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親知らず (4) [その他の病気]

大学病院に行って来た。その記録を残したい。

私はバスの都合で50分も早く着いてしまった。どこで時間を調整しようかと思っていたが、その必要はなかった。先生に会う前にやる事がいろいろあった。まず1Fの受付で事情を話し、紹介状を見せ、紙をもらって氏名・住所・生年月日などを書いて出す。それから自分のカルテが作成されるまでしばらく待って、名前が呼ばれたら自分のカルテを受け取り、口腔外科の階へ行く。口腔外科の受付にカルテと紹介状を出して、問診票をもらい記入、提出。待合室にある血圧計で自分で血圧を測定し、出てきた紙を持っておく。これは後で呼ばれた時に出す。そのうちに名前を呼ばれたのでいよいよかと思ったら、今度はカルテを持って1Fまで行ってレントゲンを撮って来てほしいと言われた。なるほど納得。それで1Fへ行き当該の受付にカルテを出す。名前を呼ばれたら例の機械(頭の周りをぐるりと回るらしいが、私はいつも目をつぶっているので実は回っているかどうか知らない)でレントゲン撮影。レントゲン写真は茶封筒に入ってカルテと共に渡され、私はふたたび口腔外科の階へ。そこの受付に茶封筒とカルテを渡す。ちょっと待って名前が呼ばれ、これで初めて先生に会う。だから早く病院に着いても悪くない。

ここから先は、地元の歯科医も大学病院も患者の目から見た限りでは似た感じだった。通されて例の椅子に座る。歯科衛生士さん(と思われる方)に問診票を元に少し詳しく聞かれる。このへんの詳しさ・細かさは大学病院だからだ。それから少し待って先生がいらっしゃる。先生にも色々話した。その結果、今日のうちに親知らずを2本抜く事になった。もちろん強制ではない。最終的には自分で決めた。詳しく書こう。電話で予約した時点では、最初に病院に来た時はまだ抜かないと言われた。私も普通そうだろうと思った。それが、いざ病院に行って歯科衛生士さんと話すうちに、今日のうちに1本抜いておきますかと聞かれた。私はこの時点で、そういう選択肢もありなのかと初めて知った。改めて予約して来ると何日後だかわからない事だし、その選択肢にはメリットがあると思ったが、以前の記事に書いたとおり私は元気をなくしていたので自分で決められず、「先生にお任せします、よろしいようにしてください」と言った。それから先生と話すうちに、先生も今日のうちに右か左かどちらかを抜いておいたらどうでしょうと言った。実は何の事はない、私の臆病が見抜かれていて、後日抜く事にすると逃げるかもしれないと思われたからだ。そう、私なら逃げかねない。私は今日のうちに抜いてもらう事にした。それから私は色々な事を言った。数日前から親知らずとは違う歯が痛いのを気にしているとか。そういう、地元のかかりつけの歯科医に言うべき(地元の歯科医にも言ったのだが)事を大学病院に来て言うのは本来良くなかったかもしれないが、そのおかげで心配症の私は自分の歯について改めて聞き、認識し、安心する事ができた。大学病院の先生には迷惑かけたかもしれないが、感謝している。こうして、私の「なぜかここ数日痛い歯」はレントゲンで見る限り特に何もなく、もしも今後も痛いならば金属を取ってみて虫歯になっているかどうか調べるしかないと知った。もちろん私は金属を取ろうとは思わない。リストラの精神的なものが神経に影響している可能性、その精神が夜中の歯ぎしりにつながり神経を痛めた可能性などがあり、まだ様子を見るべき時だ。この歯の痛さが虫歯によるものでないならば、ようし、仮にこの歯で噛んで痛くても頑張ってやろうと思った。それで、この痛い歯とは反対側にある親知らず2本を抜いてもらう事にした。

処置の前に同意書を見せられ、ひととおり説明を受けた上で署名する。私は勝手に、この同意書は自分が先生を信頼するという証明だと思っている。ここで喜んで同意するのが大事だと思っている。ところで、抜歯の方法についていくつも項目がある。これをいちいち読むと逆に気になってしまう。切開を加えるとか、歯の周りの骨を削るとか。でも実際には下記のとおり、患者の感覚としては「横を向いた親知らず」も普通の抜歯と同様なので心配は不要だった。いつ切開したのかわからなくて最後に縫合しているなと気付いた時に初めて切開したらしいと知ったとか、そもそも骨って削ったのか最後までわからないとか。

横を向いて生えている親知らずをどうやって抜くのか。私は何か特別な事をするのかと思っていたが、患者の感覚では普通の歯を抜くのと同様だった。つまり、最初に消毒してから麻酔する。麻酔の針は痛くない。歯茎に麻酔した人ならご存知の通り、チクッとする程度だ。そして、処置全体の中で痛いと言えば唯一痛いのがこれだ。なにしろ後は麻酔が効いているから、感覚がない。すべてが「他人事」だ。顎は「他人の顎」だ。それが、私の正直な感覚だった。実際にどんな処置がなされたのかは見ていないから知らないが、後で抜いた歯を見たら頭がスパッと切れていた事だし、きっと根を引き抜くのに頭が邪魔ならばまず切り取るのだろう。それから根を引っこ抜く。どんな器具でどうやって抜くのかは見ていないから知らないが、患者の感覚的には普通の歯を抜くのと同じだった。地元の歯科医でなく大学病院でも、実際に歯を引っこ抜く時は「力技」らしい。力いっぱいメリメリと抜いているのがわかる。メリメリと書くと知らない人はびっくりするかもしれないが、何でもない。私が前に地元の歯科医で抜いてもらった歯は隣の歯と根の一部が癒着していて、先生には苦労させてしまったが、それを抜く時にメリメリと音がした。耳で聞く音というより顎の骨から伝わってくる音だ。麻酔が効いているから痛みは全然ないぞ。「他人の顎」だ。私はその時にメリメリを知っているから、これはもう全然怖くない。

処置後の出血が止まるのを待って状態を確認してから終わりになる。この、ある程度の出血が大事らしい。この血糊が傷口を塞いで感染を防ぐし、この血糊の所から後に骨が出来てゆくらしい。だから舌で触るなどして血糊が取れてしまうのは良くない。上の親知らずの根は鼻の所の骨の空洞に近く、抜いた時に空洞まで穴があく事がある。私も抜いた直後に鼻のほうに血が流れたらしい感覚があったので後で歯科衛生士さんに言ってみたが、小さい穴の場合は自然に塞がるそうだ。ただ、強く鼻をかむと時として穴が復活してしまうそうだ。しばらくは強い鼻かみ禁止だ。いっぽう下の親知らずの根の近くには神経が通っていて、抜いた時にこれを刺激して、時として一時的なしびれが残る事があるそうだ。このしびれは一時的だそうだ。

歯科衛生士さんによると、痛いのは処置当日よりも2日目、3日目だそうだ。それが7-10日くらいかけて治ってゆくそうだ。明日になってもしも痛くてブログ記事UPの気になれなかったら困るので、この記事は今日のうちにUPしておこう。

処置の翌日は紹介状の送り元である地元の歯医者で消毒らしい。私は地元の歯医者宛てに書状を預かった事もあり、帰宅途中に歯医者に寄ってそれを渡し、その時消毒の予約をした。今後はまた地元の歯医者で術後経過をみる事になる。完全に治るまでには2-3か月かかるそうだ。いつになるかは知らないが、地元の歯医者で術後の経過が良いと判断された時点で、私はもう1本の親知らずを抜くためにまた紹介状を持って大学病院に行く事になるらしい。

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