SSブログ

随想 [手記さまざま2]

このところ駆け込み需要の影響で財布の紐が緩んだらしい。スカパーでウイラードとベンと恐怖の報酬x2の放送があるので、つい視聴契約してしまった。ベンのテーマが水野晴郎の解説と共にカセットテープに入っていて、「カセットテープ補完作業」をしている私としては見逃せなかったというのが一番の理由だが、それにしても今月は出費が嵩む。どうせ視聴契約したからには他にも沢山観るに限る。でも私が選ぶと他人と違うチョイスになってしまうらしい。アギーレ/神の怒りを見つけた。恐怖の報酬とアギーレと言ったら、ひょっとしてわかる方もいらっしゃるかな。プログレ繋がりだ。恐怖の報酬の音楽はTangerine Dream、アギーレはPopol Vuh。どちらも私が若い頃に好きだったグループだ。そして映画も、少し遅れて視聴した。アギーレのほうは、すごい映画だという好印象をもった記憶がある。ところが恐怖の報酬のほうは、2作あるうちの大昔のほうに好印象をもち、Tangerineが音楽を担当したリメイクの方は好きでなかった。「これならばわざわざリメイクを作る必要がなかったじゃないか」という感想だった。その最大の理由は、ラストのどんでん返しがまるごとなくなっていたからだ。ここまでの話なら、事情をご存知の方は「ああそれなら知ってるよ、ラストにどんでん返しがないのはワケがあるんだ」とお思いだろう。ところがこの記事の方向は、ここから別方向へ逸れる。若い頃の私は、好印象を持たなかったリメイク版のほうの録画は削除し、大昔のほうだけを保存した。当時はそれで良かった。でもそれから長い年月が経ち、私は年をとり、若い頃に嫌ったリメイク版をもう一度観たくなった。昔の思い出として。ところが、今回スカパーで放送されたのは私が若い頃に観たバージョンではなかった。私が観てラストのどんでん返しがなくて不満に思ったのは、本来のラストがカットされて流通したかららしい。そして何年前だかに、ようやく本来の尺に戻った完全版が出て、今はそれがもてはやされているらしい。もてはやされるのは結構なことだし、映画の質が高くなったのはさらに結構なことだ。でも私は昔の思い出を探している。たとえ良くなっても、ラストが変わってしまったらそれは私が探している思い出の映画じゃない。それで私はネット動画を探した。ずっと昔にUPされた色褪せた低画質の動画が残っているかと期待したから。ところが私の思いに反して、ネット上にも完全版があって不完全な私の思い出版がない。人は何かを不要だと思い捨てることが多くあり、時には後から捨てなければ良かったと思う。後から探し求めても、一度捨てたものは見つからないこともある。


コメント(0) 

コメント 0

コメントの受付は締め切りました