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石油ストーブの芯を自分で交換した [手記さまざま3]

わが家の石油ストーブが着火しなくなった。燃焼筒を取り外して点火スイッチを押してみると、どうやら点火ヒーターの付近の芯が長年の間に焦げ落ちて、ヒーターが芯にくっつかないらしかった。そこでネット検索したら、石油ストーブの芯は自分で替えられると書いてあった。私は機種に合った芯をネットで購入した。

ネット上のレビューはすごく有難い。用意する工具(替え芯の説明書には列挙されていない)、所要時間、簡単だった所、難しかった所を、レビューする方々が後のチャレンジャーのために書き残してくれている。これがなかったら、私はすごく不安だったはずだ。あるホームページでは、YouTubeに芯取り換えの動画があってわかりやすいと書いてあった。実際に動画を見てみると、なるほど作業の概略がよくわかる。レビューはどうしても文章中心になる。その中にストーブの部品の名称が出てくるが、これがよくわからない。実際に芯を購入すると説明書が同封されていて、そこには各工程の図があるから、その説明書を見た後ならばわかるが、芯を注文してまだ家に届いていない段階では部品の名称はピンとこない。その段階で理解を深め納得するのに、YouTubeの動画はとても良かった。

うちの石油ストーブはコロナの製品で、替え芯はSX-2270というものだ。ネット上のレビューでは作業の所要時間30分くらいと複数の方が書かれている。私の場合は途中で2回困難にぶつかり先へ進めなくなり、そこで時間を取られたので、作業開始から燃焼テスト終了までの全行程で1時間半もかかってしまった。

ひとつめの困難は、ネジが回らないということだった。芯を付け替えるためにストーブの部品をいくつか取り外すが、そのさいにネジとナットを取る。ほとんどのネジはネジ回しで普通に取れたが、ひとつだけサイズの小さいネジがあった。
石油ストーブ1.jpg
これが固く締められていて、ネジの頭の溝に合う大きさのネジ回しでひねっても空回りし、頭の溝が潰れそうで怖かった。頭の溝が潰れたらネジは取れない。力いっぱい押し付けて回してもネジはびくともせず、勢い余ってネジ回しは空回りし、ネジ頭の溝をこすって潰しそうになる。ストーブの芯自体と関係のないこんな所で失敗して終わるのかなあと、少しの間落ち込んだ。結局解決策は、ネジの頭には合わないがひとつ大きいサイズのネジ回しを使った。
石油ストーブ2.jpg
そのネジ回しのほうが持ち手部分のサイズも大きく、力が入りやすい。それを力いっぱい押し付けて回した。

2つめの困難は、引っぱれるはずの棒が引っぱれないことだった。うちの石油ストーブは芯を上げるさいに丸いダイヤルを回すタイプだ。
石油ストーブ3.jpg
その回すダイヤルの回転軸(説明書での名称は「スピンドル」)がある。この回転軸の先には歯車が付いていて、その歯車が芯ホルダー(説明書での名称は「しん押え」)のギザギザと噛み合い、ダイヤルを回すと芯が上がる。さて、いま私は古い芯を取り去りたい。しかし芯ホルダーには歯車が噛んでいるから、そのまま引っぱっても取れない。回転軸を手前に引いて、歯車を芯ホルダーから外さなければいけない。このへんのやり方が替え芯の説明書に丁寧に書いてあって、まず回転軸の近くにある板状のストッパーを指で持ち上げて軸をちょっと引き出す。するとストッパーに引っかかるはずの突起部(説明書での名称は「スピンドルピン」)がストッパーの下に潜るから、これでストッパーを気にせずに軸を引き出せるようになる。後は、片手で芯を押さえておき、もう一方の手で軸を引く。それでうまく行くはずだった。ところが、軸を引いても引き出せない。突起部はストッパーの下にあるから、ストッパーが邪魔なのではない。でもそれ以上引けない。もっと引かなければ歯車が芯ホルダーから外れない。私はただ引くだけでなく、マイナスドライバーを歯車と芯ホルダーの間に差し込んで引き離せないか試した。でも駄目だった。ここで苦戦している間に、人々がレビューしている所要時間30分はとっくに過ぎてしまった。軸を引っぱると何か固い感触があって止まるから、どこかが引っかかっているに違いない。でもどこが引っかかっているのかがわからなかった。私は、こんな所で失敗して終わるのかと、2回目の落ち込みに突入した。10分以上は苦戦していたから、その間ずっと、失敗とストーブの廃棄処分のことを考えていた。何度説明書を読み直しても、軸の回し具合を変えても駄目なので、万策尽きた私はやけになり、どうせ廃棄処分するのなら乱暴に扱おうがどこかが曲がろうが同じことだから、軸をペンチで掴んだまま押したり引いたり駄目もとでガチャガチャやり続けた。そうしたら何かの拍子に軸が今までよりも手前に引けた。歯車を見ると、芯ホルダーから外れたらしかった。こんなことは、もう二度とないかもしれない。引っぱった軸をけっして押し込まないように気をつけて、私は古い芯と芯ホルダーを取り出した。

そこから後は、大きな問題はなかった。説明書はとても丁寧に図入りで書いてある。ただ、回せるはずのネジが回せなかったのと、引けるはずの軸が引けなかったこと。この2つが私を困らせた。


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