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怪電子レンジのその後 [手記さまざま5]

親が東芝に電話をかけた。オペレーターの女性は、電磁波のせいだと言った。だが電子レンジの周囲にそれらしいものが見当たらない。オペレーターの女性は、キッチンの天井に火災報知器が付いていると言った。だが引っ越し後、まだ火災報知器を付けていない。するとオペレーターの女性は、以前の居住者が天井裏に付けていて見えないので、以前の居住者に連絡して確認してくれと言った。親は、以前の所有者は居住しておらずリフォーム会社だと告げた。

私は、話がずいぶん大げさになったと思った。連絡してくれと言われて以前の居住者に連絡する人がいるだろうか。仮に苦労して連絡したとして、火災報知器はなかったと告げたら、オペレーター側のマニュアルでは次にどんな対応をすることになっているのだろう。しかし私には、東芝が本当にそれを望んでいるような気がしない。なぜなら、キッチンを調べもせずに火災報知器があると強引な決めつけをして、それを元に以前の所有者に連絡までさせるのは変だから。本当ならば、火災報知器があると決めつけるのでなく、「キッチンを調査するために人員を派遣しますが、それには費用がかかります。5万円になりますが、よろしいですか?」などと言うのが正当な手順だ。これはひょっとして、顧客を電話口で追い払うのが目的ではないだろうか。

親は電話を切った。その後数時間、電子レンジは1分おきにピーピーピーを繰り返した。夕飯の時間が近づき、試しにこのピーピーピー電子レンジで料理を温めてみた。加熱は可能だった。それだけでなく、ピーピーピーが鳴らなくなった。

結局、電子レンジ内部の回路が前回使用時に何らかの誤動作を生じていたようだ。それが、次回使用時にまたその回路を使う時点でリセットされて直ったと思われる。こうなると、火災報知器の有無を以前の居住者に確認してくれと言ったオペレーターのポンコツ対応は、本当に何とかしてほしいと私は感じた。

最後に残った謎は、電源プラグを抜いてもピーピーピーが止まらなかったことだ。ひとつの仮説として、電源部に容量の大きなコンデンサーがあり、プラグを抜いても電子音程度の「電力をほとんど消費しない動作」は一定時間可能だったのかもしれない。