的に不思議少女の歌だけ聴いていたほうが良かったかな。驚きは他にもあった。今回「き・い・てMY LOVE」をネット検索していたら、「校内写生」がヒットした。長年忘れていたが、はるか昔にそういう名前のアダルトOVAがあったのを思い出した。まさかと思いつつウィキペディアで調べたら、坂上とし恵が歌って喋っているらしい。さらに、シンデレラ・エクスプレスという弓月光原作のOVAがあり、そこでも坂上とし恵が歌って喋っているらしい。私の中の「き・い・てMY LOVE」のイメージまでもがずいぶん変わってしまいそうで困っている。

調べてよかったことも少しある。旧姓坂上とし恵さんの夫は野々村真氏だそうだ。世界ふしぎ発見を見る時に、注目する対象が増えた。

今日の記事はここまで。実は今日は腰の調子が心配なので、あまり補完作業ができない。どうしようかと思っている。


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