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高校と女子高生(2) 高校について [高校と女子高生]

(高校と女子高生(1)より続く)
学校には長い夏休み、短い冬休み、そして年度間の春休みがある。時間給の非常勤講師にとってはこれらの休みは無給休暇だが、これらのうち春休みは給料をもらえないのに拘束される。というのは、出席不足の生徒のためのレポート依頼、点数不足の生徒のための追試験作成依頼の電話が来る。そして学校によっては追試験監督のために学校へ行かなければならない。具体例を挙げよう。高校3年だけを担当すると授業そのものは2月半ばで終わるが、その後2月ちゅうにひとつの高校の追試、3月に入ってからもうひとつの高校の追試、という具合に飛び石的に仕事が入る。暗黙のうちに自宅待機を要求されているようなものだ。これがもし大学の非常勤ならば、低収入という条件は同じで、2月の初めから3月の終わりまでまるまる休みになる。自宅待機はないから、副収入を得るためにバイトを入れるも、自分の研究のために出かけるも、当人の思うままだ。

もうひとつの不満は、労働の大変さに比べて給料が安いことだ。同じ学校法人の大学と高校を担当すれば、同じ時間にたいして同額の給料が支払われる。ところが実際の授業は、90分の大学の授業よりも45分の高校の授業のほうがはるかに大変だ。高校は時間に几帳面で、しかもたった45分間で完結させねばならず、教え子はガキなので手取り足取り教えねばならず、その間に、そもそもお喋りすることしか考えていない生徒を注意しなければならない。いや、そもそも数十人のガキを相手にするという行為だけで、ものすごいパワーが要る。私はよく思ったものだ、高校の45分授業のために大学の90分授業以上の給金をくれ、と。そうでなければ労働力に釣り合わない。しかし実際には、高校の45分授業は大学の90分授業の半分の給金だ。

以上が、私が高校という職場から得たものだ。すべてをまとめて、一言で表現することができる。高校は、大学よりもずっと厄介な職場だ。
(つづく)


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