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夢十夜 第九夜 入れない便所 [手記さまざま]

夢を見た。私は何かの賭博場へ仲間と行く。そこは両国国技館ほども大きく、エスカレーターを上がって上のほうに広い入口がある。巨大なカジノみたいだ。中へ入ると大きくゴージャスなカウンターがあり人々が列をなして並んでいる。私はここへ来たのが初めてで、何のためのカウンターなのか、何のために人が並んでいるのか、そもそもここで何が始まるのか何も知らない。それなのに仲間とはぐれてひとりになってしまう。仲間を探すかと思えばそうでもなく、私は券を買おうとしている。馬券?いや馬は走らないようだが。宝くじ?まさか巨大な宝くじ売り場というわけでもあるまい。近くで並んでいる人々のうち、親切そうな大きなおじさんに聞いてみる。「初めてなんですけど、券はどこで買うんですか。」おじさんは指差しながら教えてくれる。私は指差すほうへ行く。巨大な建物の中は大きなホールになっていて、手前にエスカレーターか何かが私から見て横に突き出ている。その向こうにはもう一箇所突き出た所があり店員が何人か見える。私はそこを目指す。私の後ろで声が聞こえる。「初めての時はどこだかわかんないんだよな。」私が行こうとしている場所が間違っているというのか。さてその場所に着いた。そこは軽食店だった。券は売っていない。私は少し戻りながら探した。突き出した軽食店とエスカレーターの間、そのふたつに挟まれて引っ込んだ目立たない所に果たして券売り場はあった。パチンコの景品交換所のように目立たない。巨大な建物の中でなぜかその隅っこだけ雰囲気が違い、昭和時代の小さな木造映画館の窓口みたいだ。事実、上を見ると「なんとか座」という看板が半分以上エスカレーターのスチールに隠れているがなんとか見える。これはまるで、木が成長して大木になる過程で隣接した建造物を巻き込み取り込んで一体化する、あれのようだ。この場合、大木ではなく両国国技館ほどもある巨大なホールが小さな木造映画館を巻き込み取り込んでいる。そしてその映画館窓口が今ではここの目立たない券売り場として使われている。窓口にはおばさんがひとり座っている。私は言った。「初めてなんですけど、ここで券が買えますか。」おばさんは言った。「八千円までだよ。」なぜだか上限が決まっているらしい。しかも上限が妙に安い。「券は一枚いくらなんですか。」「二千円。」まあ無難な線だな。なぜだかそう思えた。私は六千円分の券を買い、それから便所を探した。場面は変わって少し暗く薄汚い所。私は便所のドアを開けて入り、閉めた。ところがそこには便器はなく、通路だ。通路はドアを入ってすぐ左へ続く。その先に個室があるらしい。ふと見ると今入ったドアに掛け金が付いている。個室でもないのに。まあ念のために掛け金をかけておく。それからコンクリートブロックの壁に挟まれた薄汚い通路を左へ行こうとする。するとそこは、なんか変だ。ほんの少し行った先が開けていて、どうやらその先に便器があるらしいのだが、その開けた部分への出口が妙に狭い。つまり、私が立っている場所から先へ進むにつれて通路はだんだん幅が狭くなり、いちばん先は人が出られないほど狭い隙間になっている。その狭い隙間から向こう側の便器があるらしい空間が少し見える。私はとにかく前へと歩く。すぐに両側の壁が肩にぶつかり行けなくなるが、体を横にしてすり抜けようとする。でもとても通れる隙間ではない。入れねえ、入れねえ、便所に入れねえ!
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姫川

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by 姫川 (2009-09-17 04:39) 

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