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第四の生き甲斐を探します86 [手記さまざま5]

自分が探している日本語吹替が商品化されているかどうかは以前に調べたのですが、日本語吹替のない映画のブルーレイを買ったのをきっかけに、念のために再度調べました。結果は以前の調査と変わらずですが、それでも有意義なひとときを過ごせました。

恐るべき衝動と言う名のB級ホラーを、私は今まで無名のB級だと思っていました。ところが調べると、このアホなホラーが各国で上映されたことがわかりました。上映時も、後のビデオ販売時も、各国さまざまなタイトルが付けられたそうです。ネット検索して情報収集したら、各動画の冒頭の映像やカットのしかたに全部違いがあるので不思議に思っていましたが、そういう事情だったのです。タイトルが違えば、冒頭のタイトル表示部分はどうしても編集しなければなりません。長いタイトルは表示時時間が長く、短いタイトルは短くしないと人が読む時に不都合があり、そのさいBGMのカットが生じます。テレビ放送用なのか、そもそもオープニングを省略しているものもありました。だからといってUP主が勝手にカットしたのでなく、本編が始まってからタイトルのテロップが出るのです。

こうやって自分で調査をすると、どんなアホな調査対象でも愛着が湧くものです。私は自分が持っている日本語吹替版をUPしたくなりました。(吹替を探しているからと言って、私が吹替の録画を持っていないとは限りません。むしろ、もっと良質の音声、もっと完全な音声を探しているという事情があります。)でも二つの壁に阻まれました。まず、権利者から怒られるのが恐い。何度も書きますが、自分で字幕を作っただけで捕まった人がいるそうです。私はあれが本当に意外で、驚きで、何をしても捕まるんじゃないかと思い始めたんです。もうひとつは、私がこの映画をVHSビデオに録画したのは、ビデオテープの最後の余白がもったいなくて埋めようとしただけなんです。つまり余白は映画がそのまま入るほど長くなく、私はストーリーがかろうじてわかる程度に短く編集してダビングしました。そんなものを人様に見せたら、期待して見に来た人を怒らせてしまうかもしれない。

こうして自分の録画の公開に踏み切れなかった私は、次の調査対象へと移りました。血とバラという、これはある程度ご年配の方で耽美系の怪奇ものを好んだ方ならばご存じの映画です。今どきの流行りとはずいぶん違う雰囲気なので、若い方には勧めても意味がないでしょう。なんでも、長い間ビデオテープでしか売られていなかったのが、やっと外国で円盤に入れて売り出されたとか。DVDかブルーレイかは存じません。で、調べるとこの映画も複雑な事情があるようでした。英語版とフランス語版があり、普通はこういう時、どれかひとつの言葉で俳優に喋らせて映画を作ってから別の言語でアフレコするんですが、この映画は英語版とフランス語版を別々に撮影したという情報がありました。そのさい細かい所に違いが出たらしいです。ネット上の情報を信じるならば、ラストで女の持つバラが色褪せるシーンのある英語版と違い、フランス語版では色褪せるシーンがないとか。その部分のモノローグも女のモノローグではなく、一連の事件が吸血鬼のしわざだったのか女の精神状態の結果だったのかの解釈が英語版とは違ってくる可能性があるらしいです。

この映画も私は自分が持っている日本語吹替版をUPしたくなりました。ところが頑張ってmp4にするうちに、気づいてしまったことが二つあります。まず、色がとことん薄い。ネット上にある動画のどれよりも、私の録画は色が薄い。これは、古くなったVHSビデオテープからデジタル化したので色情報が失われて色褪せたのと、そもそも放送された映画が色褪せたフィルムだったのと両方の原因があるのではないでしょうか。もうひとつは、私の録画年です。調査の結果、この映画が初めて日本語吹替でテレビ放送されたのは、私がビデオデッキを手に入れるよりもはるか昔、それどころかまだラジカセさえ手に入れていない時でした。私はずっと後年の再放送を録画していたのです。水野晴郎が解説しているから私はてっきり、みんな見ていたナントカ洋画劇場の録画だと思い込んでいました。でもその水野氏が喋っている内容が、ずっと後年の映画の名前を含んでいます。私の録画はどうやら、何度も再放送され、しまいにはローカル局で深夜に放送されるようになった、ローカルな人しか見ていないテレビ番組の録画だったようです。私はがっかりし、人様に胸を張って見せることができなくなりました。

人生は難しいものです。こういう時、無理押しして行動に出てしまうほうが良いのか、それをすると後悔するのか。私は今、第四の生き甲斐を探すほどに元気を失っているので、無理はできません。行動に出るとしても、それはもっと私が元気になってからです。今日は、たくさん頑張って調査した記録を残しておきます。