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第四の生き甲斐を探します220 書ける時に記録を残しておく 新宿編 [手記さまざま6]

あなたは新宿駅を知っていますか。新宿といえば、昔は副都心と呼ばれるほど発展したイメージでした。でも今は違います。新宿駅の変わりようを見るだけで、それがわかります。

どう変わったか。改善と称して、改悪しています。新宿駅を通勤路の一部としている人の多くは感じているものがあるでしょう。もうずいぶん前から工事中で、JRから京王線へ続く通路は両側が壁になったり通行止めになったりで、昔のダンジョンゲームのような外見です。昔そこにあった店舗は立ち退きとなり、仕事の帰りに土産を買って帰ることもできなくなりました。

そのダンジョン内を、あまりにも多くの人が行き交います。まるで血管内を流れる赤血球のように。お互いがぶつからないようにしているから大きなトラブルは起きないものの、私のように足腰に問題のある人間は正面から来た人を避ける動きが出来ず苦労します。

こういう、人がぶつかりそうな雑踏には力関係があります。基本的に誰もが相手を避けますが、急いでいる時、体が動かない時、避けようとする先で人がノロノロと歩きスマホしていて避けられない時、時として人は相手と対峙しなければなりません。そういう時、仕事疲れで朦朧としている人間は気力負けし、運が悪いとぶつかってよろけます。鬼のような意志で突き進む人間と、盤石のようにその場から動かない人間は、相手の方が避けます。でも私は、そんな勝った負けたのような人生は苦手です。やらなきゃ、やられるけれども、「やった」後はいつも気分が悪いし、「やられた」ら恨みが残ります。

JR新宿駅のホームも異常です。巨大な柱が天井を支えていますが、ホームの末端は狭くなっており、そこに巨大な柱が立っているので人の通れる場所がほぼありません。その狭い場所を電車進入時に人が歩くと危険です。こんな危険な場所をそれとわかっていて作ったのはJRです。この危険な場所で、私は毎回電車の「イス取りゲーム」をしなければなりません。なぜなら私は足腰に問題があるので一時間あまり電車内で立っていることが不可能で、絶対に座らなければならないからです。絶対に座るためにはホームの中程の人が沢山並ぶ場所を避けて、ホームの末端へ行き、その危険な場所でイス取りゲームをしなければなりません。

私はずっと、不安に思っています。いつトラブルが起きるだろうか。私が通勤をやめる日まで、トラブルが起きずにいてくれるだろうか、と。何の因果か早くも私は退職することになり、通勤は本年度限りです。私は指折り数えて、新宿駅を通らなくて済む日を待っています。