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白神山地・奥入瀬 [旅行 国内]

ここに紹介するのは、私が過去に体験した旅行の覚え書きです。これから旅する人の参考にしてもらうと同時に、ここに来てくれた人から私の知らない旅のオススメ情報をもらうのが目的です。

旅の感想は人それぞれに違うので、あなたが旅で良かったと思う所を私の覚え書きがけなすこともあるかもしれませんが、その時はどうかご勘弁ください。

**** 以下、白神山地・奥入瀬覚書 パッケージツアー 2002年 ****

まずは長距離バス旅行について書いておく。今回の旅行を決めるにあたり、いくつかのコースを検討した。あるコースは新幹線を使い早く目的地に着くが、料金が高く、集合・解散場所は東京となる。別のコースはバスを使い一日がかりで目的地に着くが、料金は安く、集合・解散場所は地元で良い。結局今回はバス旅行のコースにした。その結果、朝から夕方までまる一日バス車内に缶詰状態となり、体を動かせず退屈でとても辛かった。二時間おきのドライブインで何とか体をほぐし、また二時間は身動きのとれない状態が続く。今回の教訓は、長野までの旅行ならバスで可能だが、青森までのバス旅行はやめたほうがいいということだ。

かくして一日目は何も見所がなく終わるはずだったが、バスが道を間違えてとんでもない所へ入った。確かにホテルの幟はところどころに立っているのだが、どんどん山を上り、しまいには「この先4WD車以外注意」という看板が現れ、大型バスが通るべきでない細い急斜面の砂利道に入ってゆくではないか。これはどうにもものすごいホテルだぞと心配していると、道はついに下りになってしまった。山の上にあるはずだから下るはずはないというわけで細い山道を大型バスがバックしはじめた。我々は崖の下が見えない側に座っていたから心配が少なくて済んだが、崖側に座っていた人々はさぞ生きた心地がしなかっただろう。幸いにも崖から転落せずに少し戻ると横道があり、バスはそこを上り始めた。しかし私は気になることがあった。その横道の入り口には「採石許可証」などと書かれた立て札があって、どう見てもホテルへの入り口ではなかったからだ。それでもバスは上ってゆく。やがて大きく削られた山の斜面と砂利の山、石を運ぶベルトコンベアが見えてきた。おお、やはり採石場だ。初めのうちは不安がっていた乗客も、ここまで来るともう不安を通り越して笑えてくる。本日は採石場見学だ。こんな珍しい体験は滅多にない。写真も撮ってやれ。ところで、採石場の入り口付近で一度ガリッと変な音がした。道路に凹凸があってバスが下を擦ってしまったらしい。帰りはどうしようと困っているとブルドーザーの運ちゃんが親切にも砂を運んで道路をならしてくれた。ブルのでかいショベルを使ってちゃんと砂を平らにしてしている。おお、うまいうまい。また写真を撮ってやれ。かくしてバスは先ほどの道をさらにさらに先へと進む。行けども行けどもくねくねと山道は続き、とうとうゴルフ場の芝が見えてきた。やがてホテルに着いた。そしたらどうだ、ちゃんとした広い道がホテルの反対側にあるじゃないか。そりゃそうだよな、ホテルの正面へ続く道があんな採石場行きの砂利道のはずはないよな。この一件、どうやらホテル側が提供した地図に表道ではなく裏道のほうが記されていたらしい。ともかく、本来ならばひたすらバスの中で退屈するだけで終わるはずだった一日目は、迷子のおかげでちょっとだけ楽しくなった。

二日目はまず白神山地から。これは世界遺産になって知名度の上がった場所だが、世界遺産になる前はたいした観光地でもなかったらしく、道路が狭い。橋も狭い。そこを今では大型観光バスが無理して通るから、バスの運ちゃんは四苦八苦だ。バスターミナルに着いたら暗門の滝を目指してハイキング。沢沿いに歩くのだが、これが延々と続く。一時間近く歩いていいかげん疲れた後に第三の滝が姿を見せる。ここまでで終わり。本当は第二、第一の滝があるのだが、落石で通行止めだ。バスに戻った後で後ろの席の人が、これなら吹き割れの滝のほうが形が新鮮で面白かったと言っていたが、そう言われても仕方ない。もしも42メートルある第一の滝まで行けたならば感想も違ったかもしれないが。いずれにせよ白神山地のほんの入り口を見ただけで、世界遺産となったブナ原生林を体験したとは思われず、この観光コースは完全な名前負けだ。

次は八甲田ロープウェイ。八甲田山というのはたくさんの山の総称なのだそうだ。その中の田茂萢(たもやち)岳山頂までロープウェイが通り、山頂は小さな湿原を頂いた8の字型の遊歩道になっている。ロープウェイからは天気が良ければ遠く北海道まで見えるそうだが、この日は全天曇りだった。山頂はちょうど雲の中。真っ白だ。何も見えない。こりゃもう、どうしようもない。

三日目はまず朝早く起きてホテルを出て十和田湖畔まで歩く。十和田湖はカルデラ湖だそうだが、とても大きい。そして風景が良い。遊覧船や足こぎスワンがたくさん岸にあったが、早朝でこの手のものが稼動していなかったのが風景には幸いしたかもしれない。湖畔を乙女の像まで歩く。この二人向き合っている像の存在は私でも知っているほどだが、いざ行ってみると違和感がある。この乙女は良く言えばリアリティがあり、悪く言えば不細工だ。乙女の像というより、おかめの像という感じ。そして一番の違和感はバストだ。女性のバストってこんなんだっけ、と思わず言った。大きい小さいの問題ではなく、だんぜん形が悪い。あと、像は左手を挙げている、モデルは左利きらしい。向き合った二体の顔といいバスとといい、まったく同じように見えるのだが、もしも同じ型から二体作って並べたのなら手抜きだな。

さて、十和田湖は各自行ってきてくださいというものだからコースの目的地とは言い難い。では三日目の目的地はどこかというと、奥入瀬渓流だ。ところが初日に朝8時から夕方6時までかけて青森に来たことからわかるように、帰りもまる一日かけなければ帰れない。奥入瀬をゆっくり見ている暇はないことになる。なんと、たった30分だ。奥入瀬渓流のうちとりわけ見所となる部分は十和田湖寄りの7、8キロだそうだが、これを歩くには2時間以上かかる。それでは今回のコースはどうなっているかというと、白糸の滝から銚子大滝までのほんのわずかの距離を歩かせるのだ。二日目に宿を目指した時に車窓から見たところでは、渓流の一番の見所は石ヶ戸に近い部分にあり、それに似た見所が白糸の滝近くにもあるという感じだ。石ヶ戸付近が散策できないのは残念だった。この奥入瀬渓流というのは、いくつもの滝もあるが、渓流のところどころに苔むした岩々の間を流れが下る所があり、さながら流水の上の日本庭園という趣に見える。ここをメインでじっくり訪れたかった。

今回のコースの評価。白神山地は名前負けで却下。八甲田は何も見えなかったから評価できず。結局来て良かったと感じるのは三日目の十和田湖と奥入瀬渓流、皮肉にもツアーが力を入れていない部分だった。

**** 覚書ここまで ****

あなたが体験した旅行で良かった所や、逆に良くなかった所など、情報があったら教えてください。


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